河原の死体(滅)(白木峰【21世紀の森~小白木峰縦走コース】:富山県)
上野発の夜行バス下りたときから
富山駅は鬱空の下
(略)
…晴れてはいるもののもやがかかって鬱空度バクハツです(滅
駅ナカでは立ち食いそば屋(一応座れるところもあるけど)くらいしかなく、あまり美味くないなあと思いながら我慢して食べたら胸がムカムカしました(滅
7時発の越中八尾(やつお)いきの電車が出るというのに10分前になってビッグベンをもよおしてしまい、危うく乗り遅れるところでした。いやはや、いつもながら、出発から先が思いやられるという罠。
越中八尾駅まで電車で30分ほど。のほほんとした風景の中を突っ走っていきますが、日差しだけはまぶしい。鬱空だけど。そして、越中八尾駅に着いてからもさっきの胸のむかつきが何となく残ったまんまで…
到着7時半でも、バスの初発は8時25分。驚いたことに日本300名山の白木峰に行くのに、月~土しか使えないとはいえ、公共交通機関が、こともあろうに登山口まで存在するというあり得ないVIP待遇です。ああどこかの北国のカタカナ(←根に持っている
その辺をウロウロして暇つぶし。本なんか重くなるから持ってこなかったし。
線路の柵に名も知らぬ蔓植物が巻き付いて、実をつけている。
周りのを見るとかつてはここに生きていたと思われるものの、もはや誰だったのか判らないほど朽ち果て、木組織のかろうじて残る結合力だけで柵に張り付いている。
「よく枯れずにここまで育ってくれたな」
そんな声を、この一本の蔓にかけたくなる。
相手が自然でも人工でも生きるために手段を選ばないものたちの健気さは並大抵ではない。
しかし、人間の知恵は、その最後の健気ささえも断ち切る。
誰の顔とも判らなくなってしまったものたちの中には木通(あけび)があり、実もつけていた。駅の売店のおばちゃんが昔を思いだしそう言う。
ある日彼らに一振りの除草剤―それはとりもなおさず植物毒―が振りかけられた。彼らの健気さの終焉である。
「よく枯れずにここまで育ってくれたな」
その声をもう彼らにかけてやることはできない。
その声をもう彼らに届けてやることはできない。
朽ち果てた彼らは二度とものを言わない。
朽ち果てた彼らは二度とものを生さない。
八尾町は今は富山市に吸収合併されているようですが、「八尾町」としての観光案内板が残っています。ふうたろうがこれから向かう白木峰や金剛堂山はこの町の立派な観光スポットです。
ふうたろうがさっきの詩(のようなもの)を思いついたのは、売店のおばちゃんがさりげなくさっきの木の枝を売店の一輪挿しに生けていたからです。昔はあの柵のところに木通もなっていて、おばちゃんもそこをよく通ったと言っていたから。この生けられている木だって紫色の実をつけて、人の目を楽しませてくれています。
ふうたろうは、このおばちゃんの感性、好きだな。最初は気が付かなかったけど、今はこの一輪挿しのある空間が暖かく感じます。
ヌオッ(゚Д゚;)
…テントのポール忘れてる…(滅滅滅
と、さっきのバスの中で気が付きました。
今夜、どうすんじゃ…
とりあえずしょうがないので、白木峰に向かおう(ぇ
ま、テントのポールくらいなくても、寝袋に入ってテントにくるまれば寝られるさ(何
まずは白木峰の登山道にはいるまでに延々と車道歩き。もちろん、延々のレベルは今までのものに比べればふうたろうの気の短さくらい。
ここ、杉ヶ平キャンプ場…らしい。しかし、閑散としているというか、誰か使ってんの、ここ?という雰囲気。案内板錆びてるし。
ところで、杉ヶ平キャンプ場を含むこの一帯は「21世紀の森」という名前の施設だか公園だかになっているらしい。しかし、誰かが遊んでいそうな雰囲気もなく、ただ白木峰に登る登山者がクルマで通過するのみ。
ずっと車道歩きもダルいのでこうして散策路も歩いてみました。そしたら、この辺りにもウワバミソウが生えているではありませんか。ミズの実が採れます。野菜は大事です(`・ω・´)
ずいぶん紅葉も良くなったとは思うけど、まだまだ緑ですよね。今年の紅葉は、かなりじらすなあ。
ただ、車道の周りは木が刈り取られていて展望が良いんですよね。
あまり人が通っている形跡がないので木が張り出し気味で、蜘蛛の巣たっぷりです。
紅葉が部分的にきれいです。しかし、針葉樹が混ざっているのがじゃまくさい。落葉松なら黄葉がきれいなのですがね。
登山口から最初の車道出合までの坂がかなりの急坂です。ぶっちゃけ、車道をダイレクトに歩いた方が、倒木や蜘蛛の巣などの攻撃も避けられるし展望も良いので、楽でしょうね。
登山道を上がってきて1334mピーク辺り。かなり紅葉が良くなってきました。
枯れているのも多いし、2008年10月に登った平ヶ岳には遠く及ばないけど、青空に映え、日差しに光る雰囲気が良いですね。
雲がかなり多くなってきたので、陰ってくる場所も広くなってきました。
2度目の車道出合。クルマで来ている人はこの辺もびゅんびゅんなんでしょうなあ…。
でも、この景色は歩かないと見えません。
…本当は、景色は目で見るものだと思いますか?
ところで、クルマでは来ていないふうたろうは登山ルートを歩きます。
そしたら、ものの見事に樹林帯に阻まれて紅葉した山が見えないという。
この辺りは紅葉が散っているような感じです。紅葉の見頃は位置的にも時間的にも限られているのですね。
最後の車道出合。このまままっすぐ白木峰に向かっても良いのですが…
これが内装。
…ひいき目にみてもきれいだとは言えない。ほこりっぽい。ごみごみしている、という感じ。箒の一本くらい欲しいです。
次こそ白木峰山頂に行きましょう。あくまでもふうたろうの目標は日本300名山の撃破であります。
なんか、白木峰の北東側に湿原の散策路が連なっているようなのですが、どうしますかね。
大長谷温泉バス停より、シッカリ歩いて白木峰山頂也。
実はこの山、山頂直下まで車で入れてしまうすごい山です。でも、その車道をほとんど気にしないで登れるのが八溝山(茨城県)と違うところですな。
八溝山か、懐かしい名前が出てきたな…。
湿原の方向は逆方向だし、今回はパスしますか。きっとあそこに山頂があれば意地でも行っているでしょうけどね(藁
見事な紅葉…とまではいかないですが、まずまずの状態。今年の北陸は降水量が記録的に少なく気温も高かったので、木もかなりダメージを受けたのではないかと思います。
思えばあの越前経ヶ岳(福井県)の暑さは殺人的でしたな(滅滅滅
これ、小白木峰方向と駐車場方向の分岐です。99.9%がそのまま下山する方を選び、これからダイレクトに金剛堂山に向かう(街や光テン場に戻らない)のはまずいないでしょうなあ(じと目
ここは小白木峰では、もちろんありません。白木峰から南へ少し、分岐を小白木峰方面に進んだところにある小さなピークです。
よく見ると、先々まで彫刻刀で彫ったような道が連なっています。
展望の良い尾根歩き。これで周囲が鬱空(モヤッとしていて遠くが見通せない)じゃなければなあ…
程なくして背丈ほどのブッシュの中を歩くことになります。もちろん、ヤヴこぎではありません。はっきり言ってVIPコースです。
雲が多くなってきて足下や目の前の樹林帯が暗い。写真写りがアホほど悪い。
1405mピークの辺りに池というか池塘がありました。池塘に対して登山道はゼロメートル地帯なので、ハイパーぬかるみゾーンでした。
背丈よりも低い紅葉のブッシュ。曇っていてコントラストがクソです。
小白木峰到着。白木峰から1時間20分ほどかかりました。ちょっとのんびりしすぎか。荷物は白木峰に登にしては、テントが入っているので大きめです。ポールが入っていない分軽いと思うけど(じと目
やっぱり、「展望のために伐採しました系」でした。こういうの、要らんから。
さて、ふうたろうはまっすぐ進んで抜けます。金剛堂山に行くならそれが一番近い(はず)。
ん?(・ε・*)
また地図にない分岐が。ひょっとしたら、新しい地図には表記されているのか…。左に行くと岐阜県側の登山口に行き着くらしいです。ふうたろうは金剛堂山の登山口があると思われる国道471号線に下りますので右に進みます。
この辺りは高層湿原っぽくて、足下がウルトラぬかるみゾーンです。あのおぞましいヌプントムラウシ分岐(北海道大雪山)辺りの湿原を思い出します。
しかし、なぜか細いがはっきりした踏み跡があったので入り込んでしまいました。
はっきり述べておきたいと思います。湿原は見るものであって歩くものではありません。
道が下りにさしかかりました。木がみるみるうちに高くなってきます。
単調な下りが枯れた沢と交差します。ここで沢沿いに下ってしまうと地獄を見るでしょう。気をつけましょう。踏み跡っぽいのも付いているので。
下山口近いところで沢渡渉です。増水しているとやっかいかもしれません。
「危険ですから絶対に立ち入らないでください。」
アホか。立ち入るんじゃなくて、出るんじゃ。ふうたろうはいつも一方通行なの!
この荷物で塞がれているようなコンクリートの穴は向こうに抜けられるようになっています。何がどう危険なのか判らないです。
白木峰下山完了、っていうか、金剛堂山とのリレーなので、金剛堂山を下りるまでは本当は下山完了しないのかな。
大長谷川(おおながたにがわ)沿いの切り立った崖は少し紅葉がきれいです。
また、ミズの実が採れそうです。今夜もグリーンカレー炒飯にぶち込んで食べましょう。
金剛堂山方面はガスっているようです。今夜、寒冷前線が通過するとかしないとか言ってましたからね…。
このパイプはなんだべ?
地図を見ると、さっき下山してきたところまで、人工の地下水路が通っているらしいけど…?揚水式発電施設、でもなさそう…。
なんと!この道は金剛堂山への指導標付きではありませんか!!すばらしいVIP対応(感涙
しかし、この発電施設の辺り、ヴーヴー低周波音が響きまくっていてめっぽううるさい。
ふうたろうの持っている25000分の1の地図はこの辺で道が無くなっているけど、現実世界ではここに車も通れるほどの堰堤があります。
…しかし、今日はもう疲れたしテントのポールもないし、ここらで諦めますか。
というわけで、谷を吹き下りてくる風に吹かれながらテントとシュラフカバーと寝袋にくるまって、人気のない河原に死体のように転がって寝ます。今日はほんとに眠いんです。
夜は何とか寝られそうでよかったですね。テントにくるまるという辺りがビミョーだし、そのせいでもう少し先に進めるものも進めないという痛恨なのですが、ま、ふうたろうの山行はネタがあってこそ価値があるので(違
明日は金剛堂山をシバいて利賀村側に下ります。明日こそ安寧な登山でありますように(黒笑
天気:晴れのち時々くもり(富山県婦負(ねい)郡八尾町・富山市)
読んでいるだけで1日が終わりそうな長文に感動!(笑)
それにしても大変な1日でしたね。
クルマが無いと白木峰もとんでもない山になっちゃうんですね。
自動車屋だから言うのではないですが「車って便利」(爆)
さっ、2日目の金剛堂山も期待できそう!(ワクワク)
>okuさん
書くだけで一昼夜かかります(汗
写真の数100枚、多いときは最高240枚くらいになったことがあったので2ページに分けたことがありますが、長い旅を表現するにはやっぱり長くないと(笑
小学生の頃から僕の作文(遠足とか)は、学校の校庭に集まったときから始まって、帰るときまで続くのです。旅の素質があるでしょう(笑
今は移動そのものが登山になっているのでなおさらです。
金剛堂山の日記も長いので、これまた大変です。しかもそれが毎週です(アヴラ汗
大長谷で、ブログのお手伝い(ボランティア)をしているながたんと申します。
大長谷のブログ、山里だより
及び
facebookのページ白木峰
にううたろうさんの絵日記をアップしても良いでしょうか?
次回は、杉ヶ平キャンプばもご利用願いたいです。
1サイト200円で水洗トイレもあります。
>ながたん 様
お初にお目にかかります。
結論から申し上げますと・・リンクの方はご自由になさってください。ただ、ご覧の通り、癖のある書き方をしておりますので(顔文字とか下品な表現とか)、ご紹介に耐えられるかどうか若干疑問ではありますが。
facebookは僕もやっておりまして、いつになるか判りませんが、日本300名山の中にこの白木峰を上げるつもりです。
杉ヶ平キャンプ場、看板が錆びていたので、また、連絡先がどこなのか判らなくてそのまま過ごしてしまいましたが、気持ちの良い位置にありますね。でも実は利用も考えていたのです。そうすれば、河原で死体のように転がることもなかったかもしれません。