ふうたろうの2010年
今年一年、振り返ってみましょう。あのマイナス15℃の祖母山で、山仲間たちと共に迎えた新年は最高でした。
祖母山(大分県)、1月1日。
山頂に着くまでずっと曇っていたのは、この雪と霧氷を見せてくれるためでした。雲の愛情を感じました。
由布岳(大分県)、1月3日。
1月の最初の連休に蔵王を攻めようなど甘いにもほどがあるのか。登山すらさせてもらえませんでした。
蔵王山リタイア(山形県)、1月9日。
一日で行けるだろうか。乗合タクシー運転手のご厚意で相当距離を稼いだけど、タイムオーバーでした。
諏訪山リタイア(群馬県)、1月17日。
バッジ回収登山などと罰当たりなことを言って登った山だけど、雲間からの太陽と雪、そしてモルゲンロートの美しさは今年屈指のものです。
雲取山(東京都)、1月23日。
本当は宝永山(富士山の山腹)に行きたかった。
でも、この時期でないと見頃を失う山が千葉県にある。
御殿山(千葉県)、1月30日。
今年最初の体調不良から覚めて登る雪山。一日目のくもりと雪を耐えて登った山の頂は、鋭い冷たさと澄んだ空気に包まれていました。
山伏岳(静岡県)、2月14日。
寒さに耐えながら、登山口までのしんどさを味わう山でした。でも、実際に登ってみると、山そのものもそんなに楽ではないですよ?
恵那山(岐阜県)、2月20日。
ここでリベンジ。蔵王連峰縦走をこの樹氷のきれいな時季に。でも、異常高温でアイスモンスターは全滅…。痔で苦しみ、雪原に一人テントを張った蔵王山。
蔵王連峰不忘山(宮城県)、2月27日。
ふうたろうの山登りとはなんぞや、ということを考える最初の登山かも知れません。
雪に埋もれながら、それでも雪景色を望みたい。その思いで登っている。こればかりは自分で見に行かないと…
草津白根山(群馬県)、3月14日。
ふうたろうの山行史上最大の雪山登山でした。春の嵐と冬の嵐を耐え抜けたその先には、文字通り輝く光岳の雪原が。
そういえば、池口岳にも登ったんだっけ…。
光岳(静岡県)、3月22日。
光岳でいい気になっていたふうたろう。でも、雪山の世界はそんなに甘くない。上空の気圧の谷の通過で天気が荒れてしまい、小遠見山であえなく敗退。
五竜岳リタイア(長野県)、3月27日。
一週間後にリトライした五竜岳。冬山最大の恐怖を味わうことになりました。生死を分けた、フィフティーフィフティーの世界。
五竜岳(長野県)、4月4日。
ふうたろうの誕生日は山で飾りたい。どうしてもそう思ったふうたろうが向かった先は、友人の結婚式からでもダイレクトに行くことができた茨城県の北の端でした。
八溝山(茨城県)、4月11日。
恋に悩んだ4月。終わらない冬に涙した4月。そのふうたろうが必死で向かった先は山梨県の小さな岩山でした。
岩殿山(山梨県)、4月18日。
2度あることは3度ある。4月の山は、ふうたろうにこれでもかと言わんばかりしごきを入れました。月山は吹雪とガスに見舞われます。下山後、次の日も含めて晴れました。テントのポールを忘れるという失態も響きました。
月山リタイア(山形県)、4月24日。
5月に入って最初の挑戦。ここは北海道。五竜岳のトラウマがふうたろうを襲いました。
後方羊蹄山リタイア(北海道後志支庁)、5月1日。
後方羊蹄山にくじけたふうたろうが向かった先は大雪山旭岳。つかの間の晴れ間を味わいますが、吹き飛ばされそうな強風に戦くことになります。
旭岳(北海道上川支庁)、5月3日。
北海道3度目の正直。実は片思いの人を意識しながら歩いてきました。しかしそれももう終わり。
暑寒別岳(北海道留萌支庁)、5月5日。
冬の寒さが抜けきらないままゴールデンウィークが明け、心新たに向かった先は日光でした。ふうたろうゆかりの地、日光。
日光太郎山(栃木県)、5月15日。
寒さが和らいできたと思えばそろそろ梅雨の走り?日帰りの山行2週連続とは珍しい。
有明山(長野県)、5月22日。
リタイアが続いていた百名山撃破劇。5月にノークリアは避けたかった。それでやってきたのが岩手県というのはかなり冒険でしたか?
岩手山(岩手県)、5月29日。
鍋を忘れて食事がまともにできない上、腹まで壊すという惨事。山頂を踏むだけの登山になってしまいましたね…。
八幡平(秋田県)、5月30日。
そろそろ梅雨入り。6月は雨で展望がひどいと思われがちだけど、その雨間に見える空や地上は、どの季節よりも澄んでいます。まだまだ冬の様相が消えない北アルプスだけど、6月の山というものの凄さを改めて教えてくれました。
北アルプス笠ヶ岳(岐阜県)、6月6日。
4月、敗退したあの山へ再び。梅雨前線が急速に北上しているので、ふうたろうの山行も北へ北へと向かいます。
月山(山形県)、6月12日。
今回だけは行けなかった。大腸カメラでの生検で、大腸からの出血が止まらなかった。止血剤を打ってもらった次の日、ふうたろうは山を諦め、秩父市の寺巡りにチャリダッシュ!
でも、寺巡りをなめてはいけない。山あり谷ありの車道は非常に大変。しかも、ぶっ通しでこぎ続けるなんて…。
30番札所法雲寺(埼玉県)、6月20日。
梅雨前線に追われたふうたろうが決意した6月最後の山は、あのリタイアした北の大地の山です。たった2ヶ月弱経過したかの山は、本当にふうたろうが敗退したあの山だったのか。
ふうたろうの暑い夏が始まる山でした。
後方羊蹄山(北海道後志支庁)、6月27日。
7月に入ると、梅雨前線も活発になります。駄目で元々と向かった先は北アルプス。ここも去年12月に雪の前で敗退しています。
夏の気温は一旦後ろへ下がりますが、ふうたろうの暑い夏は本番を迎えています。出会った山の仲間たちにありがとう。
常念岳(長野県)、7月3日。
これは奇跡か。それとも解っていたのか。
常念小屋で目が覚めた朝は雲が切れて日が差していました。残念ながらそれはつかの間の晴れ間でしたが、虹を見ることもできました。
大天井岳~燕岳(長野県)、7月4日。
この日は学生時代に世話になった先生の退官パーティー。でも、折角京都に来たんだから、パーティが始まる前に軽く準備運動しようよ!
比叡山延暦寺(滋賀県)、7月10日。
10日の奇跡的な晴れはうたかたのように消えました。予想よりも早く天気が崩れてしまった福井県。疲れで寝坊してしまうというダブルパンチ。一時雨足も強まり、全身ずぶ濡れになりました。
でも、山頂で出会ったおばちゃんと語り合い、クガイソウに出会えただけで充分満足。この日は参議院選挙の投開票日だった。
荒島岳(福井県)、7月11日。
まさかと思ったけど、梅雨が明けるとの予報が出ました。その前日の17日の山形県は猛烈な蒸し暑さで、上りの暑さに完璧バテてしまったふうたろう。そして、ようやく辿り着いた以東小屋に入った瞬間、ラピュタの龍の巣のような状態でした。
そんな荒れた雷雨から明けた次の日。見事に梅雨明けです。さあ、盛夏だ!
以東岳(山形県)、7月18日。
ふうたろうのパーティは歩くごとに大きくなり、朝日小屋に着く頃には4人に膨れあがっていました。まるでドラクエでも地で行っているように。でも、次の日の朝、この山頂で共に時を過ごしたのはその中の一人の山ガールだけでした。
大朝日岳(山形県)、7月19日。
一緒に行こうと決意したのは昨日でしたか。賑やかな朝日小屋の前で、厳しい日差しとダイナミックな雲の動きを見つめながら。
山頂で晴れなかったのは残念だけど、一緒に歩く人がまさかいるとは思わなかったよ。
祝瓶山(山形県)、7月19日。
梅雨が明けてもにわか雨など天気は不安定なのが山です。猛暑と雷雨の急襲をかいくぐってやってきたのは南アルプス北部。いつでも登れるとタカをくくっていたのですが、それがなかなか、登りごたえのある山です。
鳳凰三山(山梨県)、7月24日。
早川尾根小屋から空を見ていると、甲府盆地方面が雷のシンチレーション。その雷雲は大気中の雑味を持っていってくれました。
そしてここでふうたろう絵日記の読者だという方に初めて直接出会いました。
アサヨ峰(山梨県)、7月25日。
戻り梅雨という言葉をご存じでしょうか。今日はまさにその戻り梅雨で、あの岩の殿堂はとても悲しいことになっています。
ふうたろう、来たくない山1位ランクイン(滅
劔岳(富山県)、8月1日。
広島で原水爆禁止世界大会に参加。去年の長崎でも、「平和だからこそ登山ができる」と言っていた長崎の勤労者山岳連盟の陸門さんの言葉を思い出します。
平和という言葉を使わなくてもいい。継承と発展のために微力を発揮しよう。そして、山に登ろう。
でも、メシ食いっぱぐれるとかけっこうアホだったり(滅
三瓶山(島根県)、8月7日。
ふうたろうの暑い夏も後半戦。夏休みの山行は南アルプスへ。でも、台風が日本を襲う。秋雨前線まで南下する。
荒川三山(静岡県)、8月13日。
嵐と前線のコンボがもたらしたものは雨と風だけではありませんでした。そろそろ、山とは何か、山に登るとは何かを、じっくり考えるときです。
それは人との出会いであり、瞬間を大事にすることであり、否定と肯定の硬直ではないということでした。
赤石岳(静岡県)、8月15日。
停滞で時間がずいぶん失われたので、上河内岳や茶臼岳は諦めざるを得ませんでした。それでも、2時台の早出という豪腕、イヤ、豪脚…か。
聖岳(静岡県)、8月16日。
あれだけ長い山行をしても、次の週にはまた別の山に向かう。それが常識となった暑い夏も終わりそうな8月下旬。以前登った火打山を通ってきた先は恐ろしい急坂と岩場の山でした。
しかし、その岩山から見た空の美しさは…
焼山(新潟県)、8月21日。
雨なんて一滴も降っていないのに朝露で体中びっしょりにしながらやってきました。人のいないルートを歩いてやってきたこの山には人だかりができています。百名山だからというべきですが、あの人と再会を果たすにはちょっと人が多すぎたかも知れません。
雨飾山(新潟県)、8月22日。
夏の暑さにそろそろバテてくる8月下旬。天気も不安定になってくる頃ですが、今年の暑さはとどまるところを知りません。そんな暑さに耐えながら、簗場駅から赤岩尾根を登ってくるなんて、ふうたろうもそろそろヘンタイの領域に入ろうとしています。
鹿島槍ヶ岳南峰(長野県)、8月29日。
日帰りで3000m級の山を攻めるのはふうたろうの主義に合いません。しかし、どうしても伊那方面に行かなければならない用があったので、しからば山梨県から山越えをば!
仙丈ヶ岳(山梨県)、9月4日。
今年2度目の体調不良を迎えた9月9日。原因不明の胃腸症候群にこれから苦しむことになります。
そんなふうたろうがやってきたのは「いつでも行ける」と取っておいた山です。
北アルプス乗鞍岳(長野県)、9月12日。
病み上がり(病んでいる途中)にしてはちょっとハードではないかい?
どうしても白嶺三山を踏みたかった。そして、甲斐駒ヶ岳と鋸岳も踏めたら、これで南アルプスの百名山は終わりです。だから、奈良田から登りました。
遅れて農鳥小屋に着くと、小屋番のおっちゃんに「遅い!」と言われてしまいましたねー。
農鳥岳(山梨県)、9月18日。
ここがこんなに静かなわけがない。人だかりの間隙を狙って撮った一枚です。
間ノ岳(山梨県)、9月19日。
そのまま北上したふうたろう。もちろん来るところはひとつです。
北岳(山梨県)、9月19日。
秋雨前線が行ったり来たり。でも、まだ天気は崩れない。胃腸症候群と疲労に若干苦しみながらも、登頂。白い岩のきれいな山でした。
甲斐駒ヶ岳(山梨県)、9月20日。
秋雨前線が本格的に日本列島を撫でていく9月下旬。「登山は雨のち晴れ!」を常套句に雨の中黒部ダムから読売新道を登ってきたふうたろう。さあ、日本200名山最奥は晴れてくれましたか!?
赤牛岳(富山県)、9月24日。
赤牛岳からの稜線も高曇りの様相。高層雲と秋雨前線を恨めしく思っていたら、この決定的な出来事です。山は弁証法を形にするものであると証明された瞬間です。
水晶岳・水晶小屋(富山県)、9月24日。
何かのたがが外れたような気がした水晶小屋最後の営業日。ふうたろうは雲ノ平を越えてこの岩山を越えました。スゴ乗越まで行きます。足が信じられないほど軽い。
薬師岳(富山県)、9月25日。
無理が祟ったのか、膝に激痛。次の週は山お休み。痛恨の休みです。鳥海山に行きたかったのに…!
しかし、これもふうたろうに対する試練の一環。これもまた登山なのだと。
巾着田のヒガンバナ(埼玉県)、10月3日。
この10月の3連休は外せない。今年は奇跡的に台風も少ない。あんなに暑かったのに。でも、低気圧の通過で雨や曇りが多くなってきました。奇跡は起こってくれるのか?
白馬岳(長野県)、10月10日。
天気は荒れる一方。でも、諦めない。それゆえに出会えた景色と、出会えた人たちがいる。
雪倉岳(長野県)、10月10日。
朝になっても激しい雨が止まない。悲しい出来事が起こった朝日小屋のテン場で泣いていたのはふうたろうの心だけではなく、空もまたそうだった。
しかし、状況は一変する。紅葉も雲の躍動も、あの雨が直接的に輝かしいものにしているだけではない。あの雨があったから、それに対する感動が強まるのだ。
北アルプス朝日岳(新潟県)、10月11日。
新潟県はいつも天気が優れない。ふうたろうが行くときは少なくともそうです。
そして、浦佐駅から歩いてやってきた越後の山、やっぱり新潟の法則で、くもりや雨(滅
越後駒ヶ岳(新潟県)、10月16日。
次の日になっても晴れてくれなかった。北アルプスで起こった奇跡の数々は、そう起こってたまるものか。
越後中ノ岳(新潟県)、10月17日。
後半は時々晴れるこの日。兎岳からの長い道のり。これから下山するのも大変だぞ~!
荒沢岳(新潟県)、10月17日。
今月上旬に来られなかったのは痛恨でした。でも、今月上旬に来ていたら絶対やっていなかったことがあります。それがゼロメートル登山。既に街中で疲れ果ててしまったけど、ゼロから登ったというのはこの山に違った味を付けてくれたものです。
鳥海山(山形県)、10月24日。
Mariさんと3度目の出会い。ここを登るのは2回目だけど、季節も違う、出会う人も違う、起こることも違う。
荒船山(群馬県)、11月3日。
秋の終わりを告げる山行です。その美しさとは裏腹に、足どりを直接的・間接的に重くします。
ふうたろうの暑い夏は終わりました。
早池峰山(岩手県)、11月13日。
北国は一足早く冬になります。でも、ふうたろうは日本百名山を今年中に撃破するつもりです。冬?関係ないぞ。このくらいならまだ行ける!
でも、雪と笹薮を、1合目から登るこの火山はそうそう楽ではありませんでした。
岩木山(青森県)、11月20日。
岩木山のガスにうんざりして駆け足で下山し、その足で再び青森市にほど近い日本百名山。夜な夜な到着した避難小屋では、一人のおっちゃんとネズミの大群と共に過ごしました。
八甲田山大岳(青森県)、11月22日。
JRのフリーきっぷを徹底的に使い尽くすつもりで、北海道渡島半島にまで足を伸ばしました。そこにある山とは…
非常に長い車道歩きとアプローチ。下山寺は遭難の危機が!
大千軒岳(北海道渡島支庁)、11月23日。
99個目の日本百名山を取りに、もう11月の下旬。夏は賑わうはずの名所の山も、これほどまでに人を寄せ付けなくなるのかと思うほど。バスもなくなり、長い車道歩き。さらに腹痛を起こしてもトイレもない。水筒ははじけ飛ぶ。スゴい山行をしているなあ。
至仏山(群馬県)、11月27日。
遂に師走に入った。冬の本格的な到来です。最後のひとつの百名山撃破に、滋賀県までやってきました。
しかし、この猛吹雪に、屈指の辛さを味わうことになります。
伊吹山(滋賀県)、12月4日。
冬型の天気もまだ一時的な初冬。百名山撃破を終えて、やってきたのは三重県名張市。ふうたろう山行の前史が終わった。
倶留尊山(三重県)、12月5日。
思えば修行のような山だった。登山口の発見も、山頂に至るまでの猛烈な急坂も、下山後の長い車道歩きも、凄まじく荒々しい山だった。ひいき目に見ても次も来たい山では、ないな…。
熊伏山(長野県)、12月12日。
久しぶりに晴れた山を満喫です。しかし、もう東北は冬。道は雪に埋もれて、誰も歩いている様子もありません。ふうたろうの独壇場といえば聞こえがいいですが、誰も近寄ろうとしないほど大変になっています。
会津磐梯山(福島県)、12月19日。
今まで何度か寒気が入ってきていますが、冬が本番になると、日本海で次々に低気圧が発生し、冬型の気圧配置が長引いてきます。寒波がやってくるのです。
前も同じところで一時的な寒波を前に音を上げたふうたろうですが、今回はトリプルAクラスの寒波を前にあえなく敗退です。
空木岳リタイア(長野県)、12月24日。
寒波が来るような冬でも行ける山はいくらでもあります。今年最後の山になるかも知れない。ふうたろうが百名山撃破に血眼になっていても、このエリアはいつも暖かく春の山です。
坂田大山(千葉県)、12月26日。
73枚の写真で、今年1年の山を振り返りました。今年は本当に山、よく登りました。そして、多くの人に出会い、多くの出来事を経験しました。来年も、そういう年にできるといいですね。
あとは胃腸症候群を克服できればいいのですが…
天気:くもり(埼玉県所沢市)
覚え書き:食料買い出し、引越に向けて廃棄処分開始、大学芋
色々な山に登り、いろいろな出会いがありましたね!
今年もきっとそんな年になるのでしょうね。
ひょっこり「結婚します」とか告白が聞けたりして!
2010年は本当に濃密な年でした。しかも、自分で濃密にしに行った、積極的な年だったと思います。
今年は…結婚できるような諸条件が整うかどうかは未知数ですが、それくらい力を付けたいですね…。