皇海山の内堀(庚申山縦走コース:栃木県)
夜明け前は流星群が見られると思うほど空は晴れていたのに、明るくなったと同時に雲が出てきました。皇海山の山頂も見てのとおり、ガスっています。
まだ多少暗いですが、もう6時前なので出発です。晴れていれば5時過ぎには出られると思うのですが。
ふうたろう、国境平まで昨日のうちに来られませんでしたが、ここはすばらしいところですな。テント張るなら、絶対国境平にすべきです。
皇海山もばっちり見えます。国境平は背丈膝下くらいまでの笹原です。
笹原ではなく、草地があります。テント張るにはもってこい。景色抜群。イヤ、昨日本当にここまで来たかった。
紅葉は終わり、冬支度を始めた国境平。曇っていても清々しい国境平ですから、晴れていたらどれほどのものか、想像を絶します。
どんどん雲は分厚くなってきています。今日は降らない予報のはずですが…?
「平」という名前だけあって、広い。ここに来ただけでも、来て良かったと思います。
ふうたろうが昨日歩いてきた松木沢とニゴリ沢の沢筋が見えます。向こうが霞むほど、長い。
今回のベストショットです。曇っていてもなお、この草原の稜線の広大さを見せつけます。本当に、晴れたとき、また来たい。これほどもう一度来たいと思う場所は、なかなかありませんぞ!
皇海山は樹林の山。国境平を過ぎると、鬱蒼とした針葉樹林に覆われ、日の光が入らないと、そうとう暗いです。
時々、崩れた斜面から展望があります。こういうところで休憩すると、さわやかになります。
松木沢、ニゴリ沢、ニゴリ沢の深部。昨日詰めたところ以降は、へつるのも難しい滝で越えられなさそうでした。
猛烈な急坂。県境を這い上がる皇海山北側の急登ですが、少なくとも、進路が変わる1900~1950m前後の位置までこないと、この急登は終わりません。
進路が変わったと思ったら、一旦周りを見てみましょう。景色は再び開けます。
急登を、時間かけて越えた末、#61皇海山、遂に到達です。ここも何度も来ようと思って、地図なんて数年前から準備していたのに。
ふうたろうが記念撮影を終えて去ろうとした頃、不動沢から来たという、寒さで鼻水を垂らしていることにさえ気が付かないおっちゃんが。確かに、天気、荒れてきました。
銅剣があります。
ところで、皇海山山頂を出ようとしたところ、雨が降り始めました。ついに来たかッ!
雨が降り始めると流石にあらゆる場所が歩きにくくなり、濡れるので(カッパを着ていても)テンションも下がります。
不動沢のコルです。皇海山の最短ルートがこの右側(西)に続いていますが、ふうたろうは車を運転できないため、登山口に辿り着くことは、一人で居続ける限り絶対不可能です。
で、あそこの看板、「単独行動をさせない」ってさ。
鋸岳の肩は、いきなり岩場です。俯いて歩いていると岩に頭をぶつけるか、谷に落ちますよ。
山頂にまだ馴染んでいない標ですね。きっとこの鋸岳、大展望ですよ。曇っているから解らないけども。晴れたときに、また来たい。
更に、庚申山(こうしんやま)に縦走します。再び、おぞましいヤブ道?
鋸岳から最初の1時間は、覚悟を決めた方がいい。雨で濡れているので余計そうなのですが、90度近い岩壁を鎖などを使ってよじ登り、あるいは下りるのは、並大抵ではありません。
なんか、ちょっと変なところに迷い込んだみたいです。行き止まり。
あまりの濡れた崖に絶句しながら、30mくらいの高低差のある岩壁を、鎖一本で下ります。腕力と脚力を要する場所です。
しかし、長く、雨と滴のしたたる寒い縦走路。疲れてきました。カメラも濡れてくるし、庚申山を過ぎるまでカメラをザックにしまってしまいました。
ここは庚申山から庚申山荘に向かう下山道。
こうしてみると、ガスっているのも、悪くないですね。もちろん、晴れたときに、また来たいと思いますが。
この、庚申山から庚申山荘へのルート、何気に断崖を下る道です。まるで天然の城塞。
岩の下にある半分トンネル状の登山道を下ります。前を行く人たち、すぐ下で沢に迷い込もうとしていました。
すさまじい断崖絶壁。ガスでよく見えないけど、空気が澄んでいたら、その迫力や、どんなものでしょうか。
庚申山荘のあるはずの場所まで下りてきましたが、見あたりません。インスタント焼きそば(焼かないけど)を食べようと思っていたのに。
こうなったら、下山までダッシュです。
この鏡岩には物語があるようです。休憩しながら、色々ツッコミどころを考えていましたが、それはまた日を改めて書きますか。
一の鳥居からかじかの湯まで歩く途中で、さっきから抜きつ抜かれつしていた、群馬県のおっちゃん3人組と合流しました。きのこ博士のおっちゃんから、美味しい山菜ときのこの話を聞かされ、つい、意気投合。かじかの湯に一緒に入り、なんと、車に乗せてもらったのでした!
かじかの湯(銀山平)から原向駅までの車道歩きは正直恐ろしかったので、かなり助かりました。その上、みんな気さくな方たちで、話も弾みました。何せ、山の人たちですもの、この東武線赤城駅までの時間はあっという間でした。
駅の売店でおばちゃんと少し話をしながら、寒いのにソフトクリームをナメナメして、おっちゃんたちに薦められた特急列車で帰宅です。ドラクエをやったりしながら、特に犬死にもなく、スムーズに帰るのでした。
頂上のところでも書いたけど、いったい、何度この山、登ろうと思って断念したでしょう。地図もかなり前から買っていたのに、登る機会を見つけられず、松木沢コースに怯えながら、もんもんとしていましたね。
でも、今日、遂にそのミッションをクリアしました。しかも、雨という最悪のコンディションで、乗り越えました。頑張り自慢ではないけど、よくがんばったと思います。また、晴れたとき、今度は袈裟丸山の方から縦走するなど、考えてみたいですね。
#61皇海山クリア。
天気:雨(栃木県上都賀郡足尾町、群馬県利根郡利根村)