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やぶおよぎ(那須岳山塊:福島県・栃木県)

2008年 9月 28日

 昨日は夜19時に寝たのだから、目覚めもさぞ早かろう。外はマックラ…。


 …というのは嘘で、目に見える感じでの明るさはこのくらいです。これが5時20分くらいの状態です。ものすごいガスで、ものすごくやる気を削がれました。
 ところで、朝、ご飯を炊いて(茹でて?)、食べていたのですが、食欲がどうも湧かず、それどころか、気分も悪い。いつもの不安性の悪さというよりも、どこかが器質的に悪い感じ。睡眠不足やら寒さやらで疲労がたまっていたんでしょうな。


 ガスが晴れてきた7時までガスコンロの火で暖まったりしながらゆっくりしていました。それでも、空は根本的に中層~上層雲に覆われていて、薄暗い。
 坊主沼の朝晴れは見ることができませんでした。


 出発して、坊主沼を別の角度から見たところです。避難小屋の側ではたくさんの水草が生えていたので、まったく違うところに見えますね。


 空は絹層雲~高層雲のくもり状態。このシマシマは別の意味できれいなんだけど、山肌とセットで撮るのが難しいのです。


 ところで、坊主沼を抜けてすぐ、新しい避難小屋建設現場へのルートのテープに騙されて後退しました。しかし、騙されるのもある意味当然で、本来のルートはよく見れば踏み痕がある程度で、獣も通らないような、ぬかるみ笹ゾーンでした。しかも、夜の間にガスと雨でしこたま濡れまくっていたので、おぞましい。


 遙か先に須立山。更にその先に三本槍岳。しかしその前に継続する笹薮のトラバース。雪斜面並か、それ以上の滑りやすさで、羅臼岳の下りよりも辛いぬかるみ笹ゾーン


 どこに道があるのですか?


 笹薮の層が一番下にあって、その上の層がこの山の紅葉をなすブッシュ。富士山は見る山であって登る山ではないという。しかし、このブッシュこそ、真の、見るものであって歩く場所ではないもの、だろう。
 …それに、富士山は登ってもいい山だぞ。


 ここまで来て、やっと振り返る気にもなりました。出発してから59分後。
 ああ、あの山は、坊主沼の西側にそびえ立っている、旭岳(赤崩山)という山で、昨日書いたとおり、登山道が封鎖されていました。でも、見る分にはきれいな山ですな。


 笹が待つ…笠ヶ松。看板を見るのも久しぶりでない?
 でも、地図上にそんな場所はないので、現在地は不明。


 目下に迫ってきた、須立山。名前を何と読むのか判らないけど、やぶおよぎのプールサイドに上がれそう。


 地図には、急なガレ場と書いてあるけど、どちらかというと、急なザレで、負担は1.5倍。なかなか、キツうございました。


 須立山から今までの道程を見てみれば、まるで塞がりつつある傷のような登山道。ここで新たな引っ掻き傷を作ってきましたよ。
 でも、終わってみると、やっぱりきれいだねぇ。この風景を見るために、9割の苦労をしてくるんだもん。それでいいんですよ。


 本当は、この須立山の標の左に(立っていた僕から見れば右側に)、僕がおります。これは合成はしていないが、僕を入れずに撮ったもの。
 須立山の展望は抜群です。
 時刻、9時。


 須立山まで来ると、1700mを超えているので、紅葉も深いみたいです。素晴らしい。


 だてに冷え込んでいませんでした。もう少ししたら、ここも深く色づくことでしょう。


 基本的に、三本槍岳まで、ブッシュの連続、やぶおよぎのリレーは続きます。でも、それもあと少し。もみじでも見ながら歩こうじゃないか。


 僕の背丈くらいのブッシュの向こうに、西郷村~白河市の市街地が見えます。


 須立山を過ぎてしばらく。鏡ヶ池が見えます。紅葉シーズン、やぶおよぎを覚悟するなら、この地は絶景であろうと思います。


 この鏡ヶ池を撮影している最中、カメラの充電池のエラーが発生。ちょっと電池トラブル、この頃多いぞ。興ざめします。


 今日初めて出会った登山者。鏡ヶ池の分岐から来た老夫婦で、途中で追い抜いていく形になりました。


 旭岳まで続く赤と緑のじゅうたん。もう、何も言うことはあるまい。


 標高が上がるに連れて赤が濃くなります。それでもやっぱりやぶおよぎは終わりません。三本槍岳までがんばろう。


 大峠分岐。地図を見れば判ります。
 そこで栗甘納豆を食べながら空を見上げていたら、きれいな太陽の暈(かさ)。ファインダーが眩しくて、中心を捉えられないんですよね。


 大峠分岐からあと少しの三本槍岳を見ています。


 そして、後ろを振り返ると広大な紅葉地帯と遙か彼方の旭岳。


 遂に三本槍岳の頂上です。時刻10時13分。2時間54分もかかってしまいました。よくがんばった。


 三本槍岳で辛ラーメンを食って、茶臼岳方面へ。でも、茶臼岳はまだほとんど見えません。


 三本槍岳の、さっき上ってきたのとは別の尾根かな。笹薮もブッシュも、遠くから見ると、きれいですね。


 三本槍岳から歩いてきました。振り返れば、紅葉街道。


 広がる、紅葉平原。


 ちょっと間をはしょったけど、ここは、清水平という湿原を過ぎたところから、三本槍岳付近を撮ったものです。登山者の数は三本槍岳からどんどん増えていきます。


 木の階段。
 やっとここまで登ってきました。


 去年7月28日にも、実は三本槍岳に登っています。しかし、今日はその清算。三本槍岳だけでなく、那須岳全体を一掃してやろうと思っていたのです。
 去年、このあごひげのように人が立っている山を茶臼岳だと勘違いしていましたが、本当は朝日岳。那須岳三山をなすうちのひとつです。


 ここは名もない1900mのピークですが、一番紅葉がきれいだった場所です。奥に朝日岳。


 ここまで来ると、茶臼岳もかなりはっきり見えてきます。噴煙を上げている、活火山。


 切り立った崖の側を通って、茶臼岳の方に向かうのですが、その前に朝日岳に登っていきましょう。


 登山者の数、数十人、百数十人、いや、数百人はいるかと思います。まぁ、みんな元気なこと。…とはいえ、危なっかしいのもいたりしますが。


 イワヒバリが僕の2m手前をうろちょろしていました。なかなかこちらを向いてくれないまま、奴らは向こうに行ってしまいました。ちょっと寂しい。


 朝日岳の頂上ではガスでマッシロになってしまいました。東側の展望はゼロ。西側の断崖絶壁はよく見えます。


 朝日岳~峰の茶屋跡避難小屋までの崖道は、すれ違いも大変な場所です。あまり考えずに歩いていると、危険です。


 人ひとりの幅がやっとの道。おいらは、岩の上に立って通り過ぎるのを待っています。


 改めて思うけど、スゴい道を歩いているんだなぁ。こんな所を、スニーカーやコンバースの靴で歩いている若者がいるから、危険だね。巻き添え食らわすなよ。登山させる側も、ある程度の規制が必要なんじゃないだろうか。


 こないだの妙高山から定番の構図ですね。秋の穂と秋の山肌。


 昨日とは違う、男ふたり女ひとりの若者パーティと出会いました。ここは峰の茶屋跡避難小屋。他愛もない話をしていました。数百人いれば、そういう風に話す人のひとりやふたり、出てきますって。


 ちょっと休んで、カッパを脱いで(まだ着ていたのか!?)、茶臼岳に登り始めました。もうこの時点で、茶臼岳より南の、南月山方面への縦走は諦めました。やぶおよぎはそれほどまでに体力を消耗したのです。


 茶臼岳のお鉢巡り手前で、シャリバテしたのでクッキーを10枚いっぺんに食べたら、気分が悪くなってしまいました。ここから先、げんなりモード。


 常時ガスに覆われた茶臼岳でしたが、一瞬晴れなくもなかったので、狙って写真。まだまだ緑の深い場所も、あるんですね。


 茶臼岳頂上で、人がごった返しています。ここはロープウェーから一番近い山頂ですから、手頃なんですよね。


 ロープウェー乗り場に降りていく道。人が少ない時を狙って撮影しましたが、通常、所沢駅東口から家まで歩く時以上の人の多さです。


 微かにロープウェー乗り場が見えました。もう、山道も終わりです。


 ロープウェー乗り場10m手前。ものすごい濃霧。
 ここから、ロープウェーが落下しなければ、無事下山?
 そして、ここで前回回収し忘れた山バッジを回収しておきました。


 黒磯駅からは鈍行列車で帰路につきました。どうも、東北新幹線は信号トラブルとかでダイヤが乱れまくっていたようです。僕はそんな得体の知れない路線よりも、確実に家に帰れる鈍行列車を選び、宇都宮駅では玄米いなり弁当を買って食べました。
 ふと、ここに汚染米は入っていないだろうか、偽装はないだろうか、などと思ってしまう自分に気が付きました。創業120周年の老舗。偽装とは無縁だったろう小さな弁当屋でさえも疑われざるをえない情勢に、改めて怒りというか寂しさを感じます。


 今回の、真・那須岳登山はこれで終わりです。ちょっと体の具合が悪かったのが残念でしたが、紛失物も今回はなかったし(帽子は破損したけど)、なかなか良かったと思います。
 さて、次の山行は10月4日かな。乾徳山、登山口の数十キロ(百数十キロ?)手前で断念したので、今度こそはっ!
 ちゃんと体調万全で臨まないとね。


天気:くもり(福島県西白河郡西郷村・南会津郡下郷町・栃木県黒磯市・那須郡那須町、移動中は含まない)

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