復活祭(根子岳:長野県)
4時40分頃起床の予定で目覚ましをかけていました。5時34分の電車に乗るのならそれで十分です。家には飯にあたるものがないので、秋津で朝4時からやっているソバ屋で軽食を取ってから行くのが通例になっています。従って、15分ほど早く所沢を出発することになりました。
荷物は恐らく20~25kg。スランプ克服訓練では初の、今年でも初の、テント泊山行開始です。
体重の半分くらいあるザックを枕にして、高崎線ではグースカ。信越線はふうたろうの好きな路線のひとつで、徐々に近づいてくる妙義山や浅間山に胸を高鳴らせるのでした。
浅間山付近の山を登る時は横川駅で釜飯を買っていくのが通例でしたが、今回は軽井沢や小諸を越えて、上田まで行くので、軽井沢で釜飯を買って電車で食べるという贅沢をするのです。しかし、新幹線ホームに入らないと釜飯が買えないという罠があったりします(一言いえば入ることができます)。
しなの鉄道で釜飯を食いながら見ていたものはこれでした。2つ問題があってもう一つは地図の記号だったのでスルーして、これを30分かけて解いていました。何をやっているのやら。
春霞があるので遠くまで見渡すことはできませんが、車窓からは北アルプスや八ヶ岳などが見えます。
懐かしい上田駅前。10時20分頃到着。
しかし、伊那と同じように、ふうたろうの知っている上田市ではありませんでした。後述します。
上田電鉄バスに小一時間揺られて、11時28分登山開始です。降りるバス停は菅平高原ダボスです。
最初は車道歩き。
昭文社の地図(今回は忘れた)には正規のルートとして扱われていませんが、今期終了したスキー場の中を歩いていくことにしました。ゲレンデの雪はかなり溶けて無くなっています。
浅間山の北西に続く山々が見え始めていて、浅間山本山は噴煙・水蒸気を上げています。
もうすぐスキー場のピークに達しますが、既にふうたろうは疲れています。いや、テンションは高いのですが、さすがに身体がなまっていますので…。
しばらく人工的なルートが続きます。でも、白樺などが続く道で、歩いていて悪い気はしません。
見えるか見えないか解らないくらい、遠く後ろに蓼科山が見えています。ふうたろうは四阿山に向かって歩きます。
ふうたろうの復活を祝おうではないか!
歩いていると、こういう避難所が3個ほどありました。確かに、バスなら接地面がタイヤなので、安全でしょうね。
火山の裾野のなだらかな道。実はこの道が登山道でないことに気が付くのはけっこう後だったりします。
入山料を取るシステムですが、うち捨てられたような小屋には人っ子一人いません。潰れているのではないかと。
登山道の南は何らかのグラウンドで、前の写真にも何度か出てきたように、有刺鉄線が張られています。見通しは良く、空を仰げば飛行機の通り道であることが解ります。
全面が雪に覆われるのは、さっきの料金所からまもなく。坂は徐々にキツくなってゆく…。
雲か何かと見まごうのですが、実は、大雪を被った北アルプスが日本の屋根を象徴するかのように連なっているのです。あっちはまだまだ真冬の山です。
雪が腐っている、と呼ばれるそうですが、固まっていないので、足に力を入れると沈みます。かといって、ちょっと踏んだくらいでは沈まない、ラッセルは利かないので、一番苦しい状態の雪です。雰囲気としては、表面の凍ったかき氷です。
GPSと地図を見ていると、もの凄く登るのに時間がかかっていることが解ります。疲労だけが溜まってゆく…。
ふうたろう、シャリバテです。糖分補給に、マシュマロを。先週土曜日、CとKとSが主催でやった花見の時の、Sが食べ残したマシュマロです。イナヅマ食いしました。
避難小屋が見えてきました。根子岳避難小屋。外壁が傷んでいます。あそこでちょっと休みましょう。
中には薪ストーブがあります。入口はシャッターになっています。
避難小屋からまた上を目指します。坂はどんどん急になります。しかも、積雪量も増えていくので、一歩一歩が更に厳しくなります。
幌尻岳の前哨戦にはお誂え向きですが、一方で、こんなで幌尻岳に登れるのか、という不安もあります。
山スキーに来た人がいるみたいです。滑るの大変だったでしょうね。
そういえば、避難小屋よりもちょっと下で、今日唯一の登山者と出会いました。根子岳までだそうですが。
雪目になってきて、ロドプシンが吹っ飛んで、暗いカメラのプレビュー画面が見にくくなってきました。同じような景色を何度も撮っていて、ひとつひとつはきれいなんですが、載せているときりがないので、飛ばします。
ここは根子岳直前。北側が切り立っています。恐らく、こちらが元火口でしょうね。四阿山は火山ですから。
何度も深い雪に足を奪われながら、ようやく根子岳山頂が見えました。
根子岳登頂は、出発から5時間6分後の16時34分。目安コースタイム3時間5分のところが5時間6分ですから、相当なもんですね。
根子岳から先に進むかどうか悩みましたが、四阿山との鞍部まで進むことにしました。そこで幕営(テントを張る)です。
四阿山がばっちり見えるのは、根子岳から。自力でしか見られない風景です。
根子岳直後に、岩場があります。とても道幅が狭く、今回の山行の最大の難所です。ふうたろう、慌ててアイゼンとピッケルを装備しましたが、それがなければ、通過できなかったかもしれません。
ここはトラバースできるところも見あたらないので、慎重に通過。ザックやその他装備品を岩にぶつけて跳ね返されないように注意しましょう。
岩場を通過したらあとは鞍部まで急降下。太陽がだいぶ西に傾いてきました。そりゃ、もう17時近いんですもの。
北(左側斜面のこと)は切り立った崖。そして、場所によっては雪庇があります。あまり左に寄りすぎないように、景色を堪能していきましょう。
足をやっぱり雪に奪われながら、ダイナミックに転んだりもしたっけ、鞍部まで下ります。
四阿山のアーベンロート。
嗚呼、これを見たくて、いつも山での宿泊をしているんだなぁ、と。
テントを張っている間に日が落ちました。もう少し落ち着いて日暮れを迎えたかったですな。
春霞がプリズムみたいになっています。ちょっと色調が違いますがね。
このあとは、ハッピーバースデーメールをおかずに、夕食。山を一人で歩いていると、時々一人とは思えない時があるんですね、こういう風に。
さて、明日は四阿山への急登が待っています。登り切れるか!?
天気:快晴(長野県上田市・小県郡真田町・須坂市、移動中は含まない)