登山の道は人の道?!(草津白根山:群馬県)
昨日、中途半端な雪洞にテントを埋め込むのに、非常に苦労したので写真を撮る余裕がありませんでした。そして、そのなれの果てを、まだ暗いうちに撮っておきました。…本当は、中でヘッドランプが輝いている様子を撮りたかったけど、無理ッス。
テントを引っこ抜くとこんな感じ。入らなかったので少し屋根をぶち抜きました。
片付け、かなり手間取りました。とにかく寒い。全身が雪解け水で濡れまくっているので、かなり辛い。だから、出発は5時45分頃になって、もう夜明け間近です。
とにかく昨日の夜から快晴が続いていて、天気は素晴らしいです。でも、さっきからなんか猛烈に気分が悪いのですが…!?
ふうたろうの大好きな山で、大好きな時間帯の6時台(朝)、こんな体調してたら失礼です。誰に?自分にでしょう、そりゃ。もったいないです。
プリンペラン一錠頼って、少し休んでGo!
去年、魔の3月の修羅場を、見かけ上くぐり抜け、誕生日山行と称して、登った四阿山。ひとつひとつの山行に、ふうたろうの魂が宿る。
稜線に立ちました。顔に差し込んできた太陽の光の眩しいことひとしお。
さて、どうやって進もうか。一度この凹地を反時計回りに巻いて、北に進むか。
凹地を反時計回りに巻いています。
ここは稜線。シュカブラがすごい。
写真なのでどうとでも撮れますが、暗めに撮ると影がくっきりするみたいです。もっとも、通常の明るさだと雪が白飛びします。
あの小高いところが最高峰(2174m、三角点は逆で、ふうたろうの後ろ側)。ただ、雪がある時期じゃないと踏めないですね。コマクサを踏むわけにはいかないですから。
本白根山(草津白根山)の火口でしょう。非常に大きな凹地です。富士山のより、大きいかなあ。
これがどうも本来の歩道の道標のようですが、崩壊しています。
そして、歩道の境界もビミョー…。
強風に煽られ、何度か倒れつつ、写真だけは撮っておきます。
見えます山は、浅間山。
歩道の部分は裸地になっている場所もあります。抉(えぐ)れているので風の通り道になるのでしょうか。
指定された歩道の外は深い雪。たぶん2mくらいは。稜線は本来あまり積もらないといいます。
雪の上なら、植物傷めない、よね?
真っ白の雪の上を、今日もふかふかと歩きます。昨日調子に乗って雪洞ゲームをしたせいもあり、疲れが取れていないようです。
雪道万歳。ふうたろうはこれを見るために、いつも冬山を登っているのでしょう。
嗚呼、遠くに浅間山が見えています。
2174mから見ている北方向。雪庇が続いています。
ここを通過すると、相当ショートカットできます。景色も、たぶんいい。若干木がうるさいけど。
浅間山だけでなく、鼻曲山や浅間隠山も見えています。浅間隠山はアクセスが大変そうなんですよね…。
先に進むと、スキーのゲレンデが見えてきました。もうゴールは近いか。
ゲレンデです。なんか、上についた途端これだと、興ざめですよね。
3つくらい奥の方に、横手山が見えます。あれ、山頂に立派な山荘があるそうですが、山荘以外にもアンテナっぽいものも見えますよ?
ちなみに、昭文社の地図には「(横手山は)大パノラマが体感できる 特に朝夕は絶景の一言」と書いてあります。
何山か判らずに撮影したけど、方向的には苗場山方面だと思います。
荷物(カメラも含めて)をザックに全部入れ、スノーシューをザックにくくって、ピッケルで制動しながら斜面を滑り降りようとしました。
しかし、新雪だったので滑りませんでした。ちゃんちゃん。
そうして、白根火山ロープウェー乗り場、山頂駅に到着。屋根からひっきりなしに氷が降ってきます。
ふうたろうがここに着いたとき、スキー場のパトロール隊が入口付近をウロウロしていました。パトランプ(?)を鳴らしながら急な斜面を下っていく光景もあり、何か下であったのかと思いきや、雪崩のおそれがあるとかで、下の方を歩いているふたりを注意しに行ったということが、あとで判りました。
ふうたろうはというと、もう疲れたのでロープウェーで下まで下りてしまうか、動かないようであれば万座スキー場まで歩いてそこからリフトで下りるかを考えていた程度で、ゲレンデなんか下りようとは微塵も思いませんでした。
しかし、どうも、ロープウェーは強風で動かない、しかも万座方面の道は歩かせない、ということで、上空を吹いている風以上にイヤな風が駅構内に吹いてきました。
まあ、この辺りの話までは、郷には入れば郷に従えみたいなもので、しょうがないんだけど、問題はパトロール隊のマナーの悪さ!
まず、ふうたろうが白根山から下りてくるやいなや、よく判らない注文をしてくる。その注文に説明があればまだ納得も行くものを、ただ「勝手に動くな」とか、スノーモービルなんかどこにも来てないのに「そこ、スノーモービルが通るので危ないです!」と立ち退かせるとか、行動原理が意味不明。注文を聞く義務がどこにあるのかと、腹の一本や二本が立つもんです。でも、まあこれも仕事だと思えば納得は行かなくはない。
何と!そのパトロール隊員の一人が、スキーのゲレンデの斜面に固まった雪玉を蹴飛ばし始めました。流石にそれは叱りました。「雪崩が起こるような場所」で何をやっているんだ?高いところからものを落としてはならないことを知らないのか?それとも、おれ、間違ったこと言ってるか?
がちゃりと解錠されたレストランに入りました。強風で揺れたロープウェーに乗って職員たちが出勤してきて、食事などの準備。嗚呼、御苦労様です…。
さっきのパトロール隊員たちも仕事をしているという意味では同じく御苦労様ですが…、もう言うまい。
ところで、一番若そうな兄ちゃんと、またふうたろうは雑談を始めました。やっぱり、「現場で働いている人と話をせよ」は、ふうたろう旅日記の極意、ですなあ。情報交換ですよ。情報交換。
で、このチキンのっけカレーの肉が食べられませんでした(恥)
なんだか、この草津白根山は焼きたてのパン屋さんが複数あるようです。横手山の山頂にもあるそうですが、それは次に行くとしましょう。
カレーを食って、クロワッサンとメープルペカンナッツのパンを買って、兄ちゃんたち労働者にバイバイして、結局ゲレンデを歩いて帰ることになりました。
人に無理やり歩かされる道は本当に少しでもイヤなもんですね。(怒)
厚着が暑いので、早く下に着いて着替えたい。
しかし、ロープウェー乗り場(下)は混雑が始まっていたし、何となく落ち着かなかったので外に出ました。よりによって、ゲレンデの入口で着替えるハメになるなんて、まさかとな。
ちなみに、ふうたろうが下に着いた時が10時5分くらい。草津温泉行きのバスが出たのが10時。
おいおいヾ(℃゜)々またかよ(´Д`;)
しかも、ロープウェー動き始めたじゃねーか。
しかし、そういう犬死には、厳密には犬死にではないのですよ。歩いて下りてきたタイミングで、ある人と話ができたりできなかったりするもんです。例えば、本白根山にこれからアタックかけようとしている人と話ができたのは、このタイミング、ではなかったかな?
ところで、おっちゃん(にいちゃん)たち、これ(看板)、見た?
本当は昨日のうちに、芳ヶ平(よしがだいら)のテント場(今日通せんぼされた道を通らねばならない)まで行こうと思っていました。でも、今日のこの調子だと、あそこでビバークしたのはむしろ、災い転じて福と成すだったのでは?昨日のうちにあそこを通過していたら、追い返されていたかもしれませんよ?
筋肉痛はきついし、びしょぬれの手袋は冷たいし、凍ったテントは重いけど、これでいいんですよ。歴史に「たられば」はない。自分で歩んだルートが結果にすべて反映する。ロープウェーを使って登っていたら、登ることさえできなかったことを思えば、戦いを挑んで、しかも勝てたんだから、何を不満に思う?
#68草津白根山クリア。
天気:快晴(群馬県吾妻郡嬬恋村・草津町、移動中は含まない)