嵐の前の静けさ(大門山西赤尾ブナオ峠コース:富山県)
池袋発の夜行バスが、富山県高岡市の、高岡駅前に到着しました。その時刻5時半過ぎ。5月ともいうともう外は明るいのです。北国の様相は全くない、高岡市。
到着時は開いていなかった駅の待合室の、そば屋や駅弁屋、コンビニなど。しかし、6時になるとその辺りが一斉に開き始めました。そして、富山県といえばますの寿司。高タンパクの魚と、基礎エネルギー源の米を食べましょう。
高岡駅前のバス停から、加越能(かえつのう)バス白川郷の荻町行きに、7時30分に乗ります。城端(じょうはな)駅で少しの休憩を挟んで、ふうたろうは登山口の入口である西赤尾バス停手前で、自由乗降を利用して、降ります。
このとき、運転手さんに、「ブナオ峠に行く道のところで下ろしてください」といえば、下ろしてくれるはずです。
→加越能バス 五箇山・白川郷方面バス時刻表
しかし、このブナオ峠に続く林道は、入口のところでゲートが閉ざされていて、車で来た人も、ふうたろうと同じレベルで歩かなければなりません。
ところで、高岡では7時半頃には晴れていたのに、10時前の西赤尾(上平村)はメタンコ曇っています。終いには小雨がぱらつくとか、ごっつ気分悪いという件。
さて、この林道、ふうたろうが予想していたほど雪が積もっていません。しかし…?
こういう雪の残り方を、進んですぐのところからしているというのは、とても鬱陶しいという件。
荷物の重さは最大値のこのころ、そろそろ歩くペースが安定してくる30分前後。あちらに橋があるようですな…。
しかし、歩きのふうたろう、すぐに通過できました。
この橋の欄干、雪の重みでへこんでいます。
さっきまでどんより曇っていたけど、青空が見え始めました。しかし、できればブナオ峠に着くまで、暑いから晴れるの待ってくれと言いたかったりする今日この頃。
ふうたろうはとっくに暑くなって、ほぼ夏服状態になるまで上着を脱ぎ捨てます。
標高が徐々に上がっていくと、残雪が多くなっていきます。でもまだこの辺りは断続的です。
深い谷筋には、多くの雪がたまっています。この辺りから歩きにくさがひどくなってきますが、まあ、慌てず、行きましょう。
雪のトンネルの中を、豊富な雪解け水がゴォゴォと流れています。
断続的というか、テキトウに雪が融雪水で解けて、不安定な雪の層になっているところがあります。
…歩きにくいんじゃゴルァ(゚Д゚#)
重い荷物に雪道。前半無雪状態の車道歩きの、2倍の時間をかけて同じ距離を進むことになります。
雪解け水が落ち葉にせき止められてたまっているところに、カエルが卵を産み付けています。
ほぼ辺りが一面積雪している状態になったところで木の根元を見ると、30cmほど積もっているかなという感じ。
ところで、この辺りで、また小雨が降ってきました。勘弁してくれよ。
雪道の険しさがエスカレートしているようですが、このクネクネの車道をバカ正直に歩くのが嫌で嫌で、ショートカットを試みます。
何か、希望的観測だけど道案内標みたいなもんもあるし、行けるだろうと勝手に思いこむ。
しかし、はっきり言って、それは罠という件。猛烈な急坂だけでなく、雪が所々途切れていて、それ故に大きな段差ができて、登りにくいことこの上なし。
結局元のルートに戻ったのは、そのまま歩いたのとそんなに変わらないんじゃなかろうか。
もうすぐブナオ峠というところですが、晴れそうで晴れないどんより雲が目の前をうろちょろしています。
そして、ふうたろうの真後ろにはきちんと晴れた区域があるという罠。
いよいよ、ふうたろうが明日以降縦走する稜線が見えてきました。そう、今はまだ、登山口にすら立っていないという、すさまじい件。
ブナオ峠に着こうとしている今、やっと空に青空が広がってきました。さっきのだまし討ちとはもう違うぞと。
ブナオ峠に着いたので、一服します。黒糖パンをかじりますよ。たばこは吸わないふうたろうなので。
ブナオ峠からは、大門山の肩までスッと上っていくルートです。あの長い長い長い車道歩きのあとのルートなので、疲れのせいか非常に長さを覚えます。ちょっとうんざり気味で。
でも、今日中に大門山の肩くらいまでは攻めておきたいもの。行かないと、明日以降もしんどいし、稜線で夕日と朝日を眺めることに命をかけている(何)ふうたろうとしては、その使命を果たせないと言うことです。
登山道の尾根が右へ蛇行し、またそれが左へ蛇行する頃、展望がはっきり出てきます。
奥に人形山。手前右にはタカンボー。タカンボーも途中まで登山道があるようですが、山頂には行けないみたいです。桂湖からブナオ峠の林道を結んでいる道があるだけ(地図上)。
上りが緩急を繰り返します。でも、着実に今日のゴールに近づいています。晴れ間も広がってきて、テンションアップ!
恵那山の広河原からの尾根の登りを思い出します。まあ、今日はふうたろうしか人がいないんだけどね。足跡すらないという。
展望がすっかり良くなって、歩いていて気持ちいい。でも、まだきつい上りは続きますよ。
一旦広く平坦なところに出ます。テン場には適しているでしょうか。でも、ふうたろうはここで泊まりはしません。
あの右奥の一番高いところが、恐らく大門山。その肩までは必ず行きます。そして、この時間なら、絶対行けますから。
展望申し分なし。この大門山から三方岩岳をクリアしたあとに登るつもりでいる猿ヶ馬場山はどれでしょうか。
しかし、続く上りの雪尾根。沈むことはありませんが、雪の上を歩くというのは、それなりにプレッシャーです。
緩急を繰り返す上り坂です。緩くなったらそこからの展望は素晴らしいです。でもやっぱり、息が上がります。
とりあえず、上りはキツいけど枝稜線の大展望を堪能しながら行きましょう。
ですが、その上りのきつさにもいいかげん限度ってものがありまして、肩に登る手前辺りの坂はヤヴァイです。
こうやって雪が途切れていると、段差になって一層登りにくくなりますな…
ブナオ峠を挟んで向こう側の稜線にある猿ヶ山などが、ずっと下に、ずっと奥に続いています。
さあ、これから主稜線歩きの始まりです。今日は、サクッと、300名山の大門山を踏んでいきましょう。
まあ、山は逃げないので、ひとまず、このバカでかくて重いザックを、どこか展望の良いところ、即ちテン場にするところに放り投げてから、大門山をシバきに行きましょう。
南を望めば、大笠山や笈ヶ岳(おいずるがたけ)がばばーんと見えますな。じゃ、ここにザックを放り投げますかな。
ザックを放り投げたら、ふうたろうまっしぐら、あの展望がチョー良さそうな大門山をシバきに行きます。
明日以降進んでいく稜線は、こちらよりも遙かに雪が多そうです。上手く行けるかなあ、と、少しの不安と、今はとりあえず大門山、という目の前の快楽と。
青空と雪原のコンボは最高。この辺りは、真冬とは違っても、やっぱり冬山です。
山頂からの展望は抜群。後に知ることになりますが、ここは加賀富士という別名もあるようです。素晴らしい。
しかし、何気に、西の方は雲が多い。それがふうたろうの真上にやってくるという罠。
さて、腹も減ったし、もう17時だし、下りてきましたよ。ザックのところに戻って、テント張って、雑煮に餅を入れて食おうかな。
トチ餅の雑煮。…といっても、うどんスープに餅を沈めただけなんだけどね。これは、先週柳津に行ったときに買ってきた餅ですよ。
何だかこの絹層雲、猛烈に不吉ですぞ。細かい気圧の谷が迫ってきているのかな?
(-“-;)ヴーン
一気に明日が不安になってきた…。
そして、夜、気分が悪くて寝付けない。それでも雨などは降らなかったし、晴れてはいたようですが…。
大門山のあの光景は、まさか嵐の前の静けさか。
天気:くもりのち時々晴れ、一時小雨(富山県高岡市・東砺波郡上平村・西砺波郡福光町・石川県金沢市、移動中は含まない)
すっごい青空と白い山がきれいですね。
一人で静寂の中、満喫。うらやまひー。
なんかこちらまでがんばろうって気になってきましたよー。
みゃーみさんもぜひどーぞ(笑
大門山だけなら、たぶん大丈夫ですよ。
むむっ、ブナオ峠まで、車では行けないか・・・。ナイスな情報です。
大門山は、展望が良くないと聞きますが、残雪期ならではですね。赤マッコ山の方が展望がいいとは聞きます。
私は、せめて無雪期に大笠山~大門山の縦走をやろうと考えています。
たぶん、雪で数メートルかさ上げされているから、展望が良いんでしょうね。とにかく、大門山の展望、ふうたろうが行ったときは最高でしたよ。
それと、ブナオ峠、西赤尾のゲートから歩くと、積雪がもっと多かったら、相当苦労します。あ、でも無雪期だから、大丈夫ですね。紅葉のシーズンとかどうですか?