道草の秋(槍ヶ岳西鎌尾根コース:長野県)
今日の日記は今までで最も長くなると思います。抜群という言葉さえ足りないくらい素晴らしい天気。
さて、ふうたろう、寒すぎて殆ど寝られなかった12日の朝、どこへ行こうとしているのでしょうか。
ここは樅沢岳(もみさわだけ)。
…ということは、今日のコースは西鎌尾根に決定。ついでに槍ヶ岳に寄り道して上高地に下ります。
しかし、遠いですぞ、槍ヶ岳。槍ヶ岳山荘に向かうまでの、一つ目の分岐の取り付きまでで3時間。
樅沢岳で出会ったおっちゃんに、「がんばれば(上高地まで)行けるよ。」と言われて、朝日を目指して進行。みんな、殆どが「がんばれば」という仮定法を使いますよね。
昨日一昨日と歩き回った鷲羽岳~三俣蓮華岳が、朝焼けしています。
急にハラが減ってきたので、槍ヶ岳をスパイスにカロリーメイトを食いました。
三俣山荘が見えました。カメラの望遠を最高に伸ばしました。肉眼ではさすがに見えません。
虹のリングができています。白山や宮之浦岳、御嶽山でも見ました。
遠くに焼山と火打山が見えます。焼山かあ。火打山あるいは雨飾山から縦走したい。
最初はヌルかった西鎌尾根もだんだん険しくなってきました。風も強弱を繰り返すし。
やっと鏡平にある、鏡平山荘に日が当たりました。嗚呼、晴れていたらあの大きな笠ヶ岳や、こちら側西鎌尾根、穂高連峰などが一望できるのですねぇ…。
長いけど、確実に槍ヶ岳に詰め寄っています。上り下りの稜線を越えていきます。
この谷川の主流は、千丈沢というそうです。なんて大きい谷なんでしょう。
もう夜が明けて時間が経つのに、霜柱はまったく溶けていません。
樅沢岳の次のチェックポイントは、千丈乗越という分岐。そこに近づくにつれ、道は非常に険しくなっていきます。転んだら奈落の底。
槍ヶ岳はもうかなり近くに見えます。
右上の細かく尖ったふたつの岩の、右のなだらかな方です。
千丈乗越。2時間40分でなんとか到達しました。20kg前後の荷物を背負って、健闘でしょう。
千丈乗越以降の坂は鬼になります。みるみるうちにGPSの高度も上がるし、見た目の高度感も急上昇。
ここからはガレ場の道。登りにくく、高山を強く意識させる、激しく楽しい道。
ずっとしたまで続く、谷。この辺りも「槍平」というのでしょうか。
ぎょええ!!(゚Д゚;)
下りてきたおっちゃんが言ってたとおり、雪が凍っています。
千丈乗越から半分くらいはそれでも早かったけど、標高3000mを越えてからの半分が猛烈に長かった気がします。行けども行けどもピークが見えない。
でも、もうそろそろ終わりのようです。
\(^O^)/
槍ヶ岳山荘に到着しました。
空は快晴ですね。最高ですね。
上空をヘリコプター。
槍ヶ岳をぐるぐるしていましたが何かあるのかな。
焼きそば食ったら、バッジを山荘でゲットして槍に登るんですよ。ここまで来て槍に登らなかったらタコです。
鉄梯子が断続的にあります。あとの岩場は手と足でおりゃおりゃーと登ります。
槍ヶ岳山頂に到着。12年前の合宿で登ったときは、あらゆる意味で展望の無かった槍ヶ岳でしたが、今日は素晴らしいですぞ!
鷲羽岳方面がすべて見えます。昨日歩いていたところがすべて視界に入っています。
360度の大展望を堪能したら、下山の時間です。この90度の岩を再び下ります。
こうやって書いてしまえば簡単ですが、上り下りで往復1時間です。
下山道まっしぐらです。ふうたろう、猛烈な速さで下っています。
水場。きれいな水が流れています。口を付けてグビグビやりました。岩にチューしたり鼻に水が入ったりしましたが、メチャクチャ美味かったッス。
さっきのガレ場から草がまばらに生える地帯に変わってきました。
槍沢の説明はこれ以上あまり必要ないでしょう。駆け足で進みましょう。
次のポイントは槍沢ロッジ。12時半を回ったので、ふうたろうの足は更に加速。
それでも谷の風景は素晴らしいので、写真を撮る手の力だけは緩めない。
槍沢キャンプ地付近。紅葉がいくぶんきれいですが、あまりパッとしません。
槍沢キャンプ地のあるババ平という場所に到着。水場があり、グビグビやりましたが、あまり冷たくなくて少しがっかりしたかも。
大曲から40分前後で槍沢ロッジ。休憩する間もほとんど無く、再び猛ダッシュ。
猛ダッシュと言っても、ふうたろうはランニングは全然ダメなので、ハイパー早歩きです。
横尾という場所に着いたようです。なんと、槍ヶ岳から11kmもあるのだとか。ここまで3時間半程度。
12年前の合宿の時、この山荘に泊まりましたな。…断然今の山行の方がいい!
ここからは登山家に混じって観光客も増えてきます。あまり写らないようにはするけども。
横尾から上高地バスターミナルまで3時間かかる予定なので、かなり急がねばなりません。
なんか、工事してて迂回なんですけど。崩れて道が無くなったんですかね。
その迂回路の砂道が歩きを鈍らせます。そろそろ足が限界っぽい。
新村橋。徳沢まで20分。いったい何十人抜かしてきただろうか。それでも予定コースタイムを半分には縮められない。
徳沢に到着です。横尾もそこそこ人がいましたが、徳沢はまるで繁華街です。カップルとか大量にいます。
行動食を食って、目の色変えて、出発。最後の1ピッチになるでしょう。
明神橋まで来ました。目の色が変わったというか、目が血走っていたのではないでしょうか。挨拶もまともにすることができません。徳沢あたりから、急激に靴擦れのような痛みが両足を走っていますし。
槍ヶ岳山荘から5時間30分で上高地バスターミナルに着きました。これでバスに乗れなかったらマジで犬死にだと思っていたし、まだ今回の旅には犬死にがなかったので、まさかと思っていましたが、なんとか乗れました。
いや、なんて長さだ…。槍ヶ岳から上高地バスターミナルがこんなに長いなんて…。ていうか、上高地広すぎ。
このあと、バスと電車でマッタリしながら松本まで。松本でモスを食い(またか!)、特急あずさで帰りました。解りきっていましたが、特急は混雑していて、揺れました。子どもが電車酔いに苦しんでいてかわいそう。
とても長い1日が、またひとつ、終わりました。道草というにはあまりにも大きな山でしたが、天気が最高で、気分的には昨日一昨日よりものんびり歩けました(これでも?)。槍ヶ岳、人が少なかったら本当に素晴らしい山ですね。
#59鷲羽岳クリア。
#60黒部五郎岳クリア。
#207三俣蓮華岳クリア。
#4槍ヶ岳クリア(2回目)。
天気:晴れのちくもり、日中は快晴(岐阜県吉城郡上宝村・長野県大町市・南安曇郡安曇村)