木の地獄(白石山二瀬尾根コース:埼玉県)
年越しを家で過ごすなんて我慢ならないことです。家に籠もっているくらいなら、どこでも、たとえ近場でも、山で年を越すというのが礼儀です。
というわけで今日向かったのは、奥秩父・奥多摩方面です。
しかし、なめてはいけない。奥秩父や奥多摩には信じられないほど深い山が潜んでいます。それがこれから行く白石山(はくせきざん)。和名倉山(わなくらやま)とも言います。
西武バスが秩父湖バス停に着いたのは10時。予めインターネットで調べておいた、秩父湖より西方、川又バス停行きのバス時刻表には10時10分前後のバス便があることになっていたようです。さて、乗り換えですぞ。
(゚◇゚)ガーン
完全なるガセネタを掴まされていたようです。ふうたろう、いきなりワナクラ山の罠にハマりました。
11時19分まで1時間以上も待っていられないので、逆から、つまり、二瀬ダムから白石山(和名倉山、以後「白石山」と記す)にダイレクトに登る稜線ルートを辿ることにしました。
二瀬ダム(秩父湖のダム)の上を通ります。昨日、この辺りは雪が降ったのでしょうね。積もっていますね、少し。
これから登っていく二瀬尾根が見えます。あの恐怖の樹林帯、耐えられるでしょうか。
二瀬ダムを過ぎて車道をしばらく歩くと、一応分かれ道があります。しかし、白石山や和名倉山などの山名表記はなく、昭文社の地図などのガイドマップがないとたぶん進めません。そもそも、難路なので、地図読めない(大まかでも現在位置をつかめない)、体力ない、というのは論外です。
ひっそりと吊り橋が架かっています。これを渡らないと始まらない。何となく板が老朽化しているようで、鉄骨のある部分以外を歩くのが怖い。
橋を渡りきると、一応案内板があると思いきや、山道行止りとか書いてやんの!ふうたろうの山行はここでオワタ\(^O^)/なのか?
とりあえず道がある限り諦めませんぞ。いや、多少道がなくても方向感覚で進むんですぞ。元は道のあった場所なんだから…。
行き止まりではありませんでした。行止りの方に進むと、ちゃんと上に向かう道がありました。ただ、これが必ずしも白石山に向かう道とは限らないという話です。一応、昭文社の地図でもだいたいこの辺りから上りになっているようで、まあ、間違いないでしょう。
恐ろしい急坂が続きます。25kg以上はあるだろうザックとカメラを担ぎながらなので、しんどすぎ。しかも、雪まで…
登っていけば行くほど、雪はその量を増やしていきます。いよいよアイゼンがないと滑って登れなくなります。
しかし、雪道というのはかくも美しいものです。これだからやっぱり雪山なのですなあ。白い麻薬でございます。
登尾沢ノ頭に到着です。この破線ルートにはコースタイムがありませんが、今日のふうたろうの足でここまで3時間ほどでした。キツいにもほどがありますなあ。
登尾沢ノ頭からは水平道。あの北アルプス朝日岳の水平道よりは少しまだ水平だと思います。
しかし、倒木と崩落地と岩がところどころにあって、挙げ句の果てにはヤブまで出てくるとかいう件。
造林小屋痕はこの辺だろうと思います。痕というか、小屋らしきものはもはや存在すらしません。ただ曲がった線路と古びたワイヤーが散らかっているだけ。木材が輸入材に変わってしまった結果、だとしたら、ただの流行り廃りの問題ではないということです。
酒瓶が散らかっています。ある時はここで木こりたちが酒盛りをしたのでしょうか。
小屋跡を過ぎて、さらに上に向かいます。ここから少しまた坂がキツくなります。しかし、それ以上にこの案内板に書いているのは…。
一応水場があるようです。ただ、シカなどが行き来しているので、あまり飲む気はしませんな。
急坂を登り切るか切らないかする頃、道はウルトラ笹ヤブゾーンに変貌します。雪が積もっているのでなおのこと質が悪い。
テントが張れそうな場所もなくはなかったけど、ここでテントを張ってしまうと先が相当長くて死ぬ。
途中展望の開けるところがあって、一瞬の慰み。もちろん、一瞬でしかありませんでしたが(滅
しかし、その先にはまともな広さと平坦な場所が全くなく、暗闇の中を歩くハメに。そして、ヘッドランプを忘れたことに気が付くという罠。
空木岳の池山コースの最後に匹敵するくらいウンザリして白石山山塊手前の北ノタルまで。これ以上真っ暗な中樹林帯を進めなくなったところで、テント。携帯の明かりでテント設営とかありえないから。
今年最後の夜。星は木々の間からきれいに見えます。夜をこうして過ごせるのは、なんだかんだいっても贅沢なことです。カネだけでは買えない贅沢。
しかし、少し胃もたれ発生。プリンペランに頼らずとも治まってはくれましたが。おそらく、知らず知らず空気を呑み込んで胃が圧迫されているのだと思います。ふうたろうの胃、気分の悪さに微妙なタイプの差があって、少しずつその違いが解ってきた30代(滅
というわけで、今年の年越しはまたもや誰もいない深山の新雪の中でビバークです。
今年の山行日数98日。登った山の数は61個(300名山以外の通過した山および通過した300名山は、その質に依らず含まない)。あの吹雪とこの吹雪がなければ100日に達したのに…と、ぼやいても始まらない、年越しです。
さて、明日は白石山を撃破して、とりあえず奥秩父主脈に出ます。
天気:晴れ時々くもり(埼玉県秩父郡大滝村、移動中は含まない)
お疲れさまでした。
「礼儀」をかいて今年も家の中でぬくぬくしていたニセ山女です(笑
ふうたろうさんの足で登り3時間って!?
もちろん人っこ一人会わなかったですよね!?
たしか私に和名倉山勧めてませんでしたっけ?
よかったー行かなくて。ってか私が行ける時期とはまったく思っていませんので。
秋のまあ涼しくなったころ、たぶん夏に入った登山者で道もまだついている頃をみはからって人が沢山入山しそうな日を狙っていきたいと思ってます。
自分にあった登山方法ですね。。。
仕事してるのに、山行日数98日ってどうなってんの?ほとんど土日は山ってことかな。
12×8=96 あとはお盆とかお正月!?
>人っこ一人会わなかったですよね
もちろん。…足跡が雪に埋もれていましたからね(黒笑
>私に和名倉山勧めてませんでしたっけ?
イケると思っていたんですけど、あれはだめですね。あの豪雪はヤヴァイです。失礼つかまつりました。
秩父湖(二瀬ダム)方面から入るのはあまりお勧めしませんわ。展望的にもヤブ的にも、あまり楽しくないです。だいぶ難儀しましたからね…。将監小屋にでも泊まって、2泊3日コースでマッタリと稜線や紅葉を楽しむのがいいかと。
>山行日数98日
祝祭日やお盆・正月・ゴールデンウィーク、そして有給(という名のものはないけど)すべてを使って98日なので、それほど密度は高くないです。すべての休みを使ったら丸4ヶ月くらい行っているはずです(笑