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皇海山の内堀(庚申山縦走コース:栃木県)

2009年 10月 25日

 夜明け前は流星群が見られると思うほど空は晴れていたのに、明るくなったと同時に雲が出てきました。皇海山の山頂も見てのとおり、ガスっています。


 まだ多少暗いですが、もう6時前なので出発です。晴れていれば5時過ぎには出られると思うのですが。


 ふうたろう、国境平まで昨日のうちに来られませんでしたが、ここはすばらしいところですな。テント張るなら、絶対国境平にすべきです。


 皇海山もばっちり見えます。国境平は背丈膝下くらいまでの笹原です。


 なんと、まだ、上信越方面は晴れているようです。


 笹原ではなく、草地があります。テント張るにはもってこい。景色抜群。イヤ、昨日本当にここまで来たかった。


 紅葉は終わり、冬支度を始めた国境平。曇っていても清々しい国境平ですから、晴れていたらどれほどのものか、想像を絶します。


 どんどん雲は分厚くなってきています。今日は降らない予報のはずですが…?


 「平」という名前だけあって、広い。ここに来ただけでも、来て良かったと思います。


 ふうたろうが昨日歩いてきた松木沢とニゴリ沢の沢筋が見えます。向こうが霞むほど、長い。


 今回のベストショットです。曇っていてもなお、この草原の稜線の広大さを見せつけます。本当に、晴れたとき、また来たい。これほどもう一度来たいと思う場所は、なかなかありませんぞ!


 皇海山は樹林の山。国境平を過ぎると、鬱蒼とした針葉樹林に覆われ、日の光が入らないと、そうとう暗いです。


 時々、崩れた斜面から展望があります。こういうところで休憩すると、さわやかになります。


 ただし、崩落は激しく、落ちたら一巻の終わりです。


 松木沢、ニゴリ沢、ニゴリ沢の深部。昨日詰めたところ以降は、へつるのも難しい滝で越えられなさそうでした。


 猛烈な急坂。県境を這い上がる皇海山北側の急登ですが、少なくとも、進路が変わる1900~1950m前後の位置までこないと、この急登は終わりません。


 進路が変わったと思ったら、一旦周りを見てみましょう。景色は再び開けます。


 しかし、さっきにも増して、ハイパーヤブ歩きになります。


 頂上まであと50mほどだというのに、ガスってきました。


 急登を、時間かけて越えた末、#61皇海山、遂に到達です。ここも何度も来ようと思って、地図なんて数年前から準備していたのに。
 ふうたろうが記念撮影を終えて去ろうとした頃、不動沢から来たという、寒さで鼻水を垂らしていることにさえ気が付かないおっちゃんが。確かに、天気、荒れてきました。


 銅剣があります。
 ところで、皇海山山頂を出ようとしたところ、雨が降り始めました。ついに来たかッ!


 雨が降り始めると流石にあらゆる場所が歩きにくくなり、濡れるので(カッパを着ていても)テンションも下がります。


 不動沢のコルです。皇海山の最短ルートがこの右側(西)に続いていますが、ふうたろうは車を運転できないため、登山口に辿り着くことは、一人で居続ける限り絶対不可能です。
 で、あそこの看板、「単独行動をさせない」ってさ。


 ふうたろうは鋸岳目指して、南へ。途端に道が荒れます。


 小雨がぱらつき、濡れます。ガスも濃いです。


 鋸岳の肩は、いきなり岩場です。俯いて歩いていると岩に頭をぶつけるか、谷に落ちますよ。


 山頂にまだ馴染んでいない標ですね。きっとこの鋸岳、大展望ですよ。曇っているから解らないけども。晴れたときに、また来たい。


 更に、庚申山(こうしんやま)に縦走します。再び、おぞましいヤブ道?


 いや、本当にどこに道があるのやら。


 鋸岳から最初の1時間は、覚悟を決めた方がいい。雨で濡れているので余計そうなのですが、90度近い岩壁を鎖などを使ってよじ登り、あるいは下りるのは、並大抵ではありません。


 なんか、ちょっと変なところに迷い込んだみたいです。行き止まり。


 よく見たら、向こうに梯子が付いた縦走路。


 あの梯子、長すぎませんか?


 この梯子は、短すぎませんか?


 あまりの濡れた崖に絶句しながら、30mくらいの高低差のある岩壁を、鎖一本で下ります。腕力と脚力を要する場所です。


 これが薬師岳、でしょうか。ここまで来ればほぼ大丈夫。


 しかし、長く、雨と滴のしたたる寒い縦走路。疲れてきました。カメラも濡れてくるし、庚申山を過ぎるまでカメラをザックにしまってしまいました。
 ここは庚申山から庚申山荘に向かう下山道。


 こうしてみると、ガスっているのも、悪くないですね。もちろん、晴れたときに、また来たいと思いますが。


 この、庚申山から庚申山荘へのルート、何気に断崖を下る道です。まるで天然の城塞。


 当然、足を滑らせたら終わりの箇所はイッパイ。


 この木を彫った階段は、濡れていたら怖いでしょ。


 写真じゃ伝わらない、巨大な岩壁。


 岩の下にある半分トンネル状の登山道を下ります。前を行く人たち、すぐ下で沢に迷い込もうとしていました。


 すさまじい断崖絶壁。ガスでよく見えないけど、空気が澄んでいたら、その迫力や、どんなものでしょうか。


 庚申山荘のあるはずの場所まで下りてきましたが、見あたりません。インスタント焼きそば(焼かないけど)を食べようと思っていたのに。
 こうなったら、下山までダッシュです。


 笹と広葉樹林の下をカモシカのように駆け下ります。


 紅葉は色濃くなってきます。やっぱり、日の光がほしい。


 この鏡岩には物語があるようです。休憩しながら、色々ツッコミどころを考えていましたが、それはまた日を改めて書きますか。


 薄暗い広葉樹林の中にひっそりと小さな滝。長閑なり。


 一の鳥居。基本的に山道はここで終わりです。


 一の鳥居からかじかの湯まで歩く途中で、さっきから抜きつ抜かれつしていた、群馬県のおっちゃん3人組と合流しました。きのこ博士のおっちゃんから、美味しい山菜ときのこの話を聞かされ、つい、意気投合。かじかの湯に一緒に入り、なんと、車に乗せてもらったのでした!


 かじかの湯(銀山平)から原向駅までの車道歩きは正直恐ろしかったので、かなり助かりました。その上、みんな気さくな方たちで、話も弾みました。何せ、山の人たちですもの、この東武線赤城駅までの時間はあっという間でした。


 駅の売店でおばちゃんと少し話をしながら、寒いのにソフトクリームをナメナメして、おっちゃんたちに薦められた特急列車で帰宅です。ドラクエをやったりしながら、特に犬死にもなく、スムーズに帰るのでした。


 頂上のところでも書いたけど、いったい、何度この山、登ろうと思って断念したでしょう。地図もかなり前から買っていたのに、登る機会を見つけられず、松木沢コースに怯えながら、もんもんとしていましたね。
 でも、今日、遂にそのミッションをクリアしました。しかも、雨という最悪のコンディションで、乗り越えました。頑張り自慢ではないけど、よくがんばったと思います。また、晴れたとき、今度は袈裟丸山の方から縦走するなど、考えてみたいですね。
 #61皇海山クリア。

天気:雨(栃木県上都賀郡足尾町、群馬県利根郡利根村)

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