Home > ふうたろう旅日記 > 強行札所巡り(秩父札所巡り:埼玉県)

強行札所巡り(秩父札所巡り:埼玉県)

2010年 6月 20日

 気持がしょげていて、こんな曇り空の北秋津展望台の写真1枚で終わり。
 まあ、朝の段階では少なくともそういうものだったかもしれません。でも、そんなことを言っていても始まらないので、とりあえず、外に出てみましょうか。


 行き先はこの地図を見ると、秩父。もはやこの辺りに登る意欲を湧かせる山はありません。なぜなら、山頂近くまで車道が通っているから。
 そこで、今日は少し趣向を変えて、レンタサイクルを利用した旅をしてみようかと思います。しかし、レンタサイクルでどこを、あるいは何を、目標にするか。散歩の過程を楽しむとはいえ、目標のない旅は疲れます。なにか目標になるものはないか…。
 ん?この鐘マークの数字、何だ?


 西武秩父駅を出てからすぐの時はまだ悩んでいましたが、足はレンタサイクルの場所に向かっています。
 空は曇っていますが、むしろ既に気温が30℃弱まで上がっているのに晴れていたら地獄ですから、ちょうどいいです。


 この数字はどうやら、秩父札所の番号のようです。合計34個。しかし、今日中に34個を巡るには恐らく100km以上漕がないとだめで、7時間ほどの時間で100kmは直線でもない限り不可能です。せいぜいいけて30個ほどでしょう。僻地にある4つほどは今日はパスということで。
 まあ、チャリだから、70kmくらいは余裕だろう。


 T15("T"は"Temple"のTです)、少林寺。ここがふうたろうの札所巡りならぬ、ハイパーオリエンテーリングの最初のポイントでした。


 次は地図からして11番。車通りの多い道を通って、その脇。


 T11、常楽時。


 墓場から街が見下ろせる…。


 次に向かうのは10番。
 タチアオイの花が真ん中くらいまで咲いています。上まで咲ききると梅雨が明けると言いますが、どうなるのやら。


 あっさり10番札所まで。こんなにあっさり着いてしまったら、あとは楽すぎるんじゃないか。


 T10、大慈寺。


 そのまま北上し、T3、常泉寺。自転車かっ飛ばすのが爽快でしょうがありません。
 寺でハイパーオリエンテーリングというのは、ちょっと寺に申し訳ない気もしますが、ふうたろうのリハビリということで、助けてもらいます。


 常泉寺の蓮池はなかなか。
 しかしこの写真、月山の本道寺コースのフキのヤブみたい。


 横瀬川を渡り、1番に向かいます。若干暑さが厳しくなってきました。


 T1、四萬部寺(しまぶじ、と読むらしい)。今回の最北端ですが、34番を見ればこれは全然中心位置です。


 何か並んでいますね。


 木のお地蔵様ですか。風雨にさらされて朽ちているお地蔵様もいますね。


 さて、次は2番。この辺りから、ふうたろうの高くなっていた鼻先がへし折られる機会が増えてきます。暑さ、この雲量なのにヤバいです。


 (× Д×)
 暑い、坂がキツい…。
 これ、なめてかかっていたので、相当こたえます。


 ぬおおーーーっ!まだかー!!


 やっと見えた2番の指示板。死ぬかと思った。


 T2、真福寺。がんばって登ってきたのに、ちょっと寂しい。でも、この寂しい感じがいいと思うときもあるので、これでいいのでしょう。
 っていうか、水道の水が美味かった…。


 これはジシバリ(キク科)ですかねえ。


 嗚呼眺めがいいな(棒読み)


 しかし、あれだけ苦労して登ってきた分、下りは爽快です。


 沢沿いの道は涼しいので、チャリでぶっ飛ばしていると、汗をかきまくった身体には寒いと思うときさえあります。


 真福寺の納経所といわれるところが別にあるようです。納経ってのがよく解りませんが、とりあえずこの光明寺と一緒に来ないと、2番をクリアしたことにはならないということですね。


 そのまま南下して4番に行きましょう。2番のおぞましい坂を味わえば、もうあとは怖いものなんてないでしょう。


 T4、金昌寺。大きなわらじがあります。伊豆ヶ岳から縦走したところにあった、子の権現天竜寺みたいなやつ。


 できた当初は鮮やかだっただろうに、今は朽ちてボロボロ…。


 お地蔵様、首がなくなっているのとかいます。折れた瞬間というのがあるのでしょうけど、いつどうやって折れるのかなあ。


 次は5番。


 T5、語歌堂(ごかのどう)。納経所というのがまた別にあるようです。


 語歌堂の納経所になる、長興寺だそうです。納経って何だ?


 六地蔵。サルビア(?)の花とか真ん前に生けられていたり。


 次は7番。田んぼ沿いのアップダウンを行きます。


 棚田と奥武蔵の山々。


 5番から7番はそこそこ離れています。まあ、アップダウンですからね…。


 T7、法長寺。あまり目立つものはなかったので、サクッとスルーしました。


 次は6番。この坂をチャリ押して上がる気力はないので、この札のところにちょっと止めて、チラ見していきます。


 T6、卜雲寺(ぼくうんじ)。
 ふうたろう、特に信心なんてものは全くないのですが、お寺の存在というのはとてもありがたいと思うのです。この雰囲気には、街中の公園なんかよりもずっと癒されます。


 8番に向かうのですが、6番を出てすぐ、観光農場なるものが。そういえば、農地も公園的な存在かもしれませんね。


 未熟なぶどう。これは巨峰かピオーネかそれ以外か。


 T8、西善寺。「物見遊山の方お断り」みたいなことを書いてあったので、とりあえず入るのを遠慮しておきました。まあ、これだけ寺があると、色々ですな。


 すぐ近くに、蕎麦屋がありました。秩父、チャリで走っていると、本当に手打ち蕎麦屋がメチャクチャ多い。


 注文しました。もう14時前ですからね、さすがに若干ハラが減っています。
 食後、店をやっている老夫婦と少しだけ政治談義をして、ごちそうさましました。
 そういえば、レジ打ちを4回も間違ってたな。「また1050って打っちゃったよー」だってさ。


 メシを食っても、暑さからは開放されるはずもなく、アップダウンの道を越え、9番にやってきました。


 T9、明智寺。サッパリした境内、ですね…。


 次は12番を目指します。横瀬駅前を通過。


 (×Д ×)グハッ
 また急坂だ…。
 羊山公園の丘を越えていくのです。


 成長点付近が赤い、アカザ(アカザ科)。余談ですが、ほうれん草もアカザ科なんですよね。


 羊山公園の横の下り坂をすーっと下ってきたところに、また秩父市街を眺められるところが。車通り多いけど。


 牧水の滝だって。


 …。水はどこから供給されているんだろう。


 12番、細い道をすり抜けていきます。


 12番の手前あたりに、マウンテンバイク族がたむろっていました。札所巡り、してるのかな。


 T12、野坂寺。だんだん何を撮ったらいいのか判らなくなってきました。お寺の知識なんて全くないので。


 表情豊かなお地蔵様。6体おわします。


 瓶や石造りの蓮池がたくさんあります。7~8月になると蓮がきれいなんじゃないかな。


 12番から次は26番を目指します。距離があるように見えましたが、平坦なのでいつの間にか着いていました。


 T26、円融寺。ここもかなり老朽化が激しい。そういう感想しか出てこないのは悲しいけども。


 しかし、この26番札所、2番と同じように、たこ足境内です。岩井堂という奥の院に当たるものが、離れたところにあります。離れたところって、どこ?まさかあの、奥の霞んだギザギザのところとか?


 とりあえず、昭和電工の工場の敷地を抜けて…


 また坂か!(゚Д゚;)


 (☆Д―;)ごわっ
 また階段か。204段あるとか、昭和電工の正門でもらった紙には書いてあったようだけど。
 上が見えねぇ…


 登り詰めてもまだ上があるっぽい。木の間から建物が見えている気もしますが。


 さすがに、山の中に建っているだけあって、いい感じです。長い階段を登った甲斐もあるというものです。


 階段の下のところにチャリを置いてあるので、ピストンです。


 昭和電工の敷地を通ってきました。


 次は27番。26番の岩井堂のイメージが強すぎて霞みそう。


 T27、大渕寺(だいえんじ)。フィリピン戦没慰霊とか書いてある立て札がありましたが、何だったんでしょう。


 戻ってくるときに初めて気が付いた、延命水。湧き水はとてもありがたいので、空いたペットボトルに詰めていきました。


 秩父鉄道の単線を上から見られるポイントが、28番に向かう途中にあります。たまたま羽生行きの車両が通りかかる頃で、カメラを抱えた鉄ちゃんぽいのが一人居ました。


 渡る陸橋を一本間違えて、改めて正しい道を歩んでいますが、なんか、寺巡りという道ではないような…。


 とか言っても、着きました、T28、橋立堂。
 ここ、2008年6月1日に武甲山に登ったときに立ち寄りましたね。


 当時も見た、茶屋。


 ソフトクリームでも食いましょう。


 薄日が差しています。雨は降らなさそうです。


 29番に向かいますが、また道が険しくなってきました。チャリのアップダウンは歩きに比べても格別厳しいのです。


 浦山ダム。決壊したらどうなるんだろうな。
 …なんてことを考えている余裕はなく、目の前にある上り坂に必死のぱっちです。


 やっと29番。あ"ー疲れた。


 T29、長泉院。庭園が立派に整備されていますが、何というか、ふうたろう好みではありません。整備に金がかかっているので寄付をと書いてあったので、とりあえず箱に端数の小銭を入れておきましたが…


 30番まで行ってみましょうか。まあ、ここまで来ればすぐに着くでしょうと…。
 ソバ畑もきれいですし。


 良いですね、ソバ畑。赤い花のソバも長野県で見たことがありますが、壮観です。


 しかし、全然近づいてこないな、この30番札所。
 …どうも、札所巡りのガイドマップの縮尺が違うようですぞ。確かに、昭文社の地図を見ると、7~8kmはあるみたいで。


 暑さとアップダウンのロングコースにあえぎながら、何とか30番札所の分岐まで来ました。


 (゚Q ゚;)ドウッ!
 ロングコースの果ては急坂かっ!コレは死だ!!


 T30、法雲寺。ロングコースの果てに着いたお寺、山のときと同じ感覚ですな。
 なお、ここもなかなか立派に庭園が造られています。


 でも、それほどゆっくりもしていられない。もう17時。18時半にはチャリを返してほしいと言われているから…。


 法雲寺までの坂がえげつなかったので、下りは爽快でした。そして、下ってきたときに初めて、法雲寺への分岐が白久駅だったことに気が付きました。


 これから、荒川を渡ります。


 もう三峰口駅がすぐそこというレベルの場所。あれはたぶん秩父御岳山の辺りじゃないかな。


 31番札所も、北上すれば存在しますが、どう考えても体力的にも時間的にも無理なので、そのまま西武秩父方面に向かいながら、残りを拾っていくことにします。もっとも、最初から30番までのクリアということではあったのですが。
 荒川を、秩父か移動で再び右岸へ。


 そしてもう一回、荒川を山手の道で渡ります。


 西武秩父方面を荒川の上から見ています。霞んでますね。


 (-Д-|||)ゲッソリ
 また上り坂か。まあ、予想はしていたが。
 なお、これからしばらく、このアップダウンが続きます。


 実は、当初の計画で25番を訪れる予定ではいましたが、30番を回った時点で身の程知らず度を思い知らされたので諦めていたのでした。ところが、何となく着いてしまいました。


 これはユキノシタかな。大量に咲いています。


 T25、久昌寺。さっきの門とこの本堂の間に釣り堀があったりして何となく興ざめというか。


 このまま進めば24番もイケます。


 (☆Д ☆;)だぶっ!
 またかよ!
 お寺巡りはやっぱり修行なのかなあ。


 T24、法泉寺。もう時間も18時前ということで、誰もいないし、お清めの水さえ止まっているし。


 よく見たら各札所にいるこの少年、白目剥いてますね。嗚呼、ふうたろうとおんなじですね。


 晴れていたら、この階段の上からは武甲山が見えるでしょう。


 隙間からメニュー表を見ると、巡礼カツ丼って文字が見えるんですけど。巡礼を付ければ何だってアリか。


 佐久良橋(「さくらばし」とでも読むのかな)を渡って秩父市街地に出ます。24で終わりといいたいところですが、14と13も拾える場所にあるので拾っていきます。


 荒川が北上します。


 T13、慈眼寺(じげんじ)。あれ?14番札所は??
 …道が解らないまま進んできたので抜かしてしまいました(滅


 18時頃にレンタサイクルを返し、少しオーナーと札所巡りの話をして、西武秩父駅。塩っ辛いマイタケご飯を550円で食って、電車に乗り込みます。
 駅の跨線橋に札所の絵が描いてありましたが、今日こうやってハイパーオリエンテーリングやって初めて在ることに気が付きました。日頃如何に関心を持っていないかという表れですな。


 …というわけで、30くらいイケるだろうとタカをくくっていたふうたろうでしたが、21個で限界という話でした。
 いや、あの坂の上の寺、2と26と30の各札所、本当にしんどかった。それに29から30に向かう道の長さは、今回の心持ちでは絶望しかかった。そして何より、猛烈に暑かった。
 …楽に散歩する程度だったのに、ガチハイパーオリエンテーリングになってしまった。
 それでも、意外といい旅をしたなあと思います。山旅に匹敵するものです。


天気:くもり(埼玉県秩父市・秩父郡横瀬町(昭和53年では村)・荒川村、電車等での移動中は含まない)

Comments are closed.