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黄色い炎(焼岳中ノ湯旧道コース:長野県)

2008年 10月 18日

 旅日記のトップは、旅の始まりであることが多いので、大抵つまらないものが多いのですが、特に今日のはひどいですね。
 松本バスターミナルのファストフード屋の、まずいラーメン。


 松本バスターミナル発上高地直通バスは、猛烈な混雑で、15分くらい前にバス停に行ったら30mくらいの列。ともに旅する仲間(?)とはいえ、これはあんまりだ。~(ToT)~
 でも、一応バスを増便していたので補助席に座ることは出来ました。
 そして、一抹の不安を抱えながら、中ノ湯バス停にたったひとり降り立つ。靴ひもを結んで焼岳攻略開始。


 鉄錆のような川が流れています。ほとんど登山口。
 ところが、この登り口で、地図がなくなっていることが発覚。もちろん、マップケースごと。…、出発前からオチ?(゜◇゜)ガーン


 地図を紛失している(昭文社の地図はある)ので、車道からの入口は人に聞いてきました。そしたら、水しぶきが飛んでくるところに小さく登山道の看板が掲げられていました。トンネルのようなところを越えたらすぐです。


 最初はもちろん樹林帯。しかも、今日は暑くてたまりません。緑が眩しい。


 でも、やっぱり長野県の奥地。さすがに紅葉、やる時はやるもんです(?)


 落葉松と広葉樹の、落葉混合樹林。秋を彩る山の一角。


 ナナカマド。平ヶ岳や会津駒ヶ岳よりも少し遅れて見頃を迎えているようです。


 最初、何を焦っているのか、がつがつ登っていて、抜けきらない樹林に顎が上がって(疲れるという意味で使われているようだ)いましたが、だんだん樹高が低くなってきました。青空もよりはっきりと。


 突然、平らな場所に上がったと思ったら、今日のキング、焼岳がいきなり姿を現しました。混合樹林の壁に阻まれているものの、射程距離に入ったこと間違いなし。


 笹薮と不毛の樹林の向こうには穂高連峰が見えます。


 笹・広葉樹と層をなす山の斜面。


 ここは、僕が登ってきた旧道(左)とバスが通っていない中ノ湯温泉からの登山道(右)との合流地点。旧道の方は駐車場がないので、おそらく車で来た人は右の方を通ってきたのだろう。実際、右から聞こえてくる声の方が多かったように思います。


 この分岐で一息ついていたら、僕の手にあるゴミが転がっていました。日付を見たら、今年の8月5日のもののようで、それ以来2ヶ月半ここに放置されていたことが信じられません。しょうがないから僕が持っていきましたさ。


 焼岳は火山。崩落地が多く、このような地形はたくさんあります。登っている最中にも小さな土砂崩れがあり、びっくりしたものです。


 斜面は急峻。景色はどんどん良くなります。そして、下ってくる人の数がグンと増えました。対向の人を待っている間、写真撮りまくり。僕に良心があるからではなく、写真を撮る楽しみがあるという条件がそうさせているだけかも知れません。


 そういえば、登り頃の焦りはどこかへ消えていました。下ってくる人たちとすれ違いざまにおしゃべりなんてしていたら、当たり前かな。
 焼岳の厳つい横顔の、そのしわの一本一本まで見えてくるようになりました。


 霞沢岳(かすみざわだけ)。結構キツそうな山です。…登りたいッスね。
 ただ、この一帯は丹沢並みの登山ルートがあって、その分上高地は大渋滞するので、二の足を踏みます。


 見下ろせば、混合樹林の紅葉(黄葉)が広がっていました。中信地方の山が霞んで見えます。


 木の本数も少なくなってきました。


 いかにもという山家のおっちゃんが、機嫌よく山頂への道を教えてくれました。きっと、僕が楽しそうに登っているから、微笑みを返してくれたんでしょうな。おおきにッス。


 縦の写真が少ないですね。展望がよい、景色がよい証拠。
 でも、この切り立った崖は縦の写真でないと入りません。角度としては40度くらいある?


 かなり上の方から、下山してきたグループの人だかりを撮りました。直線距離で500mくらいは離れていますか。短いように感じるかも知れませんが、視線の500mは、かなり遠いです。しかも、山ですから。
 まぁ、それはともかく、今日はこの天気なので、登山客は多いのです。


 こういうのも草もみじというのでしょうか。うっすら向こうに乗鞍岳が見えますが、判るでしょうか。


 いよいよ、焼岳の核心部に来たようです。でも、どれが頂上なのか、さっきの山家のおっちゃんに聞いたものの、まだ判っていないふうたろう。


 噴煙上げていますね。活火山焼岳。危険を伴います。


 これは登山禁止の焼岳南峰。確かに、崩れそうで、崩れたとしたらしたにいる人はひとたまりもないので、絶対登らないようにしたいです。
 で、何気に朝日が昇るように見えますが、もう14時近い昼下がりです。


 火口まで来ました。そこにたまった水は、何でみんなこんなに青いんだろう。雌阿寒岳の時もそうだった。火口にたまる水、僕はとても好きです。


 焼岳北峰のすぐ東のコル(ピークとピークの間)に着いたら、上高地や穂高連峰、槍ヶ岳などが思い切り見渡せるようになります。


 ちょっと雲がかかっているようですが、手前の大きな山塊が穂高連峰で、左から(判りにくいけど)西穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳、明神岳です。細かいピークがたくさんあるので、どれ、と指すことは出来ません。


 ところで、コルということは、頂上ではありませんので、さっさと#45焼岳を制覇してしまいましょう。
 しかし、その焼岳に登る10~20mの間に、硫化水素ガスをジュージューいわせながら吹き出す場所があり、部分的に酸化された単体硫黄が析出しています。さながら、黄色い炎を吐き出すかのように。


 上高地とそれを挟む穂高連峰(左)と霞沢岳の稜線(右)。


 焼岳山頂。#45。クリックすると…?
 さすがにこの格好では寒い。


 さて、焼岳小屋に向かいましょう。寒くて毒ガスもんもんの山頂に、長居は禁物です。
 ところで、後で人に言われて気がついたのですが、「焼小屋」って、燃えかすみたいやん。


 上高地、見下ろしながら焼岳小屋まで歩きます。


 西穂高岳方面まで続く稜線です。意外と、樹林に囲まれているようで、驚きでした。地図では確認していたけど、これではあまり歩く楽しみはないかも。


 焼岳の下山道については次の日の写真で載せるとしますか。とにかく、ガレ場の崖っぽいところなので、滑落注意です。落石も。
 ここはそのガレ場を下りきったところの、コルに当たる部分です。コルって、何語?ドイツ語?


 16時前くらいかな、笠ヶ岳をバックに草もみじ。


 霞沢岳。秋の穂が風になびいています。


 やっと焼岳小屋に着きました。頂上から見えていたのにね。思ったより、小さい。


 小屋正面。何気に小屋番さんが写っちゃいました。ゴメンネ。


 小屋の南側に回り込んで小屋と目の前の岩壁を。出口に岩壁があるので、ちょっと迫力?


 夕焼けのことを考慮に入れずに歩いてきたので、夜飯作りも急いで、かつ、イナヅマ食いしてさっき草もみじを見てきた展望台に、Bダッシュ。
 でも、間に合わず、遠き山に日は落ちていました。


 これ、笠ヶ岳です。だいぶキツそうな山であることが、ここから見て取れます。


 焼岳の西側の崖。実は中央部に金星が見えています。判んないかなぁ。写真をクリックしたら中央の尖った部分の左にポチッとあるのが見えると思います。


 崖の向こうに沈む夕日。黒く淀んだガスの中に、御嶽山が見えるのですが、判らないと思います。


 直線に見える斜面も、光を透かしてみると木がちらほら。


 10月18日、さようなら。もう二度と会えないけど、「明日の日を夢見て希望の日々を」送ります。


 山小屋の夜ご飯の風景。僕は素泊まりでしたので(さっきイナヅマ食いしていたので)、見てるだけ。正確には、持参の寒天蜜豆を食っていました。
 もちろん、ここのみんなとは仲間意識が生まれたことはいうまでもありません。これを、お約束という。


 妙高山の時も書いたけど、星って、こうやってみると、画像素子にくっついたホコリのようにしか見えませんね。風情の欠片もありません。
 でも、実際見るととてもきれいなのです。天の川も見えました。小屋にいるみんなで見に行きました。あ、50代の山歴30年という人は先に寝たようですが…。
 帰りに、カップルで来ていた2人の、男性の方が、崖の方に歩き出そうとしていたので、慌てて止めました。地図もなかろうし、僕含めて6人いた若造(おそらく僕が最年少?)のうち、僕がその2人を先導して小屋まで送りました。
 …あのカップル、女性の方が山のこと、よく理解していた感じがしたのは、僕だけか?


 これで焼岳1日目終わりです。次の日もガッツリ山の風を浴びますので、寝ます。
 そういえば、展望台に残っていた3人のうち、フィルムカメラを使っていた人が、機械の不具合で悪戦苦闘していました。結局その機械を使わず4分くらい手でシャッターを開きっぱなし("Bulb"というらしい)にして撮っていたようで、次からうまくいくことを祈ります。
 なお、消灯後にその分析を色々やっていたので、叱られちゃいました。(-o -;)


天気:快晴(長野県松本市・南安曇郡安曇村・岐阜県吉城郡上宝村)

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