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銀色の秋(鷲羽岳・黒部五郎岳~双六山荘:富山県他)

2009年 10月 11日

 明くる朝、天気はどうなっていたでしょうか。
 ここは三俣山荘前の広場。雪で一面覆われているように見える、暗闇。


 例に漏れず1時間ごとに目が覚めたので、その都度空の様子はチェック済み。
 「まだ雪、止んでないのかよ!」
 と思ったら、さっき確かめてからまだ1時間しか経っていなかった、という話。
 そんな夜の間に、空は快晴になっていました。


 三俣蓮華岳が薄明るくなってきました。どうやらかの山も雪に覆われているようです。


 槍ヶ岳の稜線。あちらも雪でしょうか。


 黒部五郎岳方面(西)を見ると、空にピンクの帯。


 三俣蓮華岳のモルゲンロート。


 ところで、ふうたろうはどこにいるのでしょうか。
 三俣蓮華岳を背にして、鷲羽岳(わしばだけ)に登っています。三俣山荘から目と鼻の先の鷲羽岳。


 刻一刻と色が変わります。


 鷲羽岳の岩にビッシリと積もった雪。風も上に行くにつれて強く吹いてきます。


 登っている間に夜が明けました。あっという間に雲が湧いてきました。


 鷲羽岳を越え、水晶岳まで向かおうとしていましたが、その水晶岳はあの竜の巣の中。猛烈な風が吹き荒れて、視界も悪そうです。行けたもんではありません。


 黒部五郎岳が見えます。それどころか、鷲羽岳は360度の大展望です。


 水晶岳が見えたと思ったこの山は、ワリモ岳。アイゼン無しにあの凍った岩山に向かうなんて自殺行為だ!


 鷲羽岳です。とっくに山頂には着いていましたが、とりあえず、雲が覆わないうちに写真を撮りまくると。


 風が強く寒いので、下ります。実はふうたろうの後を猛スピードで追いかけてくる人がいて、頂上ではふうたろう併せて3人でした。その猛スピードの彼は下りも猛スピードでいなくなりました。
 ふうたろうと一緒に着いてくるのはあのブロッケンくらいです。しかし、あまり写っていませんね…。


 鷲羽岳から見える鷲羽池。カルデラ湖だとか。


 この日は意識しなかったけど、見えているのは穂高連峰と、槍ヶ岳に続く西鎌尾根など。


 光が揃って真っ白になった三俣蓮華岳。


 谷を覗いてみたら、やっぱりまだ下の方は雪景色ではありません。


 朝も7時くらいになったので、小屋泊まりの人たちとかが登り始めてきたようです。


 鷲羽岳への道。このトラバース気味のところが、ちょっと危ないんですよね。特に凍結しているときはDangerous!


 三俣蓮華岳と、雪の積もったハイマツ林に佇む三俣山荘。


 朝日で早速屋根の雪が解けている三俣山荘。


 庭の景色がこれ以上ないくらい贅沢な三俣山荘。


 三俣山荘からハイマツのヤブというかトンネルを抜け、テント場に戻ります。何気に、小屋にしかないトイレに行くときとか、かなーり不便なのです。


 ふうたろうの、湿った場所のテント。
 目の前が沢なんですよ。


 テント場は水場がすぐ側です。
 水に口づけしてグビグビやりました。


 三俣山荘のテント場を出る頃には、天気がかなり回復してきました。見てのとおり、鷲羽岳とワリモ岳ははっきり。水晶岳の方はまだ少しアヤシかったようですが、時間の問題でしょう。


 三俣山荘から黒部五郎岳に向かっています。三俣蓮華岳の巻き道を通っています。鷲羽岳の眺望が素晴らしい。


 ただし道は、雪のヤブ沢登り。つまり、悪路です。


 ただ広い雪原が広がるのみ。


 ガレ場に積もった雪と鷲羽岳。


 三俣蓮華岳の縁。


 何を血迷ったか、これを白山と叫んでしまいました。白山がこんなに近いはずはありません。これは薬師岳です。


 いつでもどこでも辛い、ハイマツヤブ。歩いていると、まずカメラが引っかかって、あらんかぎりの悪い事件が起こります。


 巻き道の途中から黒部五郎岳がはっきり見えるようになります。


 谷筋はまだ冬の境界線を越えていないようです。


 このトラバースは、もうちょっと雪が積もるとものすごく怖いでしょうね。黒部乗越手前。


 黒部乗越の分岐に、歩くのに必要な荷物以外を置いて、黒部五郎岳に向かうことにしました。少なくとも、これでここまで取りに戻らなければならないことになりました。
 黒部乗越を見返していますが、小さすぎて見えません。


 稜線から見える笠ヶ岳。焼岳方面より反対の、黒部五郎岳方面から見ても同じような形をしています。


 肝心の黒部五郎岳、遠いですね。


 なだらかなこの稜線はただの見かけ倒しです。この後が強烈だから。


 銀色の道を歩いてきました。黒部乗越(三俣蓮華岳肩)から西に向かって歩いています。


 銀色の気持ちいい稜線歩きが終わったら、岩ゴロゴロの雪まみれのおぞましい急坂を、無言で下りてきました。そしたら、黒部五郎小屋。バッジをゲットしたかったのに、閉まっていました。


 少し休んで、お菓子を食べ、すぐに黒部五郎岳に出発。この山を残すと、また新穂高からの長い車道歩きを歩き直してこなければならない…。


 この辺り、草もみじのままだけど、昨日の雪にはあまり降られなかったのでしょうか。


 小屋を見送って早足で向かいます。


 昨日の雪の気配は完全に消えています。なんか、季節が逆戻りしたような気分。
 しかし、この笹原は気分が良い。


 低木の林を歩きます。


 しばらくすると何事もなかったように樹林が途切れて、見晴らしが良くなります。


 あれ?さっきまで晴れていたのに、ふうたろうが向かったら曇ってきたのはどういうことですか?


 黒部五郎岳は、大きなカールという地形が広がっています。上の写真はそのカールの感じが伝わるでしょうか。
 カールの中にはたくさんの沢があって、ビミョーに口飲みできないくらいの浅い水場になっています。残念。


 カールから稜線に上がるガレ場は鬼です。


 黒部五郎岳の巨大なカール。ちょっと曇っていてコントラストが悪い。


 太郎平方面。あちらもかなり大きいでしょうね。薬師岳に縦走するときはあそこを通ればいいようです。笠ヶ岳に入って、三俣蓮華岳と黒部五郎岳を越え、薬師岳を突っ切り、立山ムロドウに抜ける?


 黒部五郎岳の最高峰に行くまで気は抜けません。ガレ場の稜線は非常に歩きにくい。雪もそこかしこにへばりついているし。


 さりげなく山頂が曇っていますが、何か。


 黒部五郎岳到着。ほぼ、昼になりました。さりげなく曇っているので薄暗いけど。


 ここも360度の大展望です。っていなければ。
 立山方面の大日岳などが見えているのでしょうか。ふうたろう、まだ登ったこと無いけど。


 こんな北アルプスの奥にある黒部五郎岳なのに、たくさんの人が来ています。頂上ではみんなで盛り上がると。


 稜線を下って小屋まで戻りたかったのですが、このとおり、ガスっているので、おとなしく元来た道を戻ります。もっとも、理由はそれだけでなく、解らない道を通って時間をかけたくなかったというのもあります。今日中になんとか双六小屋まで行きたいのです。


 疲労がたまってきた2日目の昼。ふたたびこの稜線を通り、鬼ガレ場坂を下り、カールを駆け抜けます。


 (゚Д゚;)
 遠いッス。
 しかも、三俣蓮華岳方面まで曇ってきました。


 いくら空荷とはいえ、この遠さはシャレになりません。嗚呼、幌尻岳を思い出したぜ…。


 カールをBダッシュで駆け抜けます。ガレ場、沢、ぬかるみ、氷、そんなのカンケーねー!!


 小屋から山頂まで1時間40分、山頂から小屋まで1時間30分。
 あれ?なんかおかしくない?


 小屋のところで黒部五郎岳にて共に戦った(?)お互い単独の戦友でたたえ合って(??)、それぞれふたたび各自の戦地へ。
 まずは、雪&ゴロゴロ岩のおぞましい坂を上り返さなければなりません。


 こんな坂、ふつうは登る気がしないッス。


 おぞましい坂を上りきって振り返れば、黒部五郎岳はドンヨリ曇り空。


 黒部乗越まで、ここまで来ればあと少し。
 今朝は一面銀色だったこの辺りは、まだ10月の強い日差しで、ぬかるんだ黄土色になりました。
 なお、この地点、くっきりと踏み痕が付いている方向へ、ヘタに進むと迷います。


 何度も後ろを振り返りながら、ハイマツのヤブを抜けます。


 南斜面の雪はよく解けていますが、北斜面は殆どきれいに残っています。


 …荷物を黒部乗越でふたたび担いで、三俣蓮華岳を登ったのですが、どうやら写真を撮る気力さえほとんど無いまま、登りきったようです。
 そして、猛烈にハラが減ってきたので、ここで辛ラーメンを食いました。嗚呼うまい。


 で、三俣蓮華岳の山頂でゴールな訳ではないので、先に進まねばなりません。あの荷物を背負ったまま、あの名もない、三俣蓮華岳の南にあるピークを越えるのですか。ああ、そうですか。


 ふうたろうが歩いているのは双六岳の稜線。見えているのは槍ヶ岳の稜線。景色は素晴らしい。


 輪郭のはっきりした槍ヶ岳。ホント、スゴいなあ、アルプスの山は。


 で、ふうたろうの歩いている稜線は、黒部五郎岳を歩いているときから気になってはいたけど、曇っています。でも、こういう明るいくもりは、却って幻想的でおもしろかったりもします。


 こういう空は大好きです。曇り空の専売特許。


 濃霧の稜線をすたこらさっさ。


 双六岳は踏まずに行きましょう。三俣蓮華岳で既に16時前でしたし。これが300名山以内に入っていたら、通っていたかもしれません…。


 雲が晴れ、表銀座と呼ばれる稜線が見えます。山では夕方になるとガスが晴れてくることがあるので、その一瞬を逃したくない。


 双六岳の巻き道、中道ルートを通ります。くぼんでいるところを除けば、景色は良好です。


 双六岳。いつかここに登に来る日は来るのかな。薬師岳などを笠ヶ岳から縦走しようと考えたとき、通るかもしれませんね。


 双六岳の肩で3人くらい人が集まっています。カメラの望遠を最大にして撮影。たぶん、表銀座や穂高連峰を撮っているのでしょう。


 晴れたり曇ったりを繰り返していた鷲羽岳も、夕日モードになりました。これはきれいに焼けそうですぞ。


 双六岳の稜線もいつしか雲が切れてしまいました。あの稜線の向こうには、何が見えるでしょうか。


 ちぎれた雲の影が落ちる鷲羽岳。


 双六岳の稜線が投影されている表銀座の稜線。


 雲に食われかけの槍ヶ岳。


 不意に天を駆け抜けた飛行機雲。


 夕焼け雲と一緒に天を駆ける飛行機雲。


 槍ヶ岳と雲のアーベンロート。


 こんな写真を撮っている間に、後続が何人か行ってしまいましたよ。
 こうして油を売っているから、12時間半行動なんてことになるのです。
 というわけで、今日は朝焼けと夕焼けの一部始終を見たのでした。


 双六山荘はまだか。
 あと10分ほどです。
 もうかなり暗いです。


 暗順応しているのではっきり目では見えるのですが、写真じゃ辛いかな。双六山荘に、もう着きます。
 いや、歩きました。鬼のように歩きました。


 このあと、素泊まり料金5800円に驚いて、昨日も見たテント場にテントを張り、明日を思うのでした。明日はどこに向かおうか。笠ヶ岳か、そのまま新穂高温泉か。ちょっと待て、西鎌尾根経由槍ヶ岳なんてのもあるぞ。
 その決断にはしばらく時間がかかりました…。


天気:晴れ時々くもり(富山県上新川郡大山町・岐阜県吉城郡上宝村・長野県大町市)
覚え書き:DS電池切れ

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