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緑のチカラ(滅)(烏帽子岳【船窪岳縦走コース】:長野県)

2012年 9月 16日

 さ、起きましょう。時刻4時前。そして、パセリと葉ショウガを刻んで、ナンプラーやグリーンカレーペースト、ココナッツミルクパウダーでグリーンカレー炒飯。食欲も回復します。出来れば、こぶみかん(ライム)の葉っぱも持ってきたかったけど、冷凍焼けみたいなのを起こしていたので使えませんでした(持ってくる前に捨てた)。
 しかし、ちょっとグリーンカレーペースト入れすぎて辛いぞ。


 隣のOくんも、ふうたろうがもそもそし始めると起きました。周囲の人々もそう。芋づる式に起きていきます。
 Oくんは昨日、針ノ木小屋からやってきて、早めにこのテン場に着いていたようです。水も汲んでいたようです。しかし、水を使い切らず捨てるところだったので、ふうたろう、いただきました。北アルプス天然水尾瀬カクテル完成(黒藁


 出発。Oくんと一緒にこれから先、進むことになりました。ふうたろうもそんなにスピードは出せない。そして、この船窪テン場より烏帽子岳まで、思っていたよりもかなり険しい様子。烏帽子岳に何時に着けるか。


 遠くに立山が見えます。今朝は天気がいい。昨日の朝もこうだったんでしょうか?


 真正面に見えるのは船窪岳。船窪岳の第一ピークまで、鞍部の船窪乗越から100m、さらに第二ピークまで250mほどの急坂があります。地図で確認済みです(滅


 あれは不動岳。不動岳までもかなり遠い。見えているのに、遠い。展望って、ある意味悪魔ですね。


 不動岳に朝日が差し始めました。


 みるみるうちに日の色が変わっていきます。


 立山方面を見られる場所は意外と少ないというか、ないに等しいんだけど、あちらも朝日が当たっています。


 そして、船窪乗越。ここから針ノ木沢に下りて、渡し船で黒部湖に抜けることも可能です。


 Oくん、疲れているようです。月1回くらいしか登れないらしく、しかも、今回は5日(いや、7日だったかな)くらいかけての縦走だそうですから…。槍ヶ岳~上高地まで行くんだっけ。


 100mほど登った船窪岳第一ピーク。目立たないピークだけど。槍ヶ岳がよく見えています。その他の山は、実は東鎌尾根を通ったことがないので知らない。大天井岳はガスってたし(滅滅滅


 あのダムは高瀬ダム。
 ん?昨日見えていたのは、あれは七倉ダム、か。そうだな、方向が違う。


 第一ピークを過ぎて程なく、この細い尾根を通ります。怖くはないけど、ロープがぷらぷらしていて、逆に邪魔だったり…


 天気も展望もいいんだけど、この辺りは山の陰であまり写真写り良くない…


 振り返れば針木岳。あちらはまた、展望最高でしょうな。


 さて、第二ピークまでの心臓破りの坂が始まりますよ。


 濃い青空と筋状の雲。この筋状の雲は天気の崩れを告げるのでしょうか。停滞前線がなかなか日本列島まで下りてこないので、この筋状の雲のまま天気が推移すると思いたい。


 とても展望がいい。急坂も捨てたものではないですね。解っていることなんだけどさ。


 緑がきれい。まだまだ盛夏の北アルプス。しかし、普通なら紅葉始まってもいいはず。今年の暑さはおかしい。


 樹林の背丈が低くなってきたので、そろそろ山頂(第二ピーク)?


 青空と緑。
 季節を追いかけながら、ずっと冬から登ってきたふうたろうには、この緑の、萌えて盛って褪せてくる流れが何とも言えない感慨深いものに感じられます。


 蓮華岳が少し見えています。昨日もこれくらい天気が良ければねえ…。


 Oくんに先に行ってもらっています。彼はほとんど無言です。いや、おいらがうるさすぎか(黒藁


 ふうたろう、しんどくても(まだそれでも朝だから大丈夫)写真を撮らなければ来ている意味もない。ふうたろうの生きている痕跡なんだから、この写真と日記は。


 左が蓮華岳、右が北葛岳。「北葛岳」はやっぱり読み方が…


 …こう見ると、レンズのゴミ、すごい量だね(棒読み


 空を刷毛でなぞったような雲。美しいですな。


 今度こそ、そろそろ山頂?


 疲れましたが、山頂です。いや、Oくん、よくがんばった。


 しかし、第二ピークはほとんど展望無し。しょうがないので、少し第一ピークの方に戻って(1~2mくらいだけど)撮影。


 北側、西側は樹林に囲まれています。


 ちょっと休んだら、行きましょう。まだ先は長い。野口五郎までは行かないと、明日以降差し支える?
 ふうたろうは明日中に新穂高温泉まで行こうと考えています。


 む!またもやガスが!!まだ8時だぞ…。


 ヌオッ(゚Д゚;)
 …ハラが痛い(滅滅滅
 しかも、腹を壊した、とかじゃなくて、どう考えても今朝のグリーンカレーペーストドヴァッが効いている(死


 アヴラ汗をかきながら不動岳撮影。向こうの尾根をOくんが先行している。


 西側の展望が現れ始めるも、ハラが痛くて集中できない(滅滅滅


 ふうたろうはどくにおかされた(画面緑


 ああすごい谷だなあ(アヴラ汗


 景色は最高(やっぱりアヴラ汗


 限界が来て、3回くらいホット・ビッグベンしました。しかも、こんな時に限ってトイレットペーパーがピンチという罠。ふんだんに使わせてくれよ、こんな時くらい(涙目
 もちろん、紙だけは持って帰ります。


 3回の試練を経てやっと小康状態。どくけしそうなんて持ってないので、このまま腹痛が継続されると死ですから。


 Oくんは小さなピークで待っていました。それとも、疲れたのか…。ふうたろう、おそらく20~30分で抜けられる場所を1時間くらいかけて進んだので、だいぶロスが出ましたよ。恐るべし、緑のチカラ


 ガスが昨日のように、瞬く間に広がってきました。今回はとことん間が悪いですね…。


 さっきまでの展望はもう無い。


 ガスの端(は)から山の端が見えます。


 今日もやっぱり西側の方が天気がいい。


 しかし何と言っても、ハイマツの稜線は美しい。ええ、もちろん、見ている分にはですが。


 途中、岩壁が立ちはだかります。Oくん、ストックで上がろうとしていますが、そりゃムリだわ。受け取ってザックのサイドに挿してやりました。


 そして、やっと不動岳の肩です。長かったですな、ここまで…。ええ、特にあのグリーンの鞍部とか(滅滅滅


 あーあ、完全にガスに覆われてるでやんの(じと目


 いちおう不動岳山頂。でも、本当の山頂ではなく、やや西斜面にあります。
 ところで、足をくじいたような女性と2人の男性3人組が、これから船窪方面に向かっていきました。行けるんかいな、あの道…。


 ふうたろう、何気にも食らってしまっていたので、山頂のハイマツの陰で治してから出発。
 ああ今回の山行はシビアだなあ(棒読み


 25000分の1地形図が若干でたスペ(でたらめスペシャル)で、コースと違います。ま、とりあえず、進めれば問題なし。迷いませんから、こんなとこで。


 進みましょう、森の中も(`・ω・´)


 歩きましょう、ガスの中も(`・ω・´*)


 あの山を目指して
 (キリッ(`・ω・´*)

 …あれ立山だよ。方向違うから。


 南沢乗越から南沢岳まで、また坂がきつい。ふうたろうもスピードをセーブしながら登ります。でないと、簡単にバテますから。


 落ち着いて、我慢して登ろう。佐武流山(新潟県)に登るときに出会った爺ちゃんもそういってた。


 南沢岳手前のニセピーク。休もうと思ったら、デカいウンコが。高山植物の果実の種がたくさん含まれています。おそらく、ウラシマツツジか何かの種だと。


 ふうたろう、ちょっとOくんと距離を置いて進みます。彼もおいらの背中ばかり追いかけてもしんどかろう。で、先に南沢岳到着。じっくり登れば、そんなにめちゃくちゃバテることもない。


 しかし、ガスりまくりボンバーだなあ(滅滅滅
 と、程なくしてOくん到着。お疲れさん。よくがんばった!(誰
 ん?(・ε・*)


 ヌオッ(゚Д゚;)
 彼の登頂と同時に一気に周囲が晴れました。
 おい、Oくん…しかし彼はバテていた(苦笑
 彼は、息を切らしながら写真を必死で撮り、このアルプスの風景をバックにシャッターを押してくれといいます。ま、言葉になってなかった気もするけど(藁


 すごい展望で、赤牛岳、水晶岳、薬師岳からスゴの頭、立山方面までガッツリ見えます。南沢岳、隠れスポットですな。蓮華岳よりインパクトはある。


 Oくんの息切れが治まったら(治まるまで何分かかったっけ)、出発です。ふうたろうは、すんません、既に左うちわです(笑
 ところで、この稜線、クマがいます。さっきのピークにあったデカいウンコはクマのウンコでしょう。そして今、クマがのそのそと歩いていく姿を50mくらい離れたところから目撃しました。


 それにしても、南沢岳の景色はすばらしい。晴れた雪山とかでテント張りたいくらいです。ま、ここに来るまでが大変だろうけど。


 あの岩のところまでは、どうやら行けないようです。


 越中沢岳、スゴの頭、2年前のシルバーウィークに、歩きましたな…。お懐かしゅうございます。


 ガスの向こうは果てしなく澄んだ空です。鬱空ではありません。テンション上がりまくりです。


 ハイマツも空も色が濃い(目がハート


 どこ向いてもハズレなし(目がハート


 烏帽子岳に向かって闊歩。


 真正面、赤牛岳。その右が薬師岳。


 烏帽子田圃はガスっています。ま、窪地になっていますからね…。


 ガスった池も悪くあるまい。


 さっきの澄んだ空があって、この無限に白い世界もあって、それぞれがあるからそれぞれがいいのです。


 ちょっとガスっている時間がまた長くなったけど、でも、いい。さっきのをあれだけ見られれば、かなり満足。


 少雨渇水でかなり池塘も貧弱になっていますが、水面はそれでも鏡のように。


 烏帽子岳の分岐はどこにあるんだろう。まさか、通過してしまってないだろうな…。


 あ、ありました。ここから分岐するようです。先客がザックをほっぽらかして行っているようです。ふうたろうもほっぽらかして行こう。


 あ"!財布までほっぽらかして来てしまった(滅滅滅


 烏帽子岳はどうやら岩山のようです。ガスっているのでよく解らないですが、錐体のピークらしい。ピークに立つには鎖場みたいなところを通らねばなりません。


 山頂はこの通り。岩の上に立つのは難しい。っていうか、キケンです。平らな、中央アルプスの宝剣岳のようにはいきません。


 展望の方は…ちょっとガスが多い。


 でも、晴れそう。晴れたら大展望です。


 山頂標があるところじゃない、向こうの岩の上なら、立つことが出来ます。


 あの夫婦、めちゃくちゃ楽しそうですな。いいッスね。


 これが烏帽子岳の山頂。岩の上には、立たない方がいい。ふうたろうも、右の岩の上に乗っかるのが精一杯でした。


 ガスの向こう、餓鬼岳やらの稜線が見えます。


 14時前後の今、日が高いのにブロッケンが見えます。ブロッケンは、ガス(霧)の中に自分の影を落とすことで見える現象です。条件を満たせば、時刻は関係ありません。ひょっとしたら、月明かりでも見えるのでしょうか?


 …ガスが消えて、これからの行程を改めて考えると、ちょっと寒気がします。あそこに見えている山は三ッ岳。あれを越えてさらに向こうの野口五郎岳まで、行くのか?


 …
 なんか、ここでこうやって冷たい風に当たりながらマッタリしていると、慌てなくてもいいと言われているような気がします。
 新穂高までの縦走は、もう諦めよう。今日は烏帽子小屋で決まりです。


 Oくんがようやく追いついてきたのはいつ頃だったかな。彼はふうたろうの代わりに分岐を通過してくれたようです。遅れたのは当然ですわな…


 烏帽子岳の岩の上はガスが切れることもあったけど、その下ではずっとガスっています。


 烏帽子岳の、その名前どおりの形を拝むことは出来ません。ま、それも人生(何


 ところで、一人のおっちゃんが登山道よりも奥に入り込んでブルーベリーを採っていました。袋にいっぱい詰め込んで。やめてくれと言いたかったけど、ここで言ってもしょうがないと思って、ため息一つ、去ることに。
 …その後、別の二人も袋に採っているところを目撃。まあ、こちらは登山道から外れて、というわけではなさそうだったので、いいか…(弱気
 でも、道ばたで何個か食うくらいならいいでしょ。1kgも2kgも採らなけりゃ。


 ふうたろう、烏帽子小屋に向かいます。


 前を行くのはなんと烏帽子小屋のスタッフ。


 そして、烏帽子小屋到着。ふうたろう、この縦走路を甘く見すぎていましたな。疲れました。


 小屋に着いたら、小屋泊まりを決定。明日は野口五郎岳をピックアップして終わりにしましょうや(もちろん下山しなければなりませんが)。
 ふうたろう、牛乳なんか買って、既にマッタリモード。


 ちぎれ雲がウロウロする空を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごします。
 ああ、これが常識的な山の登り方なんだなあ(棒読み


 …ちょっと雲が厚くなった?一雨来るかなあ…


 小屋には談話室というのがあって、そこで小屋に泊まっている人とだべり始めます。
 不思議ですな。いつも必ず政治の話になります。ついでに身分まで明かすハメになります(藁
 でも、違う思想の人の話を聞くことは、ちゃんとお互いが弁えられるならば、とても有意義です。わが方の活動をやるところには、なかなかそういう場面がない。一致する人の話だけを取り上げても、社会は変わらんでしょうなあ…。


 小屋のスタッフから夜飯の号令がでました。割り箸が置いてあったので、ふうたろうは自分の箸を使います。山で必要以上のゴミを出すのは御法度。それを下ろす人の負担、費用、エネルギーがあるのですから。さっきの牛乳パックも、当然持ち帰りです。…一応、小屋で回収してはくれますけどね。


 ありゃ?さっきは一雨来るかと思うほどの空だったのに、雲が無くなったね。薬師岳方面はよく晴れています。薬師小屋に泊まっている人は最高の展望を味わっているでしょうなあ。


 前烏帽子岳のふたコブピークも見えています。


 でも、程なくして雲が周囲を覆い、ガスってしまいます。宴は終わりました。


 ところで、ふうたろうの寝床がダブルブッキングしていました。小屋のスタッフなのか、その指示に従ったおっちゃんの勘違いなのか知らないけど、寝床が無くなっていたのには笑いました。そんなふうたろうは、客がひとりもいない女性部屋の個室に案内され、ぼっち寝。
 なんだいつもの避難小屋生活と変わらないなあ(早棒読み
 …明日は早めに出て、野口五郎岳の朝を楽しもう。


天気:晴れのち時々くもり(長野県大町市・富山県上新川郡大山町)

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