Home > ふうたろう旅日記 > 深い、不快、腐海…(飯島烏帽子岳鳩打峠コース:長野県(安平路山リタイア))

深い、不快、腐海…(飯島烏帽子岳鳩打峠コース:長野県(安平路山リタイア))

2011年 3月 26日

 起床4時半。外は、一面雪に覆われています。


 どうやら、空もよく晴れているようです。


 これからふうたろうが向かう方です。雪に覆われていて判りづらいけど、車道が後50mほど続いています。


 片づけなど終わって6時26分、やっと出発です。


 これが鳩打峠の駐車場。夏になったら、登山者が溢れるのでしょうか。


 駐車場からすぐに登山口があります。なお、この看板の右足(看板からなら左足?)に「新登山口→」と書いてあります。


 山道に入ると、いきなり階段があります。


 続く雪の登山道。


 たまに樹林の切れ間があって、そこから南アルプスや伊那谷の町並みを望むことができます。


 しばらく進むと、小八郎岳への上りと、そのままトラバースしていく道とに分かれます。ふうたろう、甘くトラバースさせてもらいます。


 まっすぐ延びるトラバース道。雪がそんなに積もってないので歩きやすい。


 美しい、針葉高木樹林。雪が積もった笹原とセットで気持ちいい。


 いよいよ、根雪が出てきました。そろそろアイゼンを出さないと滑ります。


 ハラが減ったので、行動食を取り出してバリバリと。


 烏帽子岳の前岳が見えます。前岳のちょうど影に烏帽子岳があります。


 崩落地があります。足元注意。


 飯島ルートとの分岐です。ここまででなんと3時間以上もかかりました。雪道に重い荷物は、やっぱり倍は時間がかかると思わないと。


 この辺りの南斜面は大きく崩れていて、セキナギという名前が付いているようです。この中央アルプス界隈では、こういう崩落地に、ナギという名前が目立ちますね。


 鋭く切れ落ちているセキナギ。


 雪が積もっていてトラバース道は歩く気がしないので、若干注意しつつ稜線を歩きます。


 それでも、樹林が邪魔しているときはトラバースして深雪地獄です。


 ここは、現在進行形で、小石がぱらついています。


 このセキナギ、斜面があまりにも急なので雪が殆ど積もっていません。


 このセキナギから烏帽子岳の前岳というか、肩までの坂が鬼のように急です。本当は巻き道があるけども…


 そのまま直登した方が、もはや楽です。


 この急坂の直登が終わったら後は烏帽子岳までややなだらかな道が続くかと思ったら、この道は深い樹林帯で、猛烈な深雪に悩まされることになります。


 100m進むのに30分くらいかかるレベル。この烏帽子岳直下でもうぐったりです。


 あの大きな山は池ノ平山。コースで2番目に高いピークに当たります。烏帽子岳の次のピークですが、遠いですねえ…


 時々雪が降っていた午前中に比べて、空も徐々に青空の面積が広がっています。岩場に達したところで、その風景は素晴らしいのですが、既に足が棒です。


 向かいの尾根が見えています。樹林が切れたので、やっと展望が得られました。


 この展望を見ると、もうここで満足してしまおうかなあ、と思ってしまうのでした。


 反対側、北側の展望も得られそうです。


 少し雪庇になっているので注意。


 そして、烏帽子岳到着。地図には烏帽子ヶ岳となっていますが。


 白く雪を被った越百山などが見えます。う~ん、あの稜線、遠いなあ…。


 そして、烏帽子岳から向こうに行くには、また下って、さっきまでのトラバース樹林深雪ゾーンを通過していかなければなりません。


 更に、あの池ノ平山が右手にあって、目標の安平路山はというと…


 上の写真では右手奥に小さく見える、この写真では中央の山。猛烈に遠く、しかも、あのあたりまで樹林トラバースがおぞましい。…ということは、1泊2日では無理ということですな。


 というわけで、サクッと諦めます。まだ13時になっていないけど、ここでテントを張って、マッタリ過ごしましょうか。
 山で使う初めてのガソリンストーブ。賞味期限が5日切れたカップうどんを食います。


 食ったら、テントの中でもそもそしたり、外に出て写真を撮りながらやっぱりもそもそしたりします。


 伊那谷の街、たぶんあれは飯田市だと思いますが、街が繋がっているのが、山の向こうに見渡せます。


 悠々自適な山テントライフ万歳(何


 でも、実をいうと、それほど悠々自適でもないのです。


 ふうたろう、こうやって今までがむしゃらに山に登ってきたけど、将来のことを、やっぱり考えるのを避けてきた。今日はこうして午後一杯時間が出来たので、嫌でも将来のことが頭をよぎります。


 稼ぎを失うのはとんでもなく怖い。でも、今の中途半端な生き方はあまりにもつまらない。やりたいことは明白である。でも、それは政治的に難しくなっている。


 この空にも、放射能があるのだろうか。いつもと同じ青い空なのに…


 政治的に難しいだけではなく、農地の取得、農機具の取得、そういうものに莫大な金がかかるはず。今の貯蓄ではとても…。こんな山ライフを送っていける状態ではないかもしれない。


 考えれば考えるほど、転職なんてものが理想論であるなあという方向に向かう。でも、一生独身である可能性が下がったため、理想論では済ませられない。


 太陽が傾いてきて、気温が下がってきました。ガソリンコンロに火をつけます。…が、なんだか、具合が悪い。液体のままの燃料がどうも吹き出しているようで、コンロが一時炎上。危ない危ない…。


 午後のマッタリした時間が過ぎて、夕方になりました。雲が少し色づいています。


 南アルプスの方の雲も減りましたね。


 日は山の向こうに沈んでしまいました。


 刻一刻と暗くなっていきます。


 ふと気がつくと、越百山(こすもやま)周辺を覆っていたガスが焼けています。


 長かった昼間が、終わりました。


 暗くなると、自然と眠気がやってきます。気がつくと22時半。しかし、それ以降、なかなか寝付けません。あの伯耆大山の時のようです。でも、あの時のように爽やかとは言い難い。今日は気分も悪いし…。
 翌日はどうやら殆ど寝ないまま迎えることになりそうです。


天気:晴れ時々雪(長野県下伊那郡松川町・上伊那郡飯島町)

Comments are closed.