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にわかに明るく、にわかに暗く(夕張岳冷水コース:北海道空知支庁)

2012年 6月 24日

 昨日の夜はけが人が出て小屋の中、特に1Fは騒然としていたため若干寝るのが遅かったのですが、3時前に起き出して出発する組がハイパーゴソゴソを始めたために目が覚めました。
 一方、外は3時にもなっていないのに既に明るくなり始めています。曇り空でもその明るさが判るほど。しかし、曇っている(濃霧)ので、慌てて行動する気にもならず、メシの準備を始めたのは4時頃だったような気もします。


 夕張岳ヒュッテ上空は非常に厚い雲が覆っています。ひょっとしたら、山頂からは雲海となって見えているんじゃないか?こればかりは、見ている者にしか判らない話です。


 メシを食ったり何だりで時間が経つと、若干ガスが薄くなりました。…が、それも束の間。すぐに元通りになりました(滅


 小屋の前には、山岳会の人々。ユウパリコザクラの会の人たちは先発しているようです。


 じゃ、行ってきます。荷物が重いので抜かれるかもしれませんがね。


 ん?(・ε・)
 ユウパリコザクラの会や学生など有志たちが集合しています。棒を持っています。柵を設置するために。ここで今日やってくる人たちと落ち合っていくようです。


 ふうたろうも、何となく彼らにくっついていくような感じになってしまいました。もちろん、彼ら以外にも登山する人はどんどん増えてきています。いったい、何人入山するんだろう…。


 森は相変わらずガスっています。


 しかし、明るくなってきました。これは晴れるのか?


 ここは冷水の沢。何かというと…


 水場です。伏流(地中を流れている)しているので、飲めるそうです。が、あとで気が付いたことに、ペットボトルの底に、木の破片みたいなのがゆらゆらしていました(滅 まあ、ユウパリコザクラの会の会長までグビグビしていたし、大丈夫だろう(笑


 コントラストが悪くて写真にはなりませんが、明るくガスっている森の中を上がっていきます。この景色が何と美しいことか。


 ぬおおーー(目がハート
 こういう変化が楽しい新緑の森です。


 100リットルのザックを背負って汗だくのふうたろうが目をハートにして喜んでいたら、シカ防護柵設置の有志の中にいた若い女性が微笑ましく見ながら歩いていきました。
 子どもじゃのう(^_^)ノ""""ヨシヨシ


 しかしその喜びのあと、ウルトラデラックスハイパーぬかるみスペシャルが待っていて、スパッツを穿いていない人はおそらく地獄を見ただろうと。ふうたろうは完全防御だもんねー(黒笑


 前岳の沢。既にこの辺りで、ふうたろうは後方に落ち込んでいます。荷物重いんじゃー(゚Д゚)暑いんじゃー(゚皿゚;;)


 ガスって霞んだ森が美しい。明るいガス、青空の透けるガス、たまりませんな(目がハート


 ガスが完全に晴れて、青空を覗かせています。今日は天気、良くなるかなあ。
 ところで、そこの指導標、冷水コースと馬の背コースの出合なんだけど、真新しい指導標をクマが囓って歯形が付いて折れています。


 程なくしてシラネアオイの群落。


 滝ノ沢岳が見えます。あれ、登れるのかなあ…。といっても、ここに来ようと思ったら、またふうたろう、25kmの車道歩きをせんといかんのだけど?


 次の展望台、望岳台に来たら、再びガスってしまいました。これは回復しそうにないな…。


 望岳台、という看板だけが空しく佇んでいる(滅


 ウコンウツギを今年も見ることができました。去年は7月上旬に、ハイパー車道歩き樽前山ウルトラ雨あられ天塩岳に登ったけど、ウコンウツギを愛でる余裕がなかったように思います。


 雪渓トラバースです。ここ、滑ったらめんどくさそうです。


 ウルトラヤヴこぎゾーンに見えますが、そうでもありません。進みましょう。


 前にふたり。このふたりはさっき望岳台の前辺りで会ったカップルです。いやいや、若いねえ(笑
 話をしている間に、いつの間にかふうたろうは、金魚の糞になることになりました。


 猛烈なガスの中。


 これは男岩と言っていたかな。先導していた彼女が札を読み上げていました。


 晴れていたら…何となく景色は想像つくんだけど、よもやここまでガスりまくっていると、ねえ?


 ふうたろうたちの前には、広大なガスの原が広がっている(何


 しかし、突然晴れることもあります。これに気が付いたのも、彼女だったんじゃないかな…。Hくんは花に夢中。


 湿原です。晴れていれば水面に青空が映ってきれいだろうね。といっても、ちょっと小さいかな…。秋は草もみじと一緒になってきれいでしょうね。


 うむ、あれは何だろうね。地図を開けば、現在位置が判るはず。


 程なくして、吹き通しという場所に到達します。夕張岳固有の花が咲くところですが、そこでかのシカ防護柵ボランティアのメンバーたちが、何か棒を運び出しています。
 こういう、山を守る側、登山者を迎える側の活動って、それはそれでやりがいのあることなんだろうなと思います。ユウパリコザクラの会は、以前、スキー場建設も止めた経験があるそうで、そういう意味では「やりがい」というのはまさに的を射た表現だと思います。


 しかし、この「吹き通し」、名前の通り、風が強い。風が強いだけならまだしも、気温が低めなので、かなり寒い。ガスってるしね…。ふうたろうもHくんたちも、慌てて着込みます。…が、この寒さはキツいね。ふうたろうの防寒レベルでも寒いくらいだから。ダウンを出しても良いと思うくらいです。


 吹き通しを過ぎるとすぐに金山コースと山頂の分岐が現れますので、そこに100リットルザックを置いて山頂突撃です。荷物を下ろすと、羽が生えたように身体が軽い。走って登れますがな!


 そして、山頂直下の神社のある平地。ここには、風を避けて集う人々が。


 どうも、雲の上に出ているような雰囲気。


 ヒュッテで一緒に泊まっていた山岳会のメンバーが先ほど下山していきました。やっぱり、速いね。さすが山岳会ズ。
 さ、あと10mほど、ザクッと登ってしまいましょうか。


 そして、めでたく夕張岳山頂です。ふうたろう、清水沢駅から歩いて夕張岳登頂です。


 空の青さが深い。真冬に、雪景色から空を仰いでいるような群青の青空です。


 歓喜の時を。
 …激しくガスってきたけど。


 ふうたろうは山頂で晴れるのを待つ覚悟でいます。が、もちろん、どんどん登ってくる人が来るので、色んな人がいます。おばちゃんたちから、食べ物を恵んでもらったりとか。


 積丹岳でウルシにかぶれながら採ったというタケノコも入った煮物。美味かった(ほっぺ落ち


 天気は今ひとつだけど、登山者の数は凄まじい。大雪山やトムラウシにも引けを取らないほど。総勢300人くらいは登ってきているんじゃないかな。


 ん?(・ε・)
 Hくんたちが帰っていったあと、ふうたろうに声をかけてくれる人が一人。なんだ、小屋に一緒に泊まった学生の彼ではないか。酪農学園大学の学生で、虫が好きな彼。蟻を手でつまんで写真を撮るような童心のある青年で、いいッスねえ。
 彼はみんなにワガママ言って、山頂まで来させてもらったんだと言っていました。そうだよね、集団行動ってそういうところあるもんね。
 自分の分はしっかり確保してから(単独でガッツリ登ってから)集団行動(~の会に入るなど)はしたいと思うふうたろうであった(何


 彼がふうたろうに見せてくれた青く輝くゾウムシの仲間。彼はきっと立派な昆虫学者になるに違いない(^-‘*)


 晴れるのを待つこと2時間ほどでしょうか。天気の変化は一進一退。


 心なしか、登ってくる人の増加量が鈍ってきましたか。


 若干雲が上がって、下が見えるようになってきたか…


 どんどん登ってくる人の殆どと、最低挨拶から、話をしてますので、ふうたろうも若干疲れてきました。何を言っても、総勢300人クラスですからね…(脂汗


 夕張岳の切り立った尾根が見渡せそう…で見渡せない。


 3時間ほど経って(14時)、随分雲が減りました。しかし、登山者も急激に減っていきます。


 この一進一退の天気を前に、ふうたろうのような暇人の如く待てる人はそうそういませんからね。


 明日下る金山コース(もう明日って決まってるという件)。


 前岳付近まではっきり見えるようになってきましたね。


 広大な亜高山帯植生。青い空の下に広がるさまを見たかっただろうね、登ってきた300人も…。


 天気は特に東側が良くなかった。ガスが濃くて、全然見通しが立ちませんでした。が、晴れそうな気配…?


 こちらは、晴れ渡ったら東大雪の樹林帯みたいに彼方まで広がる風景が見られるかも。


 夕張岳の尾根はなかなか見られません。


 晴れると言っても、完全に晴れることは決してありません。上空にも渦を巻いているような雲がウロウロしています。北海道は気圧の谷というか、低気圧の下にいるので(じと目


 それでも、この見えそうで見えない、見えなさそうで見える、何とも言えないじれったさがまたたまらないとも言う。


 植物体が階層になっていませんか?亜高山帯のハイマツなどの植生、その下の広葉樹林、更にその下の針葉樹林帯…。とはいえ、そういう解釈でいいのかどうか、判りませんがね…。


 ここまで晴れれば、今日はもうじゅうぶんかもしれません。


 めっきり少なくなった登山者が下山していきます。もう、15時前だもんね…ふうたろうがここに来て4時間ほどですか。


 ほんとに、色んな人が登ってきて、アホほど話してたなあ…。さすがに疲れましたよ…。さあ、そろそろ、今夜の寝床を探しに行かないと…。


 ハイマツの後ろに広がる夕張岳の平原。


 下り坂を見下ろすときの快楽。


 分岐にうっちゃらかしてきたザック。


 どこかに寝床にできそうな、一張り分でいいから、裸地みたいなところはないかな。植物帯の上には張れないもんな…。


 それでなくてもここは吹きさらしですからな…。
 …結局、荷物を担いで神社のところまで行き、人々が休憩していた、完全に砂地になっていたところにテントを構えることにしました。ここなら植生にダメージも与えないだろう…。


 ふうたろうがビッグベンしようとしていたところに、鈴の音が。まさか、15時半になって登ってくる人がいるとは思いませんでした。慌ててハイマツの陰に隠れて解放しました。
 なお、ここでは紙だけでなく中身も持って帰らないと、あの登山者数を見る限り、富栄養化が進んでしまいます。ここには、携帯トイレのブースが必要だと思います。
 今回はビニール袋を5重にして持ち帰ることに…。


 山頂にはただ一人ふうたろう。晴れるのを再び待ちますか。


 メシを食って(いつものスパゲッティ)ダウンを着込んで山頂に佇んでいます。どうも、晴れる気配はあまりなさそう。


 上空はよく晴れていますが。


 時々、徹底的に真っ白になります。


 太陽がぼんやりするほどのところまできていても、晴れません。


 厚い雲に覆われると、小雨がぱらつくような感じさえします。


 にわかに晴れ、にわかに曇り、にわかに明るく、にわかに暗く…今日は表情が本当に豊かですね。


 ブロッケンの妖怪が見られると思ってずっと太陽と反対側を見ていましたが、なかなか見られませんでした。一瞬だけ、見られた、これ。
 実は、大きな輪がもう一つ外側にあるのです。ふうたろうのレンズでは撮り切れませんがね。


 …夜も更けて、疲れ切ったふうたろうは寝ました。しかし、日付が変わる頃、諦めきれなかったガスの空を何度もテントのチャックを開けて見ていると、転機が訪れました。ガスの晴れる時間帯がいきなり長くなって、星空が一面に広がります。これはまさか…


 ふうたろうは星空の下で眠ります。
 ただし、花や草の上には決してテントを張らない、いや、立ち入らないことは厳守です。
 明日、この空がどうなっているか、見物です。


天気:くもり、一時小雨ぱらつき、午後は時々晴れ(北海道空知支庁夕張市・上川支庁上川郡南富良野町)

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