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これで振り出し(岩手山松川温泉コース・八幡平:岩手県・秋田県)

2010年 5月 30日

 夜中、ひどい腹痛と、それに伴う気分の悪さに、だいぶ苦しみました。朝3時半に起きたのに、あまりの腹の痛さと気分の悪さで、身動きできず、出発が大幅に遅れました。それでも5時過ぎに出られればマシなのかもしれませんが。
 ここは9合目不動平避難小屋前。恐ろしく良い天気です。


 残雪が輝きます。


 しかし、いきなりこの雪の斜面はかなり厳しいです。メシがふたつの意味で食えないってのに…。


 スゴい高度感です。息が上がっているので(バテているので)景色をじゅうぶん堪能する余裕がありません。


 はぁ~~~~!!
 しんどいぜー。でも、鬼ヶ城は絶対歩きたいのだー。


 雪道が終わったら次は砂礫地。これがまた歩きにくい。十勝岳のルートがそうでしたね。


 稜線まで何とか這い上がると、雲海が広がっている素晴らしい風景が見渡せます。いやあ、やっぱり来て良かったやん!


 っていうか、鬼ヶ城稜線からの分岐、30mくらい下にあるんですけど?


 ここからは稜線漫歩。雫石町を左に、鬼ヶ城の稜線を進むのです。


 といいたいところだけど、けっこう岩が。


 残雪が輝いているのは八幡平までの長い長い稜線ルート。このコンディションではとても歩けないでしょう。


 不動平のパノラマがハンパねー!!


 大地獄谷がカナディアン!


 さっきからずっと気にはなっていたけど、スゴい長さの霜柱ですよね。明後日から6月、暦の上ではなんですけど。


 鬼ヶ城稜線は体調さえ良ければ本当に景色を楽しめるコースなのに。


 岩がごっついです。


 大地獄谷。向こうには八幡平がありますが、陰に露光を合わせたので飛んでいます。


 何カ所か雪渓があって、そういうところは殆どいやらしい残り方をしています。


 岩場をすり抜けるように。


 ハイマツの絨毯。


 岩の壁。


 ムラのある雲海。


 落ちたら終了の雪渓。


 厳しい日差し。


 天国への道。


 渦巻きの池。御苗代湖と御釜湖。


 標高1000m後半くらいですが、中部~関東の高山帯のような風景です。


 この広さ、素晴らしいです。


 雪渓が輝きます。


 岩場のシルエットが鋭いです。


 氷が張っていました。


 踏みつぶしてみた。ふうたろうひとりだからね、特権だね。


 まだまだ続きます。この鬼ヶ城の稜線、超長いです。


 容赦なく下り、容赦なく上ります。


 秋田駒ヶ岳。しかし、風景が広い。


 遙か彼方に黒倉山と姥倉山が見えます。めっちゃ遠いです。


 この先がなければ気楽ですが、まだ先はあるし、第一コンディションが…。


 やっと鬼ヶ城の強烈な岩場コースが終わったようです。


 気持ちいい稜線です。ほんとはマッタリしたいんだよう。


 向こうでは八幡平が手ぐすねしています。


 大地獄谷は残雪がスゴいです。ルートファインディング、大変でしょうね。


 しかし、こちら黒倉山~鬼ヶ城の鞍部もつらいです。


 稜線沿いに、ヤブ漕ぎっぽいことをして何とかここまで。何か、右裏から道が通じているんですけど?


 そして、黒倉山のトラバースもまた残雪の中。


 ぐえ~~!道が判らんぞ!


 やっと残雪がなくなった…。


 気持ちいい笹原がやってきた。嗚呼快適。


 笹の上に雪の稜線が。八幡平方面かな。


 黒倉山と姥倉山の鞍部でちょっと休憩。ここの景色がいいんだ、また。


 そう、見えているのが姥倉山。


 黒倉山では上に向かって笹原が広がっています。


 いざ姥倉山へ。


 両サイド景色最高です。


 振り返ると黒倉山。


 姥倉山手前は草木の少ないところがあります。


 姥倉山に取り付くと黒倉山に隠れていた岩手山が顔を出し始めます。


 ここから左に下りると、網張温泉。このコースもキツいらしい。まあ、岩手山でキツくないところなんかないと思うけど。


 黒倉山、鬼ヶ城、岩手山。


 地面に開いた穴から水蒸気が噴出しています。温かい湯気が立ちこめます。


 と思ったら雪渓。


 岩手山が完全に頭を出しました。


 さっきまでの眺望の割に、登山道から1m外れたところにある姥倉山の山頂は、笹薮に覆われていて、ビミョーです。


 登山道から、岩手山~八幡平縦走路越しに秋田駒ヶ岳を。


 ハイマツ林越しに八幡平。


 道が急な下りにさしかかると、平原と八幡平が見渡せて最高です。


 樹林の中から八幡平。何だか、雲が湧いてきましたね。


 それから展望がなく、残雪に道を消され、右往左往しながら下りてくること数十分。またショウジョウバカマに出会いました。


 雪解け水の沢ができています。


 マイヅルソウはまだ発芽したばかり。


 ぬかるんだ道。ぬかるんだというか、泥沼というか。しんどくて声も出ない?


 マイヅルソウの葉っぱ。群生しています。緑が美味しそうです。


 樹林が開け、雪庇になったところから、岩手山を見上げました。新緑が美しい。


 新緑が本当に美しい。こんなスケールが大きな新緑、初めて見ました。


 ヤブデマリの葉っぱ。


 青空の下のシラネアオイ。


 登山道沿いに広がるマイヅルソウ群落。


 遂に、登山道の終点が見えてきました。


 しかし、その終点にあったあずまやの下には、廃墟となったキャンプ場が。


 ミズバショウ(でしょう)の群落。もう花は終わっているのですかね。


 長かったけど、ようやく登山道は終わりです。


 これから車道歩き。


 これはフキのわたげ。キク科なんですよね、フキも。


 松川温泉に着いたのですが、ここ発のバスが9時50分。ふうたろうがここに着いたのは10時半。全然間に合いませんでした。足が動かなかったのだからしょうがない。
 でも、動かなかったでは済まないのです。どう考えても、バスで20分かかる距離を歩いたら、数時間かかる覚悟でいないと。


 でもとりあえず、歩くしかないと思い、闇雲に歩きます。


 でも闇雲なのであっさりバテます。この湖の隣にあった、アルペンローゼというアートギャラリー喫茶みたいなところで、タクシーの連絡先を教えていただきました。満身創痍のふうたろうなので、ひどい表情だったんだろうなあ。


 チゴユリ(ユリ科)でしょうか。アルペンローゼのベランダの下に咲いていました。


 アルペンローゼの駐車場でタクシー待機中。
 っていうか、ヾ(℃゜)々おい、何で頼んだタクシーが目の前通過していくんだよ!?


 まあ、客を松川温泉方面まで送っていただけみたいでしたが。
 とりあえず、色々ありつつも、八幡平山頂便に乗り継げる、11時40分のバスに乗れるように、八幡平ロイヤルホテルに到着です。これでリカバリが利く。


 デカいホテルだなあ。


 10分そこらでバスが東八幡交通バスセンターとかいうところに到着。バスセンターというからどんなところかと思えば、ものすごくボロボロの建物です。


 バスセンターで40分の待ち時間があるのでちょうどいい。向かいにあるラーメン屋でメシにしよう。
 久しぶりのメシですね。嗚呼、ラーメン…。


 しかし、量が多くてとても40分では食い切れません(出てくるのも遅かったし)。戻ったらもうバスが待っていました。
 岩手山が一望できる東八幡交通バスセンター。


 八幡平山頂行きのバスに乗り換えます。アスピーテラインをゆっくり上昇。


 あっという間ではないけど、山頂バス停に到着。観光地ですね、既に。


 雲が多めですが、岩手山で晴れたのでもう十分な思いです。


 さて、冬山重装備で観光地・八幡平をハイキングしますか。


 そして、いきなり舗装路。冬装備が重い。登山靴が硬い。


 左に曲がってみよう。


 すぐに雪原が現れた!ここでアイゼンが履けます。


 雪は途切れることなく続きます。


 ちょっとした水たまりっぽい池です。まだ凍っています。雪が一部溶けたという程度でしょうか。


 縁をウロウロ。残雪なので、泥汚れがひどい。


 真ん中(左)だけ雪が残って、リング状に水がたまっています。


 雪の器にたまった水。青茶色い。


 日差しはあるのですが、雲が多い。明るい割に空は重そう。


 と、のらりくらり歩いているうちに、山頂です。さて、記念写真でも。


 (゚Д゚;)
 もう、何も言うことはないね。行こう。


 東の方の空は晴れ間も多そうです。


 地図の通りの道に進めばそこそこ距離があるのですが、雪の上をバカ正直に道なんて。八幡沼に直行です。


 おや、さっき登ってきた岩手山、山頂が曇ってますね。やっぱり、昨日から登るタイミングで良かったのですね。


 明るいから、黒い雲もいい味です。まあ、そういう人はあまりいないかも知れませんが。


 凌雲閣。避難小屋っぽい。アイゼン脱ぐのがめんどいのでスルーしました。


 このまままっすぐ進むと、あの湿原をアイゼンで踏みにじることになりそうです。


 雪のなくなったところは絶対避けて通ります。


 まあ、湿原を避けて通るのなら、凍った湖の上とかいいんじゃないですか。さすがに、赤城山の時みたいに豪快には無理ですが、縁を歩くくらいなら。


 八幡沼の東側をクルッとショートカットして、山頂バス停方面に戻っています。
 あの木道の上を歩くと、やっぱりアイゼンで傷がいくので、雪の上を。雪が完全に途切れたところがあり、樹林に突っ込んだところ、股下まで踏み抜く箇所がありました。いや、凄い雪ですね。


 またショートカットしています。でも、道なんてあってないようなもの。踏み抜きが怖くて雪を歩けるか。


 雨が流れてシマシマになっている雪の斜面。


 あの黒い雲の下、向こうに八甲田山系が見えているようです。


 雨が降ったらこの泥のシミの上をとうとうと雨水が流れていくのでしょうね。そうして雪も急速になくなってゆくと…。


 ハイキングコースに入って雪が途切れたので、アイゼンを脱ぎました。ちょうど岩手山が一望できる場所。大きな雲が真上にかかっています。やっぱり昨日登ってよかった。


 ちょうどさっきの岩手山の展望台のところで、ハイキングしている夫婦と出会いました。おっちゃんの方がこの花を発見して、しげしげと眺めています。
 この時は何か判りませんでしたが、恐らくヒメイチゲ(キンポウゲ科)でしょう。


 お馴染みふきのとうですが、フキも種類があるはずです。


 さて、山頂バス停に戻ってきました。靴を脱いでスリッパに履き替え、靴下を履き替え、今度こそ帰宅モードです。岩手山から下りてきたときの安堵感はつかの間のものでしたからね。


 山頂からのバス、なぜか市街地のはずれで渋滞に巻き込まれそうになりながら盛岡駅。昼のラーメンにもかかわらず、ハラが減っているので何か食えるものをと、探していました。
 で、まともに食えそうなのが結局この立ち食いそば。ただ、これに入っている山菜が岩手県産というのが良心的ですね。山菜のトッピングにしては価格がイカ天並みなので若干高めですが。


 あとは新幹線で帰宅です。9時50分の松川温泉のバスに乗れていれば、もう少し新幹線特急券代をケチれたかもしれませんけど…。
 アホみたいに窓の外を眺めて2時間。大宮駅を経て帰宅。よく飽きなかったものだ。


 思えばなんてことない単なる週末。普通なら大旅行ともなる北東北を、ふうたろうの麻痺した感覚でぶっちぎりました。ガス器具を忘れたり、寝不足が痛恨だったり、霧雨と汗で身体が冷えたりして、岩手山から八幡平までの縦走は叶いませんでしたが、100名山2個制覇は大きいです。また、ショウジョウバカマやシラネアオイなどの花にも出会えましたし、いつもブランクの空くこの残雪期に山行ができたことも、貴重です。それでも月山と羊蹄山をリタイアしているので、やっと振り出しに戻った段階ですが。
 それから、夜行の高速バスはキツかったな。もう、年か。
 #71岩手山クリア。
 #72八幡平クリア。


天気:晴れのちくもり(岩手県岩手郡松尾村・雫石町・秋田県仙北郡田沢湖町、移動中は含まない)

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