やいばの道(越前経ヶ岳【六呂師スキー場~保月山コース】:福井県)
夜行バスが福井駅到着。冠山に登りに来た5月12日の朝はハイパーどんよりモードだったけど、今日はギラギラと太陽が照りつけていきなりクソ暑いご挨拶です。今日も消費電力が上がりそう(何
福井県といえば、大飯原発ですな。福井県民全体としては、原発に対してどういう思いでいるのかな。大飯原発のある自治体には金が落ちるが、その他には落ちない。それだけでも「福井県民」というまとめは良くないのだろうけど、県知事の発言からしても、原発は推進側に向いているのかな。あの福島の事故で、福島や茨城、栃木、宮城、岩手…そのあたりがどうなったかを少しでも想像してもらえたら、と思う。この水田に植わっている米は、「風評」では済まないくらい、売れなくなるのは確か。
とはいえ、頭ごなしに一般の人々に反原発を説いても何も変わらない、イヤむしろ意固地になるだろうなあ、なんて思いながら、この風景のことを案じながら、電車で越前大野に向かっています。
越前大野到着。…駅前には店とかはない。朝飯をどこかで手に入れないとダメですが、食料がない。まずい。
とりあえず、9時30分の乗合タクシー(デマンドバス)の予約を、このバス停の真ん前にある「大野タクシー」の窓を叩いて、しておきます。予約しないと乗合タクシーは走りません!
→大野市ホームページ 市内の公共交通
経ヶ岳の登山口に行くには、「森目・阪谷線」を使います。
駅の売店のおばちゃんに何か食べ物を買えるところがないかと尋ねたら、かくかくしかじかで、おばちゃんの自転車をお借りできました。
では、教えてもらった24時間スーパーに行きますか…。本来なら、ちゃんと食べ物を準備して持ってくるべきですな。
ところが、教えてもらったスーパーが発見できず、ローソンがたまたまあったので、そこでカップ焼きそば(焼いていないけど)を食べます。こんなものを朝から食べていると、バテるぞ。
1時間ほどで戻ったら、どうやらふうたろうが道を間違えたらしいことをおばちゃんに言われます。確かに、道がまっすぐに繋がっていなくて、Yの字になっていたので、まっすぐの方向を間違えたのですな。ま、結果オーライ。それより、自転車ありがとう。
で、駅前に地下水のくみ上げたのがあって、これを飲むことができます。衛生的には、こういうため方しない方が良くないか?
9時過ぎ、乗合タクシーが早めに待機していて、ふうたろう出発。六呂師高原スキー場まで30分ほど。ふうたろうひとりだったので500円でした。それでも、安いわな。
なんか、園児たちが先生に引率されながらウロウロしていましたが、これから登るのかな?園児に聞いてみたけど、よく解らなかった(^_^;
さて、登山口はどこだろう。
ここ、鉄条網が開いていますね。ここから登るに違いない。
しょうがないので鉄条網を跨いで向こう側へ出ますと、何やら本気度の高い草原が!
まさか、登山口からいきなりウルトラデラックスハイパーヤヴこぎゾーン突入かっ!?
ああ、根曲がり廊下…(が可愛く見える
ススキの刃に切り刻まれています(滅滅滅
やいばの廊下を抜けたら本気で満身創痍。暑さ、ヤヴの破片、切り傷、そして本来の疲労が襲います。距離が短いのでまだましですが、凶悪密度でいえば、石狩岳の根曲がり廊下なんて足元にも及ばない…(写真撮れないくらいだから)
大野市の観光マップみたいなのを見てみると、登山道は六呂師高原スキー場からではなくその2本ほど上の林道からっぽい。あの乗合タクシーのことはまるで存在しないかのように。
さて、25000分の1の地図には、この頼りない一本目の林道の、斜面向いて左側に道が続いているようですので、荷物を置いて(←信じてない)偵察しに行きます。
やっぱりデタラメスペシャルでした。地形図には地形は描かれていても、ヤヴかどうかまでは描かれていませんから。
実は、ふうたろうがうなだれて15分くらい仮死状態になっていたところに、「CP3」と書かれた立て札があります。何の札か解りませんが、左右に分かれていて、先に進めそう。右の方がしっかりしていそうなので向かってみます。
しかし、ふうたろうの体力(主に精神力)は底をついています。猛烈な暑さと疲労に虫の息。
この道、どういうことか、どこに行くとか書いていない割には「マツ」とか「アケビ」とか書かれた札が立っています。オリエンテーリングでもやるのかな?
2本目の林道に当たると、ようやく「経ヶ岳」の文字を見ることができます。相変わらず、ふうたろうは「登山口」を探すまでに「時間」単位で推移しなければなりません。こんな予定ではなかったんですがね…。
ところで、この林道出合に立て札がありますが、ふうたろうが登ってきた土道はやっぱり存在を否定されています。
やっと登山道に突入したふうたろう。今まで登山ですらなかったことはもはや考えまい。あの彼方の地であるニセイカウシュッペ山や石狩岳よりも辛いこともとりあえず忘れていよう。黙して進め、黙して進め…
この辺り、雪が積もるとすごいのでしょうね。木が完全に横倒しになっています。この上に何メートルも雪が積もるのです。
猛暑とヤヴこぎの疲労であっという間に体力が奪われてしまいます。それに、あの朝のカップ焼きそばはやっぱり良くないかも。カロリーだけでは動けません。昨日の夜もそういやロクなもの食ってない。ってか、この一週間ろくなもの食ってない(滅滅滅
アダムとイヴ?
…構ってられぬ。スルーじゃ、スルー(写真撮ってるけど
暑さと疲労に耐えながらモクモクと登っていくと、意外とアッサリ保月山到達。ここまで来ると、何となく進んだ気にもなります。が、今何時か知ってる?13時過ぎてますよ?
保月山からの展望はかなり悪い。ま、この鬱空だとどうでもいいですがね…。むしろ、太陽を遮ってくれと願うふうたろう。
保月山過ぎて直ぐ、真ん前に二つ山が見えます。経ヶ岳かと思いきや、それは罠。でも、そんなにキッツい上りじゃないから(普通は)。
この越前経ヶ岳、ふうたろうもデイパックで登っていれば、そんなに厳しいコースではないだろうし、この階段だってすたすた…行けているはず。前提があまりにも違いすぎますから。軽量化を図っていない、とかいうレベルではありませんから。そもそもテント担いで登る山ではありませんから。修行系の装備ですから…
ピークに到達です。この笹原のピーク(一つ目)から、やっと経ヶ岳が見えます。
ああ、あれに登るのか…。
空には積雲がもんもんと湧いています。しかし、こいつがなかったら、ふうたろうは登山道の傍らで干物になっているに違いありません。
晴れた青空の下の笹原はそれは感動的なくらい美しいものですが、今ここでメガフレアの熱線食らわされたら\(^0^)/オワタですから
太陽光を遮ってくれる天然の日傘、積雲。こいつのおかげで、今、辛うじてふうたろうは歩けています。こんなに雲がありがたいって、思ったことないべ?
本来なら笹原の美しいところ。ここは、真夏の顔した晩夏なんぞに来るところではない(滅
二つめのピーク。さっきのピークみたいにサッパリしていない気がする。展望もビミョー。
でも、そのピークからの下りで、真正面に経ヶ岳を望めます。登山道を下ってくる人がよく見えます。
鞍部は樹林帯。そこは谷から上がってくるコースと合流している地点でもあります。
なお、後で知ったことですが、谷から上がってきた火口部(火山らしい、これでも)には水場があるようです。鞍部からそんなに離れてはいないとか…?
樹林帯に入って直ぐ、再び上り勾配になり、笹に突入。下山者と何人もこれまですれ違いましたが、みんな概ね軽やかです。もちろん、汗だくの人もいましたけど、ふうたろうみたいなおかしい人はいません(きっぱり
これが火口。広大です。秋に来たら、今の苦痛に絶対値を付けてマイナスを付けるくらい劇的に変わるでしょう(マイナスは余計か)。
あの笹原の山。誰かが「中岳」とかいっていたような気もするけど。
アブに安寧を脅かされながら、いつの間にか山頂到達。もはや虫の息どころではありませんがな。
とりあえず、今日はもう無理。15時回っているので、この先テントを張れる場所がなかったら\(^0^)/オワタですから。
積乱雲ではなさそうなので、ギガデインやられるということもなさそう。
夜飯は生フェットチーネでペペロンチーノとクリームソース。なんか、あのクソ暑さと重さと、ついでにヤヴと虫にあえいでいる割に、何やってんだろうなと思う今日この頃。
一旦ウトウトしかかった後、今度は夕日になりました。また写真撮りに行きましょう。
こればっかりは、テントを山の上で張った者勝ちかもしれませんな。
下界から見る夕焼けと、山の上から見るそれとでは格が違いますから。
やっぱり、どんなに辛いとか死ぬとかいっても、山は山。腐っても鯛という表現は経ヶ岳に失礼ですが、下界には決してないものがありますな。それは、「登る」という根本的で山に不可避なものに依るものだと思います。
山に登れば、その上に遮るものはない。下界には建物があり、あるいは山があります。
昼間の猛烈な暑さが嘘のように、今は風も吹いていてかなり涼しい、いや、寒いくらいです。
8月最後の土曜日。猛烈な暑さに死にそうだけど、やっぱり暦を見る限りは夏も終わりですね。
遠き雲の山に日が落ちます。そして、程なくして、ふうたろうも落ちます。今日はアホほど疲れましたから(先週も宣っていた気がしますが)
赤兎山避難小屋まで行こうなんてトンでもない話でした。経ヶ岳がまさか精一杯だとは、それでもさすがに予想しませんでしたが。あのやいばの道には本当にやられましたなあ…(流血
天気:晴れのち時々くもり(福井県大野市・勝山市)
ギガデインって表現いいですね!
以前鹿島槍で雷撮影してましたよね。なかなか撮りたくても難しいですよね。
実際落ちたらひとたまりもありませんし。
常にテント持つのがふうたろさんのお決まりですね。100Lをいつかみたいな(笑)
100L、たぶん北アルプス行くなら持って行くよ。9月下旬だもんね。その代わり、スピードが遅くなる。徳本峠上がるまで、どのくらいかかるかなあ…。コースタイムどおりにはだいたい行けないのさー。
雷はシャッター開きっぱなしにして、かつ夜じゃないと、十分な装備のない撮影道具では無理だろうねえ…。あの鹿島槍が最初で最後だった気がする。まともに雷撮れたの。