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道草の秋(槍ヶ岳西鎌尾根コース:長野県)

2009年 10月 12日

 今日の日記は今までで最も長くなると思います。抜群という言葉さえ足りないくらい素晴らしい天気。
 さて、ふうたろう、寒すぎて殆ど寝られなかった12日の朝、どこへ行こうとしているのでしょうか。


 双六山荘前。徐々に明るくなってきました。


 表銀座の稜線が朝焼け。


 あかね雲が垂れ下がっています。


 槍ヶ岳のシルエット。


 ここは樅沢岳(もみさわだけ)。
 …ということは、今日のコースは西鎌尾根に決定。ついでに槍ヶ岳に寄り道して上高地に下ります。


 しかし、遠いですぞ、槍ヶ岳。槍ヶ岳山荘に向かうまでの、一つ目の分岐の取り付きまでで3時間。


 樅沢岳で出会ったおっちゃんに、「がんばれば(上高地まで)行けるよ。」と言われて、朝日を目指して進行。みんな、殆どが「がんばれば」という仮定法を使いますよね。


 昨日一昨日と歩き回った鷲羽岳~三俣蓮華岳が、朝焼けしています。


 冷え込みがハンパなかったので登山道に霜柱がビッシリ。


 今日の稜線はずっと穂高連峰を眺めながら進めます。


 新しい朝が来た。気持ちよすぎてむらむらする。


 岩肌が朝日に染まります。


 急にハラが減ってきたので、槍ヶ岳をスパイスにカロリーメイトを食いました。


 薄雲が少し。空の様子も申し分ない。


 三俣蓮華岳と鷲羽岳。あちらも展望は最高でしょうね。


 三俣山荘が見えました。カメラの望遠を最高に伸ばしました。肉眼ではさすがに見えません。


 太陽から雲が伸びています。


 虹のリングができています。白山や宮之浦岳、御嶽山でも見ました。


 遠くに焼山と火打山が見えます。焼山かあ。火打山あるいは雨飾山から縦走したい。


 硫黄尾根と呼ばれる尾根。


 1日目に登ってきた小池新道のある稜線。


 最初はヌルかった西鎌尾根もだんだん険しくなってきました。風も強弱を繰り返すし。


 やっと鏡平にある、鏡平山荘に日が当たりました。嗚呼、晴れていたらあの大きな笠ヶ岳や、こちら側西鎌尾根、穂高連峰などが一望できるのですねぇ…。


 長いけど、確実に槍ヶ岳に詰め寄っています。上り下りの稜線を越えていきます。


 この谷川の主流は、千丈沢というそうです。なんて大きい谷なんでしょう。


 もう夜が明けて時間が経つのに、霜柱はまったく溶けていません。


 ひたすら連なる山脈。


 樅沢岳の次のチェックポイントは、千丈乗越という分岐。そこに近づくにつれ、道は非常に険しくなっていきます。転んだら奈落の底。


 槍ヶ岳はもうかなり近くに見えます。
 右上の細かく尖ったふたつの岩の、右のなだらかな方です。


 千丈乗越。2時間40分でなんとか到達しました。20kg前後の荷物を背負って、健闘でしょう。


 千丈乗越以降の坂は鬼になります。みるみるうちにGPSの高度も上がるし、見た目の高度感も急上昇。


 ここからはガレ場の道。登りにくく、高山を強く意識させる、激しく楽しい道。


 ずっとしたまで続く、谷。この辺りも「槍平」というのでしょうか。


 90度の岩壁。すげー!!


 槍平と笠ヶ岳。大きいなあ!


 笠ヶ岳が殆どアイレベル。


 あの少し尖った岩はなんだろう。


 ぎょええ!!(゚Д゚;)
 下りてきたおっちゃんが言ってたとおり、雪が凍っています。


 千丈乗越から半分くらいはそれでも早かったけど、標高3000mを越えてからの半分が猛烈に長かった気がします。行けども行けどもピークが見えない。
 でも、もうそろそろ終わりのようです。


 立て札が見えました。


 \(^O^)/
 槍ヶ岳山荘に到着しました。
 空は快晴ですね。最高ですね。


 インスタント焼きそば(焼きそばじゃないけど)で祝います。


 槍沢の広大な風景はまた絶景。


 上空をヘリコプター。
 槍ヶ岳をぐるぐるしていましたが何かあるのかな。


 焼きそば食ったら、バッジを山荘でゲットして槍に登るんですよ。ここまで来て槍に登らなかったらタコです。


 急な岩山なので、山荘がみるみるうちに下がっていきます。


 鉄梯子が断続的にあります。あとの岩場は手と足でおりゃおりゃーと登ります。


 槍ヶ岳山頂に到着。12年前の合宿で登ったときは、あらゆる意味で展望の無かった槍ヶ岳でしたが、今日は素晴らしいですぞ!


 鷲羽岳方面がすべて見えます。昨日歩いていたところがすべて視界に入っています。


 眼下に槍ヶ岳山荘。


 大喰岳(おおばみだけ)を始めとする、穂高の稜線。


 槍沢と東鎌尾根と常念岳稜線。


 天上沢と表銀座の稜線など。


 あれは常念岳かな。


 北鎌尾根。


 360度の大展望を堪能したら、下山の時間です。この90度の岩を再び下ります。


 こうやって書いてしまえば簡単ですが、上り下りで往復1時間です。


 槍沢を駆け抜けます。


 ガレ場のジグザグをカモシカダッシュ。


 左右に迫る岩壁を見ながらカモシカ下山。


 殺生ヒュッテです。スルーしました。


 槍ヶ岳があんなに小さく。


 下山道まっしぐらです。ふうたろう、猛烈な速さで下っています。


 みるみるうちに槍ヶ岳が小さく。そろそろ見えなくなりますよ。


 水場。きれいな水が流れています。口を付けてグビグビやりました。岩にチューしたり鼻に水が入ったりしましたが、メチャクチャ美味かったッス。


 周囲の山が高くなってきました。


 さっきのガレ場から草がまばらに生える地帯に変わってきました。


 気持ちいい秋の草原。


 ここまで槍ヶ岳山荘から1時間15分。


 槍沢の説明はこれ以上あまり必要ないでしょう。駆け足で進みましょう。


 緑の草が出てきました。


 振り返ると、あれは南岳?


 季節が変わったかのように、いきなり緑の草が出てくる。


 低木が出てきました。森林限界は下回りました。


 槍沢の急坂が穏やかになり、大曲というポイントを通過。


 槍ヶ岳の主稜線が姿を消しました。


 次のポイントは槍沢ロッジ。12時半を回ったので、ふうたろうの足は更に加速。


 それでも谷の風景は素晴らしいので、写真を撮る手の力だけは緩めない。


 槍沢キャンプ地付近。紅葉がいくぶんきれいですが、あまりパッとしません。


 槍沢キャンプ地のあるババ平という場所に到着。水場があり、グビグビやりましたが、あまり冷たくなくて少しがっかりしたかも。


 ババ平の石室みたいなやつ。何これ。


 このあと、樹林の中を疾走。


 岩を踏み、森を越え、川を切り、人を抜いていきます。


 大曲から40分前後で槍沢ロッジ。休憩する間もほとんど無く、再び猛ダッシュ。


 猛ダッシュと言っても、ふうたろうはランニングは全然ダメなので、ハイパー早歩きです。


 一ノ俣の橋。ここまで来れば殆どあとは平地のはず。


 青く輝く一ノ俣の沢。


 澄んだ空気漂う上高地の樹林。


 蛇行を繰り返しつつ大きくまとまっていく槍沢(川)。


 横尾という場所に着いたようです。なんと、槍ヶ岳から11kmもあるのだとか。ここまで3時間半程度。


 12年前の合宿の時、この山荘に泊まりましたな。…断然今の山行の方がいい!


 ここからは登山家に混じって観光客も増えてきます。あまり写らないようにはするけども。
 横尾から上高地バスターミナルまで3時間かかる予定なので、かなり急がねばなりません。


 なんか、工事してて迂回なんですけど。崩れて道が無くなったんですかね。


 その迂回路の砂道が歩きを鈍らせます。そろそろ足が限界っぽい。


 新村橋。徳沢まで20分。いったい何十人抜かしてきただろうか。それでも予定コースタイムを半分には縮められない。


 徳沢に到着です。横尾もそこそこ人がいましたが、徳沢はまるで繁華街です。カップルとか大量にいます。


 行動食を食って、目の色変えて、出発。最後の1ピッチになるでしょう。


 名もない池だけど、森の中の静かな池。


 明神橋まで来ました。目の色が変わったというか、目が血走っていたのではないでしょうか。挨拶もまともにすることができません。徳沢あたりから、急激に靴擦れのような痛みが両足を走っていますし。


 河童橋まで来ると、ほぼ足は終焉状態。しかし、あと少し。


 槍ヶ岳山荘から5時間30分で上高地バスターミナルに着きました。これでバスに乗れなかったらマジで犬死にだと思っていたし、まだ今回の旅には犬死にがなかったので、まさかと思っていましたが、なんとか乗れました。
 いや、なんて長さだ…。槍ヶ岳から上高地バスターミナルがこんなに長いなんて…。ていうか、上高地広すぎ。
 このあと、バスと電車でマッタリしながら松本まで。松本でモスを食い(またか!)、特急あずさで帰りました。解りきっていましたが、特急は混雑していて、揺れました。子どもが電車酔いに苦しんでいてかわいそう。


 とても長い1日が、またひとつ、終わりました。道草というにはあまりにも大きな山でしたが、天気が最高で、気分的には昨日一昨日よりものんびり歩けました(これでも?)。槍ヶ岳、人が少なかったら本当に素晴らしい山ですね。
 #59鷲羽岳クリア。
 #60黒部五郎岳クリア。
 #207三俣蓮華岳クリア。
 #4槍ヶ岳クリア(2回目)。


天気:晴れのちくもり、日中は快晴(岐阜県吉城郡上宝村・長野県大町市・南安曇郡安曇村)

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