氷の大森林に咲く冬の花(鈴鹿藤原岳:鈴北岳縦走大貝戸コース:三重県)
-10℃くらいまで下がっていたみたいな夜。確かに、周囲にかかっているガス状のものは何度も途切れて、夜景がよく見えていました。しかし、何となく空にはモヤッとした雲がかかっていて、ガスが晴れないよりもタチの悪そうな予感を醸していました。そして、その夜が明けたら、これ。何だ、この天気は…?
6時半頃、やっと明るくなって、周囲がまともに見えるようになったので出発です。風が強くてテントを上手く畳めず、イライラしましたが、それはあの場所に張ったふうたろうが悪うございます。
御池岳まで行こうと思っていたけど、この天気で行く意味はなさそうと思い、藤原岳までの道のりも果てしなく長そうとも思い、ダイレクトに藤原岳に向かうことにします。
しかし、この鈴北岳から藤原岳方面に向かうルートは、かなり不明瞭。だだっ広くて、雪も積もっているので、何となくの地形の起伏で、地図と照らし合わせて進むしかない。しかもガスと来てますからね…
霧氷輝く樹林帯、ですが、ここまで曇ってると、昨日のテンションももはやここまでですわ。
ホワイトバランスを変えながら撮っています。でも、空は本当にこのようなオレンジ色とねずみ色を繰り返しています。
カヤトのような原っぱに雪が積もって、これ、悪くないっすね。それでも、晴れたら、もっときれいだろうと思うわ…。雪があるときに、それでも来たい場所ですわ…。
この池、近くまで行ってみようと思って足を踏み入れたら、なんか足が沈む…まさか……!
ヌオッΣ(゚Д゚|||)
本当に、足が池に沈んでおりますがな!団子になった雪やら泥やらがアイゼンにまとわりついて、とんでもねーことに(滅
ま、いろいろハプニングはあるけど、先に進みましょうか。でもたぶん、まだ藤原岳の指示板は出てきてない…
しばらく歩くと、岩ゴロゴロの雪かぶりゾーンで、猛烈に歩きにくい谷にもつれ込んでいきます。難航必至なので、下りであれば左側の斜面に逃げましょう。
あの向こうに見えている尾根に移らなければいけないんだけど、どこから降りればいいのか、周りが樹林だらけでサッパリ解らん。降りてみると、判るかも知れないけどね…
さっきより晴れ間が広がりました。いや、それとも、晴れている場所に移動しつつあるのか…
やっぱり、尾根一本誤っていました。あの前茶臼山から栂村山に移るときよりも全然判りにくい尾根の取り付きです。これは判らん。普通に判らん。
とりあえず、無理矢理修正して戻ってきたので、余裕綽々で写真に興じると。
昨日の出発から23時間弱ほどして、やっと「藤原岳」の表示が出てきましたが。相変わらず、ふうたろうの山登りは、どこに登ろうとしているのかが判らないですなあ。
この雪の積もった尾根を、再び上り返すという。今回も、この前の奧茶臼山に負けないくらいアップダウン繰り返す厳しさ。
樹林の中でもシュカブラが発達しています。所々、膝上くらいまで沈むほどの深い雪もあります。
天気は晴れそうで晴れず、雪に足を取られ、アップダウンを繰り返す坂に疲れがたまりつつあります。白瀬峠に着いたけども、このどうでも良さそうな写真は、疲れを物語っていますから。
でも、この雪道はまだまだ続きます。ここは雪庇が育っています。風が吹き付けるたびに風上の粉雪が地吹雪となって、風下に積もっていきます。
頭上に青空が少し見えてきたので、辺りを覆っている霧氷もきれいになってきましたか。
もうすぐ頭蛇ヶ平という場所のようです。標高がまた高くなってきたので、霧氷も発達しています。しかも、天気も…?
…鉄塔はありますが、広々とした雪原。久しぶりに開放感を味わいます。
一方、ふうたろうの寝床だったあの御池岳の一帯、どんよりし続けていますなあ(じと目
後ろを振り向いたところ。樹林が突然途切れて、この頭蛇ヶ平に飛び出してきたのです。
遠く、たぶん伊吹山まで見通せるはずだけど、やっぱり雪雲がたんまりかかっていてだめっぽい。
それでも、この辺りの霧氷はかなりいい感じになってきました。晴れ間からのぞく青空キャンバスが期待を持たせるではありませんか。
木の枝の形も十人十色。樹氷を通して雲の愛情を教えてもらったのは、大分県の由布岳だったなあ。
ふうたろう、夏場の花畑もいいとは思うけど、やっぱり冬の氷の大森林の方が好きです。
-5℃は、実はそんなに寒くはない。だから、みなさん、おいでなさい(手ぐすね
鉄塔も霧氷に覆われています。
…国がたとえ敗れたあとも、きっとこの鉄塔は残骸を氷のなすがままに、年月とともに徐々に朽ちていくのだろうなあ。
しかし、ふうたろうがザックの中をゴソゴソして手を離せない状態になると、こういう景色になるという罠。
あれは藤原岳…といいたいところですが、天狗岩の周辺にある台地です。遠いなあ…(ため息
この辺りで、初めて山を歩く人に一人、出会います。ふうたろうがさっき、鉄塔の霧氷と戯れていた頭蛇ヶ平まで行きたいのだとか。でも、もう曇ってきてるよ?
というわけで、かのおっちゃん、引き返すことにして、ふうたろうと一緒に藤原岳を目指すことに。ドラクエ登山ですなあ(笑
天狗岩ひとつ手前のピーク。たぶん、地図持ってなかったら、ピークとして認識しないんじゃないかな。
雪原最高(目がハート
やっぱり、山は冬。でもきっと、山ではいつも「山はいいねえ」と言っているふうたろう(黒笑
ここが天狗岩。非常に曇っていますね。このおっちゃんが、今回の山行で初めて出会った人。寒さが厳しいのか、天気が悪いからなのか、とにかく動物の足あとさえもなかったもんねえ…
時々晴れそうですが、上層にも薄雲が出始めていて、\(^0^)/オワタようですね。
真正面が藤原岳、ではありませんから。右の、濃密なガスに覆われている山が藤原岳です。
非常に広い雪原。実は、遠近感がむちゃくちゃになっています。同じような色の景色のせいかもしれません。人が歩いていると、意外とその大きさで、そこまでの距離が近いことも判ったりします。昨日も、遠くに人影と間違えそうになった木がありましたが、実はすぐ目の前(20mくらい?)にあった直径10cm、高さ50cmくらいの朽ち木でした。いやいや、遠近感って、すごいもんだね。
それにしても、あの天狗岩付近から、本当に人の足あとが増えたものです。焼尾山の方から歩いてきたふうたろうは、希有だということで。
藤原山荘が見えてきました。昨日、本当はここまで来たかったのですが、雪が予想以上に深かったので、ね…
これが藤原山荘。中に入るとめちゃくちゃ人が多くてびっくりです。今まで歩いてきたところが何だったのか、と思うほど。
ん?(・ε・)
ヌオッ(゚Д゚;)
…このクソ寒いのに、山スカートで来ている山ガールがいる…(ガクブル
ふうたろうのビビり度3。
小屋が混んできて、ふうたろうのタイムリミットも迫ってきていたので、さっきのおっちゃんとは一旦分かれます。
さあ、この曇った雪原を進もうではないか(棒読み)
そして、藤原岳への上り。これが、ふうたろうの今回の山行最後の上り坂になります。
ヌオッ(゚Д゚;)
…クリスマスの格好した若者5人が歩いてる…(゚□゚)ポカーン
…といいつつも、つい、めりぃくりすますと言ってしまったふうたろう。
遙かなる雪原。
…ってのは見かけだけ、ね。ガスがあるからだろうね。
さっきのおっちゃんが追いついてきたので、また山頂まで一緒に来ました。小屋にいた若い夫婦(?ではないのかな??)も、追いつ追われつして、山頂へ。
でも、みんながんばったんだし、いっかー(空元気
ふうたろうは、ここでみなさんとお別れです。おっちゃんに、焦っていけば(あと1時間半後の西藤原駅発の電車に)間に合うと言われて、行くことにしました。
藤原岳山頂が12時10分頃でしたか。そこから普通のコースタイムであれば、2時間20分ほど、西藤原駅までかかります。余裕で間に合いませんから。
ふうたろう、てっきり鞍部付近から下山道が続いているのかと思ったら、藤原山荘までガッツリ登り返しの刑を食らいました。疲れましたがなー(汗だく
いよいよここから下り。実は、これからのコースタイムが2時間もあるとは思ってもおらず。「焦って下らないと」というのはオーバーな表現だとばかり思っています。
途中で、雪の坂で遊んでいる中高年のグループがいます。みんな元気でありますなあ。
冬道との分岐、らしい。
里の方がよく見渡せます。太平洋セメントの工場も見えます。藤原岳を切り崩して、石灰を掘っています。武甲山みたいな運命を辿らなければいいのですが。
聖宝寺道への分岐は閉ざされています。平成25年、2013年3月まで通れないらしい。
ふうたろうはその後も、ダッシュでショートカットも交えながら、雪のあるところはとにかく勢いよく下っていきました。
2合目。もう2合目。1合あたり7分ほどで下っています。しかし、このコースが、下りで2時間であることに気が付いたのはさっきでした。残りの時間40分ほど。ダッシュもアクセルがかかります。
下山口間近。ガスっているように見えるのは、ふうたろうの熱気で、カメラバッグの中のカメラのレンズが曇っているからです。
そして、下山口。あとは西藤原駅まで行くのみ。残り20分ほど。
25000分の1の地図にさえ載らないような小路。ほんの少しだけ近道。
到着は13時30分。発車は13時40分。何とか間に合いました…
帰りは青春18切符を使います。6000円ほどが2300円になります。この東海道線の鈍行は、かなり長い上に景色も単調なので、昔から半ばトラウマになっていますが、今回は何故かそうでもありません。今までの山のこと、下界から応援してくれていた人のこと、実は変化のある車窓の景色、意を決して取り出して読んだエンゲルスの『自然の弁証法』…。浜松から熱海までがこの東海道線の核心部ですが、比較的楽に、乗り越えました。
…『自然の弁証法』を読んでいると、ふうたろうが当時研究しようとしていたことは、たとえ誰がなんと言おうと、決して間違ってはいなかったのかもしれない、と思ったりもしまして、少し、ふけっていましたと。
思わぬ雪の深さにびっくりした山でしたが、やっぱり雪山はすばらしいものです。これで、最後、沼津駅で早食いした駅ソバで、具合を悪くしなければもっと良かったのですがねえ…(滅
これから、ふうたろうの冬。熱い冬が始まります。ふうたろうの山に端境期はない。このまま春まで雪山に突撃しますぞ。
#247鈴鹿藤原岳クリア。
天気:くもり時々晴れ(滋賀県神崎郡永源寺町・三重県員弁郡藤原町、移動中は含まない)