まよいの雪原(針ノ木岳【扇沢コース】:長野県)
結局最終的に目が覚めたのは5時。それから出発の支度をするのですが、どうやら、天気の崩れはマジらしい。既に東の空にまで絹層雲が足を伸ばし、朝焼けがきれいになっています。針木岳登頂、いや、この針ノ木峠に戻ってくるまで、持つか、天気?
とりあえず、メシを食わないと始まらないので、グリーンカレー炒飯。七倉~南沢の縦走路での緑のチカラの憂き目に遭わぬように調整。
微かに雪を被った山が赤っぽくなっていますか。でも、これは期待薄そう。
さあ、テントを撤収し、風で飛ばされないように荷物をコンパクトに纏めておいておきましょう。2008年11月、爺ヶ岳に登ったとき(鹿島槍ヶ岳崩れ)、中に置いていた荷物ごとテントを谷底にぶっ飛ばされたので、あの憂き目にはもう遭うわけには…。
あーそういえばテント袋が既に飛ばされているなあ(棒読み
針ノ木岳は岩山。こんな雪の時に来てしまって大丈夫なのか。結構坂はキツい。もちろん、荷物は少なくしてトライしていますが、新雪と坂はそれでも大変です。
…北アルプス南部の方を眺めると、雲が厚い。もう東海地方などでは雨、降り始めているのではなかろうか。
針ノ木峠を挟んで向こう側には蓮華岳。蓮華岳なら登りやすいんだけどね。
岩の上に登っても先に進めそうなところは皆無。ただ広々とした景色が広がるのみ。
実は、地図(25000分の1)にあるルート、尾根づたいに線が引っ張られていますが、ルートそのものは斜面を横切っていくようです。今は雪に埋もれて邪悪な姿ですが。
この写真は、別にガスっているわけではありません。全面雪に覆われていて、めっぽう歩きづらいだけです。しかも、坂はアホほどキツいという。
やっと尾根に上がりきったら、景色が再びお出迎え。でも、雲がさっきより厚くなりました。南風も強くなっています。
実は道が見つからなかったとき、一度諦めかけました。が、夢をあきらめないでという歌声が「告白」とステレオでエンドレス状態なので、来てしまいました(ぇ
雪が吹きだまって、何気に歩きづらい。しかも、坂がさりげなくキツい(じと目
そして遂に針ノ木岳到着。
…まあ、「遂に」というほど苦労したような気もしませんがね(じと目
とりあえず、展望をシッカリいただいておきましょうか。
スバリ岳方面(爺ヶ岳方面)。
南側。七倉岳~南沢岳の縦走路。
緑のチカラは強かったなあ(ヴォー読み
あの彼方の雪山は薬師岳でしょうか。時間があれば、あそこも歩けそうですね、冬。登山口までのアプローチだけ(じと目)が問題。
さ、長居している場合でもないので、天気が崩れきる前に下りましょうか。
帰りこそ気になるこの雪斜面の下り。でも、転んでもこれくらいならまだ止まりそう。もちろん、転ばないように進むのが鉄則ですが。
何かが岩に刺さっていますな。ホールドというのかなんというのか。
さ、難所も乗り切ったことだし、あとは涼しい顔で峠まで戻りましょう。
では、扇沢に戻りましょう。今回はピストンするのが精一杯です。
陽が差さずコントラストが悪いので見づらいですが、昨日の兄ちゃん、最初は律儀に踏み痕を辿ったみたいですね。頭の中を乾いた空でイッパイにしながら。
正面の尾根は爺ヶ岳方面の尾根。いよいよ下層雲が稜線を隠し始めましたね…
昨日登ってきたところを戻ります。わかんを履いていても岩の隙間の上を覆った雪を踏むと、ヅドンします。
雪が薄くなってきたので、アイゼンとわかんを外し、ピッケルを片付けます。
いや、実は、こんな天気なのに、一人登っていくおっちゃんがいました。ふうたろうの予感では、確実に峠に着く前に雨や雪に撃たれるでしょう。
雪も消えてきたので、下山近し。というか、来た道を戻っているので、冒険心はくすぐられはしない。
真っ白の雪山の上にはのっぺりと高層雲が広がって、もう天気は持ちそうもない。
登山口。…といっても、ここまでクルマでは来られないので、本当の登山口は扇沢ですが。
空の雲、昼間に見るとのっぺりしていてつまらないのですが、これに下から日の光が当たると凄まじいことになります。朝か夕方しかあのすごさは見られないし、この雲が覆っているときの我慢を乗り越えられなければ見られない。
蛇行している車道を貫く登山道を下ります。早よ今日の山行を終えたい気分です。
さ、信濃大町駅行きのバスに乗らねば。時刻表がデカデカとありますな。まあ、どうせ15分くらい前に出たばかりだろう。そのくらいいつものことさ…
ん?(・ε・;)
ま、やることないわけではないので、片づけしときますか。どうせ人は少ないし、思い切り片づけましょうや。
ん?(・ε・;)
「すごい荷物ですね…(苦笑)」
扇沢の係員のネーチャンが係員用のドアの奥に入っていく行きずりにつぶやいていきました。
さ、腐った足を洗って真人間に戻りますか(ぇ
なお、この水、凍結防止のために止めるなと書いてあります。けっこう冷たい水です。
…が、その前に、誰か知らんがここに痰吐いてそのままにしていくんじゃねえよ(怒
ま、外で待っててもしょうがないので、何度も来たことあるし、…だけど、中に入ってみますか。おやきの一つでも食いながら過ごすと。
¨:∴(゚ε゚;)ブッ
…カボチャおやきがハイパーまずかったという罠(滅滅滅
…こういうものを貼ったままにするんだなあ。電力足りないと必死でプロパガンダしていたのに、結局原発なしで乗り切れた。節電は大いにやるべきだけど、原発の威しのために使うなと。そして、誰も火力で未来永劫やれと言っとらんから。
ま、それはともかく、このトロリーバスを含め、黒部ダムも何もかも、関西電力のブレスが結晶化したようなものだから、好き放題ですな。それからさりげなく、トロリーバスに少なくとも一回は乗らないと、歩いてさえも大町側から立山には行けないようになってんですよね。坊主丸儲け。
「黒部の氷筍」
ケースに入れて保存しているのが…
そして、黒部の氷筍水…。
ハイパー・キノドク・スーベニアですなあ…(ため息
いやマジごめんこれ正直な感想なので(棒読み
中にいてもため息しか出ないし心が寒いので、肉体だけ寒い外に出てきました。
それにしても、やっぱり立山近辺はオワってます。上高地もアレはアレでかなりきていますが、ここほどじゃない。高原切り開いて街の公園みたいな感じになっているのとか、ね…。そもそも、
「ムロドウステイ!?」
だったもんなあ…(遠い目
※2008年11月2日の日記参照
今日は反原発の全国100万人行動、らしい。こんな田舎でも(失礼)集会の姿を見るとは…。
ただ、主催者側の報告の後に参加者が前に出てきて喋る時間があったようですが、「憲法を守ろう。国家公務員の弾圧が…」とか喋り始めるのとかがいましたがな。少しでも関連させているならともかく、聞いた限り関連性ゼロ。社会運動をなめとんのか。もっとも、それを止めない主催者にも責任があると思いますが。
なお、主催者の報告の中に、政府のパブリックコメントで原発反対が9割を超えたとの文言がありました。であればなおのこと、そんななめた発言を許しててはいけないと思います。今はまだ原発問題にだけ関心を寄せている人には通じないし、失礼ですわ。
電車に乗ってしばらくすると、雨が本降りに。信濃追分あたりで有明山を眺めると、もうガスの中。たぶんふうたろうが降りていくときに登ってきたおっちゃん、下手したら吹雪に遭ってるんじゃないか?
松本到着。遅めの昼飯を、いつもの「カトマンズ」(カレー屋)で。
帰りの電車では、小淵沢から隣に母親と同い年のおばちゃんが座ってきました。旅行が好きな人で、また証券会社に勤めていたとかもあって、やたら経済に精通しているようでした。ま、いろいろ立場は違いすぎていましたが、異文化コミュニケーションですな。接点がなきゃ解りあえるチャンスすらないのだから、それでいいのだ。
というわけで、何とか雪や雨にぶっ叩かれることもなく、無事下山。雪の北アルプスは爺ヶ岳、五竜岳に続いて3個目。残雪期の笠ヶ岳も入れれば4個目ですかな?星はきれいだったし、曇り空とはいえ空気も濁っていなくて鬱空ではなかったので、かなり満足です。
#177針ノ木岳クリア。
天気:くもりのち雨、未明まで晴れ(長野県大町市・松本市・富山県中新川郡立山町)
今年初の雪山苦労ながら楽しめた様ですね。
天気に追われるのはなかなか嫌なもんですが、ピークハントしてくるのは、さすがです!
雪もタップリ積もって山のどこでも歩けるようになると、またいいんですけどね。
確かにキツかったんですけど、毎年感じる”久しぶりの雪山のしんどさ”が、今回はあまりなかったんですよね。つい最近も雪山に登っていたような感覚でした。
雪がたっぷり積もって、北アルプスのような稜線はこれから歩くのがシビアになっていきます。2000mレベルの山で雪を楽しむ季節が、これからボチボチやってきますね。