緑の防護壁(滅)(ペテガリ岳【東尾根コース】:北海道十勝支庁)
今日は確実に下山しないと明日の朝の出勤に間に合わない。しかもそれだけではなく、今週末の山行は片づけと準備その他の都合上絶望的になる(←こら
ひとまず、メシを食ったら荷物を片づけて速攻で出発です。
朝のトワイライト。いくら、秋の日はつるべ落とし、といっても、行動時間も寝る時間も、すべての時間が足りない今、夜さえも惜しいほど。一日36時間くらいあればいいのに。
朝のトワイライトがきれい。
…じゃなくて、ふうたろうが歩いているところは猛烈なブッシュの、ウルトラデラックスハイパーヤヴこぎゾーンです。この低木が道を塞ぎまくっているのでかなりつらい!
彫りの深い山並みが連なっているのが日高山脈。昨日ペテガリ岳の山頂で話していた5人組の中の一番若い北大の女の子曰く、この辺の沢(歴舟川水系?)で学生が亡くなったそうです。
それはともかく、夜が明け、ふうたろうもスピードを上げていきたいところ。
しかし、ものすごいブッシュ。とにかく枝が道を塞ぎまくっているので、鉈がないと進めません。いったい何本の枝を落としたか。右手がすでに疲れてきています。
ブッシュに朝日が当たってきれい
…じゃなくて、とにかくこのブッシュ帯を切り抜けなければ、明日になっても下山できませんよ。
ブッシュのヤヴこぎゾーンなので、あの越前経ヶ岳(福井県)の縦走路同様、道は不明瞭になったり消えたり。たまに獣道に誘われてひどい目に遭うこともあったりさえします。
歩いてきたように見えるけど、普通の登山道であれば30分ほどで抜けられるところを2時間以上かかっています。
誰かが残していった目印が朽ち残っていることがあります。しかし、そんなのはまれ。それに残っていたとしてもヤヴが消えるわけでもなし。
東に向かっていた尾根線が北方向に90度曲がると、道の雰囲気がガラッと変わりました。どう変わったのかはすぐに判ります。
…確かに歩きやすくなったようです。あるのは笹だけ。あそこに見えるポンヤオロマップ岳までこんな道が続くのだとしたら、この先は安泰ですな!
ただし、踏み跡が大量にあります。今までのデラックスブッシュに揉みくちゃにされてきた身であれば、ここは片側8車線の舗装路ですから、縦横無尽に歩きたくなりますわな。
ダケカンバの木は黄葉しないまま枯れています。ったく、紅葉を期待してわざわざ北海道まで来たってのになあ(じと目
こんなんが辺り一面に広がっているのを想像していましたよ。そして、稜線付近にはうっすら雪なんか積もっちゃったりしてさ。でも、降ったのは夏のにわか雨のような感じでしたわな(滅滅滅
笹藪に隠れて道が不明瞭になっているところがありましたが、無理矢理尾根づたいに突き進めば道は開かれます。
この池、地図にはもちろん表記ありませんが、しっかりたまっていそうです。そして、うっすら氷が張っていました。
ああ夏と冬って言葉が違うだけなんだなあ(違
山頂付近の紅葉は腐っていましたが、この辺りはまだマシですね。
さっきのブッシュはもうごめんですが、この辺りでならマッタリしたい…。
しかし、稜線上の登山道が再び東に向きを変えると、ブッシュがモサモサしてきます。
笹ヤヴが組み合わさってきますが、それでもさっきまでのあの猛ブッシュを切り裂きながら進んできた道より全然マシ。
あー、道、見えないですねえ…。でも、突き進むことでこの辺りの道は開かれることになっています。がんばれ、下山と今週末の登山のために(何
ただひとり、日差しだけが弱まって秋が深まったように見える秋のような森を歩いています。何となくもの悲しいような気がする。
ポンヤオロマップ岳までこんなんが続くんでしょうか。さっきの1518mピークまでのアトミック級のヤヴに比べれば全然大したことはないけども…。
少しでも紅葉をきれいに見せようという無駄な抵抗を続けているふうたろう。早く、今は寒い夏だと認めなさい(肩たたき
樹林帯がなくなればなくなったでつまらない風景なんだろうけど、登山道にまで樹林が迫ってくると、やっぱりうっとうしい。
ああ遙かなる景色を望みたいなあ(ボー読み
ポンヤオロマップ岳の前に長い尾根の上りがあります。でも、上り坂だけなら今や苦労のうちにさえ入らない(ぺっ
ポンヤオロマップ岳西側の鞍部にテントを張ってくださいといわんばかりの場所があります。1~2張り、何とかイケるかな?
…夏みたいだとはいえ、日差しの違いも相まってやっぱり夏そのものではない…。
袖はまくらないと歩けないけどね、クソ暑くて(滅滅滅
ポンヤオロマップ岳到着。9時33分。今朝のテン場(と勝手に決めつけたところ)から3時間57分。そのうち半分以上は最初の1kmほどのヤヴで費やしましたけどね。
喉の渇きがかなりキツい今日この頃。ポンヤオロマップ岳に着いたらこれを飲むのだと決めて、そのためだけにがんばってきました(ぇ
中央左上の方に、梢にペテガリ岳が見えます。ざっと7~8km。
タクシー会社に予約の電話を入れたら出発です。ここからは見覚えのある道が続くはず…。
ヌオッ(゚Д゚;)
…ま、こんな程度の倒木でおののいていては駄目ですね。
ポンヤオロマップ岳直下の急坂というか、崖のような道はなかなか。
どうやらあの木が二本立っている辺りまで来て引き返したようです。雪はなくなっても面影、ありますね。
無雪期の状態でこれほど急峻だと、ちょっと登るのはしんどいですねえ…
さて、ここからは一度来た道。そんなにおげれつな道はなかったはず。もちろん雪の上で、だけど。
この木を見ると、途中の枝まで下に向いています。尾瀬の景鶴山(群馬県)に行ったとき、富士見小屋の小屋番のおっちゃんが、そこまで雪が積もっているんだと教えてくれましたね。
¨:∴(☆ε☆;)ブッ
道を外れて笹に足を取られ、バランスを崩してずっこけました。
さて、1121mの長いピークへの上りです。これがおそらく数多のアップダウンの中でもほぼ最後。
ここが長いアップダウンのほぼ最終地点。これからは一時的軽い上りを除けばほぼ下りのはず。
でも、基本的に尾根づたいなので迷うことはないでしょう。踏み跡もそこそこしっかり見えるし。
この倒木は何となく覚えがあるような。あのときは雪のヅボッに阻まれてまったく進めませんでしたなあ…。
下りの尾根のほぼ突き当たりまで来たら、ペテガリ橋まで急な下り道を行きます。そして…
下山!1121ピークのところから1時間半ほどで下山できました。やればできるもんですね。
看板が朽ちています。よほど使われていないんでしょうね、ここ。
ここが一面の雪だったときここで寝ていたんですよねああ懐かしいなあ(早読み
タクシーを呼んでいたのは15時半。今、13時15分頃。2時間もここにじっとしているのはアホなので進みましょう。
ポンヤオロヌップ川が清らかに流れています。エキノコック水かも知れないけど。
…これはやっぱりタクシー無理でしょ。道が水没…というか、ぬかるんでいてタイヤがハマったら最悪(滅
緩やかに流れる深みのあるポンヤオロヌップ川に雲が映っています。
ヌオッ(゚Д゚;)
これは絶対タクシー無理でしょ!崖崩れしてるじゃん!!
これはふうたろうが3月の時の最終日に寝泊まりした辺天橋。
…いや懐かしい(棒読み
辺天橋より先の地図、「拓進」の図葉を持ってくるの忘れまして(滅)、ここからは先の見えない道を延々と歩かねばなりません。
ヌオッ(゚Д゚;)
倒木…これじゃタクシーは無理ですがな!!
崖崩れで完全に通行止め。ペテガリ橋のところで待っていたら\(^O^)/オワタでしたな。
右読み通行止めのロープを潜って出口に向かいます。
ああ林道のくぼみに澱んでいる水たまりの水面が穏やかだなあ(ヴォー読み
…程なくしてタクシーとすれ違いました。そこから30km弱のナウマン温泉まで連れて行ってもらうことに。6600円前後でしたか…。
結局、大樹柏木町まで歩く予定で、かつ広尾~様似回りで帰る予定だったけどもまったく叶いませんでしたね。
どっと疲れた状態で荷物を送るために近くのセイコーマートに寄ったら、郵送を拒否られました(滅滅滅 ま、それ以上は何も言うまい(ため息
帯広に着いたらナガサキヤ(デパート?)の中にあった「インデアン」というなまった感じの名前のカレー屋さんでメシを食い、土産にキリンガラナ3リットル相当を買って、拒否られた荷物を全部担いで南千歳に向かいます。
さすがに温泉に入ったあとは瀕死でした。かなり急ぎましたし、それでも距離は長かったし、何よりヤヴがアホほど険しいし。ついでに紅葉はでたらめなくらいひどかったし(涙目
ペテガリ岳なんて、クルマを持っていないふうたろうには来るのが大変なのです。誰かを唆して来るしか、もう…
#173ペテガリ岳クリア。
天気:快晴(北海道十勝支庁広尾郡大樹町・忠類村・帯広市)
ペテガリ岳山頂でお会いしたお母さんです。
無事に東京に戻られてなによりです。
記録も楽しく読ませていただきました。
大変でしたね。お疲れ様。
がんばれ、300名山!
おつかれさまでした。
今年は本当に紅葉がビミョウ!!笑 どんまいです。。。
今回の山行もじっくり見せてもらいました。
無事でなによりです。
山の前、大自然の前では、人間はみんなドMになるんだな〜って思いました。笑
自然に習い、自然に学び、自然に与えてもらうしかないわけだから、
当然か!笑
休息とって、体壊さないように気をつけてください。
>お母さま
(笑)
その節はお世話になりました。あのあと、日記にも書いたとおりですが、とてつもないヤブとの戦いでした。まさに、「途轍もない」という…(汗
無事、東京には戻りましたが、そのあと仕事が(そこそこ)忙しい上に1日平日が短いので、日記を書くのも必死、何とか仕上げたその次の日には次なる山に向かっていました。山も大変でしたが、そのあともまた…(脂汗
あのときの他の皆様にもよろしくお伝えください。
300の思い出を作るべく、300名山撃破に励みます。ありがとうございました。
>ヒロくん
今年の”北海道の”紅葉は「ビミョウ」というよりも「悲惨そのもの」だったよ(滅滅滅
まさか、あの日高山脈でああなるなんて、お盆に大雪山をうろついているときには想像だにしなかったよ…。
マジレスすると、自然の前、山の前でどMになれるのは、そんなに多くはないよ…。もしそうであれば、無計画なリゾート開発、軍事基地、原発事故、あんなものはできないし起こらない。そこにあったのは大きな山だったり、広大な原野だったり、美しい浜辺だったりしただろうに…。ね?
休息取るまもなく、北アルプスの山をサクッと登ってきたよ。ペテガリ岳があまりにもひどかったので、その北アルプスの山、余裕綽々、濡れ手に粟状態で登れてしまったよ…たぶん気分的な問題で(アヴラ汗