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修行僧の遊んだ庭(石狩岳【小石狩岳縦走シュナイダーコース】:北海道十勝支庁)

2012年 8月 17日

 …。
 今日は昨日なの?(何
 …日付が替わってから、テントを再び雨が叩き始めていました。昨日の朝の土砂降りとは違う。雨レーダーを見ても雨雲がない。しかし、今ここで、猛烈な霧雨が降っていますよ?


 今日は進まないと食料や水が尽きます。まさか、本気で天気が回復しないとは思いもしませんでしたな。
 とりあえず、霧雨がすごすぎるので、カメラをザックにしまいながら進みます。


 こんな猛烈なハイマツのヤヴ、近寄るだけでびしょ濡れですから(滅滅滅


 ニペの耳近くに平らなところ。
 実は、こういう平らなところが、ここに至るまでにもう二つありました。一昨日、この辺まで来ていればもう少し快適な停滞ライフを送れたかもしれません。


 ニペの耳
 …かどうかなんてもはや判らないという罠。


 登山道がところどころハイマツブッシュで閉ざされているので、強行突破するしかないところ多数(滅


 まるで傷口が塞がるかのような道です。あの、那須岳の坊主沼から三本槍岳(栃木県)に向かうときの道を思い出しますな。


 明るくなった
 と思ったら大間違い。こんなものはただの罠でしかない(怒


 果てしなくガスっています(滅


 ところで、あまりにもガスが猛烈なので、踏み跡を見失った瞬間道迷い必至です。これ、雪の時季だったらかなりまずいですな。思ったよりも広い尾根、いくつもピークが連なっているために、場所が特定できません。
 実は、一旦道が判らなくなり雨も降っているので、ガスが晴れるのを待つことにしたのですが、その時に見た天気予報は曇り主体の天気に替わっていて、腹を括って再出発したといういきさつがあります。


 踏み跡がかなり色んなところに付いていることもあります。動物のものなのか、古の人のものなのか、判りませんが…


 石狩岳の最高峰はどこでっしゃろか。何となく斜度で判るか判らないか程度ですが、最高峰だというところに至ると、やっと人が現れました。千葉県から来た単独のおっちゃん。


 そして、石狩岳の札があるところには、岐阜県から来た男女3人のグループが。珍しくも、日本200名山を目指す人々です。300を目指すふうたろうの周りにはやはり300を目指す人が多いのです(といっても山登っている人は近くにはいないけど)。


 しばらく3人と一緒に歩んでいましたが、ふうたろうの足のスピードは速かったらしい。最初少し喋っていましたが、程なくして後ろに消えていきました。


 このシュナイダーコース手前の鞍部に至る頃には、もうガスの彼方に声だけがする状態。


 本当は音更山やユニ石狩岳を通っていく予定でしたが、このままではバスに間に合わなくなるので、あのシュナイダーコースを下ることにします。


 目の前涙目になるほどのひどいガスの上に、やっぱり露を纏ったハイマツ。このヤブは、通れば3秒以内にずぶ濡れになれます。非常に激しい雨に匹敵しますわ、いやマジで。


 このジゴクアルプス天然水スペシャルは修験者のコース。苦行をするには最適ですわ(滅


 しばらくカメラをザックにしまって歩行。しかし、この道は雪が積もっているときに通った道。ここ、覚えていますよ。
 これですね。2012年5月1日の概ね同じところですが、この写真の右下の方を登山道が通っていることになります。


 ヤブがきつく、ガスも晴れず、耐えながらの下山。


 かなり降りてきて、やっと日が差すこともある?何となく、ため息が出るひととき。


 覚えています、ここも。ここから昭文社の地図がデタラメスペシャルで右に降りるようになっているのです。雪が剥げていてけっこう登りづらかったんですよね、あの日。


 急な坂を、実はグネグネグネと下っていくと、覚えています、この樹林帯。もちろん、葉はなかったけど。


 ちゃんと登山口の看板もあったのだけど、もちろん雪の中に埋まっていましたので。


 こんなもの、見つける術もない。


 ふうたろうが5月に来てから後に、ここをおそらく大水が襲ったのでしょう。木がなぎ倒され、川の流れが変わっています。こればかりは自然の摂理と言うべきか…


 ふうたろうがあの時テントを張っていたところはどこら辺だったでしょう?雪がなくなり、葉が生い茂った森は、同じ場所とは、もはや思えません。


 渡渉点は倒木スペシャルです。岩が苔でヌメってキケンです。でも、早よ抜けたいです。もうここ、要らん(滅


 というわけで、速攻で下山口へ。


 ああ沢がきれいだなあ(歯ぎしり


 雪に覆われていたこの辺も、今は笹でイッパイ。どっちの方が良かったか?言うまでもないわ(滅


 祠。
 無事下りられましたありがとう(早読み
 …精神的には無事とは言いがたいけどね、このずぶ濡れと涙目。


 そして、一般人の下山口。ふうたろうの下山口は10kmくらい先です(遠い目


 ああ登山者が車を止めているなあ(棒読み


 あの5月はまだ雪がいっぱいあったなあ(やっぱり棒読み


 5月の石狩連峰はきれいだった(本気


 さあこれから10kmのしゃどうあるきだあ(棒読み


 …とは言ってもね、やっぱり、自分の足で歩いてこそ登山だよ。


 足が動くなら、怪我してないなら、時間が許すなら、その環境に感謝して歩く方がいい。


 山は登山道と山頂だけでできているワケじゃない。この林道もあの石狩岳も、その向こうの根曲がり廊下も、帯広や旭川などの都市へ、そして海路および線路でずっとふうたろうの住んでいるところまで繋がっています。


 車で走っていれば見られないものを、少なくともふうたろうは見ていると思います。もちろん、車で走っていてこそ見られるものもあるでしょうけども、ふうたろうはドライブをしに来ているわけではありません。


 音更大橋。さあ、最後の十勝三股まで歩こう。


 ところで、この橋はふうたろうがあの時通った2ヶ月前に掛け替えが終わったらしいです。下手したら、この橋がなくなってエラいことになっていたかもしれませんよ、あの時。


 見覚えのある場所でしょう。この林道は、2回通って2回とも下りで使っています。片道切符ですな。


 にわかに空が晴れ、青が眩しい。あれだけガスっていた中を悶えながら歩いていただけに、青空のありがたみは強いものです。


 どこかで見覚えのある場所だなあ(棒読み
 …本来、歩きで来る場所じゃないですな、この山域。北海道の300名山は車がないと、常人では来る人はいません。今まで、車道を歩いている山屋にはまだ会ったことありません。


 クマネシリが見えます。あれも、いつか登りたい。


 ミズバショウが咲き誇っていたところは、今やバカでかい葉っぱのお化けがなぎ倒されたようになっているだけです。


 入林届を書いて出ていきましょう。あくまでも車で来ることを想定して作られた表ですね。入った時刻は書けませんから。入山は「銀泉台・8月14日から」です。


 そして、国道へ。


 ライダーが通りすがりに挨拶してくれました。ライダー・チャリだー・とほだー(何 は仲間です(笑


 白い幹ばかりが見えていた5月と違って、アオアオとした緑イッパイのシラカバ。その中を国道が貫いています。


 そして、めでたく、十勝三股バス停到着。チャリだーの兄ちゃんが折りたたみ自転車を分解していました。ふうたろうもずぶ濡れの靴と靴下と自分の足を分解しなければ(何


 そして、忘れてはいけないのが、この三股山荘。奥さんたちはふうたろうを覚えていてくれました。嬉しいですね。


 そして、このカボスシロップの味を、ふうたろうも忘れていません。五臓六腑にしみ渡る(恍惚
 三股山荘にはさっきのチャリだーの兄ちゃんも誘っておきました。ここは、3だー属ならば立ち寄るべし(藁


 バスで層雲峡に戻ってきました。本当に一周しました。ニセイカウシュッペ山登山から小文字の"g"の形に奇跡を描いてきましたね(フォントはMSゴシックで)。


 ユースホステルに再びなだれ込んで、バタバタと片付けや洗濯その他を済ませて、あのロコモコ丼を食べさせてくれる店に行きます。ふうたろうお気に入りの店です。今日は野菜カレーに温泉タマゴのトッピング。
 …あの時の層雲峡は寂しい思い出を孕んでいるけど、また来たいね、ここ。もちろん、三股山荘は外せない(笑


 長い山行でした。しかも、険しく天気もひどい。何とも呪われた山でしたが、これも一興。急坂を登り切ったところまで抜群の天気で迎えてくれたので、ヤブはそれでも辛かったけど、いい思い出になりました。次は、三国峠からユニ石狩岳を経由して、冬に登ってみたいですね。地元の人でも知る人ぞ知るコースだと言ってましたから。地元の人が言っていたのだから間違いありません。
 #169石狩岳クリア。


天気:くもりのち時々晴れ、朝のうち雨(北海道上川支庁上川郡上川町・十勝支庁上川郡新得町・河東郡上士幌町)

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