肥だめの尾根(滅)(越前経ヶ岳【兎岳縦走~たんどう谷鳩ヶ湯コース】:福井県)
朝はトムヤム炒飯でクエン酸と塩分補給!
…と思ったら、ナンプラーを忘れているという罠。ただ酸っぱいだけのトムヤム炒飯になってしまったという件。
もと来た道を戻るという手もなくはないけど、戻ったところで日祝日運休の乗合タクシーは使えないので、鳩ヶ湯に行くしかないんですよね。はしごを下ろされた気分です(滅
さ、このウルトラデラックスハイパーヤヴこぎゾーンに突っ込むしかないですね。しかも、つゆだくスペシャルなので雨具着用。もちろん、ザックカバー完備。
ひどすぎる笹ヤヴですが、まだここは根曲がり廊下並で済んでいます(ぇ
このモヤッとした空気、何とかなりませんかな。ふうたろうの下界での頭の中みたいな、鬱空なんですよ、これ。
笹に覆われている稜線は正直極めて歩きにくいけど、見る分には美しい。
ん?(・ε・;)
ヅヴォッ
一瞬何が起こったのか解りませんでした。どうやら、このぬかるみにハマったのですが、膝上まで沈んでもなお足が底に着いていないようです。ぬかるみというよりも、底なし沼か肥だめですな。全身落ちなくて本当に良かった。
今日からこの尾根は肥だめの尾根と名乗れ。
経ヶ岳と赤兎山の標はありますが、実は、経ヶ岳から見て左側にも道が続いているのです。恩法寺山という名前の山が、地図にはありますな…。
どさくさに紛れて岩場とか出てきたり。狭いところ、このザックで通るの辛いんですが。
まあ、これ見たら尻込みしそうですけど、大丈夫。問題なく歩けます、一応。
地図上の位置をきちんと把握できています。それゆえに、目一杯遠さを感じられます(滅
少しマッタリしましょうか。このマッタリタイムは至福のひとときです。ええ、現実逃避ともあるいはいうかもしれませんが。
さて、大舟山に突っ込みます。あと少し、そう思っていました。が、これは…?!
大舟山より先、道が完全に消えていました。どこを見回してもブッシュしかありません。しょうがないので沢筋に少し下りるしか…
沢筋をある程度下ったら、当然尾根沿いに歩くことなんて不可能なので、無理やりヤヴをかき分けて尾根に登り返します。これを修行といわずして何を修行といわんや。
で、これ、いつの間にやら出てきた道ですよ。ええ、ふうたろうには、これがはっきり、道だと解りますが何か。
そして、都会にはコミュニティがあります。昨日よりも傷の数を増やしてやってきたふうたろうを労ってくれる人たちがいました。おばちゃん二人組が梨とおにぎり…
それからブドウ!
生き返りましたわ、マジで。有機酸と糖分とビタミンはやはり必要ですな。オレンジの一つでも持ってきた方がいいのとちゃうか、これから?
彼方に経ヶ岳が見えますが、ふうたろうが下るのはこちら。途中から左に大きく曲がります。
北東には白山が見えるはずですが、このようにばっちり曇っていらっしゃいます。
ふうたろうを励ましてくださったみなさま、ありがとうございました。
いざ鳩ヶ湯へ!
ヤヴに見えますか?全然こんなのはヤヴではありません。れっきとした自然歩道です。ただ、これは近いうちに誰かが刈り払いをしてくれていますね。
赤兎山を見上げています。赤兎山よりたんどう谷コースを下ると、まずはだだっ広い森を歩くことになるでしょう。
新緑や紅葉の時期は非常にすばらしいはず。盛夏の顔した晩夏の今は、ただの虫ヤヴぬかるみ地獄(滅滅滅
平らな尾根から、いきなり急な下りになります。尾根のところで倒木から杖になりそうな棒を一本拾っておくと、かなり有利に動けます。
少しばかりマッタリしましょう。蚊が多いのであんまり長居したくないけど。
ベンチからもまたかなりの急な下りで、しかもトラバース気味です。谷を横切ることも何度かあり、小さな沢から水も出ています。結構歩きにくい…。
ここで山菜を採って暮らしている人たちがいる。ここまで「採らないで」と「お願い」されたら、採れないわな…。たとえ調査のためであっても、無理だわな…。
樹林帯のトラバース急坂が続きます。足滑らせて落っこちないように。
小さな滝。ここで水が汲めます。水がなくなりかけているので、飲んでしまいます。北海道みたいにエキノコック水を心配しなくてもいいでしょう…
小さなさっきの滝より更に下ると、渡渉点が現れます。ここがたんどう谷の渡渉点となります。水かさが増えると渡渉は無理らしいですが、これほど渇水(降水量は平年の半分かそれ以下)でもこれくらいの水はあるのですから、そりゃそうでしょうね。
ここでも少し、マッタリする時間を取りたい。あの和賀岳(秋田県)の和賀川のところでマッタリしていたとき、沢の側で休むひとときの心地よさを強く感じたものです。
登山口側から見た渡渉の感じ。下ってきたときに増水してたら、本当に地獄を見るでしょうね。
この後、下山方向は樹林帯の崩落しかかったウルトラバース・ルート。楽しみも何も無感情のまま突き進みます。
…と思ったら、けっこう荒れた林道でした。落石とか土砂崩れで埋まっています。
それでも歩き続けます。林道なので車用に勾配を小さくしていて、クネクネクネと最後は曲がります。めんどくさいなあ(じと目
ハート型の昆虫が。
…ふうたろうが近づくと、コソコソコソ…っ…と茎の裏側に隠れようとします。何というふてぶてしさ!
このクネクネクネ林道の最後にはさすがに近道が用意されていました。そこを使わない手はないでしょう。
若干急でスリップしやすかったものの、この階段を下りれば、この長く険しかったコースも終わりです。
あーー!!!鳩ヶ湯でござるー!!これで風呂に入って帰れば完璧。
「入浴時間 午前10時~午後4時」
2年前の情報よりも新しくなって、時間が延長されています。おおこれはッ!
で、今何時だ?
16時5分です。
大野市営バス。ワゴン車だけど。16時55分鳩ヶ湯発の市バス。非常に良い時間に走っています。
→大野市ホームページ 公共交通
白山線という路線です。
大野駅前に帰還。さて、福井駅行きの電車は…
昨日から知ってはいたけど、1時間半後。接続が悲惨です。
駅前の湧き水に顔を突っ込んで(笑)飲んでいる父ちゃんたち一家を見つけて、銭湯などがどこかにないかを尋ねました。…とても親切で駅員に掛け合ってくれたり地図で調べてくれたり。どうやら、市役所の近くに「東湯」という銭湯があるらしいので、バス路線的に「糸魚の里ナントカ」というところで下りていきます。
とりあえず、未知の町。100リットルザックを背負って銭湯を探し歩きましょう。銭湯の目印は煙突です。
こういう雰囲気の町並みがいい。通勤のために寝に帰るような町ではなく、その場で機能している町が。そうであれば、どんな町でも型くずれしようがない。
煙突を見つけ、さらに近くの鮮魚店のおっちゃんに銭湯の場所を聞き、まったく迷うことなく銭湯にたどり着きました。できすぎでないかい?
しっかり地元風呂を浴びた後は地元メシを食うと。近くに「とみたや」という食堂があると聞いたのでGo now!
エビフライ定食を注文。エビがデカい。ボリュームがあり、最高。ただ、ふうたろう以外に客がいない…。平日はもっといるのかなあ。さっきの東湯の番台のおばちゃんも言ってたけど、「いつまで続くか解らないけど」と。2桁あった銭湯(大野市で)も今や5軒ほどになってしまったというし。ふうたろうは銭湯や食堂の方が好きなんだけどなあ…。
東湯のおばちゃんととみたやの夫婦に駅への道を聞いたので、これまた夜道にもかかわらずまったく迷うことなく行けました。下界に下りてきてから、できすぎじゃね?
駅からはバスで福井駅まで。電車だと650円、バスだと990円。バスの方が本数は多い(30分に1本程度)。終バスは20時。
福井駅到着21時。夜行バス発車21時50分。やっぱり、大都会福井駅周辺よりも大野市の静かなマッタリ感がたまらないですな。
山はヤヴ道ばかりで大変でしたが、色んな人に助けられた気持ちを持って帰れたので、良しとしますか。それでも、アリだのアブだのに噛まれまくって全身ひどいことになりそうだけども(かゆみには潜伏期があるので)。
#263越前経ヶ岳クリア。
天気:晴れのち時々くもり(福井県大野市・勝山市・福井市)