山を抱く地はいつもと変わらず
外に出よう。
Mariさんのホームタウン、長岡市近辺を巡ることになりそうな今日。手始めに、彼女の行きつけの場所に足を運ぶことになりました。その中にある売店の婆ちゃんを、彼女は好きだと言っています。
ふうたろうには、新潟弁が若干判りづらいけど、元気な婆ちゃんとMariさんが喋っている様子は、とてもほほえましい。
まずはこの新潟県の雪の多さにビビりながら、山を見に、魚沼の方に向かいます。その途中に立ち寄ったJR只見線の上条駅。
何とかと煙は高いところが好き、というやつで、彼女は何気に生ぬるい目でふうたろうを見ているようです。
ここでソバを食うと言いたいところですが、この蕎麦屋は、山菜料理も出してくれます。おひたしや酢漬けなどのような、素朴な味わい。食べたことのない、マタタビの実やアケビの新芽とかもありましたが、マタタビの実は塩がきつすぎました…。
Mariさん、車の運転に若干疲れているようでした。温泉に行きたいと言っていたのに、ふうたろうはタオルや着替えの一切を持っていませんでした。
そんなふうたろうを乗せてMariさんが行ってくれたのは、柏崎の道の駅。ここでは野菜だけでなく、魚も買えます。新潟県近海のとれとれピチピチの魚が。
新鮮な魚がずらりと並んでいました。メバル、タコ、イカ、いなだ(鰤の子)、ガシラ、サバ、ニシン…。ふうたろうたちは、その中から、1匹500円の大きなカレイを選びました。煮付けにして食べよう。
こういう、売っている人、あるいは作ったり採ったりしている人の顔が見えるものを買うと、心が満たされます。お金が落ちる先が見える買い物は、主体的な気分になれます。何より、新鮮なものを手に入れたときの満足感も素晴らしい。
今日一日、こうしてドライブを楽しませてもらったわけですが、ずっと頭から離れなかったのは、原発のこと。自分たちの使っているエネルギーのこと、その代償としては大きすぎる放射能のこと。今もこの頭の上を、収まることを知らない原発から吹き出す放射能が駆けめぐっているのだろうか、と。
そして、先ほど手に入れた新鮮なカレイは寺泊産。実を言えば、この柏崎には柏崎刈羽原発があります。ここが同じように事故を起こせば、今日の思い出すべてが吹っ飛ぶことになります。それどころか、これから生まれてくる思い出や喜びすべての芽をつみ取ることになります。この新鮮なカレイに始まり、雪の美しい上越や中越の地を、原子力の弾丸の嵐に晒してもいいのか、一生こんなものと付き合っていくのかと、思いながら過ごしました。
明日から本格的に天気が崩れるようです。明日こそは温泉に行こうと2人で言い合って、貴重な雪国の晴天の宴を締めました。
天気:晴れのち雨(新潟県長岡市・栃尾市・北魚沼郡守門村・南魚沼郡六日町・柏崎市・十日町市、移動中を含む)