冬がうそのように(男鹿岳【七ヶ岳登山口駅中沢経由国境稜線コース】:福島県)
ここは会津若松駅(棒読み
去年12月15日から、もう何度ここに出没したのやら。そして、空の色も同じという件。駅ナカのソバ屋が開くのが待てず(ハラ減った)、コンビニまでダッシュしてどん兵衛を探し出し、駅の待合室まで運んでくる間に汁をたっぷりこぼしながら、食いました。
今日目指すは…また男鹿岳。男鹿岳目指すのも3度目ですよね。いい加減にしろって話です。
でも、今日はこの空を見る限り、幸先がよくないですか?
雪が降っていない会津田島駅。会津田島駅から栗生沢という、男鹿岳北部の集落まで出ているバスがあるのですが、その始発が11時台とかなので、まったくやる気になりません。
というわけで、前回2月16日に挑戦して道間違いと吹雪に蹴落とされたルートをリトライすることにし、七ヶ岳登山口駅に向かいますが…
ヌオッ(゚Д゚;)
七ヶ岳登山口駅前には雪が降っていないどころか、雪がない(滅滅滅
七ヶ岳登山口駅から男鹿岳に向かって歩いてきました。ここは萩野集落。
冬のことです 思い出してごらん あんなこと こんなこと あったでしょー(じと目
雪がなくなった林で仕事をしているおっちゃんたちに二度見されながら進みます。
そうそう、ここで直進してたった1ヶ月前のあの時はしんでしまったのでしたね。今回はしっかり右に向かいましょう。
そうそう、真後ろに七ヶ岳が見えます。ふうたろうのこの駅の使い方はたぶん間違っていると思います。
ここは2月17日に蹴落とされたときに下ってきた道ですから、地図見なくてもおおむね覚えています。雪の固さはあの時よりまったくいい感じ。っていうか、ないところが多いという件。
雪が解けて色んなところから水がしたたります。今年の春は目にもとまらぬ速さでやってきています。
ところでさっきから気になっているのですが、徒渉点に切りたての木の枝が敷き詰められていて、渡りやすくされているように見えます。ここ、まさか、一般ルートではありませんよね?
水が清らかに流れます。昔はあっただろう道が地図に残っていますが、たぶん、出水の度に変わっているでしょう。
ここも、先月来たときは一面雪でした。思い切り足を取られ、抜け出すのに難儀しましたね。
雪解けが始まらない間は水量の少ない沢でしたが、今は少し増えています。靴が濡れます。
崩れたところに木の枝がおかれていますが、下手に踏んで踏み抜いたら大けがします。これは危ない。
最後の砂防が見えてきました。これは向こう岸に渡るのもいいですが、水量が多いのでこのまま右岸(ここから見れば左側ですが)を進みましょう。
そういえばこの辺で隙間に足をハマらせて亀のようにひっくり返ったんだった。
…この尾根ももう雪無しですか。でも、踏み痕があるんですなあ。
以前は赤線の方から来てしまったのですが、今回は青線の通りに進みます。ま、今のところ、予定は、ですがね…。
それにしても、雪がまったく見当たりません。このままだとこの先の尾根歩きは猛烈なヤヴなのではありませんか?
この道は雪があっても木がイッパイだったのでまあ、こんなもんという感想ですし、実は踏み痕がそれなりにあるので、見かけほど辛くありません。ただし、足滑らせて木の枝の折れたのとかが右手の掌に刺さりまくったりするという罠もありますが。
尾根の取り付きから57分で1188.1mピーク到達です。まだ12時になっていない、11時44分。七ヶ岳登山口駅出発が8時47分でしたので、3時間でここまで来てしまいましたね。
その稜線に移ったのが11時56分(出発から3時間9分)。2月16日の時は既に同じ場所で17時4分(出発から8時間13分)でした。道を間違えて大変なルートを辿ったとは言え、5時間の差はいくら何でもあり得ない。今日のスピードは驚異的です。2倍以上の速さです。
あの日と同じように、男鹿岳を望みます。遠く見えました、あの日は…
で、問題のルートですが…
…と思ったけど、獣道程度とは言え踏み痕があり、笹ヤヴそのものもたいしたことなし。石狩岳(北海道)の根曲がり廊下などでけちょんけちょんに鍛えられたふうたろうの敵ではないですな(じと目
あの時も冬芽がありましたが、やっぱり膨らんでいる気がします。それでも、この季節のスピードに追いつけていないような気もします。
雪道の坂も、雪質がかなりしっかりしているため、わかん無しで、アイゼンすら無しで、ゴリゴリ進めます。何というか、これはいわゆる、ハイパーよちよちコースですぞ…。
雪庇というか吹きだまりの上は冬の置き土産なる、天然の廊下です。この上をヅボッとならずに歩ければ、それほど楽な山行はありません。
しかも、今日はどんどん天気が良くなっています。これはひょっとしたら…
いや、ここがウルトラデラックスハイパーヤヴ漕ぎゾーン候補であることを忘れてはいけない。この前歩いたときは腐っても雪道。ヤヴは隠されていたのですから(じと目
誰かのデイパックですね。中に遺留品がないか確かめてみましたが、ありませんでした。しかし、こんなところにこんなザックで進みますか。危険ですなあ…日帰りはたぶん辛いと思います。
さて、以前リタイアしたところが近づいています。今日のふうたろうは110リットルのザックを背中につけてもなお、まったく余裕で突き進んでいます。
北を向けば、栗生沢方面の谷が見えます。
しかし、結局、男鹿岳の正式な登山道はどこなのでしょう?雪があるときにみんながこぞって登りに来るのは、どの尾根、どの谷、なのでしょう?
どうも、足跡があるようです。まさか、1ヶ月以上も前のふうたろうの足跡ではあるまい…(アヴラ汗
そうです、この辺でふうたろうは断念しました。坂がきつく、ヤヴもキツく、疲労もたまっていて、ほとんど空荷だったのに全然足が上がらない…
でも、今はまったくもって余裕綽々(しゃくしゃく)です。
そして、ふうたろうが断念したピークを越えたら、男鹿岳の前衛峰(?)があります。あれが1361.7mピーク。あの上りも地図を見る限りでは相当な急坂のはず。でも、今日のふうたろうの攻撃力なら打ち破れるはずっ!!(`・ω・´)キリッ
さあ、どうなるでしょうか。
と、その前に、そろそろ雪道が恒久化してきたので、アイゼンとピッケルを装備しましょう。
…木がこの部分だけ鬱蒼としていて、つる性の木とかが絡まっていて、笹ヤヴもウザくて、かなりやられました。でも、このようなオゾマシいところは最後まで通してここだけとなります。
ついに1361.7mピークに取り付きました。確かに地図通り、すごい急坂です。
展望は冬枯れと雪のかさ上げのため、それなりに確保されていますが。
そして、取り付きから20分強で1361.7mピーク到達。このピークには札がかかっていますが、特に山名はないみたいです。
1時間40分でさっきのピークの手前で諦めたところを、2時間2分(13時58分着)でこの1361.7mピークに到達と相成りました。荷物はなぜか今日はものすごく軽いですが、それでも20kg弱はあるはずです。やはりスピードは驚異的といわねばなりません…。
さ、男鹿岳まで一気に攻め上がりましょうぞ!今日は山頂闇テンのススメです。
しかし、この1361.7mピークからの下りは注意が必要です。南方向に誤って踏み入れやすい尾根があるため、方位磁石で東を意識しながら進みましょう。
午前中よりもだいぶ雲が減りました。日本海側と太平洋側の天気が入れ替わっていきます。
尾根の右側、即ち南側を見ると、男鹿林道の続きが見えます。ふうたろうが去年の2月4~5日にかけて、必死で歩いたあの林道ですが、結局行き着けなかったのでしたね。
この細い尾根、樹林帯で、かつ雪も中途半端にハゲて、なかなか歩きづらい…。
そしていよいよ、男鹿岳本体へ取り付きます。ここから500m、一気に上ります。前回の状態では、とてもじゃないけど登れないでしょう…
しかし、天気はいいし、雪のあるところでは雪質も抜群。戦車のように進みます。
今まで歩いてきた峰々、その右に家老岳、家老岳と尾根の間の遙か彼方に見えるのが七ヶ岳。
登っていくとダケカンバの高木が混ざった樹林になっていきます。
坂は鬼畜級にきついけど、この抜けるような青空と冬枯れのダケカンバを見ていると、それも吹っ飛びます。
天気と景色の助けを借りながら、少しずつ、しかし確実に、登ってきています。ただし、30分で標高120~130m前後が限界。
この辺りの林相は恐ろしく美しい。新緑があれば底抜けにすごい山行になるに違いありません。
とりあえず、ふうたろうは寝転がったりしながら写真撮りまくりの刑です。
木は枝だけ撮ってもだめです。幹があるから枝もあるのです(`・ω・´)キリッ
そこにある針葉樹、シラビソ(マツ科)でしょうか、霧氷があるようです。確かに朝はずっとガスの中でしたものね。
ダケカンバの疎林と雪原を歩く快感。青空の中央には月が見えます。
後ろを振り返るとふうたろうの足跡。他、誰かが歩いてきた形跡はありません…。
黄砂か水蒸気か、遠くまで見通しがきくような澄んだ空ではありません。やっぱり春ですかね…
空も空気もドカーンと澄んでいると、これまたたまらんのですがねぇ…
ここを見ると、男鹿岳を300名山に入れる気持ち、何となく判ります。でも、雪と落葉広葉樹(高木)のコンビはずるい調味料ですな。これがあるとどんな山も美味くなるのですから。
もちろん、シラビソだってスパイスきかせていますよ(目がハート
標高が高いので、下の方とは雪の感じが若干違います。むしろ、下の方より歩きやすい…。そして、その雪の初々しさとダケカンバ(?)の木立の組み合わせもまたいい。
男鹿岳の北尾根が見えています。ふうたろうはこの尾根が一般登山道だと思っていたのですが…違いますか?
この男鹿岳、今まで2回蹴落とされた苦労が報われた気がします。
これはいくら歩いても飽きません。もちろん、疲れては来ています。さすがに歩行時間だけでも7時間半を超えています。行動開始から言えば7時間54分。常識的にはもう行程を終わってもいい。…のだろう(←こら
日が長くなっている上、余裕もあるので写真をバリバリ撮ってしまい、進みません。ま、修行じゃないんだから楽しもうじゃないか。
周囲は雲海のようになっています。下界は決して天気よくないのでしょうかね。
まさか、1日にして山頂に立てるとは…!辛うじてピストンで帰るかと、妥協案さえも許してもらえなかった1回目と2回目を思うと、今回は拍子抜けするほど楽でした。
山頂の雪庇からは那須連山がドッカーンと見えます。300名山の理由はこれかも知れませんね。
そしてふうたろうは、風を雪の吹きだまりの壁でかわすように、おニューのテントを張ります。何気に値札が付いたままだったりして(笑
テントに入って、かなりのものがおニュー状態にして、とりあえずスパゲッティ(生麺)を茹でて食います。しかし、荷物があまりにも軽いので絶対何かを忘れているとアヴラ汗ものだったのですが、なぜか忘れている雰囲気がなく、何不自由ない闇テンライフを過ごせてしまっています。これは何かの褒美か、それとも罠か(じと目
さ、明日は大佐飛山(おおさびやま)を経由するか、日留賀岳を経由するか、男鹿高原駅方面に無理やり下りるか、悩むところですが、第一候補はやはり大佐飛山経由で下るコースでしょう。今回こそ、完全勝利と行きたいものですね!
天気:晴れ時々くもり(福島県南会津郡田島町・栃木県塩谷郡藤原町・黒磯市)
テント、プロモンテ?のVL?
23、24はどこに行ったのかな?と思っていたら…
毎週頑張りますね。
私は30は又仕事だから..日帰りを考えなくっちゃ。
3月ももう終わりだよ。早い。
chiakiさん
テント、そんな名前でしたっけ。とりあえず、冬に使えて横開き、ポールをフックで留める型のものがほしかったので、指さして選びました(笑
基本、山は毎週です。300名山を片付けて次のステップに行きたいような行きたくないような。
土曜日、仕事の日もあるんですね。世間には労働時間の限度はないのか…。僕は今週末は北陸に近い東海地方に向かいます。東京からだと最も行きづらい場所の一つだと思います。