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妨害に屈せず(恵那山:岐阜県)

2010年 2月 21日

 夜中、目を開けてもマックロな世界。はめ殺しの窓で、月明かりさえ入ってこない。なんてひどい避難小屋だ…。
 そんなわけで、思いきり朝寝坊カマしてしまいました。起きたら6時20分って、最悪でんがな。夜中は何度も目が覚めて再び寝つくのさえ大変なのに。
 ショックながらも飛び出してなんとかご来光。


 モルゲンロートはあまりちゃんと見られませんでしたね。来世に期待しよう。


 それでも、やっぱり山は朝が一番美しいです。この世の幸せです。
 南アルプスの向こうから太陽が出てきています。


 樹林の影もオレンジ色です。


 太陽が昇りきったら白銀の世界に変わります。昨日の「最高峰」から見ています。


 黒い森に白い光。


 中央アルプス方面。


 裾野まで広がる樹林。日の当たり方で見える風景もまったく変わるものです。


 一面に広がる黒い森。同じ樹林でもこうやってみる樹林は見応えがあります。


 これから西に進みます。しかし、昨日のように、仲間はもういません。いつものように、全くの独りです。


 少なくとも、人の足跡はまったくありません。


 突然伐採された樹林帯。なにこれ。


 展望は良くても、偽造された展望なんかくだらない。昨日のやぐらみたいなもんか。


 さて、実をいうと、前宮コースも歩いてみたかった。でも、地図にもルートがないので、今回はパスして、神坂峠(みさかとうげ)方面に向かうことにします。あわよくばスキー場でバッジが手に入るかもしれませんし、こちらに行く意味は十分あるのです。


 しかし、神坂峠に向かう稜線、少なくとも恵那山の主稜線から下るところはずっと深い樹林帯です。上りの道だったら最悪でしょうな…。


 わかんとアイゼンを履いた足をズイズイ滑らしながら下ります。


 森が切れると強い日差しが上と下からやってきます。


 霧に包まれた伊那谷と、南アルプスが見えています。でも、もう少し展望の利くところがあれば…。


 登ってきた恵那山が少し見えます。


 少しずつ樹林を避けて撮ろうとするのですが、なかなか、深くて…。


 波打つ雪。だんだん樹林が切れてきました。主稜線よりも下の方が少ないのはどうしてだろう。


 天狗ナギ付近からは展望が利きます。特に西側。左から御嶽山、乗鞍岳、穂高連峰。


 中津川市方面と、白山(左)と御嶽山。


 これからこんな景色が続きます。黒い樹林を駆け抜け、雪原を縦走してゆく、さわやかな風景が。


 昨日歩いていた稜線より広々としています。


 こちらの展望は主に西側。斜面が崩れているのもあって(天狗ナギなど)、展望がよく利いています。


 しかし、下りの稜線からは、樹林が切れればどこも展望抜群。南アルプスも全部見えます。


 トレースがない今日の道も、動物先生が大活躍です。


 歩いてきた道。進んでいるように見えて、全然進んでない。写真撮りすぎて、まったく進まないのです。


 谷と折り重なる山々。伊那谷にたまる霧が美しい。


 その霧の上に太陽。


 天狗ナギから谷。


 中津川市方面。


 天狗ナギの崩れた岩場。


 樹林に道を阻まれながら、あくまでも稜線を歩きます。


 天狗ナギを過ぎると、展望が更によくなります。縦走路が見渡せます。


 斜面にカンバ類。


 雪原の斜面に冬枯れの木々。


 だいぶ古いけど、人の足跡があります。いつのやつだろう。


 見通しの良い雪原の稜線。歩いていて気持ちがいい。


 広い雪原。


 早速腹が減ったので、この広い雪原でぜんざいでも食いますか。


 雲が出てきました。ふうたろうの好きな筋状の雲が。


 青空に模様ができた。


 恵那山の全貌が見えてきた。


 歩いていると、どんどん景色が変わってきます。恵那山も遂に全部が見えました。


 真っ白の雪原を見ながら歩くので、空も青というより群青。


 これが恵那山。思いの外大きいですね。大判山手前あたりからよく見えます。


 これが大判山から見た恵那山。積雪がなかったらもう少し見えづらいかもしれませんね。


 真ん中に見えている崩落地は、ウバナギ。(それとも、「ウバナギ」は崩落地のことではないのか?)


 切り立った稜線。積雪は1mくらいあるでしょうか。


 ウバナギです。


 この辺りから、雪が腐ってきます。アイゼンわかんに雪がくっつき始めて、重い。


 展望はよいです。


 切り立った崖の、ウバナギ。


 ちょっと、シリセード(雪の斜面をケツを着いて滑る)の練習。ピッケルの使い方を、こういうときに学んでおくと。
 しかし、カメラバッグに入っていた地図がぐちょぐちょになってしまいました。


 ウバナギを過ぎると、ようやく道が少し広くなるようです。今までの、道ともただの岩の上とも解らないようなところから、すこし歩きやすそうなところへ来ました。


 写真を無心に撮っていたため、鳥越峠に着いたのは11時半頃だったでしょうか。出発から4時間半。ずいぶんかかったものです。


 しかし、ここからが地獄でした。ふうたろう、取るべきルートを誤り、こんなハイパー笹ヤブ雪ゾーンを選んでしまったのです。


 こういう不安定な雪の傾斜地をトラバースとか、スゴく神経を使うのです。


 途中、恵那山全体がよく見える場所もありました。


 しかし、余りにもひどい斜めの雪道にウンザリして、途中から稜線へダイレクトに上がることにしました。こんなことなら、最初から景色も良い笹原の稜線を歩くルートをとっていればよかった…。


 この稜線に上がった頃には右足がつっていました。


 この上は展望が良さそうだけど、もういいや。13時半ですし、早く園原スキー場に向かいましょう。


 園原スキー場から遠征して来たっぽい人たちの山スキーのあとが。
 それにしても、雲が多くなってきました。


 山スキーの人たちに感化されてふうたろう、斜面をシリセードで下りてみたり。あっという間に車道に出ました。


 ここから先、園原スキー場になります。右は本谷川の方に下りる道ですが、昨日付の日記の通り、通行止めになっているので行けません。


 こうやって振り返りながら眺めると、改めて大きな山に登ったと感じます。地図をなぞる限りではそんなに大きくは見えないけども。


 ここから園原スキー場のゲレンデに入れます。さっきのスキーヤーの女性が、入っていきました。


 ずっと独りで歩いてきたので、人のいるところに戻ってくると、少しホッとします。大きなザックを持って歩くふうたろうに何人かの人が声をかけてくれます。ありがたいことです。


 子どもたちはこんな所で大きな雪だるまを作っていますね。


 園原スキー場は子どもがとにかく多いです。デカいザックを背負って単独で歩いているふうたろうは若干浮いている気もします。


 富士見台高原ロープウェーで下ります。長い長いロープウェーです。しかし下ったところから園原インターまでの交通手段はありません。車道を30分ほど、歩くしかないのか…。
 ところが!困ったところに、園原スキー場のリフト券売り場や送迎関係の運転手の人たちが手助けを!なんと、バス停まで送ってくれる手はずを整えてくださいました。しかも、ここで恵那山のバッジまで手に入れることができまして、なんとラッキーなことでしょうか。


 ふうたろうは、かくして今回もまた人に助けられ、無事下山完了との運びになるのでした。


 出発時はどうなることかと思った今回の山行、雪道の険しさを味わい、ヤブ道にイライラを募らせることもありましたが、雪の織りなす模様と樹林の広がる大パノラマは、本当にすばらしゅうございました。そして、最後の、園原スキー場の人たちの温かさも忘れてはいけません。
 恵那山、冬以外の季節に来たいと思うには針葉樹林が多すぎますが、この雪景色のすばらしさはさすがに名山の威厳か。また、(交通手段が?)難しい山をこの2月にクリアできたことも非常に大きいです。
 #66恵那山、クリア。


天気:晴れ(長野県下伊那郡阿智村・岐阜県中津川市、移動中は含まない)

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