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遙かなブラックスカイ(伯耆大山行者コース:鳥取県)

2008年 12月 29日

 ふうたろう旅日記2008冬3日目。始まりは夜明けとともに、といいたいところなのですが、始まりは日付が変わったとともに、ということになります。
 冬至直後の南の空に夜中、オリオン座が南中。起床0時。


 昨日の夕方からやたらと暇だったので、寝ていたのですが、よく考えたら朝三暮四というやつで、代わりに夜寝られなくなるだけなのでした。でも、夕方までものスゴかったガスは完璧に晴れて、米子市の夜景がばっちり。これ、1時58分頃の夜景です。


 当然、写真撮ってウロウロしていれば、ハラが減ります。今回は、初めてパスタを即席食いします。マカロニなんですがね。レトルトのパスタソースをかけて。
 しかし、よく判らないのですが、長さ2cmほどのバネがマカロニを茹でた中に入っていました。昨日の夕方、ライターを壊して飛んでいったバネ、かな?異物混入とは思いたくない。
 これ、3時0分です。


 2時間ほど寝てみようと試みましたが、雑念が次々と沸いてきて、眠れませんでした。この旅が終わったらどこの山に行こうか、などと。
 そして、6時過ぎ、まだ日の出まで1時間はあるという時刻。当然、空が晴れているのですから、朝焼けを見ないのは阿呆と言うしかない。…あくまでも価値観だけどね。


 ここから、しばらく流します。
 登山不能の剣が峰とトワイライト。


 ちょっと雲が通過しているみたい。


 そうだ、ふうたろうは、弥山の上に立っています。剣が峰の方が地吹雪になっていますね。こっちはそれほどでもないのに。


 太陽が昇ってくる位置が大体判ってくるあたり。7時過ぎ、かな。記録では7時3分となっています。


 7時4分。


 足早に中層雲が南東に流れていきます。そして、その雲に下から赤く輝く太陽。


 日の出がほぼ確定。7時10分。
 本当は7時5分大山寺発米子行きのバスに乗って、大分県の豊後中村駅に向かう予定でした。でも、これを見ないで下りるのって、あり得ないよね。せっかく荷物まで持って登ってきたのにさ。


 どうも間違って写真をチョイスしてしまったらしい。きれいな方は…、ふうたろうのディスクの中にあります。


 剣が峰までの、かつての縦走路。今は崩壊していて通行禁止らしい。だから、弥山を頂上として、大山登頂としました。


 赤の起原が太陽光に依るものだということは誰の目にも明らかである!
 …なんてね。理屈抜きでたまらん。


 昨日、弥山に向かって歩いている時、この崖は見えませんでした。こんなとこ滑り落ちたら、先がマックラですよね。でも、こうやってみると、真っ赤に燃えて…もう何も要らない。


 奈落の底に繋がるゲレンデ。


 贅沢にも、空の雲がなくなればいいなどと思ってしまう。さっきまで雲のおかげできれいな空になっていることに安住しながら。


 太陽を入れてみました。


 昨日はホワイトアウトで3m手前からでも見えなかった小屋が、影富士(伯耆大山のことをこの地方では伯耆富士と呼ぶことがある)と一緒にばっちり見えます。ここ、雪山トレーニングにいいんじゃない?景色もいいし。


 いいかげん出発しようと思うも、目の前の影富士が、ね。


 この4本の柱、どうも風車だったみたいですが、右から2番目のやつ、折れてますね。


 空へ続く道。遙かなブラックスカイ。
 …カタカナで書くとものスゴく興ざめしますね。


 お世話になりました。200円を扉の下に忍ばせてきましたが、本当はちゃんと募金箱を置いてもらえるとありがたい。あと、みんな使ったら掃除しような。雪が残りまくってたぜ。


 ひつじ雲が流れていく…。


 8合目以下になると、山脈状の伯耆大山を横から見ることになります。スーパーハイテンションふうたろうはひたすらシャッターと徒歩を断続的に繰り返します。


 もう、昼の空です。時刻は8時くらいですけど(記録では7時58分)。


 二つ上の写真との間違い探し。何枚撮っても飽きないッス。


 夏山登山道の稜線を下に向かって眺めたら雪のグラデーション。


 影富士がはっきりしてきました。
 …というより、伯耆大山の影がはっきりしただけですか。


六合目避難小屋  六合目避難小屋。本当の真冬だと、雪で埋まってしまい、位置すら判らなくなるらしい。
 ここで3人組と出会いました。


 稜線は風が出てきたみたいです。低見の見物(六合目避難小屋より)。


 5合目あたりで、行者コースに分かれます。ふうたろうは、帰りは違う道で行こうと思い、こちらを選択。いや、そしたら、坂がキツいの何の。アイゼン履いていても、ピッケル装備していても、下りが怖い怖い。
 ああ、でも、樹氷が青空に映えてきれいです。


 元谷小屋、当初、ふうたろうがここに荷物を置いて登ろうとしていた小屋が、あります。今思えば、上まで登って、本当によかったと思います。
 なお、元谷小屋の内装は、確認していません。


 元谷小屋付近はなだらかな沢筋です。工事をしているとかの看板もあったりしますが、なんちゃないでしょう(と、ふうたろうが勝手に思っている)。


 雪原だねぇ。冬だねぇ。嗚呼、12月の山は素晴らしい。
 ついこないだまで12月は山に行きづらいとかのたまっていたんだけどね。


 こういう注意書きは見たことがない。まるで、小学校の廊下じゃないか。


 大山寺まで下りてきました。さて、アイゼン脱いで、お参りしておこっと。


 大川寺の階段は、当然、ゲレンデになっているので、こうやって彫られています。掘るんじゃなくて、彫るの。
 下から、雪を求めて山スキーを履いてくる3人組がいます。


 下山は9時台ですが、何だか、夕方みたいです。影が長くてさ…。
 灯籠が撮りたかっただけの駄作その1。


 夕方といっても騙せそう。でも、9時50分。まだ出勤もしてませんぜ。


 大山寺バス停。昨日の厚切りの雲とは違う。青がきれいだぜ。
 ガードマンのおっちゃんにも笑顔が生まれる今日この頃。山スイッチはとっくにオンですからね。


 大山寺周辺の温泉街の、普通なら、朝。でも、ふうたろうにとってはもう夕方だなぁ。時刻10時0分。


 ちょっと強面の風邪引きスキンヘッドの運転手さんに、山陰本線大山口駅まで乗せてもらいました。米子行きが1時間に3本もあってふうたろうはびっくり。でも、時間帯が偏っているんですよね。


 11時53分発の米子行きを待つのにおよそ1時間。近くの食堂で夜飯昼飯。
 天ぷらのお重ですが、このクオリティはスゴい。シメジとピーマンとエビの天ぷらですが、シメジがバカウマ。これで670円とはシャレになってないッス。
 しかも、味噌汁もうまい。それとも、化学の味か?


大山口駅 喜らく  美味かったので、店を写真に出しておこう。そして、大山口駅前の食堂『喜らく』ということで。


 日本海側の景色を撮ろうと、大山口駅の反対ホームに回るため、跨線橋を駆け上がり、下りたところで、危うく滑落しそうになりました。下界では油断も隙もないふうたろう。


 大山口駅から始まる、福岡県田川市内の駅までのレールが敷かれています。線路は続くよどこまでも。


 …って、人生そんなに甘くないし、ふうたろうの旅には必ずオチ(反発)があるということを忘れてはならない。ふうたろうが0時起床であることを忘れたか。これから、218分の米子~益田(島根県)間と、225分の益田~小倉間がある。乗り換え2回で九州に着けるのだから楽だろうと思ったら大間違い。寝るに寝られない時間帯、丸々7時間の乗車という恐ろしい路線。それでも、座れる鈍行列車であり、景色もあるのでましなのですが。
 米子駅を12時46分に発車すると、途端に雲が広がり始めました。
 嗚呼、遙かなブラックスカイ。


 ここは、福岡県田川市。…の、田川第一ホテル…だったかな。10時過ぎに予約無しで飛び込んで、オーナーを呼び鈴で呼びつけて、3800円という捨て値で泊まってしまった最悪ふうたろう。ゴメンネ、ゴメンネ…。


 小倉駅の駅ソバでよりによって鶏のスジ肉を盛られ、ぐったりふうたろう。御免、ごちそうさまも形式的にしか言えなかった。ゴメンネ…。
 日田彦山線(ひたひこさんせん)の採銅所駅あたりからソワソワしてきて、田川伊田駅で降りるか、田川後藤寺駅で降りるか、それとも添田まで行ってしまうか、迷いまくったのですが、田川伊田駅で10分以上止まるとのことで、意を決して飛び降りました。いや、勘違いしないでね、ホームに飛び降りたんですよ。
 そしたら、目の見えない(たぶん、弱視)老婆が電車に乗りたいと階段の上まで来て騒ぎ始めたので、青息吐息のまま、ふうたろうがリードしました。放っといたら20cmくらいある隙間に落っこっちゃうもんね、しょうがないやんけ!誰も(駅員や車掌、運転士さえも)いなかったし。数少ない乗客は…どうだか知らん。
 ふうたろう、実は、宿無しだったんです。駅寝も覚悟のことでしたが、23時間のあり得ない山行&移動で、駅寝後、始発6時0分添田発の8時10分豊後中村、そのあと九重山登山with25kg荷物は、まじシャレにならないッス。(-o-;)
 そういうわけで、7時5分の大山寺発のバスを見送った、モルゲンロートの伯耆大山山頂で確定していたことを、今になって慌てているのです。エンゲルスも呆れる、半可通ふうたろう。
 近くのコンビニに駆け込み、どこ行ってきたのと迷子扱いされつつ、ホテルを紹介してもらった結果が、さっきの田川第一ホテル。いや、ホンマ、地獄に仏とはこのことや。
 でも、ふうたろう、これで終了じゃない。部屋の中に入ってから、突然の腹痛。何だか、血も出ていたような気がする。数ヶ月熟成ペルオキシド鮭の酸化的ストレスは大腸に痛恨の一撃を与えた可能性があるのです。Sが悪いとはいわない。だって、解らなかったことだから。でも、酸化した油の摂取は、ゼッタイやめよう。
 でも、ふうたろう、これで終了じゃない。まだあるのか、もう終われ、という声がどこからともなく聞こえてきそうですが、あるのです。ふうたろう旅日記ですから。それは、山中でも滅多にお目にかかれない、見事な転倒です。浴室から慌てて出たら、足がまだ濡れていて、塩化ビニルの床の摩擦係数が極小になって、2~3回足が宙を舞いました。
 ええ、これで終わりですとも。
 起床時とは違う意味で、遙かなブラックスカイの、終着点でした。


天気1:晴れ(鳥取県西伯郡大山町)
天気2:くもり(福岡県田川市、移動中は含まない)
覚え書き:職場に電話(繋がらない@16時25分)・コンビニおにぎり2個、ツナ缶ひとつ補給

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