一人隊長没す(奥大日岳【称名滝コース】:富山県)
ブルブルッ
夜行バスが寒い…。肌掛けもないし、上着も持ち込まなかったので、寒い。そして、その寒さのせいで寝不足(滅滅滅
ん?(・ε・;)
ヌオッ(゚皿゚;)
ハラが痛い…(滅滅滅
なお、富山地方鉄道の列車にはトイレが付いておらず、立山駅に着くまでの1時間強、大腸に言いきかせながら堪え忍びました。
「立山駅までがんばれ!」
立山駅に着いたらひとまずトイレへBダッシュして、腹痛の精神を解き放ちました。そして、称名滝(しょうみょうだき)行きの始発バス(8時ちょうど)に乗って、本日の目的地、奥大日岳を目指すための登山口に至ります。
ふうたろうにとってはバス停や駅(公共交通限界地)はイコール登山口ですが、一般的にいう登山口はバス停より20分ほど歩いたところにありますので、登山開始まで景色を楽しみましょう。
称名川には砂防がボツボツ。そして、当然のように堆砂で埋まっています。
おい、土石流の被害防ぎたいんだろ?ちゃんと浚渫(しゅんせつ)しろよ。
…と、いつかふうたろうにエラそうなこと言ってきた奴にいいたい(←こら
それにしても、この称名廊下の崖っぷちは凄まじいね。でも、この辺りも完全に観光地化されているので、ちょっと興ざめですな。
そして、登山口。ここから大日小屋まで、断続的な急坂を登り詰めます。称名滝バス停が1000m弱なので、1500m程度登ることになります。
登山口から牛の首まで、特に急坂です。コースタイムで1時間50分が取られています。
1時間50分のコースタイムでしたが、1時間で到達できました。北アルプスエリア(に限ったことじゃないけど)のコースタイムは、謎がイッパイ。
ここは牛の首です。細い尾根です。
一人街道を突き進むと。まあ、時折前後から人がやってきますがね。ふうたろうの荷物よりずっと小さいものしか持ってないけど(じと目
腐った木道が敷かれたルート。本当に腐っています。整備するカネが無い?
…といいながら、…まあいいや、今は登ろう。
雲がなければ、この向こうには大日連山が見渡せるのでしょうね。やっぱり、夏はダメだね。秋のようなハッキリした天気の時に来ないと。
彼方に大日平山荘が見えてきました。見えている割には意外と遠い…
大日平山荘。
そういえば、腹痛の方はどうなったかというと、今のところ大丈夫みたい。ペースもそんなにひどくは落ちていない。
ちょっと休んだら進みます、が、この空き缶の量は凄いね。登山者に持ち帰らせればいいのに。缶の一本や二本…。下界で何気なく捨てているゴミの意味を理解する一面なのにね。誰かが運んで、処理しているという一面をね。
相変わらず曇りまくっています。登ればこの雲の上に出るのか出ないのか。
池塘の向こうにニッコウキスゲとかが咲いています。ワタスゲもあります。
清らかな沢を徒渉。水が増えると厄介だろうけど、特に靴脱ぐとかはもちろん無しです。
大日平山荘はどこかな…。この辺りももう、ガスがかかってきて…
登り続けると再び沢にぶつかります。ここまで上に来ると、採水可能です。汲んでいきましょう。ただし、この先何度か沢にはぶつかるので、それぞれでも汲めるかと思います。
ん?(・ε・;)
なんで、沢にハマってもいないのに行動食の袋がビチョ濡れなんだろう。
ああ沢はさわやかだしガスは幻想的だしニッコウキスゲはきれいだし楽しいなあ(棒読み
この赤ペンキの「サイゴ」は、沢の最後。つまり、水汲める場所が最後、という意味でしょう。決してふうたろうの最期ではありません。
沢を過ぎてからも上りは続きます。いや、むしろ急になりますか。
そういえば、下山してくる人に聞いたら、2300m(標高)を越えた辺りから時々晴れる、みたいなことを聞きましたね。そろそろ、2300mくらいじゃないか?
大日平を覆っていたガスは、実は雲海だったのですか。まあ、判ってはいたけども(←こら
キヌガサソウが咲いています。これはこのあとも何回か出てきます。
晴れると暑い。タオルを濡らしたいのですが、最期の水場は過ぎたので、小屋に水を送っているパイプの結露水で代用。
バス停から3時間半ほどで稜線に出ました。さてこれからどうするか…
さて、ふうたろうの今日の目的地はこんなところじゃないんですよ。せめて、雷鳥沢のテン場くらいまでは行かないと。できれば剱沢まで行きたいけど。
これからふうたろうが縦走する峰が連なっていますな…雲に隠れかけているけど。
この先にライチョウの親子連れがいて、登山者に愛嬌振りまきまくっているように見えました。
ライチョウは5羽の子どもを引き連れていました。子どもを置いて親は逃げないらしいから、親にしたら、自分に気を引いて子どもを守るのに必死だったのかもしれないね。
ま、単純に人慣れしてしまっているのかもしれないけど。笠ヶ岳(北アルプスの)あの鈍くさいライチョウみたいに。
大日小屋。ランプの宿、らしく、何気に憧れてみてはいたのですが、ふうたろうも泊まることが多い避難小屋などは、ランプすらないのを忘れていた。っていうか、屋根すらないことも多かった(笑
中大日岳(地図上の表記なし)への急坂。今から登る人はもういない…この尾根にはテン場が少ない。
そんなことを言っているふうたろう、実はさっきからやけに具合が悪い。
行き交う人みんな、同じ表情です。ふうたろうも、さっきからムカムカしています。具合悪い。
ここは七福園。
ここ、断崖絶壁…というほどでもないけど、岩の斜面になっています。人を落石攻撃しないようにしましょう。
見えているのは奥大日岳の肩です。これを登り切ってもまだしばらく登る。地図を見ればすぐに判るのです。
肩に登り切る最後のところには再びはしごの急坂。転がらないように。
そういえば、朝もパン一つで、さっき分岐のところでどら焼き一つ食べただけですので、糖分は足りておりません。うなぎパイ2枚ほど食べます。
空もコバイケイソウもこんなにきれいなのに、ふうたろう、体調が一気にダウン。座り込んでザックにもたれかかって15分ほど寝ていました。
地図的には山頂はもうすぐ。このまま雷鳥沢に行ける気がしない。
あのふたコブのやつが奥大日岳の山頂ですかな。しかし、なんか右のピークから下って登るように見えるのは…気のせいか?
そんなことはありませんでした。もちろん、最後のピークに至る10~20mほどの急坂はありますけど。
ネコの額ほどの平地の砂利をどかして、テントを設営。これ以上動けない。空腹とムカムカの両方から攻められる経験はあまりない。
展望が出てきても、思ったように身体が動かなくて驚きました。
そして、日が落ちたあと、周囲は大展望でした。
…が、これをじっくり眺めるだけの余裕も無く、これから長い夜を迎えることになりそうです。
あの剱岳が、今日はふうたろうを睨んでいます。剱岳にはホントに嫌われたかな…(ため息
いや、山は人を選びはしない、か…。
このあと、テントの中で寝返りを打ちながら、まずは睡眠を取ります。加えて、喉の渇き方もひどく、糖分を含んだ輸液が欲しくて、あの破裂したフルーツ寒天なんかを食べたり。でも、食べてもムカムカするし…
きつい。夜空の星は、天の川がくっきり見えるほどすばらしいのに、楽しむ余裕はもはや欠片も無し。ふうたろう山行史上もっともつらい体調です。
天気:晴れ時々くもり(富山県富山市・中新川郡立山町・上市町、富山地方鉄道各線)