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千里の道も一歩から(大笠山縦走コース:石川県)

2011年 4月 30日

 何と、気分の悪さに耐え抜いた夜が明けると、空にはいっそう不吉な高層雲、いや、乱層雲になりかかっていそうな、イヤーな雲が広がりつつあるではありませんか。
 とりあえず、雑炊を作って食べ、出発の体勢を整えましょう。


 晴れ間が遙か東に遠のきました。もはや戻ってくることはない、晴れ間。


 昨日は夕日に輝いていた主稜線。今は空の薄暗い雲に沈んでいます…。


 雪は不思議なもので、気持ちを高揚させる景色である一方で、思い切り沈ませるものでもあります。ふうたろう、完璧にこの薄暗い雪景色に呑み込まれてしまいました。


 ふうたろうのMPがゼロになった!
 まずは目の前の赤摩木古山(あかまきこやま?)を越えましょうか。でも、ガッツが足りない。


 うーん…
 ちょっとした坂が辛い。少しでも出っ張った雪庇が怖い。


 こんなに雪山が雄大なのに、心ここにあらず。非常につらい出発です。


 あの見越山が無限の遠さに感じます。でも、あそこに行かないと始まらない。


 中央左に大笠山。今のこのペースで、あの山にたどり着くのはいったい何時だろう。5時49分にテン場を出てきたけど、亀より遅いスピードなのに…


 赤摩木古山から、数百メートル下ります。しかもその坂も非常に急で、削がれてしまった意欲に堪えます。


 このアップダウンは、巨大な波となってふうたろうをしごいています。


 あ”ー、猛烈につれー(>д<。)
 東の空の果てまで真っ黒の雲です。


 足下がふらつくほど眠気が襲います。最低鞍部のところで、ふうたろう、ザックに腰掛け、30分ほどうとうとします。もうダメだ…


 再度起きてから、亀ののろいでまずは見越山へ向かいますが…


 どうやら、追い打ちをかけるように小雨がぱらつき始めました。しかも、強風もひどい。


 見越山までの短い区間で、いったいどれだけのアップダウンがあるでしょう。コース的に厳しいところはないけど、細かいアップダウン、雪道では強敵です。


 時々、夏道が露出しています。ここは夏でも登れるでしょう。でも、大門山と大笠山だけ登っても、笈ヶ岳(おいずるがたけ)を残すと厄介ですよね…。


 ふうたろう、見越山直前あたりになって、ようやく足のエンジンが掛かり始めました。出発から2時間半もかかるなんて、どうした!?
 ともあれ、これから奈良岳、大笠山と踏んでいきますぞ。まだ8時半過ぎですから、調子さえ良ければ、笈ヶ岳まで行けます。


 正面の真っ白に雪が積もった山は奈良岳。


 そして、不吉な雲は相変わらず。


 見越山から奈良岳に向かう直後の下り、何と雪が完全に剥がれていて、非常に歩きづらくなっています。


 そしてやっぱり、汚れた雲がそこら辺をうろうろ…


 高曇り風で、展望は一応抜群。まだこれだから、何とか歩けるようになったのかも知れません。


 細かいアップダウンを繰り返します。目前のピークを一つ一つ越えることだけを考えないと、途方に暮れます。


 曇り空と雪原と冬枯れ。


 奈良岳の上から、裾野の大きな大笠山が広がっているのが見えます。遠そうだな…。


 でも、千里の道も一歩から。目の前をちゃんと見据えて、歩けば怖くないさ。


 所々、岩場や崖が現れます。でも大丈夫。周りに、必ず弱点がありますから。この辺りは行けます。そこを上手く見つけて、登りましょう。


 雪の段差があったりもします。ステップを切っても登れますし、このくらいの高さであれば、アイゼンのキックステップで這い上がれます。


 それでも、なかなか大笠山は近づいてくれません。
 ただ、救いは、若干空が明るくなったこと。時折青空…?


 鬼の居ぬ間に洗濯。大笠山へ急接近です。


 ああ、奈良岳や大門山などが遙か後ろに遠ざかりました。遠くても、意外と来てみればあっという間です。さあ、あともう少しで大笠山。がんばれ。


 広い山頂の大笠山。曇っていてもその雪原的な風景はイイ感じです。


 ん?(・ε・*)
 足跡がありますな。しかも、新しめ。何となく安心感を覚えます。


 そして、11時55分、大笠山山頂に到着です。12時を前にしてここに着けるとは、予想より3時間くらい早いですな。


 さ、次の山は笈ヶ岳。今回のメインピークです。日本200名山の中でも、登るのが難しい山です。念のため、交通機関が難しい山ではないので、ふうたろうにとってはむしろ楽な方から数えた方が早い部類に成り下がるかも知れません(滅


 ん?(・ε・;)
 何か、北西の空、やたらと黒くないか?しかも、何だか、ゴロゴロいっているんだけど??


 あの雲の色のグラデーションがあからさまなところ、さっきまでとはあからさまに違う不吉さ!


 ヌオッ(゚皿゚;)
 あの色黒はヤヴァイ!


 稲妻が見え始め、雷鳴が頻繁にとどろくようになってきました。ふうたろう、樹林帯の濃いところまでダッシュを始めました。ええ、もちろん、叫びながら。


 まるで腹痛で便所の中で慌ててズボンとパンツをずり下ろすように、テントを引っ張り出して大急ぎで木陰に張りました。そして、程なくして大雨と雷。もはや雷が過ぎ去るのを待つしかないですな。
 っていうか、停滞です。


 というわけで、12時34分に停滞決定で、呑気にレトルトカレーを。


 気象情報を得たかったけど、電波は死んでいます。


 どうやら、一旦雷は遠ざかったようで、明るくなりました。


 笈ヶ岳東面はガスがうようよしています。でも、これだけ天気が荒れているのに、全然見通しが良いのも、不思議ですね…。


 雲が薄くなって、薄日が差してきました。このまま、明日は回復すればいいのですが、期待するとダメだったときのダメージがデカいので、ほどほどにしておきます。


 笈ヶ岳が見える木陰で、テントの中もそもそするふうたろう。DSでFFⅢをやって暇つぶしをするのでした。


 驚いたことに、夜は一時星空が見えるほど晴れました。でも、またしばらくして雨がたたきつけます。
 明日5月1日は、予報では全国的に崩れた天気になる予報でした。気圧配置はどうなっているんでしょう。判りませんが、少しでも進みたいですね。大どんでん返しで晴れてくれるなんてことは…期待すると辛いですが、この停滞を取り戻したいですね。


天気:くもりのち雨で雷を伴い強く降る、夜は時々晴れ(富山県東砺波郡上平村・石川県金沢市・石川郡吉野谷村)

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