疲れに感謝(小秀山夫婦滝コース:岐阜県)
夜行バスが名古屋駅前に到着。池袋から5000円の夜行バスなので、比較論でいえばまあまあの値段かもしれませんが、これでもひょっとしたらそこで働く人々は苦難を強いられているのかもしれません。
さて、広い座席だったので寝苦しくもなく寝られました。エア枕がどこかにピンホールが開いていたのか、すぐにしぼみます。ああ山伏岳で2時間おきに息を吹き込んでいたエアマットを思い出すなあ(棒読み)
名鉄を使うと300円ほど安くなるみたいですが、JRを使った方が駅の中で待たされる時間が短そうだったので(実際は殆ど変わらん)、岐阜駅を経由して高山線に乗りました。
ここで、危うく違う電車に乗りかけたというのは、隠れた罠だったりします(黒笑
高山線が山手に入ってから再び記憶が戻ります。今日はいい天気…と思ったけど、何だか下層雲がウロウロしてますなあ…
JR高山線下呂駅から、濃飛バスで加子母(かしも)総合事業所行きのバスに乗ります。接続がよくて、メシも買う時間すらない5分の待ち時間でバスに乗れます。本当は6時55分のバスに乗りたかったけど、高山行きの夜行バスが冬季運休で(滅)2時間後の8時55分発です。でなければ、名古屋から回るなんて、まだるっこしいことやりませんから。
バスから車窓を覗くと、さっきまでかかっていたと思われる下層雲は消え去っていて、空は少しの絹雲を残し、快晴です。
ふうたろうが持っている『御嶽山』の地図は2006年バージョンで、バス停とかがかなり変わっています。ふうたろうがバスを探すときに、バス停の正確な位置が判らないのは致命的ですが、今回もこの舞台峠バス停の位置を確定するまで手を焼いたものです。
しかし、ここまで来れば、小秀山は捕らえたも同然。
舞台峠バス停から小秀山を目指すには、少し来た方向に戻ります。『下呂市』方面に。
…しかし、「下呂市」ってゴロが悪いなあ。合併前は下呂町(げろちょう)だったようで、ブーム的な合併が相変わらずイヤなふうたろうです。だいたい、合併ブーム前のATOKを使っているふうたろうのPCで変換すると「ゲロし」って出るから(死滅
…こういうはずれに、こういう処分場が作られる。ふうたろうが山を歩くと、見なければ済むものも見えるからなあ…
今日は気温がぐっと下がっています。岐阜駅の気温が、ふうたろうのカメラバッグにくっついている温度計で6℃、駅前の電光掲示板ので4℃でした。
…お待ちかねの冬到来、ですか。
でも、天気はとてもいいのです。先週の杓子山並みか、それ以上。毎週末雨といっても、二日とも駄目なパターンは比較的少ないかもね。
舞台峠バス停から、まず登山口まで1時間歩かねばなりません。これはふうたろう旅日記の鉄則というか、デフォルトというか。
空気の澄んだ農村地帯。ここは岐阜県恵那郡加子母村。今は合併して中津川市かな?ともあれ、いいところだ。
登山口までの道を半分くらい来たところで、集落から針葉樹林帯になります。
沢には水道橋がかかっています。…が、これ、パイプが破断していますよ。
楓類の紅葉はいちばん遅くまで楽しめますね。でも、もう秋も終わりかな。
やっと、乙女渓谷の駐車場到着です。9時26分に舞台峠バス停を出て、10時23分に到着です。
ふうたろう、ここにあるキャンプ場にテントを張って、荷物を中に置いて、小秀山を往復しようと、当初考えていました。しかし、どうもここ、テン場がないみたい。しかも、受付も閉まっているし…
ええい!めんどいわ!!このまま45リットルのザックごと登ったるわい。
とりあえず、上り専用の、夫婦滝コースです。しかし、何だか足場がずっと組まれていますな…
ゴルジュを軽装で歩こうと思えば、こういう足場がないとムリですけど、でも、魅力はガタ落ちですよねえ…
ねじれの滝。そういえば、奥多摩の海沢探勝路にもネジレノ滝ってありましたっけ。もうあれも4年以上も前か…(遠い目
天狗岩の見える橋で休憩。10時もとっくに回ってから登る人なんて、シャドウ歩きをしているふうたろうくらいなもんで、誰も追ってこないッス。
橋すぐ渡ったところに、展望台への分岐がありまして、1分も歩けば展望台です。…が、樹林帯ベース(滅
夫婦滝も見えるには見えるけど、明暗のコントラストが悪すぎて写真にならないという罠。
ああ人間の脳ってスゴいなあ(棒読み)
中もとてもきれいです。これは寝床に最適です(笑
でも、トイレとかはなさそうです。便所のないマンションならぬ避難小屋(ぇ
岩ゴロゴロの登山道。もう既に軽装じゃツラいでしょうな…。って言うか、サンダルとか、軽装どころか、こういうところ歩く資格そのものが問われるというのは言い過ぎか?
うん、こういう感じの道はいいね。石畳とか煉瓦道とかじゃなくて、このくらいの馴染んだ木の道なら…
そして、夫婦滝の男滝到着。落差80mだって。あんなところから落ちたら終わりだなあ…
これは子滝。水が汲めます。飲んだあとに、澱みに泡沫(うたかた)が浮かんでいるのに気が付きましたが。
これが孫滝。上に向かうに連れてだんだん水量は減ってきましたね。
しょうがないから、鎧岩の上に登りました。遠くに伊吹山(吹雪だったあれ)が見えますなあ。目の前の立ち枯れの木一本が邪魔だけど。
鎧岩の上、展望はあの通りだけど、低木がモッサリしていて歩きにくいんですよね。
第一展望台を過ぎ、第二展望台。第一展望台も写真撮ったはずだけど、鎧岩より格下でした。
…何というか、いちいちポイントを何かが塞いでいるんですよね…(滅
ここから、「かもしか渡り」だそうです。樹林の向こうに兜岩がありますか。
確かに脚が短い(滅)ふうたろうにとって、ここで脚を上げるのは猛烈に大変な作業ですが、そんなに難しい?
坂が緩やかになってきたので、このきつーい上りはもう終わりっぽい。
それから10分ほどして、登山道の分岐に当たります。この右側は、下りも可能です。ふうたろうが今登ってきた道は、上り専用。
さすがに、雪が「積もっている」と思うくらいの量になってきましたね。まあ、北国の「積もっている」は数十センチなのでアレですけど…
第一高原まで登っていくと、樹林が切れてきました。遙か彼方には、雪を纏った白山が連なっています。
笹の上にも雪が被ってきました。気温が氷点下なのです。身体が慣れていないので、マイナス一桁台でジャケットを脱げません。
周りの山がどんどん低くなっていきます。見えているのは三国山、などかな?笹原が美しそうです。でも…
兜岩。でも、その上に乗っている余裕はあんまりなさそう。もうとっくに昼は過ぎたから…
これはハイマツ、かな?ハイマツのちょっと伸びたやつ?少しだけエビの尻尾になってます。もう少ししたら、立派な霧氷に成長するんだろうな。
上から人がどんどん降りてきます。そうだよねえ、もう13時回ってるもん。ふうたろう、バスの関係で登山口に着いたのは10時23分。充分遅いよ。
背中に黄色いザックのおっちゃん、上で泊まっていきたそうでしたが、食料も家族の許しも(笑)ないみたい(汗
第一高原、と書いてありますねえ…。御嶽山の展望は、まだです。
この山のどれかが300名山の奥三界岳なんだろうけど、…明日、本気で登れる?
第二高原に向かう笹原。雪道がぬかるんでいるけど、景色はとてもいいね。
実は、さっきから気になっていたんだけど、あのピークの上に、何か立派な建物があるよね?
積もった雪を核に、氷の結晶が成長しています。ほんとに山の上は、冬になったんだね…。
うん、あの山頂、小秀山だけど、小屋がある。ふうたろうの2006年の地図にはそんな記述はもちろん無いけど。25000分の1のも言わずもがな(黒笑
これが全面雪に変わる日が、早く来てほしい。待ち遠しい、冬が。その待ち遠しさが、また愛おしい。
…
(゚Д゚メ)オラ
キリキリ歩かんかい!
というわけで、ペースが高原あたりから落ちていたふうたろう、やっと小屋に到達。スゴくない?この小屋??!
あーー、なるほど、新築なんだね、これ、秀峰舎と名付けられたらしい。一緒に貼られていた加子母村の広報に不況の中、生活の糧にもならない避難小屋を建てることに理解を得るのは難しかった…と書いてあります。
そうだよね。避難小屋って、立派な公共事業。山屋にとっては大事なもの。決して、自分ひとりの力だけで来ているなんて思っちゃいけないねえ…。加子母村に、どうやったら恩返しができますか?
立派な小屋です。中にはバイオトイレも設置され、太陽光発電システムがあるようです。トイレを動かすための電力、だと思いますが。
小屋からの眺めも抜群。
そうそう、この小屋、板張りだから、絶対アイゼンやスパイクで歩かないでください。
さ、小屋に荷物を置いたら、今日の目標である小秀山の山頂を踏みましょう。
45リットルのザックを担いだだけなのに、第一高原から疲れてしまったふうたろう、到達です。顔が手の陰で隠れてくれたので、このまま使っちゃいます(笑
ん?(・ε・*)
こんなところに新規のルートがっ!…ふうたろうを、手ぐすね引いて待っている…(黒笑
小秀山、三角点の周りは低木などが生い茂っていて、360度の大展望とは言い難いのですが、実は奥に出っ張った岩があって、そこからは御嶽山がガッツリ見えるのですよー!!!
ちょっと方向を変えたら、あの雪の中を歩いた恵那山も。
ああ、飯田からバスに乗れなくてタクシーで行ったんだなあ(棒読み)
で、小屋の裏に回ってみたら、なんかまた怪しい踏み跡がありますよ?
うおっ(゚∀゚*)
ヤブが5mくらい続いたけど、抜けたら大展望じゃないか!!
さて、これは明日の道が確定しそうですな。
っていうか、もうここに泊まることが、いつの間にか確定しているという。
ほんとは、第一高原に着いたあたりで諦めていました。小屋に着いたときにはもう15時前。下山する頃には日が暮れて真っ暗。ムリです。それに、こんなにいい天気で、こんなにいい小屋で、こんなにいい景色で、こんなにいい山で、やっぱり数稼ぎで降りるのはだめなんだよ。
…疲れに感謝?ですか??
窓を開けたら白山がどーんと見えます。白山だけじゃなくて、周りの山々もみんな!
ま、ハラが減ったのでスパゲッティ茹でようぜ。チーズばらまきまくりながらさ。コンロはやっぱり、ぶぎゅるコンロ・改で。
北窓を開けたら、御嶽山が見えるんだな、これが。すばらしすぎるでしょう、この小屋は。東京にあるどんな高級ホテルよりも、もちろんそんなものに泊まったこともないけど、絶対いい宿だと、断言しますよ(^-‘*)
日暮れ時になってきたので、また山頂に出かけましょう。木曽御嶽山、雪も被っているので、あれが赤くなったら最高だろうなあと思って。
ん?(・ε・*)
あれはーーーー!!!
あの稜線にも道があるではないかっ!!!!!
ああ手ぐすね引いている…(`∀´)
もっと雪があったら、御嶽山のこのアーベンロートは、死ぬほどきれいだと思います。冬に来たらきっと惚れてしまいます。
おっと、一句!
ふうたろう ほおを赤らめ 冬にこい
(`∀´)
雪面を見ると、一部赤い…。でも、このあたりで赤い雪が見られるところがない…
イヤ、さっきのヤブを抜けた向こうは絶対きれいなはず。何でこのときに思い出さなかった!?
…と、何だか鈴の音がする…?
どうやら、この時刻になって登ってきた人がいるらしい。東京都の青梅から来たと言ってましたね。
ところで、ふうたろう、ヤヴァイことに、また、ヘッドランプを忘れているんですけど。
…幸い、小屋の中にろうそくがあり、さっき来た男性がろうそくを持っていたので、その遠い明かりを利用することができましたが…。何か抜けている、いつものふうたろう(滅
スパゲッティを16時頃に食ったので、寝る態勢に入るのも早い。19時くらいには寝付き始めたのです。
…が、途中で目が覚めるのですよね、いつものように。それが21時前だっけ。2時間寝てないでしょ。
というわけで、隣の部屋に移動して、窓から星を撮ることにしました。三脚は45リットルザックには入りきらなかったので、財布や"室内禁煙"の注意書きの置物を台にしてみたり、撮影。
これ、ホワイトバランスを「晴れ」に合わせて撮ったんだけど、少し黄色いと思ったので、オートに変えてみたら…
何にも変わらなかったという罠(滅
しかし、初めて北極星を入れた星の写真を撮りましたね。御嶽山も入ってるし、星ビギナーにしては、なかなか気に入りました。
長い一日が終わりました。どうも、今朝見た天気予報では明日は気圧の谷が通過するために薄雲が広がるとか言ってるようです。不吉ですが、それほど雲が広がらなければいいのですが…。できれば、見られなかったアーベンロートの赤い雪の代わりに、モルゲンロートを見たいですね。
天気:快晴(岐阜県恵那郡加子母村・長野県木曽郡王滝村、移動中は含まない)