焼石の水(焼石岳夏油温泉コース:岩手県)
ここはどこだ?
宮城交通の高速バスが仙台に到着しました。バスは満席。仙台に限らず、盛岡方面のバスも満席で、週末の天気の変化を最後までにらんでいたふうたろうは出遅れました。偶然、1席ほど仙台行きのバスが空いていたので、飛び込み。本当は北上まで行きたかったけど、満席、だったのです。
ところで、ここはどこだ?(何
仙台駅がどこにあるのか、判らんではないか。下界ではザンネンの法則発動。
コンビニの店員に仙台駅の場所を聞いて、無事発見。これから東北本線で一ノ関、そして、そこから新幹線で北上まで。時間ぎりぎり使って、余計な交通費は浮かせるのです。どうせJRにカネを払っても、東北は潤わないだろうと思っているので。
空はしこたま曇っています。東北本線の窓には黒いフィルムが貼られていて、普通に暗い空が余計黒く見えます。
東北本線が三陸海岸のような雰囲気のある場所を通ると、時々がれきの積み上がった場所があります。なるほど、津波からの復興はまだ進んでいない、のか…。
一ノ関駅到着。ろくな物を食ってないというか、そもそも5時半前に仙台に着いたので、何も食っていません。あえて言うなら、コンビニで仙台駅の場所を聞いたときに買ったチョコを食べたくらいで。
しかし、その結果がこの1000円もするJRの駅弁とは…(滅
高いなあ、としか思わない。
北上駅到着。ここでも実はひとつ懸念事項があって、一昨日あたりからの大雨で、今日の戦地である焼石岳登山口の夏油(げとう)温泉までのバスが動いているのかということです。これが動いていなかったら、町から出る前に全滅ですから。
しかし、バスは定刻通りやってきました。そして、瀬見温泉以降ふうたろう一人。それにしても、瀬見温泉、一日2本のバスでは、日帰り入浴ツラいだろうな…
最後のクネクネ道路でふうたろうは力尽きて寝ていました。酔ったわけではなくて、ラリホーかけられました(何
登山口の、大雨で水があふれていたトイレで(中身があふれていたわけではありません)ビッグベンして、いざ出発。さあ、勝負だ!
ところで、ふうたろう、夏油温泉の周辺の25000の地図を持っていません。1月にあれほど買い込んだ(5万円分)全国各地の山々の地図にもかかわらず、まだまだ漏れている場所があるという。
頼れるのはそのあたりの地面に刺さっている看板のみです。
夏油温泉まで来たあたりから、空には時々青空が見えるようになりました。しかし、ベースは曇り空。今は展望のない樹林帯なので良いですが、それでも光が足りないので写真がツラい。
2回ほど古い林道がヘアピンカーブして、道に強烈な不安を感じることがありましたが、何とか進んでいるようです。しかし、やっぱり大水をくらって沢の周辺が崩壊し、沢自体も増水・濁流しています。どうするか…
どうするもこうするも無く、靴脱いで渡るしかありません。こんな最初からいきなり靴を濡らしたら、足の皮がふやけて歩けなくなります。それにしても、沢の水の冷たさよ。
ここが林道の終点。あまり林道という感じもしなかったけど、下界コースは終わりました。
少し急坂の悪路を下ると、この吊り橋っぽいのがあります。5人以上で渡るなと書いてあります。
この大きな川も若干濁流しています。ちなみに、北上川はかなり増水していて堤防がなかったらあの周辺は全部水没していたくらいの勢いでした。
程なくして、ロープで岩壁みたいなところを登るところが。なお、ロープにつかまらなくても、登れます。
ここからはひたむきな上り。毛勝山の西北尾根取り付きほどではないけど、けっこうしんどいですな。
空はだいぶ晴れてきました。空気も澄んでいます。ま、今まで見てきた6月の空に比べれば、まだまだ全然濁っていますが。
経塚山まで、古い昭文社の地図を見る限り、緩い尾根が続きます。でも、縮尺も等高線の間隔も半分になるので、騙されます。25000分の1の地図がないのは本当に痛い。
ありました、水場。水筒(使い回しのペットボトル)の水が無くなりかけていたので、ここで補給です。
周囲の樹林帯の雰囲気が変わってきました。少し背丈が低くなったような気がします。
お坪の庭と書いてあります。ここで昼休憩を入れます。
それにしても、「おつぼ」という名前、東北地方でたくさん見かける気がするのは気のせいかなあ。たまたま、か。
MERUNの玄米入り食パンを食います。食べ過ぎてしまいました。
イワイチョウが生い茂る湿原。秋田駒ヶ岳の時と違って、規模は小さめ。
遙か前方を、ふうたろうが水場あたりで抜かし、昼飯のお坪の庭で再び抜かされた、3人組が歩いています。
おっと!雪渓が出てきました。トラバースの雪渓とかタチ悪すぎです。
使わないだろうと、ザックの一番底にしまっていたアイゼンを引っ張り出して、ザックリ登ります。他のみんなアイゼンは履いていませんが、この雪渓だけはアイゼンがあった方が無難です。
これからササや高山植物などのヤブっぽい細い道を歩いていきます。
さっきの3人組が先に到着していました。その3人は、山形県鶴岡市からやってきたそうです。山々を見ながら、いつものようにふうたろう流の世間話をしました。
つい、小一時間マッタリしてしまいました。今日のゴールは金明水避難小屋ですし。
あの遙か先に見える焼石岳山頂を越えて、左に曲がって銀明水避難小屋まで行くとなると、かなりヤヴァイけど。
花が一面咲いています。チシマフウロだそうですが、紫色に染まっています。
このあたりの稜線は見晴らしは良いけど、何気にアップダウンがあります。
あの左奥の山は天竺山(てんじくやま)。あの右下の奥(西)に、金明水避難小屋があるはずです。
空の雲の量がかなり減りました。…が、あのモヤッとした薄い雲が…?
ヤブっぽい道を進みます。途中、サラサドウダンの倒木が道を塞いでいて、足を引っかけないようにと足を上げて跨ごうとしたのに、結局引っかけて転ぶという罠。
…のび太か、お前はヾ(`皿´#)
左が経塚山、右は天竺山と経塚山の間に連なる小ピークのひとつです。
この道がひどい。とにかく浸食と崩壊がすさまじい。歩きにくい。
小屋1階は先客でいっぱいだったので、ふうたろうは2階へ。でも、2階も間もなくいっぱいになります。
西の山稜に太陽があります。腹ごなしに、ちょっと散歩してきますか。
ちょっとのつもりなので、スリッパで出かけます。またイワイチョウの湿原がありました。
イワイチョウの湿原から、真新しいきれいな金明水避難小屋と天竺山が一望できます。
経塚山までの小さい湿原に比べると大きなものがここには広がっています。
日が傾いているので凹凸がはっきりしています。いや、素晴らしい。
まだ薄雲をたたえる空、そして、夏油温泉方面に裾野を広げる経塚山。
ふうたろう、30分ほど歩いて、牛形分岐まで来ました。牛形山と焼石岳方面との分岐という意味ですが、牛形山方面は完璧にヤブに覆われているので「分岐」とは名前だけですな。
とりあえず、そこで空を眺めることにしました。
このあとは、小屋に集まった常連新参集って宴です。茨城から来た人、地元水沢・胆沢あたりから来た人、宮城県から来た人、色々混ざって。
こうして、焼石のうまい水流れる小屋の短い夜が少しずつ更けていきます。空には星も瞬いているし、明日も期待して良いかな?
天気:くもりのち晴れ(岩手県和賀郡和賀町・胆沢郡金ヶ崎町・胆沢町、移動中を含まない)