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分離。

2008年 2月 28日

 写真を撮れなかった日があった時、昔(2005年10月31日より前)のを掘り出してくることがあります。今日のもその一枚。今日の題名、「分離」を表す、ただのイメージ。


 夜、帰ってきて、慌ててチリ産のサーモン(600円の30%引き)をスライスし、静岡県産のスナップエンドウを茹で(1本、茹でた後に洗剤を吸わせて殺してしまった)、3分づき米、キムチと一緒に食べました。…自給率、低いね。
 そんな時に付けたNHK。『クローズアップ現代』でした。『新興国富裕層が日本を変える』そうです。
 ちょっと前、日本のいちごの品質が良いので輸出が出来るなどといわれていたのを思い出しました。今日やっていた番組は、その総まとめみたいな感じです。
 和牛というブランドを、タイかどこかの国の商社が買い付けて、その国の富裕層に売るというのです。…ただ、この辺は半ば凍りかけの冷たいサーモンを歯に凍みさせながら、食べることに必死だったので、微妙な記憶しかありません。
 次は、長野県の白馬村に、オーストラリアなどの観光客を呼ぶというもの。ずっと前、同じようなことを、北海道のニセコか羊蹄山かあたりについても報道していました。
 その白馬の地域の人は、かくして、「釣り銭はいらねぇ!」などという外国人にほくほく気味です。
 次は品川の観光業を営む大企業…でしたか。一泊数百万のホテル、ボディガード付き、他にも色々あったけど、そういう豪華な旅行を求める富裕層を大事にするそうです。
 そして、NHKの解説員が鼻息を荒くしながら、「農家たちも良いものをちゃんと高く買ってもらえる。我々の所得も増える。良い循環が出来てくる。」などと言ってくれました。
 …人それぞれ感じることがあろうけど、少なくとも、所得が上がることはないでしょうな。奇しくも2月23日に学習したことを考えれば、経常利益が2倍3倍になっても、全体的には従業員の給料は一文たりとも上がっていない。
 それと、もう一つ言うと、日本は他国に食べ物を輸出している場合ではないでしょ。今や知らないとは言わせない。しかも、NHKに出るような人間には。食料自給率39%ですよ。このままじゃ、日本国民が死にますよ?
 そうして富裕層にだけ食べ物が行き渡り、庶民はますます飢えていく。今は貧困で、その日を食べていけない人が既にいるのに、「高く買ってくれる人に売る」だと?
 更にもう一つ。その「新興国」とやらの富裕層の下には、貧困に陥っている人たちがいるはず。日本の汚い貧富の格差をグローバル(地球規模)化する気か!
 誰にだって、安全で美味しい物を、安心して食べたい思いはあるだろうし、少なくともその権利がある。日本が法治国家であるなら、憲法25条を、それを認めなければならない。誰にだって、息抜きのための旅行をしたいと思う時だってあるでしょう。それを、「富裕層を大事にする」だと?失礼極まりない。
 …こういうイデオロギーも、恐らく、こういう波にたまたま乗れる一部の人と、多くの旧態依然の労働者を分離するための工作なんでしょうね。とにかく、ひどい番組でした。制作に悪意がないことだけを祈っています。
 でも、ここで学んだこともあります。金を差し出す外国人をブラウン管の向こうで見る僕は、少し屈辱感がありました。それを、日本人はアジアやアフリカなどの発展途上国の人にやってきていたのです。屈辱感を持った人がどれだけいるかは知らないけど、「己の欲せざるところは人に施す事なかれ」という教えを守りたいと思います。

天気:晴れ(埼玉県所沢市・東京都板橋区)

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