ナメクジご一行(谷川岳【茂倉新道コース】:群馬県)
寝床は普通かと思いきや、やっぱりお隣のおっちゃんのいびきがウルサかったり、地震で小屋が倒壊してひどい目に遭う夢を見たり、諸々の要因で寝られませんでした。幸い、吐き気で目が覚めるという最凶モードではなかったのでよかったです。
朝飯はやっぱり外で作らねばなりません。ガソリンコンロお断りの刑なので。しかし、夜のうちに風向きが180度変わったために、トイレの裏チャーハンは免れました。北風ありがとう(ヴォー読み
ところで、ふうたろうがこのドライカレーの写真を撮ろうとしたら、なぜか壊れかけのコンデジの時刻などのデータが飛んで使えず、それを直していたら今度は隣で兄ちゃんらのグループがカレーうどんの鍋をひっくり返して学校給食牛乳こぼしの現場のようになり、それはそれで、なかなかタノシい朝を迎えた二日目でしたが、どんな一日になるでしょうか。
外は夜明け前でウスグラモードですが、ゾンビ兵に格下げになった雲の兵隊はいなくなっていました。まあ、高いところに飛んでいったという感じですがね。
快適な朝を過ごしたので(じと目)出発も軽やかにいきましょう。小屋番に挨拶して、ふうたろう出発。いびきのおっちゃんとは反対側にいた二人組のおっちゃんたちは、ふうたろうが昨日歩いてきた道を進んでいきました。どうぞご無事で。
しかし、無事も何も、むしろ天気予報が外しまくりのようですな。曇りというより晴れておるではないか。
というわけで、とりあえずトマの耳。
2007年7月1日にSくんとWさんと3人で、土合駅で駅寝してブヨにかまれたおしてから登ったときの谷川岳は、ひたすらガスっていました。今日は予期せずリベンジできましたね。
右に肩の小屋が見えます。左には西黒尾根の登山道が続いています。
トマの耳を過ぎて、次はオキの耳へ。もう日の出時刻は過ぎているはずですが、雲で山には日が当たらなくなっているので、ウスグラモードが解消されません。
トマの耳をいろいろな形で取ってみようと試みましたが、駄作
ちーん(-人-)
天気がこのように中途半端に良いのですが、たぶん、馬蹄形コースを辿るだけの時間は保障されないような気がします。なので、ふうたろう、のんびり進んでいます。
上層~中層雲の量は南に行くほど多そうです。あとで見ることになると思いますが、北側にはむしろ下層雲がウロウロしています。
カタツムリが這いつくばるようなスピードでオキの耳に向かっています。
高曇りですが、ガス(ゾンビ兵)は一切ありません。靄がかかって鬱空っぽいですが、これはこれで水墨画っぽくていいじゃないですかね。
そして、上空の青空は昨日の日中よりもずっと青く美しい(目がハート
ヌオッ(゚皿゚;)
谷川岳登山バッジを落っことした!
あのゴミの中に吸い込まれていった…!
ナメクジが角を伸ばすように腕を伸ばして、バッジを拾ったら、ついでにゴミも拾っておきました。もちろん、埋まっているやつは拾わないけど。
このゴミ、賞味期限から見ても、ここ1年以内くらいに投棄されたものですな。
谷川連峰に日が差し始めました。靄には谷川岳の影が投影されています。天然の大スクリーン。
…を表現したかったら、もう少しアングル変えればよかったね。あるいは、トリミングすればいいかもね。
まさかの晴天ですね。晴れることはまずないだろうと思っていました。
ふうたろうが行きたがっている朝日岳です。が、今日はやめておきましょう。もう十分です。
ふうたろうが昨日歩いてきたあの尾根。今頃あちらに向かったおっちゃんたちはどこにいるかな。よかったですね、晴れて。
谷川岳は、東側が絶壁です。西側のたおやかな感じとの非対称性を楽しむのもいいのです。
紙垂(しで)が、溶けたトイレットペーパーのように散らかった奥の院。ちょっと醜い。
地球の歴史が深く刻まれた本谷。ここがロッククライミングのメッカなのかな?
ところで、オキの耳過ぎた辺りで、あの若い4人組の兄ちゃんたちが追いついてきました。何と速いことか(ヴォー読み
今日の風景は、コントラストだけが残念。そういう意味では、八海山の時の方がまだよかったカモと。
空には天気の崩れを予言する上層の絹雲が。これが空に現れると雨が降るということに気がついたのは、確か小学3年生の頃だったかな。よく、その時空間の関係に気がついたものだと、我ながら感心する。
空を眺めるなら、こういう日の方がいい。真っ青一色だと、面白くないよね。
谷川岳側の一ノ倉沢と、白毛門(しらがもん)側のゼニイレ沢とが、湯檜曽川のところで十字に交わっています。
ヘリコプターが空を旋回しています。誰かを探しているのでしょうか。
日は照っていないけど、ものすごくいい天気ですな。くもりのち雨の予報なんて信じられないですな。
燧ヶ岳、至仏山、尾瀬笠ヶ岳、上州武尊山、などが見渡せます。他にも、皇海山や赤城山なども見えるんじゃないかな。
上層雲の量、少し増えましたね。南側の方が多いように思います。
背後に疲れたオーラを感じますが、ふうたろうは写真を撮り撮り。
上り坂で疲れたら、後ろを振り返って景色を楽しめばいい。写真を撮っている間に、少し息が整いますから。
急坂終わり。昨日の連続するアップダウンを思えばこれ一つくらい…
一ノ倉岳到達。右に、この縦走路でもっともひどい環境の一ノ倉避難小屋があります。しかし、昨晩はここで泊まっていた人がいたらしい…
おや?虹雲になっている、と思って写真を撮ったけど、写っていませんねえ…。サングラスを通すとよく見えたんですが…。
西の空、よく晴れています。朝日岳まで持ちそうですが、危険な橋を渡ることもあるまい。帰りにはずぶ濡れになって、またあの久保バス停で先週と同じ目に遭うのも…ね?
今度はみなさまが前へ。ふうたろうは後ろを歩いています。写真撮るなら、もう少し離れた方がいいかな?
もうすぐ茂倉岳。トマの耳から茂倉岳は、そんなに大変なルートではありません。ふうたろうはハイパーマッタリモードで歩いているので、遅いだけです。
っていうか、ここに来るまでで50枚以上写真を引っ張るのもどうかと。
それにしても、谷川岳がこんなにいい山だとは思いませんでした。人の多い観光地、くらいにしか思っていませんでした。
ふうたろうが行く予定だった、馬蹄形コースの蓬峠方面です。今日はこのまま直進で、土樽駅まで下ります。
茂倉岳到着。肩の小屋出発から2時間。マジでナメクジ並み。
なお、ここで、オキの耳辺りから改めて一緒に歩いている4人のみんなに、記念撮影に交ぜていただきました。
この距離、恐らく半分かそれ以下くらいの時間で歩けるはずです。2時間はナメクジです。
さて、茂倉岳避難小屋を経由して土樽駅に向かいます。いつ降り出すか判らない雨ですから…。
若干北の空の下層雲が厚みを増したような気がします。いよいよ崩れますかね。
雪解け水などに浸食され、ひだの多く付いた、たおやかな谷川連峰西側。
上信越自動車道が彼方に見えます。土樽駅も…見えるようですね。
茂倉岳避難小屋。ここはトイレもあって、非常に快適な夜を過ごせそうな小屋です。今までのプレハブとはワケが違います。
水場も、あの笹を刈り払ったところに沿っていけばあるようですね。ふうたろうは必要ないので行かなかったけど。
ふうたろう、先頭を行かせてもらいました。また人のいない写真が続くことになるでしょう。
昨日はあちらの万太郎山からこちらの茂倉岳方面を見ていました。
目的地があるわけでもなく、ふうたろうたち登山者は、なぜ山を歩くのかな。そこがきれいだから?頂上に立ちたいから?
なぜ山を歩くのかな。最終的な結論は、「楽しいから」なんだけど、でも、必ずしも「楽しい」時ばかりでもない…。
足滑らせて転倒することもあるし、雨に撃たれまくることもある。
何か「これだー!」という発見があってもなくても、気持ちが動くときは、いつも楽しい。
ふうたろうも、登山を今ほど頻繁に行かないときに比べたら、ずいぶん目も肥えたと思うし、いわゆる「山の景色」を普通に感じるけど、その「普通」に不満は全然ない。それでいい。
こうやって写真を数百枚(今回の二日間で500枚以上)撮ったけど、それ一つ一つに、正直メッセージを入れられるほどのネタはない。でも、撮りたいと思ったのは間違いないわけです。
この角度で撮ったらあの曲線は美しいかな、これぐらいの広さで樹林帯を入れたら写真が整うかな、なんてことを考えることもある。
でも、写真をこれほど撮っているのは、ひょっとしたら、自分が生きている証を残したいのかな、という気もします。
そして、それに理由は特になくても、満足しているから残しておきたいと。
一枚一枚にメッセージを込めることなんて、ふうたろうには無理。本当なら、写真だけを羅列するのが精一杯。今までもずっとそう思ってきた。
でも、2枚と同じ写真は撮れません。10m移動したら、移動した分角度が変わる、景色も変わる、時間も気候条件もみんな変わる。それはもう、違う写真だし、違うところにいる自分ですから。同じような風景でも、同じものは一つもないのですよ。
ずっとうんちくをたれながら写真を流しているけど、同じ写真はありません。どれも違ってどれもいい、というと、誰かのパクリですが、どれもが欠かせなかった一コマだから。もちろん、全部載せたらエラいことだですけどね。
笹と低木がボコボコして面白い地形です。
でも、ふうたろうがこの写真を撮ったとき、そんな言葉を頭に思い浮かべていたかというと、否です。それは今までも殆どの写真でそうでした。
景色が一変しましたね。後ろを歩いている4人は、何やらどこかで止まって何かをしていたようなので、ふうたろうは少しばかり先に行きます。
人間、誰しもほど良い距離感というものがありますからね。ふうたろうはなんだかんだ言っても、みんなのパーティではありませんから。
麓は紅葉真っ盛りのようです。やはり、越後の紅葉は日本一ですな。
今の標高のところでは枯葉になっていますが、下降すればきっと紅葉の最盛期の場所があるはずです。
だんだん樹林が深くなってきたので、そろそろ展望は見納めかなと思います。
紅葉は、葉っぱの軸(葉柄【ようへい】)と木の枝との間に離層【りそう】というものができます。
ふうたろうも詳しいことは知りませんが、その離層は、植物の細胞同士のくっつき合いが弱くなった部分だと思います。
離層ができると(葉っぱと枝の相互関係が断たれると)、葉っぱから枝、あるいは枝から葉っぱへの物質の移動が制限されます。たとえば、葉っぱで作られたブドウ糖は、葉っぱにたまったままになります。
また、紅葉(黄葉ではない)の場合、アントシアニジンと呼ばれる化学物質群(種類が3つあるので、"群"と書きます)が葉っぱの中にあります。
似たような言葉に、アントシアニンというものがありますが、アントシアニンとアントシアニジンは、厳密に違うものを指す言葉です。
実は、「アントシアニン」や「アントシアニジン」という名前の化学物質は、存在しません。「ネコ科」という名前の動物種はいますが、本当は"チンチラ"だったり"ヒマラヤン"だったり、一つの種を指す正確な名前がちゃんとあるのと同じです。
アントシアニジンには、ペラルゴニジン、シアニジンそしてデルフィニジンというものがあります。しかし、紅葉に関わるアントシアニジンは、確か、シアニジンのみだったと、何かの本に書いてあった記憶がありますが、定かではありません。
こうして、葉っぱの中で、糖類とアントシアニジンが結合すると、主に赤色系統の"紅葉"が見られるようになります。
そろそろ、見頃の標高に下りてきたようですね。
紅葉は、当然生きている植物の葉っぱでないと起こらないので、霜害などで葉っぱがダメージを受けたら、汚くなりますよね…(滅
♪渓の流れに
♪散り浮くもみじ
♪波に揺られて
♪離れて寄って
♪赤や黄色の
♪色さまざまに
♪水の上にも
♪織る錦
…ふうたろう、この2番の歌詞が特に好きです。
まあ、今歩いているのは尾根だけどね…
この尾根、赤よりも黄色主体です。ふうたろうはこの"黄葉"もかなり好きです。
黄葉は、葉っぱの緑色を出す色素クロロフィルが壊れて、残ったフラボノイドが色として現れているそうです。
なお、フラボノイド、というのも、化学物質群で、フラボノールやフラボンというような、これまた下位の化学物質群に分かれ、フラボノールならケンフェロールやケルセチン、ミリセチンというものに分かれています。
重要なのは、物質(群)の名前、部位の名前などを覚えることではなく、仕組みを、物事の関係や流れを、理解すること。言葉はそのあとから付いてくると、ふうたろうは思っています。
…というようなクドい話を、この清々しい紅葉の山でするのも、たまにはいいものですね(黒笑
何やら、兄ちゃんの一人(実は名前を聞いていないのだ!)が、屈んで写真を撮り始めたと思ったら、苔の胞子のうです。
デジイチバージョン。
さてと、紅葉レクチャーも終わったし、ゆっくり紅葉を愛でましょうか。
どうせなら、こういう高木の広葉樹林帯をのんびり歩きたいですなあ。
雲が多いので、コントラスト悪いけど、人間の目で見ると、かなりきれいです。脳による補正能力には、やはりカメラごときでは敵いません。
斜面の急な場所で見上げたり見下ろしたりすると、広がりが変わります。
下界近し。でも、12時何分かの上り普通電車には間に合わなそうです。
ほぼ下山口です。すぐそこにタクシーの電話番号が書かれた看板があります。越後湯沢駅まで、小型4人乗りで3800円、9人乗りで5500円と書いてあります。
ヌオッ(゚皿゚;)
腹の具合が悪い…
とりあえず、土樽駅まで行こう。便所優先(滅滅滅
でも、いつもほどには悪くない。だから、写真を撮りつつ、それなりにゆっくり行きましょう。どうせ次の電車は3時間後なんだし。
この辺り、何か変なニオイが立ちこめていると思ったら、カメムシが大量発生し、車とかに踏みつぶされていたのでしたね。
ふうたろうはカメムシ属性のダメージを受けた(何
日が当たると、黄葉もコントラストがよくなります。でもここ数年、まともに晴れた紅葉の森を楽しめていない気がする。
水場があります。グビグビします。汲んでもしょうがないのに汲んでしまいます。
ああ雨によく降られたなあ(じと目歯ぎしりヴォー読み
こんなことなら、朝日岳巡りしても全然問題なかったんじゃないかな。まあ、次のお楽しみということにしておきますかな…。近場だから切り札と言えば切り札だし。
下りてくるときも気にはしていましたが、新潟県側にある大源太山、登ってみたいですね。群馬県側にも同じ名前の山がありますので、登ったときは、新潟県側を「越後大源太山」、群馬県側を「上州大源太山」と呼ぶことにしますか。
なお、越後大源太山はこの峰の奥です。また、秋か新緑の時に登りに来たい。300の想い出を抱えて、ね。
どうやら、高速道路の高架下に沿って歩けば入り込めるようです。Megapolisをやりつつ、便所を済ませたら、みんな来ていました。
このあと、越後湯沢に戻り、そこから新幹線で帰ることにしました。時は金なり、ですからね。みんなは温泉に入ってから帰るので、1時間半ほど越後湯沢で過ごすようです。なので、着替えを持っていないふうたろうは、そのまま直帰。あ、味噌を買ってから、ね。どうしてもスーパーで買う気にはなれなくて。
谷川岳がこんなにいい山だとは思いませんでした。やはり、山はどんな山でもいいのですね。その山を良くするも悪くするも、登る人次第、っていうことですな。
#194仙ノ倉山クリア。
#19谷川岳2回目クリア。
天気:くもり時々晴れ、夜は雨(群馬県利根郡水上町・新潟県南魚沼郡湯沢町・東京都板橋区、上越新幹線など)
越後湯沢は親父の田舎なので、学生時代の20年近く前に平標山~大源太山までの縦走を計画しましたが、天気が悪かったので断念していまだに行ってません。
越後湯沢へ行くたびに山を見るのですが、結構ガスっているんでふうたろうさんは結構いい時に行けたんじゃないかと思いましたよ。
橋脚のあったトンネルは、川端康成の雪国で「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」というところですよ。
おのちゃんさん おはようございます。
天気図を見ている限りでは、高気圧に覆われる日も少なくないのに、どうして週末にそれが当たってくれないんだろうと、いつも思うのですね。高気圧に覆われても、それでも山特有の気候として天気が悪いなら、山だから許せますが、低気圧が通過するのが週末というのがいつもいつも…と愚痴になってしまいます。何しろ、これほど天気の良かった山行は、書いたとおり、6月9日の御神楽岳以来ですから…
川端康成、ああ、そういえば、トンネルを抜けたちょうど後のところ辺りですね。谷川岳を挟むと、天気ががらりと変わります。関東が雨でも新潟は晴れ、その逆もあります。でも、上越線で北上していると、真冬であれば、実際は谷川岳に北上するにつれて雪が増えていき、過ぎると本当にガチの雪国になっているという感じですよね。小説はまったく読まないので判りませんが、川端康成はいつ行ったんでしょうかね。