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廃墟を越えて(竜爪山【郷島~賤機山縦走コース】:静岡県)

2013年 2月 11日

 昨日、ずいぶん9日付の日記を書き上げるだけで時間がかかってしまいまして、寝るのが遅くなりました。しょうがないので1本バスを遅らせ、出発です。不必要な荷物を泊まったホテルにお願いして預かっていただき、まずは静岡駅へ。
 今日の目的地は竜爪山(りゅうそうざん)。300名山ではないけど、この近郊で少しでも登るのであれば、これが最善です。ふうたろうの闘いはまだ20年以上続くのですから。


 静岡駅前のバス停でインスタント焼きそば(焼いて(略))をイナヅマ食いし、横沢行きの7時42分のに乗り、郷島(ごうしま)バス停で下ります。ふうたろうの目的とする場所であれば、「郷島宮前」で下車するといいかもしれません。


 地図にない道がぽろぽろあるのはデフォルトですが、大雑把に見当つけて登ります。こういうときに頼れるのは、尾根と谷の地形でしかありません。


 この臨済宗のお寺のマークは地図にあるので、一応正解…。


 どうも、地図の破線はこの先に繋がっているようですな…


 崩壊した櫓。


 かつては通った人がいるように見える場所です。浸食などによってかなりえぐれていますが。


 尾根に上がります。でも、ここは微妙に道ではありません。



 廃道というか、山林そのものが荒れているので、道も変わってしまっているのでしょう。それでも、進むしかないときは進むしか…


 急坂にさしかかります。樹林帯の中の、辛うじて見分けられるかどうかのレベルの道を進みます。


 尾根伝いに急坂を登るとはっきりした道に出てきましたが…なんだか様子が?
 どうもここは廃茶畑…


 坂を上がりきったら、右(東)へ。しばらく緩やかなアップダウンを繰り返します。


 廃茶畑のヤヴです。見捨てられた畑は雑草でイッパイになるのが普通だけど、茶畑は伸び放題。


 倒木や枯れたシダで道がふさがっています。これはひどい…


 この杉林の中も、雑木が生えてきています。管理は行き届かない…


 それでも、木は伸びてゆく。


 樹林帯を抜けて開けた場所に出ました。


 でも、開けた場所というよりも、本物のヤブというか、様子が…?


 どうやら、地図を見ると、ここは茶畑だったようで、そう言われると、確かにチャノキです。しかし、農作物の「茶」ではなく、生物としてのチャノキとなっています。


 荒廃したトタン小屋の中からチャノキが生えています。まさに農地の廃墟です。


 程なくして、なんだか工事現場に出てきました。


 自然歩道を断ち切るように林道が通っています。これが森林の管理に繋がるのであればいいのですが。


 重機が置き去りに。っていうか、置いてあるだけか。


 倒された木の上に立つと、廃茶畑の彼方に南アルプス深南部の山々が見渡せます。
 ああ大無間山を思い出すなあ(ヴォー読み


 さて、先に進みますか。
 しかし、やはりふうたろうが登ってきた道(郷島)は見捨てられているという件。


 樹林帯の急坂を上がります。特に植林地帯は長く歩きたくはないですね…。


 伐採地からは少し展望があります。


 竜爪山(りゅうそうざん)の主稜線まで上がりました。これから竜爪山の最高峰・薬師岳を目指します。


 改めて不思議に思うのですが、国有林などでない限り、ここは個人の土地であり森林のはず。登山者のために開放された区域ということになります。それとも、登山道の部分だけは市有地?


 植林地帯を少しでも外れると陽が林床まで差し込みます。でも、実は今、風がかなり強く、気温も高くなく、かなり寒い。


 薬師岳100mほど北に下ったところに、東側・穂積神社コースの分岐があります。そこから富士山が遠望できます。


 さ、ちょっと休んだら、薬師岳へ。竜爪山だけサクッと登って下山するほど、ふうたろうの山は甘くないのです。先は長いですぞ。


 薬師岳山頂は樹林帯。人によってはクソゲーっぷりに嫌気さすのかもしれませんが、こういう山があってもいいではないかと。


 しかし、かなり寒い。日陰で風強くて、木に掛かっていた温度計は-2℃だったそうです(人が言ってるのを聞いてそれっきり)。11時回っているのですがね。


 竜爪山は双耳峰と言ってもいいのでしょうか。もう一つ南側にある文殊岳と一緒に、まとめて竜爪山と呼ばれるようですが。当然、行きますよね、虫に嫌気さしてあきらめた鹿島槍ヶ岳と違って(じと目


 文殊岳へ向かう途中、樹林の隙間から駿河湾と清水市(現・静岡市清水区)が見えます。


 竜爪山、なかなかいいハイキングコースですな。ふうたろう1000名山(仮)に向けて爆走中にふさわしい(笑


 そして、文殊岳到着。郷島バス停出発から2時間58分。まあまあでしょうか?見捨てられた道を通った割には。


 この山頂は何となく金時山(神奈川県)を思い出しますが、あのごうつく茶屋がないだけで全然いいわい(じと目
 …まあ、事情があるのかも知れんけどな(ぺっ


 それより、何これ。南方向への縦走、できへんってことでっか?まじ?


 山頂三角点のある場所からダイレクトに尾根を下ろうとすると、遭難します。南東方向の休憩所から道が2本に分岐しているので、さらに稜線南下を目指すなら、右方向に進みます。


 文殊岳の山頂は日当たりも展望もいいので、本当に多くの人が集まっています。地元の高校生か何かの山岳部もハイキングに来ています。


 南下コースは若干わかりにくいですかね。通る人もほとんどいなさそうだし。


 でも、通る人もほとんどいなさそうなところがいつもふうたろうの歩く道ですから。


 人がまたいなくなりました。
 ああ静かだなあ(棒読み


 牛妻。確かに、牛妻という地名はあるけど、そんな近所に下りるわけにはいかないのだよキミ!(何


 ふうたろうの道はあくまでも険しく楽しくけたたましく(ぇ


 …でもね、ホントは今日、そんなに明るい気持ちでこの山に登っているわけではないのです。昨日・一昨日の総会は、何かにつけてふうたろうに重い課題を突きつけましたから。それは、さっきの廃茶畑を見ても明らかですが、長い道のり、そんなもんじゃ済みませんから。


 空の明るさとは裏腹に、憂鬱な気持ちを抱えつつ、あの峰を見定めて歩く。


 鉄塔があって、その部分は木が被って事故が起こらないよう、伐採されています。


 鉄塔あるところ展望あり。


 ところで、この指導標、100mに1本あります。


 地図を見ると、ここで尾根沿いにまっすぐ行くと、下界に強制送還されます。


 このいかがわしそうな道に進むのです。


 うん、実にいかがわしい。


 指導標もかなり古いものになっています。


 道は低木に覆われかけています。


 この辺り、地図とコースが違います。


 指導標もあると言えばあるので迷わないとは思いますが、地形図を読めるに超したことはありません。


 そこの赤テープに、「くじら」と書いてあります。「鯨ヶ池」のことです。


 ここでこの道唯一、人に出会いました。おっちゃん曰く、この道を歩く人はずいぶん減ってしまったそうです。理由は、新東名高速による登山道の寸断。ふうたろうはまさかと思いましたが、それは自ずと明らかになることです。


 人が歩かなくなれば道は荒れる一方。家も住まなくなればどんどん壊れていきます。まさに山の廃墟。


 地図にある方の道は崩壊していているのか、上記のようになくなっていて、下りきったところで合流するようになっていました。


 登る側の人にとってはこれは良いけど、下る側にとってはなかなかシビアなところに、この指導標は、ありますね。もっとも、これがなくても、ヤヴや倒木や雪岩崖その他に阻まれない限り歩けるのがベターなんですけども。


 道は小ピークを通過せず、西側斜面を巻くように下っていきます。そして、いきなり東側にぐいっと曲がります。でも、「くじら」と書いた赤テープはまっすぐ方向にあります。テープを信じて歩くと、プチヤヴこぎゾーンでした。


 そして、結局新ルートと合流しました(じと目


 おそらく、理由はこれでしょう。森(即ち道)が荒れています。間伐した、にしては、荒れています。土砂崩れで木が倒れた感じではなさそうですが、もはやここまで木を切りに来て運んでも採算が取れないのではないですか?輸入材に圧されて。
 →森林・林業学習館ホームページ内
 藤枝のバスの運転手も、一昨日の総会のグループディスカッションでも、そんな話になっていました。


 それでも、チェーンソーで切ったような痕だったので、管理した結果があれだったのかと思ったけど、広葉樹の雑木がこれほど大きくなっても伐採されていないのを見ると、これは林地の廃墟なのでしょうね。


 ここも見通しがいい、と思ったら、廃茶畑でした。つる性の雑草に覆われて見る影もない。
 →「静岡茶いち」お茶.緑茶.日本茶の通販(通信販売)産地直送
 茶畑の荒廃の原因として、輸入が増えている、という分析をしている人もいます。


 竹林のトンネルを抜けていきます。あの向こうに見える光は、天国か地獄か(何
 そういえば、管理されなくなった場所に竹が入ってくると厄介なんだと、一昨日のバスの運転手もいっておりました。


 突如、まだ生きている茶畑に出てきました。みんな、茶畑の美しさを見るときは、これを見るのですよね。


 ふうたろうは、その茶畑の端っこを失敬して歩かせてもらいます。


 そういえば、青年部部長の茶畑の話の時、化学肥料と地面の固さの関係について話を受けましたが、登山靴の厚底を通してちょっと感じてみようではないかと思ったところ、化成肥料の粒がもろに見えていました。ここまで化成肥料がはっきりわかるほどの畑は、昨日までには見ませんでしたね。


 とても美しい茶畑の風景です。でも、この風景の中には、見えるところ、見えないところにたくさんの影が潜んでいるようです。
 →農林水産省 茶をめぐる事情
 これを見ると、間違いなく国産茶の価格は、一番茶~数番茶まで軒並み、低下しています。二番茶は半額近くになっているときもあります。収入が半分になるとすれば、それは一部放棄も止むなしでしょうね…。
 緑茶や紅茶などの缶やペットボトルは増えている一方で茶葉は減っていく。では、缶やペットボトルの原料茶葉の価格は…?


 景色は恐ろしくきれいなのに、歩いていてこれほど寂しい思いになることはそれほどありません。もちろん、茶や杉を取り巻く現状がひどいこともありますが、何よりも変える展望がないのが、苦しい。


 …ふうたろうは進むしかありません。山は歩いてナンボの世界です。歩くから光も影も見える。桜峠目指して、進むのです。


 美しい茶畑、さらば。


 元々は物資を運んだり処理したりする軌道や小屋だったのでしょうけど、今は山中の廃墟。もう、これをこのコースでいくつ見てきたでしょうか。


 ここも、過ぎた後で地図を見れば、元茶畑。


 ここもそうかな。それとも、ミカン畑だったかも知れない。


 少なくとも、何かの生産活動が行われていた場所であることは解ります。


 登山というよりも社会見学の様相を示していますね。ふうたろうの山行はいつもそうなのです。


 ここで、尾根道か巻き道かに分かれますが、とりあえず展望へ望みをかけ、見栄を張るために尾根を進んでみます。


 そしたら、マックラな場所だったという罠。


 ここも右側が茶畑です。


 さらに進んでいくと、ミカン畑に出ました。しかし、このミカン畑、どこにどうやってルートを敷いているのでしょうか…?


 どうも、この軌道に沿って歩け、という指導標の表示ではありますが…


 相当歩きにくいッスよ(じと目


 今日一番の難所とも核心部とも言える場所に出てきました。本来なら、ここをそのままおおむね尾根伝いに進めば道は開かれるはずですが…


 写真右手を走っている新東名高速で登山道どころか、山が完全に寸断されました。さっき行き違ったおっちゃんもそれを嘆いていましたが、これはもはや登山者だけの問題ではないでしょう?


 鉄格子の向こうにふうたろうがこれから向かうべき道があります。


 この階段がお為ごかしのようにつけられているような気がして、無性に腹が立ちます。


 「立ち入り禁止」
 何をエラそうに!…という思いをぐっとこらえながら、迂回路を探します。


 眼下には住宅地。ここも三田のように、ちょっと前まで畑や田んぼだったのではないかとか思ったりもしなくないけど、それは調べてみないと何とも。


 強風にあおられながら、道を探します。鉄格子に阻まれ、当然高速道路という巨大な障害物にも阻まれ、進めません。


 確かに、トンネルを掘れる地形ではありません。個人的には、黒部湖の渡し船のように、簡単な橋一つくらいかけるくらいの「代替物」はあってもいいのではないかと思います。


 道をショートカットできるよう、階段がついているところもあります。


 高速道路と、その上を走るクルマとを、だまって眺めながら迂回路を辿ります。


 おそらく、高速道路を走っているクルマからは、この場所もこのふうたろうも、まったく見えていないでしょう。きっと、ふうたろうが逆の立場なら、同じだと思うからです。


 高速道路の下を潜るようです。


 この橋脚に使われているコンクリートを作るために、どのくらいの石灰石を掘り出したのだろう。その石灰石を掘り出すために、またどのくらいの山を切り崩したのだろう。
 今回の山行は、いつになく厳しく、重い。


 高速道路を潜って、縦走を続けます。もう、このまま鯨ヶ池で下山してしまおうかとも思いましたが、ここでやめたら負けのような気がしました。


 鉄網に囲われた山。


 悔しいと思うのはふうたろうだけではありませんよね。これ見よがしに貼り付けられた案内板を見てそう思います。


 ハイカーが落とす金なんてはした金なんでしょうね、高速道路ムラにとっては。


 さて、いつまでもこんなところに居たくありません。先に進みましょう。それでなくとも迂回でかなり時間を取られました。


 かつての道はどこに続いていたんだろう、どうしても探してしまいます。


 高速道路を背に進むとこの黒いシート。除草用のシートらしい。


 ここが桜峠でしょうか。
 でも、峠よりも前に人為的に掘り起こされた大きな谷があったではないか…


 「ゴミをすてないでね」
 ああ、俺は山にゴミなんかすてないよ。捨ててるのを見ると、拾いたくなるし、拾うことも多いよ。それよりも、ゴミの投棄を心配する暇もないほど山が壊される日が来ることが心配だよ。


 坂はきつくないし、景色もいい。でも、歯を食いしばる。


 もう、あの高速道路については、何も言うことがない。今心の中を漂うのは滅びの願い。これほど情けない感情を抱きながらの山行は希にですらない。


 先に進みましょう。まだ地図の縦の長さよりも長い距離、歩かねばなりませんから。


 左側のは違いますが、右側のは荒れた茶畑です。


 新東名高速道路のすぐ南側には新興住宅地が広がっています。


 指導標に「浅間神社」というのが出てきました。…が、それはどこのことなのかさっぱり解りません。実は、このまま南下しても、賤機山山頂までの地図しかなく、それより先、静岡駅までの地図がありません。ちょうどここでばったりと出会った爺ちゃんの話によると、浅間神社はこの尾根を下りたところに当たるらしい。


 道はいったいどこへ続いていくのか、何となく地図で見当はつくものの、入り組んでいてめちゃくちゃです。まっすぐ、ミカン畑を突っ切ってみましょうか。


 ミカン畑を抜けたら車道でした。しかし、展望はなかなかいいようです。


 住宅地。


 しかし、この車道に下りてくると、尾根道に復帰できなくなりました。地図に出ている枝道は全部フェイク(滅


 地図で示されているルートがないというのは、実はとても大変なことなのです。特に、他人の土地だったりして入れないとかは、崖にぶち当たるくらい大ピンチです。
 今回のパターンは、ミカン畑(他人の土地)で、しかもところによりヤヴ過ぎるという件。


 それでも、車道歩きは車道歩きなりの良さがありますよ。山の景色がきれいだというだけなら、ふうたろうに山を歩く意味があるのかどうか。
 たとえば、これなんて不思議で、静岡市の中心は右側ですが、なぜか奥の方が住宅が多い。なぜでしょうか?
 土地が安い(安かった)→新東名開通→土地の値段上がる→宅地屋が儲かる…みたいな?


 …とにかく、今回の山行は悲しすぎる。決して来なければ良かったとは思わないのですが、見ていて痛々しいのです。ただ、それでも目は背けたくない。
 たとえば、これは山地にミカンが捨てられています。所有者が所有者の土地に捨てているので不法投棄に当たるのかどうか知らないけども、こんな扱い方があろうか。柑橘類の農家戸数の減少の割に価格はそれほど上がっていないとすれば、農家としては処理費用も馬鹿にならないのかも知れないけどね。
 →みかんの変遷 (全国の栽培面積・生産量・価格の推移)


 この景色の中に、地図にない道路があります。何かのバイパスのようです。ふうたろうが立っている山の下を通って後ろ側に抜けているようです。


 …これは、これはいったい何をしたい?確かにこの地形だと静岡市中心部を通らないと安倍川には抜けられませんが、あっちに抜ける需要はそもそもどのくらいあるのか疑問があります。あえて、不必要とは言わないでおきます。


 どんなにさわやかな道でも、見えるもの一つ一つの影が大きすぎます。今日の山行はホントに凹むわ。


 日が徐々に傾いてきています。今日はあの彼方に見えるビル群、静岡駅まで行くのです。忘れそうですが、今日のは社会見学ではありません。山行です。


 あそこに見えている台地状の場所は日本平かな?言ったことも調べたこともないけど…(後で調べたらやはり日本平のようです)


 ミカンに西日が当たる。
 長かった今日も終わる。


 やっとここで稜線ルートと合流です。上の景色はどうだったのでしょうか。下を歩いたふうたろうに知るすべはない。


 この尾根線は場所によっては尾根のトップまで畑です。農地を歩かせてもらっている形になります。


 ここも元はお茶畑だったのでしょうか。それとも違うのでしょうか。


 ふうたろうもそんなにのんびり歩いているわけではありません。確かにいつでもエスケープできるという慢心はありますが、あくまでも賤機山(しずはたやま)経由で静岡駅目指すという態度は変えずに進んでいます。


 細かいアップダウンはありますが、大丈夫。荷物軽いから…。ホテルのフロントにお願いしたら預かってくれたので助かったのですよ…。


 一旦車道に出て、またコースアウト(?)します。賤機山まで、まだ1.5~2kmはあるんじゃないでしょうか。


 車道→山道→茶畑というサイクルを繰り返します。時々順番が入れ替わります(何


 茶畑の風景です。西日の関係でふうたろう自身の影が入ってしまいますのでずらしています。アングルが好ましくないですね。


 こちら安倍川沿いの町並み。梅ヶ島温泉(八紘嶺や山伏岳方面、いわゆる安倍奥)にいくときは今ふうたろうが立っているところを見上げながらバスが進んでいきます。


 茶畑と富士山。静岡県らしいですか?午前10時頃に撮影しに来るといいかもしれませんね。


 「茶の木をいためないで下さい」
 ああ、もちろんだよ。農家との信頼関係でここを通れるようにしてもらっているのはよく解るから。


 ここをハイキングコースにするとき、農家との交渉が行われたのでしょうか。こういう看板を見ると、そんな気がしてしまいますね。だから、ゴミが落ちてると、ことさら放置できません。


 登って下ってを繰り返します。賤機山はどこだ…


 賤機山の三角点より先の地図(静岡東部)が欠けているので、その先の様子がわかりません。指導標があるので道迷い遭難ということはないでしょうけども。


 農作業をする人のための道を歩いているという感じです。


 休憩所が各所に設けられています。ゴミをすてないように、との看板がそこかしこにあります。当然ですよね、これだけ看板を置いてもゴミはかなり落ちていますから。ポケットからこぼれ落ちるパターンがけっこう多いとは思いますけども。だから、秋田駒ヶ岳乳頭山付近のようにイラつきながら拾うことはありませんでした。


 ここが賤機山山頂、でしょうか?城があったそうですが、今は跡の面影すらなし。


 ミカン畑の側道辺りから行き交う人は徐々に増えてきまして、賤機山近辺になるとほどほどに居ます。ここは公園を散歩するかのような感じで歩ける場所だと思いますが、ふうたろうはいったい何km歩いてきたのか解りません。しかも、精神ダメージが特に今回はデカい。


 もう16時45分。あと1時間前後で日は暮れます。


 ここはおそらく、140.0mピーク。ここまで来れば下山も同然。…とかいってると、階段辺りですっころぶので気をつけましょう(じと目


 地元の人にとってはただの公園なのかな。とりあえずふうたろうは山行ルートの中の一部として撮り続けていますが。


 展望台にベンチがあります。もっと時間が早ければ、ここ辺でマッタリしていきたいですね。


 富士山と静岡市民たちの住む町が見えます。


 階段をスッタカスッタカ下りていきましょう。


 そして、竜爪山の廃茶畑を這い上がるときからお世話になった杉の小枝を、ここで手放します。


 賤機山のハイキングコースは、鯨ヶ池まで表示されています。しかし、その向こう側は…


 さあ、終わりにしようや。


 これが浅間神社か?


 いや、もう少し下らんとダメみたいですな。


 この立派なやつが浅間神社です。縦走コースはやっと終わりを迎えました。


 あとは町の中を抜けて静岡駅へ。


 そこの道路案内板には、静岡駅まで1kmとの表示。普通に15分かかる距離ですやん。遠っ(アヴラ汗


 ああここは大無間山登るときに井川自主うんこバスが逆フライングかまして雨の中リカバリに必死になったところじゃないか(うつろな棒読み


 ホテルに荷物を取りに行って、やっと終点の静岡駅です。このあと、静岡駅のドアに17時36分にタッチして、9時間9分の山行終了です。


 帰りのバスを1本早めました。20時10分の最終バスに乗るつもりでしたが、18時30分のに余裕で乗ることができるようです。しかも、席はがら空き。
 そして、渋滞でくたばることもなく新宿到着さあ帰ろう
 ん?(・ε・;)
 ヌオッ(゚Д゚;)
 …バスの中に寝袋と登山靴忘れてきた\(^O^)/オワタ


 こうして、山を越え、谷を越え、ヤヴや廃茶畑を抜け、高速道路を潜ってきた鉛玉山行が終わりました。
 この国は経済のみ(しかも一部の経済のみ)の発展を目指す国と化していますが、展望はあるのでしょうか?この国に。そんな思いを持ちつつの、重い山行でした。
 でも、歩いてみないと見えないものだから。ふうたろうはこれからも、どこでも歩きます。


天気:快晴(静岡県静岡市)

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