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崩れた雪城(蔵王連峰不忘山コース:宮城県)

2010年 2月 27日

 白石駅前のビジネスホテル6Fから外を見ると、やっぱり曇っています。昨日の夜、一時月もおぼろげに見えた気がしたのに、やはりダメか。天気予報は昼頃から晴れるといっています。


 白石駅前のバス停でバスを待ちます。ミヤコーバスと七ヶ宿町営バスを乗り継がないと、不忘山(ふぼうさん)の登山口まで行けません。
 宮城県白石市乗合バス路線
 七ヶ宿町営バス(長老線)
 他にも、スキー場のシャトルバスを使って行く方法もあるようですが、ひも付きですもんね。遠回りの路線バスだけど、これが確実。


 ミヤコーバスが、関開発センター(中継点)に着きました。乗り継ぎの七ヶ宿町営バスまで時間があったので、水汲みなどをしていました。また、いつものようにバスの運転手と話とかしたりもしました。やっぱり、公共交通の廃れ方は政治的ですなあ、とは、九州から北海道まで共通して語られることではありますが。


 吉沼バス停までものの15分。降車案内とか無さそうだったので、「吉沼で下ろしてください」と走っている途中にいいました。


 バス停に下ろされたは良いけど、ものすごい濃霧で、霧雨が降りしきっています。う~む…。


 とりあえず、両側を畜産農家があるような道を上っていきます。途中まで除雪されていましたが、最終民家(農家?)のところで除雪は終わっています。


 雪がそこそこ沈みます。しかも、途中で切れてるし!スノーシューを履いたのは犬死にでした。


 しかし、不忘山登山口付近からは雪がコッテリ積もってきます。さすがにまだ2月ですもんね。


 トイレがあります。避難小屋かあずまやかと思って、雨宿りでもしようかと思ったのに、トイレでした。


 さて、どこを歩けばいいんだろう。動物先生も今回は頼れません。昨日の雨でそういうものは全部消え去っています。


 周りを見回しながら、リボンを探して、進みます。っていうか、さっきの写真と何が違うのか判らん。


 道が不安になってGPSを付けたら、なぜかふうたろう、深い谷にいることになっていて、慌てて軌道修正。そしたら、ただ電波の捕捉を誤っていただけで、結局慌てた分犬死にしました。


 樹林が広葉樹混じりになってきて、坂が少し急になりました。そして、若干霧が濃くなって、かつ明るくなった気もします。


 雪道の長い上り坂から始まる山行はふうたろうあまり多くはやっていません。今回は結構な冒険です。


 突然、雪が消えました。これではスノーシューを履けない。ただの荷物になります。


 しかし、間もなくしっかり積雪した雑木林に出て、再びスノーシュー。今日はこういうのを繰り返します。


 空を見上げると、薄日が差してきました。


 心なしか、空が少し青いような。


 気持ちの良いカンバ類の樹林帯。かつ雪原地帯。


 はっきりと晴れてきました。ものの10分ほどの変化です。このギャップが雨のち晴れのすばらしいところです。


 抜けるような青空。


 しかしまだ不安定。


 どうやら雲海が見渡せるようです。


 まだ抜けたばかりの濃霧なので、ちょっと判りにくいですが、どうも、晴れたのではなく歩きで雲を抜けたという話のようです。


 遠くに吾妻連峰か飯豊連峰かが見えています。


 広がるゲレンデ。


 不忘山は頭を雲の上に出しています。


 雪の斜面。今日は雪崩注意報が出ているので、歩く場所も考えねば。


 こういう看板があっても、直ぐにルートをロストします。そのため、ひどいヤブを歩くことになります。


 雲の境界はさっきのカンバ類が生えている辺りです。


 最近の高温とダメ押しの雨で、雪はかなりなくなっています。ちなみに、ヤブにかなり苦しめられています。


 こういう雪の途切れたザレ場・ガレ場が、スノーシューで歩いているふうたろうには痛恨です。着脱で手を切りました。血みどろの闘い。


 雪が消えました。スノーシューを脱ぐの、もう何回目ですかね…。


 雲海が下になってゆく。


 不忘山の山頂が見えてきました。


 吾妻連峰や飯豊連峰の方までずっと広がっている雲海です。いや、そちらの方だけではありません。


 不忘山の南斜面、そこそこまだ雪はあるようですが…。


 だいぶ登ってきました。あとは不忘の碑を過ぎて、山頂。


 ところが、この辺りから雪が猛烈に抵抗し始めます。


 「モウスグ」といわれても、それが長いのがここです。


 平気で股下まで踏み抜くひどい雪。脱いでいたスノーシューを再び履きました。しかし、スノーシューの力を以てしても…。


 しかし、いよいよ不忘山の向こう側が見えてきました。不忘山はまだ南蔵王の入口です。


 しかし、雪道がまだ続くなあ。


 左側にはずっと雲海が広がっています。


 ようやく不忘山に到着。4時間半くらいかかりました。でも、大健闘でしょう、このコンディションと荷物で。登っただけでも誉めてやろうと。


 不忘山の展望はすばらしいです。


 これから進む道です。雪なんて全然ないように見えますが…。


 不忘山の周囲は、一部雲海が晴れてきました。


 どうも、雪がないのは、南斜面だけ?


 不忘山の噴火口、つまり北斜面は、登山道も含めて積雪ばっちりです。しかし、登山道は境界なので、中途半端にしか積もっていない上に、凍っていたり粗目雪だったりします。


 ここからは雪山の景色をひたすら楽しんでいきたいところです。


 歩くのは苦労したけど、不忘山を振り返っています。


 樹木(低木)がなければ、踏み抜くことはあまりありません。あまり怖じ気づく必要もありません。


 不忘山の噴火あとの谷です。


 だから、ものすごく切り立っています。


 ここも樹氷がきれいだったんでしょうね、何日か前までは。壊れたアイスモンスター(樹氷のこと)。


 この道は、スノーシューがなかったら終わっています。歩けません。わかんでも通用するかな?


 太陽がぎらぎらしていて、暑い。しかし、風が吹くと寒い。


 見事な雪の稜線。歩いていて気持ちよいです。


 樹氷原だったんだろうなと思いを馳せながら、歩きます。


 しかし先は遠いな、と。


 南屏風岳の標があっちに見えますが、踏み抜きがひどく、近寄れませんでした。


 実は歩いているのは雪庇の根元。あまり端に行ってはなりません。


 空は絹雲か絹層雲が覆っていて、傘の切れ端が虹の輝き。雲海もすばらしい。


 刈田岳や熊野岳などの蔵王連峰の主峰があんなに遠く。


 歩いてきた南屏風岳の雪の縁。


 これから向かう、屏風岳。平坦だけどかなり遠いです。雪があるから、ですかね。


 疲れたので国産小麦のクッキーを貪ります。不忘山を眺めながら。


 少し日が傾いてきたけど、屏風岳にすらなかなか近づかない。今日は刈田峠(かったとうげ)の避難小屋くらいまでは行きたかったのに。


 樹氷の残骸がそこら中に。


 不忘山や南屏風岳の縁が徐々に遠くなっていきます。


 次々に新しい山が見えてきます。これは後烏帽子岳、かな。


 これから夕日三昧。雲海もすばらしいですぞ。


 本当はこんなに余裕カマしている場合じゃないけど、これを撮らないでなんのために山に登っているのか、という話です。


 薄雲の圏内を抜けて、明るく太陽が輝き始めている状態です。


 だから東側(宮城県側)に広がっている雲海も赤く染まってきました。


 樹氷の残骸の横をよちよち歩いているふうたろう。


 やっと屏風岳に到着、…と思ったら、これは屏風岳直下の三角点でまだ先があったという話。罠だ!屏風岳の山頂は1825mで、この三角点は1817mです。


 この辺りでテントを張ってしまいたいという衝動に駆られましたが、もう少し進むことにしました。芝草平くらいまでは。


 影不忘山、かな?


 もう太陽が雲の向こうに沈みました。


 屏風岳から芝草平に下るルートに入ると、道選びが大変です。樹林のそばを避け、固そうな雪面を探して、進まないと、腰まで踏み抜きます。マジで死にそうになります。


 あれま、夜になってしまいました。でもまあ、歩ける自信があったので歩いたのですけどね。


 とはいえ、テントを芝草平に張り終わったのは18時35分。さすがにちょっとがんばりすぎましたな。


 実をいうと、問題はこれからです。朝からなんだか怪しかった痔が、予想を上回って悪化していました。あの荒々しい上りと雪道で、患部がかなり擦れてしまった可能性があります。座薬を使うも全然快方に向かいません。それどころか、痛くて寝られない!かなり厳しい状況です。
 こんな調子で、明日はどうなるでしょうか。


天気:雨のち晴れ(宮城県白石市・刈田郡七ヶ宿町・蔵王町)

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