雪解けスコール(冷川バス停より焼尾山鈴北岳縦走コース:三重県)
寝苦しい夜行バスが名古屋駅に着いて、時雨に濡れた路面に放り出されました。三岐鉄道阿下喜(あげき)駅から9時10分に出ているいなべ市営バスに乗るには6時半頃に名古屋駅を出れば充分間に合うのですが、今は5時半。1時間も、待合室すらろくにない名古屋駅で(あるのかもしれないけど見つからない)待っていられないので、とりあえず出発です。
名古屋駅からは近鉄に乗り、桑名で三岐鉄道に乗り換えます。この三岐鉄道の阿下喜行きの列車、車内が狭くて、非常にレトロな感じがしますね。この寒さもまた(笑
三岐鉄道が桑名(西桑名)を発車したのは6時18分。まだ明けていなかった夜でしたが、寝て起きた7時過ぎ、外は蒼くなっていました。
あれが鈴鹿山脈か…。
しかし、阿下喜駅も猛烈に寒い。ただこの駅には暖房つきの待合室がしっかりあって、ここで身支度を済ませるとしましょう。ついでに、朝飯のおにぎりも食べておきましょう。
バスまで待つか、そのまま歩いて向かうか悩みましたが、時雨れているというか、霙が降っているので、待つことに。1時間半はちょっと長いけど、先週もウルトラハードだったし、休むつもりで、ね?
沿岸部は晴れています。ふうたろうの真上には厚い雲がゴロゴロしています。
鈴鹿山脈方面は曇っていますので、この晴れは罠ということになりますがね。
おやつを食べています。これは山形のミルクケーキ苺味。ザックの中には、鳥取の因幡の白うさぎ饅頭、長野の生糸入りハッカ糖が入っていて、おやつがグローバル化(何)しています。
阿下喜駅前にショッピングモールみたいなのがあります。このてっぺんにボウリングのピンがありますが、ボウリング場は…?2階か3階かにあるのかな…?
これがいなべ市営バス…ですが、ふうたろうが乗るのは立田線。これは別ルートらしい。立田線を走るのはワゴン車の改造版みたいなので、乗合バスというよりあいのりバスでしたな(笑
ずっと運転手やおばちゃんたちと話しながら乗っていました。
そして、いよいよ冷川バス停。
実は帰りにここから帰りたかったのですが、日曜日は運休しているので、土曜日である今日、こちらから向かうしか、今回のルートを辿る術がありません。
ところで、昨日の日記で、烏帽子岳がどうのこうのと書いた気がしますが、あれは間違いで、焼尾山を通って御池岳経由で藤原岳に向かうのです。
…いきなり道に迷っています。道路が立体的に交差していて、どこ歩いてるのか判らんぞ。
地図を何度も見直して、何とかルートを見つけます。ええ、登山口までのルートですが何か。
ところが、この先進んでいくと、発電設備のごちゃごちゃした区画に行き当たってしまいます。しかもここ、そこら中全部立入禁止で、進むところがないではないですか!
そして、進めそうなところに行ってみると、ただ雪が積もった草むらみたいなところに行き詰まってしまうという罠。
いいかげん嫌気が差して、無理矢理立入禁止のところから身体をねじ込ませていくと、何だか道…?
どうやら、森(坂)の方から外に道が続いている…?
外から見るとヤブで判らなかったのですが、立入禁止の札が降りていない道の奥に、踏み跡が続いていた模様です。あとでこれは地図で正確に書いておこうと思いますが、このファイナルファンタジー風の隠し通路はあり得ないっす。
そして、いざ登り始めると、今度は気に積もった雪が太陽熱で溶けまくって、降ってきます。恐るべし、藤原岳…(よりも遥か手前)
言うまでもないことですが、ここは猛烈な急坂。しかも、若干倒木あり、落ち葉が降り積もっていて、道が荒れています。って言うか、道だと思わないと、歩いていく気力が失せるんですが。木や岩についているマーカーは何だろうね。
そして、再び雪が積もった樹林帯。アイゼン履いて進んでみますか。雪解けスコールはさっきよりマシっぽい。もっとも、既にずぶ濡れということは言っておきたいですけどね。
鉄塔がたくさん建っています。ふうたろうが歩いているところは、中部電力の送電保守の管理作業路だと思います。それを登山道として使っていると。あの、東赤石山の河又登山道(四国電力)みたいな扱いですかね。
ふうたろうが歩いていこうとしている尾根が、遥か遠くに見えます。そして、そこはガスり倒していて、雪が降りまくっていそうです。
ああ員弁町(いなべちょう)や藤原町方面はよく晴れているなあ(棒読み)
木々の斬り捌かれた尾根を歩いていると、展望は確かにいいけど、鉄塔が殺伐としています。それに、どこか漏電しているのか知らないけど、ジージーいってますよ?誰か、高圧線による電力のロスについて、教えてけろっ!
これを更に進むと、トラバース気味に道が続いていきます。左トラバース。歩きやすい道です。しかし、こんな大寒波襲来の日に歩いている人はまったくいませんから。
木の葉に雪が積もっているけど、もう雪解けスコールの心配はない。やっぱり気温はマイナスに限る(何
静かな雪と冬枯れの中を歩きます。空の雲は多くなってきましたが、とても快適です。
太陽があまりしっかり出ていない上に、若干樹林が深いので、いつもの雪に木の影というお約束の写真がきれいではないのはザンネン。
標高が徐々に上がってくると、風が出てきました。木を取り巻いて雪が吹きだまってきました。
いつの間にか青空が見えなくなりました。昼から晴れるかなあと思ったけど、やっぱりだめか。
この、鉄塔の下にある休憩所のあるところくらいになると、プチ吹雪になってきました。いやいや、マジすごい雪ですがな。
しかし、ふうたろうはこれくらいの雪はへっちゃらです。あの山は焼尾山の隣にあるピーク。言い忘れてたけど、ふうたろうはバリエーションコースを歩いているようです。
ここからどこかに抜けられそうですが、地図を見るとまだ鞍掛峠よりも標高がずっと低そうだったので、道路まで戻されるかもしれません。危ない橋は渡らない(何
というわけで、焼尾山方面に登りましょう。25000分の1の地図にはルートがないので、基本尾根を歩こうという指針で。
この辺り、霧氷がかなりきれいです。頻繁に雲が山を覆うということは、それだけ霧氷の成長もいい感じになるのですよ。
この霧氷たちが青空に映えるのをガッツリ見られるのは、2月くらいになるのかなあ。1月までは殆ど晴天らしい晴天、少なくとも日本海側の山ではないでしょうから。
ふうたろう、4時間以上かかって、やっと鈴鹿山脈主稜線に出ました。これから一旦鞍掛峠に降りて、御池岳方面へぐんぐん登る道を辿るのです。地図を見ていると、気が遠くなりそうですな…
鞍掛峠への下り。登るはずなのに、この急な下りに理不尽さを覚えながら歩いていますよっ、と…
さっきの焼尾山。この尾根の西側(左)と、東(右)とで、霧氷の発達具合が違う。どうしてだろうねえ。冬の季節風は、概ね西から東に吹いているはず…
鞍掛峠。そこに祠っぽいものがあるけど、特に何も考えず先に進むと。
この辺から、雪庇が出来はじめているゾーンへ。踏むと転がっていきそう、な気がする。
焼尾山方面を振り返ると、さっきの鉄塔は辛うじて見えますが、焼尾山は完全にガスの中。
冬の訪れが間に合わなかったのだろう、楓が葉を落としきれなくて、霧氷に凍り付いてしまったようです。
雪の量はそれほどではないけど、針のような結晶の雪がふうたろうのジャケットにへばりつきます。これが雨なら涙目では済まないよね…(滅
ホワイトバランスを変えています。
空が何となくオレンジ色している気がするのですが、決して雲が切れることはなく。実に残念な空のまんまですよ。
いやー、ほんとに霧氷がむちゃくちゃきれいです。曇っていてもなお、この霧氷はふうたろうを魅了して止まないっす。たった一人でこの足あともない雪原を歩いているのに、このテンションの高さはアホの極みですな(黒笑
方向を示す看板。昭文社の地図を見ると、この分岐がだいぶ下に付いています。かなりでたらめな地図に、若干憤慨もの。特に、今日の核心部だった登山口までの道とか(滅
上り坂はしんどいのは間違いない。雪も所々深くて、膝下くらいまで潜ることも。アイゼンを持ってこなかったことは、ほんの少し後悔。でも、何故か気分はいい。
どうやら、地図のでたらめさは確定したようですね。ここがピークです。この先により高いピークは、せいぜい御池岳くらいですから。
でも、ここが「鈴北岳」のはずなのに、矢印が向こうに付いている…?
もう一枚看板があったので、見てみたら、どうもふうたろうはこちらに進むべきらしい。明日の朝、晴れれば御池岳の雪景色を食っていこうと思うけど。
都合良く雪が剥げた土地が。どう考えても風で吹き飛ばされているのだから、風が強い場所だろうに。
でもふうたろうは、風に苛つきながらでもこういうところにテントを張ろうとする、変な習性を持った動物です。
さあ、今日はいつものとろけるチーズじゃなくて、モッツァレラチーズでナポリタンソース味のスパゲッティを食い散らかしますよ。もちろん、ニンニクすり下ろし(たぶん中国産?)とタバスコと粉チーズ(何故か卵白リゾチームが入っている)は忘れない。
もちろん、外はずっと晴れる気配はありませんので、メシを食ったあとはゴロゴロしています。携帯の電波が通じるので、mixiとかに書き込みしたりして。ニュースを見ると、今日は各地でこの冬いちばんの冷え込みだったらしく、ふうたろうはそんな日にこの山の中でテントを張って寝ているという。特権階級にでもなったような気分だなあ(黒笑
そして、歯でも磨こうかと思った19時半頃、雲が吹き飛んで晴れてきました。テントを張るときは雪ががんがんふうたろうを打ち付けていたのですが、それがメシを食い終わってダラダラしていた頃に止んできて…
星々も雲間から顔を覗かせていたけど、ちぎれ雲がすぐに空を覆ってしまいます。でも、氷を纏った木々のシルエットといい、四日市や桑名、名古屋などの煌々と輝く夜景といい、この鈴鹿山脈、捨てたもんじゃないと思いました。初鈴鹿山脈、これは案外ハズレではないかも。
というわけで、今日の核心部は、やっぱり登山口までと、登山口直後の雪解けスコールでした。ああ下界はやっぱり険しいなあ(棒読み)
明日は晴れてくれるかな?期待は薄そうな厚そうな、ビミョーな段階ですね。
天気:雪時々晴れ(三重県員弁郡北勢町・藤原町・滋賀県犬上郡多賀町・神崎郡永源寺町、移動中は含まない)
今冬は霧氷が見られるかな~(棒読み、涙
車でさえ、登山口がわからずあっちこっち走る場合がありますが、徒歩だとさらにきつそう。体力も時間もとられて。
ま、兼ね備えたふうたろうさんだからこそできるわけで、私なんぞは登山口までで果ててしまいそうなのでやっぱり車ですかな。
恐るべし、藤原岳…(よりも遥か手前)←これ笑いました
たった一人でこの足あともない雪原を歩いているのに、このテンションの高さはアホの極みですな(黒笑←わかるような気がします。テンション一人であがるのってよくあります
やっぱ、一回くらいは雪の山を歩きたいな~。
霧氷、実は、ガスがかかった寒い山で成長します。これからは、運が良ければ大菩薩嶺とかででも見られるようになりますよ。ポイントは、前日雲が多かった、次の日。もっと贅沢を言えば、午前中くもり倒して、午後晴れる日。必ずそういう日はありますから、狙ってみてくださいよ。
雪山、地図が読めて、装備もガッツリしていれば、いくらでも登れます。特にアイゼンやピッケルの高度な技術を要しなければ、ふうたろう、どこか案内しましょうか?
…でも、みゃーみさんもふうたろうも行っていない300名山って、意外と少ないんですよね。特に、関東近辺では…
一人ででも行けるとしたら、やっぱり諏訪の鉢伏山とかでしょうか。わかんかスノーシューはいて、歩いてみるとイイですよ。1月上旬くらいになればそこそこ雪も積もるはずです。
いろいろアドバイスをありがとうございます。今年こそはわかんを買わねばな~。
買いに町にでなければな~。
ちょっとメモっておきますね。
前日曇りガス日ね。
もう一か月も山に行ってなくて、このまえ鍋で景信山から高尾山歩いたのが久しぶりでした。
なのでふうたろうさんの山の写真で想像の世界に浸っているだけ~。
ほんと、どっか案内してほしいけど、共通の山がないかもね~。
残雪期の牡鹿岳とか。あちきはピストンでふうたろうさんは縦走とかね~。
ピストンと縦走、場合によっては後者の方が楽なときもありますんで、いろいろと。男鹿岳とかは、どうなんでしょうね。案外縦走で抜けちゃった方が楽、とか?
みゃーみさん、大変な山は、笈ヶ岳とか、カムエクとか、安平路山とか、ですよね?安平路山なんてかなり世話になったし、道案内、おやすい御用ですよ(^-‘*)カムエクや神威岳もOKです。
笈ヶ岳は、かなりハードルが高いので、信頼の置けるツアーとかに加わるのがいいかもしれません。
毛勝山は、夏道を使ったら、たぶんみゃーみさんなら日帰りで行けるかと。雪がないとき、山頂直下がどうなっているのかは解らないんですけどね…
おいらは、難しいところから順番に蹴散らしていくから、だんだんババが残っていくんですよ。御在所山とか、六甲山とか、げろりんちょですよ…