夢幻のニセイカウシュッペ(ニセイカウシュッペ山【アンギラス~白滝方面縦走コース】:北海道網走支庁)
夜中、星が出ていたのでシャッターを長時間開けて撮っていたら、いつの間にか寝ていました。途中でガスがかかったためだと思いますが、星空の鬱空に…
あとでシャッタースピードを見ると3300秒くらいだったので、55分も放置していたということですな。その間に雨でも降ってきたら涙目になるところでした。
朝になって、メシです。今回はフライパンを持ってきているので、炒め料理が可能です。ま、貧困なるレパートリーでは、チャーハンが限界ですがね。ただ、スパイスを利かせたグリーンカレー炒飯。クミンシードと粉末バジル、粉末ショウガで食べます。野菜は、持ってくるのを忘れました(滅
メシ食っている間に東というか、北東の空が明るくなってきました。朝焼けになっています。これから天気、崩れるんですかね。
ところで、グリーンカレー炒飯、上に挙げたもの以外にもうひとつ、レモングラスを入れてみました。なんか、イグサをカットしたような感じの物体で、期待したほど香りも出て来ません。第一、相手はイグサなもんで、まるでヤヴこぎしたあとのカスみたいなのがご飯に混入したような気分です(滅
さて、出発しますか。周囲には誰もいません。泊まる人なんていませんから。
ニセイカウシュッペ山は、正規の登山道だけ歩いている分には、ハイパーよちよちコースです。ハイキング気分。出だしも実に整った感じの登山道です。
しかし、ふうたろうはまず荷物があります。登山道は正規であっても、心構えが正規ではないので、そう簡単には行きません。
登山道の途中にテントを張れそうな場所が。ま、目と鼻の先なので、駐車場とさして変わりありませんけども。
概ね1kmごとに距離の看板が打ってあります。登山口から総距離5.5kmくらいらしい。
樹林の隙間から表大雪が見えます。層雲峡を挟んで、黒岳や北海岳などのある山域とは反対側にあり、朝陽山よりも奥に位置しているのが、ニセイカウシュッペ山です。
あのごつごつした場所はどこでしょうか。地図を見る限りはなだらかにしか見えないこのニセイカウシュッペで、どこにこんな岩場が?
層雲峡や朝陽山方面から続く尾根の途中には、地図でも判るくらいの急なピークが一つ、あります。改めてここから見てみると、積雪期にあそこを越えるのは、いや、雪がなくても、厳しいでしょう。
登山道とニセイカウシュッペ山の間には谷があります。美しいカーブを描いて谷が鬱空の中に消えていきます。
ごつごつしたところはトラバースです。雪の時季は雪崩や雪庇崩落が怖いかもしれませんね。
さっきの谷、沢の原頭部は、ほぼニセイカウシュッペ山山頂直下です。
カラマツソウやキンバイソウの類の額縁に収められたニセイカウシュッペ山。
あちらは朝陽山方面からの尾根の終点部。あれもまた岩ごつごつです。
あのごつごつした岩のところをトラバースしてきたのがよく判ります。雪の時季はやっぱり雪崩が怖そうですね。
あとはあの右手のピークをトラバースして、左手のニセイカウシュッペに至れば、62個目の300名山撃破、ということにはなりますが…
ところで、ここ、朝陽山方面にも踏み跡が続いています。気になりますね。
東にはふうたろうがこの後向かうアンギラスという岩山があります。たいていの人はそれでも往復して帰ってくるらしいけど(車だから)、ふうたろうはそのまま帰らぬ人になるつもりです(違
確かに踏み跡はまだ続いています。でも、どこかで消えていそうな雰囲気です。それとも、朝陽山から、行こうと思えば行けるんでしょうか。多少のヤヴゾーンなら、覚悟していますが(黒笑
ニセイカウシュッペ、意外と岩山ですね。険しいところも少なくない。奇岩が多い。
ニセイカウシュッペ手前のピークを越えたところです。そこに微かな踏み跡を見いだすことができるでしょう。それ、チェックです(`∀´)
到着。ニセイカウシュッペを取るだけなら、このまま戻ってもよし。でもねえ?
そうそう、この山、標のあるところが最高点ではありません。標を真正面から向いたら、真後ろを見ましょう。踏み跡があるでしょう。
それを突き進むと、アンギラス方面まで見渡せる場所があります。標とかは全くないけど、ここが最高点。
だいぶ、薄雲が増えてきました。絹層雲は厚くなったり薄くなったりを繰り返す性質があるようなので、すぐに天気が崩れるわけではなさそうですが…。
あの、ニセイカウシュッペの二つ手前のピーク、なかなかいい形をしています。しかし、名前が判りません。
さて、再び一つ手前ピークのところに戻ってきました。行きますよ、バリエーション!
あのきれいなかたちしたピークが、アンギラス。地図には名前が載っていないので、初めて「アンギラス」の名前を聞いたとき、何を言っているのか、サッパリ解りませんでした。平山を伴う尾根とニセイカウシュッペ山を伴う尾根との架け橋です。
でも、その向こうは晴れそうです。これはひょっとしたら、美味いかもしれない。
アンギラスを通過している間に、この晴れ間が空を覆うかもしれない。
トラバースを下ってきて、東からニセイカウシュッペ近辺の山容を見ることになります。9時半頃になっているので、ニセイカウシュッペを目指して登ってくる人が歩いているのも見えます。
ハイマツ帯の道です。でも、この展望をゆっくり見ながらであれば、特に露でビチャビチャになることもなければ、苦はありません。
あれはニセイカウシュッペ山…ではありません。一つ手前のピーク。
アンギラスの方向(東)はまだ雲が抜けきっていませんので、白っぽく逆光になりがち。
しかし、物事には表と裏というのがあってですね、こういうヤヴの中も通らなければならないときもあるんです。
ま、そんな裏は気にすらならないくらい、景色がいい。このすらっとした斜面!(ニセイカウシュッペ東面)
空は青いし谷の形はいいし、樹林の濃淡は美しいし、たまりませんね。
ロープとかは付いていないので、しっかり三点確保しながら歩きましょう。
アンギラス山頂に立ちました。天気の良さといい、心地よい風といい、最高の時にここに立てました。ニセイカウシュッペより気分がいい。もちろん、ニセイカウシュッペというノルマをこなしたから言えることです。
アンギラス北面のすり鉢状の大きな谷。茅刈別川(ちかるべつがわ)というのが流れているようです。
ど快晴よりこういう空の方がふうたろうは好きです。青一色だとポイントがありませんから。
さて、このアンギラスの尾根を渡り、平山から有明山にかけての尾根に至るには、もう少しかかりそうですな。ふうたろう、身重だし(ぇ
笹原の中を抜けていくルートです。爽快なんですが、そろそろ飽きてきたかも(脂汗
あの平たくモッコリした山が、今日ふうたろうが到達したいと思っている有明山…カナ?近そうに見えますがね…
アンギラスの尾根の上をクネクネと曲がりながら、平山の尾根へ接近していきます。
アンギラスを見上げると、ただササとブッシュのヤブだけが残っています。
そして、ハイマツのヤヴの中をくぐり抜けます。こういうの、荷物がデカいと不利ですな。
再び高度が上がると、アンギラスとニセイカウシュッペ山が見えます。
ハイマツのヤニでズボンがベトベトになりますが、それは登山家の勲章というものです(ぇ
ハイマツがモッサリ。雨に濡れていたらさぞかしきついだろうなあ…
アンギラスとニセイカウシュッペ山、遠くなりました。あちらの世界に別れを告げ、ふうたろうはこちらの世界へ移ってきました(何
こちらの世界にも、人が既にいるようです。平山に登りに来たんでしょうね。噂では林道が崩壊して登れないとか何とか…?歩きのふうたろうには関係ない話だけど(黒笑
アンギラスを渡り終えました。9時半頃に向こうの世界を出て来て、今ここで11時39分。2時間ですか。かかりましたなあ…。
あれ?みなさん、今からアンギラス越えるんですか?どこまで行く気だろう…?
さて、ふうたろうはこれから北上します。平山を背に、有明山へと向かいます。
この辺りの山は、それぞれのピークに名前があるようですが、山頂には札がかかっていません。駐車場で水をくださったふたりから名前教えてもらった山もあったけど忘れました。
遙か東側にも山は広がっています。ふうたろうがこれらを登れる日は来るでしょうか?
岩が出ている比麻良山。その奥が判らない。1755ピーク。教えてもらったけど忘れた山。
さっきから気にはなっていたけど、雲が急に増えてきました。北海道を近いうちに低気圧が通過します。絹層雲が出たり消えたりを繰り返しながら推移してきたけど、山々が雲に呑み込まれるのも時間の問題のようですな。
立ち上る雲。上層の絹層雲と下層のこのガス。何がどうなったらこういう雲が出てくるんでしょうかね。誰か教えてエロイ人。
比麻良山山頂に立つと、向こう側、有明山までずっと、雲に覆われているのが判ります。本当に瞬く間のことです。
一気にガスが広がって、景色が一変します。雨はでもまだ降らなさそう…
さっきの4人が向かっていったアンギラス方面、大丈夫かね。ガスったらけっこうしんどそうだぞ、あそこは…
1755ピーク(名前忘れた)からの展望はもうないと思った方がいい。
この、平べったい岩が積み重ねられた場所が1755ピークですが、何の変哲もありませんなあ…。
さて、今日は有明山まで進みます。明日は昼前には雨が降るという予報が出ています。できれば、今日中にできるだけ先に進みたい。
あの雲がかかっている山が、今日の最終目的地、有明山。なかなか、遠いではありませんか(遠い目
ハイマツなどをなぎ倒して造られたような登山道を通ってきました。これを漕いで進むことを想像すると、寒気がして凍り付きそうですが。
ここからは修行コース。まずはヤブを切り開いた道を延々と下ります。
身体が鈍っているという事実もあり、特に疲れやすい。もう既に休みたいモードです。
何やら沢の音がするなあと思ったら、沢に向かう道が付いていて、水を汲めといわんばかりに豊富に水が流れています。エキノコック水が怖いので、とりあえず汲んではいったものの、料理用の水として使うこととします。
…遠いですねえ。これから、地図で見ればいやでも目に付く、ダラダラと上る長い坂があります。
このピンクのリボンが付いている場所から、一応エスケープできます。まあ、逃げるところなんて、ふうたろうにはないですがね。ここはまっすぐ行けば有明山。右に下れば、林道に出るらしいです。
さ、上り勾配が始まりましたよ。何となく、あの神室連峰(山形県)の土内渓谷コースを思い出してしまいますな。しんどいところだけ(滅
延々と上っていると、ある程度したところで木の高さが低くなります。冬だったらきれいだろうなあ…、ってのは、この際言わない約束ですね(涙目
辛抱強く登り続けます。マジ、苦行。足の疲れにプラスして、頭に辛さがのしかかります。そりゃあもう、一昨日とかのイヤな思い出がガンガン蘇ってきますって(滅滅滅
ササの切れ端とかのかれたやつがたくさん敷き詰められた道を登ります。きっと、定期的に刈り払いをやってくれている人がいるんでしょうね。
次は、ハイマツの枯れた枝や根っこが絡みついてくるようなクドい道になります。ここまで来ればあと少しですよ。
ようやく有明山到達。ここでテントを張ろうと思ったけど、周囲全面ハイマツはイヤすぎですから。
ちょっと天狗岳方向に道を10mほど進むと、東面が開けているので、そこにはろうと思い、張ります。闇テンのススメ。
メシ食ってダラダラしていたら、空が晴れてきました。まだ持っているのか、しぶといな…
東の空にある雲は、ところどころ西にある雲をかわして抜けてきた光線が当たって、オレンジ色に輝いています。
ああ今日も歩いた…。
概ね予定どおり進んでいます。天気も、本当は今日が崩れることになっていたので萎え気味だったのですが、その予報が明日にずれ込んでくれたためになかなか展望も良かったのです。特に、アンギラス付近は最高でしたね。あとは明日、雨が降り始める前に下山を完了(駅到着の意)させれば完璧です。
天気:晴れ時々くもり(北海道上川支庁上川郡上川町・網走支庁網走郡白滝村)