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再びあの道を(石狩岳【銀泉台忠別岳回りのコース】:北海道上川支庁)

2012年 8月 14日

 雨が上がり、晴れ間が出てきたようです。今日は、昨日のアレから休むことなしに、石狩岳の取っ掛かり点に向かいます。…その予定です。


 バスが朝6時に、ユースホステル前から出ています。行き先は観光登山用の銀泉台。黒岳も姿見ももう行ってしまったので、残るはそこしかありませんので。


 ところが、銀泉台登山口に着いたら、この通り、濃霧の中。心なしか、霧雨がぱらついているようないないような…(じと目


 登山口のところにホースに水が引っ張られていて、勢いよく流れ出しています。これは飲めるのかな?とつぶやいてみたら、飲めると誰かがこたえてくれました。


 さて、ニセイカウシュッペ山から間髪入れず、出発です。昨日の今頃、まだ北大雪スキー場(廃墟)を歩いていましたよね、雨にぶちのめされながら。


 登山口の看板は、さっきのところよりもずっと奥です。


 ああ幻想的な風景だなあ(棒読み


 しかし、霧は徐々に薄くなっているようです。そりゃ、回復する予報と天気図を見込んできたのだから、薄くなってもらわなきゃ困るわい。


 おっちゃんふたりとこの辺で一緒になりましたっけ。でも、ふうたろうの方が途中から速くなってしまいました…。というか、ちんたらしてんで早よ行かなアカン。


 きっと、この辺はお花畑も展望も、いいのでしょうね。でもいいんです。ここまで観光地化された場所は、とっとと過ぎ去るに限ります。
 もちろん、心構えといでたちが不正常のふうたろうには、観光地化=楽という図式にはなりませんが。


 この先、雪渓があるようですな。ってか、ここどこや?


 汚れた雪渓スペシャル。


 ここ、「奥の平」と表示されていますが、地図的にはデタラメもいいところです。コマクサ平にさえ至っていませんから。


 何となく霧がまたいっそう薄くなった気がしますが…


 今度は青空も見えてきました。劇的に変化するのが山の天気。


 彼方に山の稜線が見えますね。今まで真っ白だった世界が変わろうとしています。


 ここがコマクサ平。コマクサなんかあったっけ。こういう観光ポイントはとりあえず飛ばします。
 バカにしたような表現ですが、観光地化された場所には、あまり興味を持てないのです。


 しかし、この場が観光地だとしても、山が劇的に変化を見せるときは、哲学を感じます。
 量より質への転化、と。


 晴れるときは本当に一気です。これは見事。


 あの先に見えている岩ゴロゴロゾーンが、赤岳です。あそこまで行くと、ひとまず急坂は遙か先までありません。


 この空の色と雲のマーブルに、テンション上がりますな。


 東大雪の方を向くと、まだ雲が残っています。ここも今し方、晴れたばかりですからね。


 赤岳手前の急坂2段。その1段目がこの先にあります。


 トウウチソウの類が咲き誇っています。これはタカネトウウチソウ(バラ科)


 テンション上がりまくりなので、ガンガン進みたいところなのですが、なんだか、左膝に違和感が…(滅
 なので、セーブしながら歩いています。


 気温が上がるかもしれないので、チョコレート類はキケンです。チョコパイがタレパイになってしまわぬようにしなければ。


 草原に岩が転がる風景。


 ふうたろう、この左膝で後れを取っています。が、この風景に免じて許しますか。


 赤岳までの坂2段、終わったようです。


 あの岩ゴロゴロが赤岳です。


 赤岳の岩の上に立つと、風がガンガン吹き込んで寒いけど、黒岳~旭岳の黄金街道付近がよく見えます。


 西から天気は回復。これからしばらくは、優しい環境で歩けますか。


 赤岳~小泉岳の超だだっ広い尾根歩き。前を行くふたりはどのくらい先を歩いているのやら。


 どうもあの人たちが立っている場所が小泉岳の山頂かつ、緑岳方面に下る分岐でもあるようです。


 真正面に白雲岳。


 昨日の雨で登山道が水浸しです。


 白雲岳の分岐です。そうでしたね、ここから先は、ふうたろう、歩いたことがあるのですね。


 ちょっと一休みしてから出発しましょうか。前回ここで休んでいたのは、12時頃でした。今は10時過ぎ。忠別岳避難小屋まで行くのだとしたら、余裕です。しかし、その先はちょっと…


 彼方にトムラウシが見えます。ここで初めて、トムラウシが見えます。あの時は、あれをめがけて、突き進んだのですね…まだ、百名山時代だから、56個目を追いかけていたのです。


 周囲を見回す余裕は、当時ありましたか?
 あれは、さっきの小泉岳から南下してゆく尾根です。高原温泉?とかいってたかな??


 道が抉れていますね。あの、3年前の9月20日も同じように歩きにくかったっけ?


 白雲岳避難小屋の建物が見えます。あの小屋はとても良い位置にありますね。


 南西から北西方向は完全に空が晴れ渡っています。青が美しいのです。


 ハイマツと草原の美しい原野です。少なくとも、今はそう思います。


 花が咲き乱れる白雲岳避難小屋前の草原。タカネトウウチソウやあざみの類が咲いています。


 ここは水場。前、ここにラーメンの汁やら何やらが投棄されていて、幻滅しましたね。


 ここは白雲岳避難小屋前のテン場。非常に整っていますね、環境が。至れり尽くせりというのです、こういうのを。


 白雲岳避難小屋も景色の一番いいところにあります。夕日は白雲岳に隠れて見えませんが、朝日なら見えそうです。


 白雲岳。


 さあ、忠別岳方面へ出発です。忠別岳避難小屋よりも向こう側に、本当なら進みたい。でも、忠別岳避難小屋の次の幕営地(テン場)は、水浸しになると使えないという、沼ノ原…。しかも、忠別岳避難小屋からかなり遠い。


 このルート、歩きやすいように見えますが、けっこうハイマツが出ていたり道が抉れていたりするので、歩きにくいのです。景色と天気に免じて許しますが(ぇ


 白雲岳を見上げる風景は、少し歩くごとに変わるでしょう。


 道が入ると雰囲気が変わる。


 チングルマの綿毛を入れてみたけど、もう少し寝転がらないと、ダメ。荷物の重さ、不安定さに負けているふうたろう。


 前を行く関西弁のご夫婦(小泉岳付近で一度話をしてい、そのあとも追いつくたびに何度かお話をしている)がこの辺で立ち止まって写真を撮っていたのですが、なるほど、納得。


 この綿毛ってどうなっているんだろうなあ、と思ってみてみたけど、よく判らない。


 白雲岳避難小屋からの下りが緩やかになると、そろそろ高根ヶ原です。


 あの2009年9月20日も、ここからの果てしない長さに、忠別岳避難小屋付近では虫の息でした。今回は、根性も体力も上がっているはず…。だって、レベル(山の数)55のあの時に比べて、今はレベル230なのですから(何


 あの時は秋。確か、既に初冠雪があった後。紅葉がきれいだったと思います。写真の撮り方がなっていなかったので、大した景色は撮れていないけど。


 平らな大地を歩きます。白雲岳がビロッと広がった高根ヶ原の上に立っています。


 ここから高原温泉とかに降りられるようでしたが今はクマの巣の中を通るので無理とか何とかっていうか車でしか行けない場所なのでふうたろうには関係ありません。


 この景色、覚えていますとも。でも、どうしても観光地のイメージを払拭できません。


 あの彼方の山が、ふうたろうが明日以降向かう、石狩連峰…


 高根ヶ原からは、色んな方向に色んな山が見えます。あれは旭岳。


 この広大な森林は褒めてつかわす。開発のやたらと多い大雪山界隈も、ここまで来ると秘境度が上がりますから。


 ヌオッ(゚Д゚;)
 …道が池になっておるではないか(滅 あの芦別岳みたいに(滅滅滅


 この高根ヶ原縦走路の真価は、ここにあります(ぇ
 見よ!このえぐれ削れた登山道を!!


 見よ!この鬼の爪痕のような踏み跡を!!


 見よ!このハイパーぬかるみゾーンを!!


 水たまりやえぐれた道を避けるように、みんな道の縁を歩きます。だから登山道が広がります。宿命ですわな。砂利か岩でも敷けば、まだぬかるみゾーンは何とかなりそうですがね…


 これくらいのことでササの中を踏み荒らしていたらひんしゅくものなので、どうしてもぬかるみゾーン突入は避けられません。


 うんうん、覚えていますとも、この両側から迫ってくるようなハイマツの道!あの時は寒かったせいか、地面がここまでぬかるみゾーンってことはなかったような…


 この単調でだだっ広い道をひたすら歩き続ける気力がどこまで持つかが勝負です。


 これから、忠別沼に至る前に、ものすごくダラダラとした坂をビミョーに上っていきます。変化なき道に、MPが削られます。


 沢がありますが、水場ではないらしい。でも、沼ノ原の大沼とかのたまり水(エキノコック水の可能性)を飲まされるくらいなら(煮沸することは前提でも)、ここの水の方がマシだろう?


 木道が付いています。激しいぬかるみ攻撃に曝されるくらいなら、この上を歩いた方が断然楽。


 ただただ広漠とした草原。この景色、飽きてくるのですよ。


 振り返って白雲岳。…かなり遠い。


 旭岳は何だかガスがかかってきましたね。


 しかし、関係ないッス。ふうたろうはひたすら先に進むのです。
 ところで、この辺でやっとあのお二人に追いつきました。
 しかし、すぐに引き離されました。


 中央に見えるのが忠別岳。手前に微かに池が見えますが、それが忠別沼。


 …どうせなら、全部に木道を敷いてくれても構わないんだけど。ウルトラぬかるみ水没ゾーンを通らなければならない、踏み跡で道が荒れる、という状況になるくらいならね。


 忠別沼のほとりにはワタスゲが風になびいていました。


 あれーなんでとつぜんうみにやってきたんだろう(棒読み


 このルートは、忠別沼のようなポイントがあることは稀です。奇岩一つでもあれば別ですが、本当に平らなところ、ビミョーに上り下りがある程度で、本当に飽きます。ふうたろうは途中から放心状態になります。


 忠別岳に取り付いています。まあ、取り付いている、というよりも流れで歩いているような、むしろ消極的な感じ(滅


 ああ遙かに石狩連峰(棒読み


 ダラダラと歩いている間に忠別岳に到着してしまいます。本当に、ゾンビのように歩き続ければ、いつかは着くという、精神修行系です。


 ああ谷がきれいだなあ(棒読み


 忠別岳からも化雲岳~五色岳稜線越しに、トムラウシを望むことができます。


 忠別岳から先がまたあるんだけど、とりあえず、ここで大休止。


 山頂で3人で休んでいると、単独のおっちゃんがやってきました。おっちゃんというか、爺ちゃんかな?身軽な人でした。


 さて、今日はもう忠別岳避難小屋止まりが限度でしょう。向かいましょう、避難小屋へ。


 忠別岳からの景色はけっこういい。特に石狩連峰の形がすばらしい。


 さ、この中に忠別岳避難小屋を見つけられるでしょうか。


 前を行くふたり。だいぶ山慣れていると見た!


 ハイマツの鬱蒼とした中を通る道を辿っていきます。


 3年前来たとき、この道のハイマツの鬱陶しさは筋金入りでしたが(マジで針金でも通っているんじゃないか?)、刈り払いがされていて歩きやすくなっています。


 忠別岳の、鼻が曲がったような形。


 この忠別岳の西側は、なぜこんなに切れているのでしょうか。忠別沼よりも北は、東側が切れています。


 一面の大森林地帯。あの左の方の尾根を下っていくと、天人峡です。バスが廃線になったので使えないという罠。


 忠別岳を下りきると、まただだっ広くなります。


 精神修行に明け暮れていると後ろを振り返ることを忘れます。忠別岳、しかと見ておきましょうぞ。


 場所と時を越えて在る石狩連峰(何


 真正面は五色岳になりますが、ぶっちゃけ、ピークには見えませんね。なお、あそこが久遠のトムラウシか、未踏というか未曾有の石狩岳かの分かれ道になります。


 その前に、忠別岳避難小屋の分岐です。やっとここまで来たかと。


 さ、行きましょう、小屋へ。


 小屋の前の雪渓です。


 あの色っぽかった小屋の話は、今は幻に。


 水が汲める場所があるので、料理用に汲んでおきましょう。


 小屋にはさっき忠別岳であった爺ちゃんがいました。何と、鹿児島から、定年後の登山で、4月からずっと北海道にいるそうです。かなり登り尽くしたらしい。
 →山旅三昧


 ここはテン場。以前来たときは寄りつきもせず、写真も撮らなかったので、撮っておきましょう。しかし、あまり広くない上に、傾いでいる…


 夕日を見に、また避難小屋分岐まで上がってきました。明日の天気、どうですかね…


 今はよく晴れていて、東の空もきれいですが。


 西には何となく絹雲がウロウロし始めていて、不吉な感じがします。せめて、明日は持ってもらわないと困ります。


 一日で行ける距離は、せいぜい層雲峡や銀泉台からでは忠別岳避難小屋が限度のようです。行こうと思えばこの先も進めますが、何せ、幕営地が限定されていますから…。とてもじゃないけど、沼ノ原までは行ってられません。
 明日はその沼ノ原を越え、石狩連峰との連結部、根曲がり廊下を通過することになります。どんなに凄まじいヤヴなのでしょうか。あの、越百山~安平路山(中央アルプス)に匹敵するでしょうか。行ったことがない場所なので、わくわくするやおどおどするやら。


天気:晴れ、朝のうち霧(北海道上川郡上川町・美瑛町)

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