のび太寝(九重山:大分県)
昨日の夜は、本当にのび太寝しました。23時間行動って、あり得ない。シャレにならないもん。
で、今朝、5時に起きて、そそくさと鍵を置いて、田川第一ホテルを出てきました。現在、田川伊田駅(たがわいたえき)。
駅員さんがホームで掃き掃除をしていたので、階段20段程度with25kg荷物を2回上るハメになりましたが、とりあえず切符を買って、豊後中村駅(ぶんごなかむらえき)へGo!
たぶん、上の写真に写っている缶ジュースを飲み、袋に入っているおにぎりを食べたと思うのですが、のび太寝してしまったので覚えていません。それより、目が覚めたら8時10分、豊後中村駅に着いていて、
はっ!豊後中村駅ッ!!降りますッッ!!
隣のおばあちゃんが、「豊後中村駅だよ」ってな感じのことを言ってくれましたが、のび太寝ふうたろうには微かな記憶くらいしかありません。
駆け込み乗車も危ないけど、駆け下りるのも危ないんだぜ。
8時10分から9時55分までバスを待っているのは、チョー時間の無駄なので、タクシーを使用。豊後中村駅から牧ノ戸峠まで5500円くらい。5000円を超えると1割引になるらしい。日田バスには悪いけど、ちょっと時間が惜しいから、ゴメンネ。
さぁ、昨日伯耆大山にいたとは思えないけど、九重山登山開始ですぞ。思い切りガスってて、思い切りテンション下がってるけど、まぁ、大丈夫だ。バッジを先に買っておいてから、出発です。
あずまやで休憩。風とガスで寒くて、萎えてきます。あずまや、登山口からそんなに離れてないんだけどね。
こうなったら接近戦じゃ。ガスがないと、樹氷はできないことがこの頃解ってきたので、全否定しないもん…。
下に、さっき休んだあずまやが微かに見えます。そういや、小雪がちらついているようだな。
時々雲がちぎれてくる感じもするけど、決して晴れてくれない。ぬおぉぉ~~!
でも、意外と、山スイッチオンになっていて、あずまや過ぎてからはテンション上がってきたんですよね。伯耆大山でラッキー晴天を堪能できたのもあるし。
ところで、登山道、相当荒れています。氷点下なので凍土になっていますが、ものスゴいぬかるみで、登山道も広がっていて…。
何だか、南国の風景と真冬の風景が混じっているような、変な感じがします。雪がまったく積もっていないのは、さすがに意外だったけど。
ツツジの仲間だろうと思います。天城山(あまぎさん:静岡県)にもあった、アセビじゃないでしょうか。
とりあえず、今日の目標は、久住分れ避難小屋というところです。でも、相当早く着きそうな気配。25kgの荷物があったので1日がかりで2~3時間のコースを歩くつもりでいたのに。さすがにサバを読みすぎたか。
しかし、伯耆大山1日目ほどではないけど、キツい濃霧ですね。GPS無かったら、現在地さえまともに確認できないでしょう。
誰か、毛糸の帽子を落としたみたい。寒かろうな。でも、本人が無事であればよい。
およっ!?
久住分れ避難小屋が見えてきました。時刻、10時59分。出発から2時間弱ですか。米子~益田間より短い。
中は人がいっぱいいて写真撮れなかったけど、とても寝られる場所ではありませんでした。あずまやに毛の生えたようなもので、いや、毛が生えているならまだいいくらいで、扉さえありませんから。ここで泊まることを考えるくらいなら、テントを担いだ方が遙かにいいと思います。
小屋の中で辛ラーメンの二つめの袋を開けました。そしたら、ひとりふたりの登山者が小屋の玄関口でタバコを吸い始めて、煙が小屋の中まで入ってきました。外はガスと風でタバコを吸うのが辛いのは解るけど、みんなの小屋ですから、申し訳ないけど、そこで吸うのはやめてくれと申し出ました。
神戸から来た夫婦がいて、「そんなの常識や!」だそうで。でも、気が小さくて言えなかったそうで。正直やな。そういえば、富士山須走口でもタバコを売らなくなった、と去年(2007年)言ってたっけ。
吸うなとは言わないけど、ひとりでも吸ったらみんなが不快になってしまいますからね。喫煙ルームでもあれば、いちばん優しいんでしょうけど。
辛ラーメンを食べていると、明るくなったり暗くなったりを繰り返していた空が、パーッと明るくなりました。のび太ダッシュで外に出ると、かくの如し。よしきた!
見えているのは久住山(九重山の主峰のひとつ)ですが、さっきの神戸の夫婦もあまりのガスと風に、雪だるまになりそうだったため、引き返してきたそうです。それを思えば、この天気はあり得ないくらいいいでしょう。
辛ラーメンをイナヅマ食いして、荷物を100リットルザックに適当にぶち込んで、転がるように坂を上がっていきました。スーパーハイテンションふうたろう。
…完全に遊んでるな。登山じゃなくて、ハイキングwithムダボッカですな。
振り返れば、星生山(ほっしょうさん)とさっきの小屋が見えます。水を得た魚ふうたろう。25kgのムダボッカなんて、屁でもない。
久住山の稜線から南東を見れば、竹田盆地が広がっています。あの雲の帯はさっきまで九重山にかかっていた雲でしょうか。
雲は相変わらず湧いているようですが、久住山山頂で晴れてくれて、ふうたろうも記念撮影。でも、スゴい強風で、三脚が倒れないかはらはらしながらでした。
雲は1秒とて同じところにいないので、いろいろな角度で写真を撮れます。瀬の本温泉の方向でしょうか、スゴい岩の崖があります。大きいなぁ。
さて、次なる山は?九重山はその名前からして、たくさんのピークがあるので、一筆書きで回るのは無理か…な?ふうたろうはとりあえず、坊ヶつるのキャンプ場に泊まろうと思うので、目の前に見えている天狗ヶ城と中岳(九重山最高峰)を通って坊ヶつるまで降りようと。
空池という、大きな窪地。昔、火口だったんだろうなと思います。高千穂峰や新燃岳、韓国岳と同じ形をしています。
九重山~天狗ヶ城の鞍部ですかね。うっすらと樹氷が広がっています。
天狗ヶ城に登ったので、御池のほとりは通れませんでしたが、全面結氷ですね。縁が割れているので、誰か乗っかろうとしたんじゃないかなぁ。榛名山(群馬県)くらい寒くないと、乗れないでしょうよ。
硫黄岳が御池とは反対側に見えます。ちなみに、あのガスは噴煙で、雲ではありません。おそらく、巻かれたらイチコロです。
天狗ヶ城から中岳に向かう登山道を下りましたが、北斜面なので、前に降った雪が凍っていて、チョー質(たち)が悪い。こういうのを、「雪がイヤラシい」とか言うらしいですね。
で、そんなイヤラシい道の岩陰から御池をば。
天狗ヶ城の南斜面は岩の崖でした。滑落したらイチコロですな。強風で煽られるので、十分注意。
天狗ヶ城~中岳の鞍部を過ぎました。九重山最高峰まであと少し。
中岳を登っている途中に、アーミー服の人が降りてきました。「今、-20℃くらいですか?」なんてことを言っていましたが、そんなはずはない。-20℃だったら、この辺歩いている人のかなりが凍死しています。でも、その発言の理由がこの中岳の頂上で解りました。壊れた温度計のアルコールがこぼれて-20℃で止まっているのです。
坊ヶつるが見えてきました。ラムサール条約登録の地。どんなところだろうか。
中岳から南東へ登山道を下山。下から、若者と初老のパーティが登ってきます。道が崩壊しかかっているので、少し時間がかかったけど、このふたりが通り過ぎるのを待ちました。
道が崩壊している、というのは、土砂や岩などが落ちている状態のことを表現しています。まさに、1~2mくらいの段差のあるところで、直径50cm以上はある大きな岩が今にも登山道からこぼれ落ちそうでした。踏みたくない岩ナンバーワン。
坊ヶつるに降りる道は、再び北斜面なので、凍り付いています。岩が出っ張っているので、アイゼンをヘタに履いたら躓いて転ぶし、履かなかったら氷で滑って転ぶし、結局這う以外に転ばない確率をゼロにすることはできません。
ふうたろうは、アイゼンを履かず、滑る確率を高めながら歩きました。チョー時間かかりましたよ。
白い看板は、落石で道が崩壊したので通行止めを知らせるもの。遠回りしましたさ。そして、この近くで、ピッケルのキャップをなくしましたさ。人っ子ひとりいませんでしたさ。
坊ヶつるが大きくなってきました。そして、空の雲もちょっと増えてきたような気がします。
うち捨てられたケビン。ラムサール条約が泣くぜ。管理者は誰か知らないけど、こういうのはさっさと片付けてくれよ。
法華院温泉で言えばよかったな…しまった。
これが法華院温泉。実は、伯耆大山で、この温泉に入っておけと言われていました。でも、ふうたろうは着替えを殆ど持っていなかったので、パスしました。幕営の申し込みをする時、後ろから、「冗談だろ…?」見たいな後ろ指さされる雰囲気がありましたが、湯冷めするよりいいんだもーん!!
今日は外張り付きのテントで泊まろうではないか。持って来たんだし。いや、夜の風がうるさかったです。岩で重しを付けておいたので飛びはしませんでしたが、バタバタバタバタと。それに加えて雪粒がパラパラ断続的に当たりましたさ。
さて、明日はどうしよう。祖母山に行くか、それともやめて別の山にするか。天気は徐々に下り坂だそうで、祖母山も荒れると思われます。
天気:くもりのち時々晴れ(大分県直入郡九重町・久住町)
覚え書き:単三電池受付嬢