回れ!大台ヶ原(大峰山脈伯母峯~大台ヶ原:奈良県)
雨は止みました。しかし、ひどい濃霧です。これは展望どころではありません。
和佐又ヒュッテ前の広場、ふうたろうがテントを張っていたところです。
出発は遅めの7時頃。天気が安定するのを待った結果でもあるのですが、テントの内外がずぶ濡れになったため、片付けに手間取ったのもあります。
しかし、その7時頃、霧の向こうから橙色の光が差し込んできたように見えます。
これから、伯母峯峠に向かいます。再び、山女子どころか人すらいない斜面の道を歩き始めます。でも、昨日みたいに雨マックラじゃないから。
雨上がりの朝は光の芸術です。光に飢えた人も森も、それを思う存分味わうのです。
ここで新伯母峯トンネル方面と伯母峯峠(バス停)に向かう方面とに分かれますが、これからのルートは迷いやすいので注意です。
落ち葉に隠れていたりそもそも道が消滅していたりして、この笙の窟尾根はかなり道迷いしやすいです。ふうたろう、GPSで道を探しながら歩きましたが、危うくわさび谷(山の北斜面)の方に下りるところでした。
笙の窟尾根~七窪尾根(地図の表記)は針葉樹林のルートです。さっき同様、道が判りにくいのでテープを探しつつ歩きます。
単調な尾根歩きになればもう大丈夫。でも、一部急坂もあるので滑落注意です。
今日初の展望です。ここで七窪尾根が終わりです。大峰山の縦走が、終わりました。
このオープンな階段を、油断せず下ったら、車道です。バス停に向かいましょう。思えば、見通しも利かない、道迷いを誘う、実にイライラした道でした…。
階段下りたところの車道とバス通りの出合にトンネルがあります。ちょうどそこで一台の車とすれ違いました。
伯母峯バス停。到着8時49分。和佐又ヒュッテから2時間弱で到着です。
ここにある休憩所は閉まっています。誰も来ないんでしょうね、こんな時期に。当然、山女子どころか人そのものがいませんでした。
大台ヶ原山頂へ向かうバスの時刻は9時40分。これが1日1本のバスです。それまで時間があるので、トイレを済ませ、身支度して、ドラクエでアーバナイズしました。バスが数分早く来たので慌てましたが(バスの中でセーブ)。
塩見岳の鳥倉登山口に向かうバスのように、ハイウェーをクネクネ走り、10分ほど早く山頂バス停に着きました。空は抜群の快晴。さて、大台ヶ原ですよっ!
大台ヶ原山頂を取りに行く前に腹ごしらえです。食堂で650円の山菜ソバを。値段は意外と良心的です。同時に、山バッジもゲット。
荷物をデポしていこうと思っても、置くところもサブザックもないので、テントなども全部持ったまま出発です。まずはダイレクトに山頂目指します。
シカの食害がひどくなっているため、樹木を網で保護しています。この写真を撮っている今も、側でおっちゃんたちが作業に当たっています。
笹と針葉樹に覆われた大地。この植生が、樹林を衰退させる要因になっているそうです。
しかし、台風の影響で樹林が壊れ、その結果笹が生い茂り、幼木が生長しなくなったのなら、それはまた自然なのではないかと、思ったりもする、ふうたろうです。
30分ほど樹林を歩くと、海が見える展望台に着きます。今日は晴れているので見通しがすばらしい。朝一であればもう少し澄んでいたかも知れませんね。
展望台から山頂までの少しの上りで、富士山のお鉢巡りのごとく油断し、かなりバテました。
頂上は木がありません。雲海と周囲の山々が一望できます。
大峰山脈の展望がすばらしい。ふうたろう、あそこ、歩いたんですよね、昨日。
ところで、ふうたろうが今し方堪能していた展望は、すべてこの展望台から。日陰になっている三角点が大台ヶ原の最高峰、日出ヶ岳、ひでえがたけ。
正木嶺は枯れた木が立ちつくす笹原です。広い山頂なので大展望というわけにはいきませんが、マッタリできます。靴を脱いで足の疲れを癒しつつ。
天気次第では富士山まで見通せるそうです。273kmでしたか、距離?
木道を歩いて正木ヶ原に向かいます。ふうたろうの他、観光地・大台ヶ原を歩く人は意外とまばらです。
思ったより平坦な、日出ヶ岳~正木ヶ原。連日の歩きで足の指が痛んでいましたが、何とか歩けます。
ふうたろうが神武天皇の像のところをさしかかったところ、その前に座って弁当を食べていた老若男女(?)4人組に声をかけられました。視線はふうたろうの荷物。4人全員がふうたろうの荷物を担いで、神武天皇の像の前で記念撮影していました。
実はこの方々、伯母峯バス停手前のトンネルで最初に出会った車の人たちです。向こうから気付いてくれたので、ふうたろうも思いだしたのです。これからしばらく一緒に旅をします。
全員分撮っていますが、顔が写っていないのがこのJさんだけでして。
ココアブラウニーをいただきました。Mさんの手作りだそうで、ココアがよく利いていて、かなり美味かったです。
Mお母さんから、他に、りんご・羊羹・ぼんち揚げ(商品名なのかな、これは?)・飴(溶解熱を奪うタイプ)・干し芋をいただきました。乞食ふうたろう。
大蛇嵓(だいじゃぐら)に行くというので、ふうたろうとも一緒。旅は道連れ世は情け。一緒に行きましょう。タクシー運転手のおっちゃん(名前聞かなかったな、Tおっちゃんと仮称しておこう)が息を切らしながらふうたろうに付いてきていました。
大蛇嵓から見えるこの岩は不動返し嵓というようです。大蛇嵓は足場が非常に悪いので、柵を入れずにこの岩を撮る人はそれほどいなかったようです(先まで行くのが怖い)。
MさんとJさん。仲良しふたり。高いところも岩も怖くなさそうですね。
Mお母さんとTおっちゃんの写真もありますが、顔が判別できてしまうので、ふうたろう絵日記のルールに則って載せることができません。
みんなありがとうね、いい思い出になりましたよ。お母さんも、手を引きながらだったけど、先端まで行けてよかったですね。
Tおっちゃんと、農業問題やら山の話などをずっとしながら、途中の吊り橋まで歩いていました。こうして話をしていて初めて、ふうたろうが今していることの意味が解る気がします。
吊り橋のところで、Tおっちゃんは後ろに移りました。ふうたろう(たち)に気を遣ってくれたのかな?…このあと、Mさん・Jさんと、キツツキなど愛でながら歩きました。ふたりの名前を聞いたのはこの時でした。
あっという間に駐車場。足の痛みもキツい階段も、みんなのお陰で辛くなかったよ。
3日間の靴下を替え、スリッパに履き替え、旅のゴールに備えました。
最後、大台ヶ原に来たという記念撮影。ふうたろうのカメラではふうたろう自身は写さなかったけど、みんなのカメラには写っています。ありがとうね、仲間に加えてくれて。
元気いっぱいのふたり、レンズの中心はやっぱりそこに向かうんですよね。いや、ふうたろうがエロイだけか。
記念撮影が終わって、みんなとお別れしました。温泉に浸かって、大阪まで帰るとのこと。ふうたろうはバスを待っています。
最後に自動販売機で買ったぶどうゼリージュースが、人工甘味料漬けだったのは、オチです。
帰りのバスで、今度は横浜から来た兄ちゃんと出会い、近鉄電車までずっと話していました。夜行バスで行き来して、明日の朝直接出勤だそうで。すごい勇者ですな。植物の研究をしていたらしく、西表島の話などを聞かされ、行きたくさせられました。
久しぶりの道連れ登山でした。帰りは所沢着が23時57分と、猛烈に疲れる帰路でしたが、みんながくれたカイロが温かかったです。本当にありがとう。
#62大峰山脈八経ヶ岳クリア。
#63大台ヶ原クリア。
天気:快晴、朝のうち霧(奈良県吉野郡上北山村・川上村・三重県多気郡宮川村、移動中は含まない)