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動物園ってすばらしい(キリッ(旭山動物園:北海道上川支庁)

2012年 8月 18日

 今朝はゆっくり過ごします。もちろん、目覚めは早いですがね。"下界"より2~3時間は。ユースホステルのメシを待つのが若干辛いくらい(7時から)でした。


 さて、今日はどうしますかな。ひとまず、色んなところに干しまくっていたさまざまなブツを撤収してザックに押し込み、上川駅に向かいます。


 ふうたろう、こう見えて、猛烈に疲れています。どうせ明日までいても山に登る時間や体力もなさそうです。あったとしても、持っているのは狩場山の地図しかない。一日で登れそうな余市岳やニセコアンヌプリは、昭文社のものしかないので、パスです。


 …よし、今日の夜行で帰ろう。一日予定を切り上げて帰ることにします。だから、鈍行でゆっくり札幌まで出て、特急料金をケチろう。


 上川駅近くに銭湯がありますね。18時半までしか開いていないけど、何かの折に使えるかもしれません。覚えておきましょう。


 水たまりを屈んで撮ってみたり。
 しかし、こんなことは、大都会では絶対出来ない。そういう意味でも、下界ではザンネン、ですな…。


 10時46分発の石北線上りに乗っていたら、Iさんから電話が入りました。というわけで、旭川で下りて彼をしばし待つことにします。


 彼が車を走らせることしばらく、ラーメン屋。ピリ辛味噌ラーメンを食います。しかし、ラーメンよりも具の方が多かった気がする北国の夏(ぇ


 そのままIさんは次の仕事に行くらしかったので、ふうたろうが時間つぶしに行こうと思っていたここ、旭山動物園まで送って戻っていきました。
 今日は休日、人の数も車の台数もすごい。


 如何にも「どうでもいいです」的に撮ってしまった動物園の看板。


 入場料は800円。意外と安い。大阪の海遊館なんて、17年前の価格で1995円ではありませんでしたかな?今では2000円は超えているかと。
 とりあえず入場します。


 動物園というのは生まれてから今日で3回目くらいではありませんか。天王寺動物園かどこかに行った記憶が約2回ほどありますが、それは一桁歳のころが最後でしたから。


 …動物園に来て、結局何を見ればいいのか解っていないふうたろうは、漫然と動物を見ていきます。しかしこのフラミンゴは、実は今朝、動物園から脱走した上におとりで捕まえるために派遣した2羽がきつねに襲われて死んだという、ミイラ取りがミイラになる的なニュースを聞いていたので、インパクトがあります。


 カモかな。あの陸地でゴロゴロしている鳥は。


 池に浮かんでいるやつもいるけど、この池の水は恐ろしく汚いね。五色ヶ原のエキノコック水を心配するレベルではないくらい。


 ペンギン館がありましたので入ってみよう…と思ったけど、アホほど混んでいて5m進んだところできびすを返しました。


 どうせ見所を理解していないふうたろうは、外からテキトウに見るだけでいい。しょせん箱庭に突っ込まれた動物です。見せ物には、見せ物を見に来る人の視点しかつまっていないでしょう。…というのは言い過ぎかな?


 ふむ、もうじゅう館ね…


 二重の檻の中にいる黒ヒョウ。爪研いでいますが、この狭い檻の中で、こいつは何を思っているでしょうかね。餌にありつければそれでいいのか、言葉にならないとは思うけど走り回れないストレスに苛まれているのか、色んなことを想像します。狩りをする生き物だからね?


 しかし、この網の上で寝ているヒョウ、なかなかひょうひょうと生きているなあと(滅)思います。人が下から見上げられるようになっています。手が届きそうですが、触らないで、という注意書きがあります。動物のためには当たり前ですね。思わずふかふかしてみたくはなりそうだけど。


 上から撮ってみました。リラックスできているか?


 「もうじゅう館」にはヒグマもいます。ものすごく動きは緩慢。毛並みがぼさぼさで、見ているだけで鬱になりそう。こいつも、原野では颯爽と歩いているんですよね、きっと。


 山を歩くふうたろうは、唯一芦別岳の山頂から遠目で見ただけ。なんだかんだ言って今まで会った(遭った)ことはそんなにはありません


 どのくらいの人が動物の説明をしているポスターを読んでいるでしょうか。動物だけ漫然と見ていてもどうも楽しめないふうたろうは、こちらも見ます。


 旭山動物園の本領は、本当はこの掲示物にあるのではないかと思ったりします。中身には賛同できるか否かの問題はあるけども、人間と動物の関わりに対して率直に疑義を打ち立てることは、なかなかできるものではありません。しかも、市営の動物園で。
 …北海道は、こういう文化があるのか、ジェラシーを感じます。


 さっきの掲示板は、このエゾシカコーナーのものです。
 エゾシカは、内地(本州)の人が北海道に侵入した後、オオカミを駆逐したために天敵がいなくなった結果増えている。そのエゾシカが今や高山植物を、森林を、農地を、荒らしている。
 かいつまんでいえば、そういうことが書いてあります。このエゾシカの檻の中にはよく見ると農地があります。来園者の人が気が付いたのでふうたろうも見ていたのですが、動物園の檻の中に、電気柵を取り付けた農地なんて普通は置かないでしょう。


 そばに立っていた園の係員の女性に、農地のことを聞いたら、こちらのことも教えてくれました。さっきの写真、農地以外の場所は草一本生えていませんでした。しかし、この写真のところは草が生えています。シカを避けるようにすると草地が戻ります。その実験をしているというのです。もちろん、それに気づいている来園者は皆無です。
 天王寺動物園がどうだったのか記憶はありませんが、展示にこのようなメッセージを添えるところがこの旭山動物園の賞賛に値するところでしょう。


 この植物たちは、エゾシカの過剰な繁殖のために減っているとして展示されてあります。もちろん、ここにも来園者はほとんどいません。


 ここはシマフクロウのコーナー。手書きのポスターに味があっていい。仕事に真面目に取り組む気力を失っているふうたろうには妬ましいことです。


 でも、檻の中に入れられた動物には、どうしても勝手な感情移入をしてしまいます。箱庭に住まわされている動物たち。
 …そういえば、7月19日に見てきた「明日咲くサクラ」のことを思い出しますね。


 動物が可愛いだの何だのと、そういう見方をして見るのはもう飽きたので、ここに来るときにIさんが言っていた「カラスの展示」を見に行くことにします。あそこに集っているのは、テナガザルか何かの展示場前。確かにやつらは運動神経がアホほどイイ。どんな体操選手も敵わないんじゃないか。


 ふうたろう、キリンなんて見るの、どのくらいぶりだべ?
 キリンを見ると、キリンはどうやって長い首という形質を獲得したのか、という話を思い出します。中ぐらいの長さのキリンなんていないそうですもんね。キリンの骨格がどうなってんのか知らないけど、頸椎の数や一つ一つの大きさに関する遺伝子に何か大きな変異があったのでしょうか?解らないけど。(実際は、頸椎の数は他のほ乳類と変わらないらしい)


 柵の隙間から首を突っ込んで、外の草をはんでいます。キリンって、そういえば反芻動物だっけ?


 さて、人があまりいないところに行きましょう(黒笑


 ここはカラスコーナー。ハシブトガラスかハシボソガラスか判らないけど、とりあえず、カラス。でも、「カラスという名前の生き物はいない」とか書いてあったりします。
 このカラスたちは、殺処分されるところを拾ってきてここに置いているらしい。
 ここの看板にはこう書いてあります。

 カラスは動物の死体を食べる自然のお掃除やさんの役割があります。虫やネズミなどの生き物を食べて植物が減りすぎないようになっています。また、古巣はチゴハヤブサの繁殖に使われ、小動物や虫などの住処として役立ちます。
 …(中略)人の方が断然考えられるはずですが、だらしない人のせいでゴミは散らかされ数が増えてしまいます。本当は私たちがルールを守れば、カラスに困ることもないはずなのです。視野も心も広い人間社会を作っていけたら、野生動物も地球も守られると思います。

 この旭山動物園の真骨頂でしょうね。
 考え方に違いはありますが、こういうことを堂々と書ける動物園は、本当に大事にしたいものです。


 ところで、この前後に、は虫類(両生類)の館にも寄っていました。その中に、なぜかハムスターがいます。この写真はカラスコーナーですが、写真をそこでは撮らなかったので、ここで書きます。
 ハムスターは、ここに展示してある蛇などの餌になるそうです。それに対して、残酷だ、などという声が出されるそうです。しかし、それはハムスターが可愛いからではないのか、蛇が醜悪だからではないのか、という、なかなか歯に衣着せぬことを掲示板に書いてあります。もちろん、ふうたろうたち人間も肉や魚、野菜だって同じ生き物だけど、食べていますから。
 思想に「中立」は存在しない。ならば、徹底的に書けばいいと思います。ふうたろうはこの旭山動物園のスタッフたちが自らの思いを来園者にぶつけているところは、非常に好感を覚えました。
 え?最初のフラミンゴや黒ヒョウなどに対する酷評はどこ行ったかって?
 …忘れましょう、そんな昔の話(黒藁


 カラスの後、疲れたふうたろうは図書館があるというので立ちよりました。そしたら最後。そこで終わりまでマッタリしてしまいました(アヴラ汗
 実は、図書館には専属のスタッフがふたりいて、更に動物好きの少年がずっとスタッフのお姉さんたちと一緒にいます。ああなるほど、彼にとっての居場所なんだなあ、と思いながら見ていました。
 少年、正義感が強く、なかなかおもしろい。失礼かもしれないが、何となくふうたろうに通ずるものがある。例えば、スタッフのお姉さんも交えていたのですが、こんな話が面白かった。
 カップ麺などの揚げ油に「パーム油」が使われています。それは、この園にもいるオランウータン(だったかな)が元々住んでいる熱帯の森を切り開いて、プランテーション栽培をして作られたアブラヤシのもの。ここの園長はそれゆえにマクドナルド(パーム油をどこかで使っているのだろう)のものは食べないのだそうです。でも、少年はマクドナルドの誘惑に負けて食べてしまう。
 おもしろい少年です。自分の弱さをよく理解しています。自分の弱さを言葉にするなんて、なかなかできるものではない。でも、きっと、切欠を掴むことで、少しずつ脱却できるはず。なぜなら、ふうたろうも昔はマクドナルドや寿司おんどなどのファーストフード店に足繁く通っていたのですから。それがほとんど行かずに済むようになったのは、やっぱり自分で山を歩いて、繰り返し色んな現実を見てきたからでしょう。それに加えて、料理をする時間という「対案」ができたことは大きい。
 とてもいい時間を過ごさせてもらいました。旭山動物園、侮れない。


 Iさんから電話がかかって、もうすぐ迎えに行くという連絡が入りました。少年とお姉さんに名刺を渡してお別れして、ふうたろうは動物園を出ます。
 …う~ん!動物園ってすばらしい(ぇ


 Iさんに旭川まで送ってもらったら、ふうたろうは鈍行で札幌に向かいます。岩見沢駅で乗り換えです。鈍行だと、遠いね、旭川から札幌は…3時間くらいかかります。


 一日帰りを早めた北海道の旅。なかなか骨のある旅でした。ふうたろうを支えてくれた一期一会のみんなも含めて、ありがとう。後は無事に家まで帰り着いて、膨大な量の日記更新を行うだけ(イヤこれマジヤヴァイ)。
 明日の朝、東京に着くでしょう。さらば、北国。また再来月来ますから(ぇ


天気:晴れ時々くもり(北海道上川支庁上川郡上川町・旭川市、函館本線・石北本線)

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