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そしてまたひとりになった

2014年 3月 23日

 …夜、1日目の夜ほどではないけどぐっすり眠りました。しかし、気分の悪い夢をいくつか見ていました。今思えば、あの夢は自分を否定する部分を可視化した物なのではないかと思ったり。でも、否定する根拠が言葉にならない、グチャグチャの物なので、夢も整合性がとれないくらいグチャグチャ。
 まあ、夢というのは不思議と、起きてしばらくすると忘れてしまうもので、「図書館に返すべき本を何ヶ月も返すの忘れていた」程度しか覚えていません。しかしそれも、忘れっぽい自分の否定的なところを可視化したものなのではないかなと思ったり。


 ふうたろうはF井さんの暖炉に薪をくべる音で夢から覚め、低血圧と鬱夢にしばらく動けません。やっと鬱からも少し醒め、血圧も少しばかりか上がったのか、ダウンの上下を着て、煖炉のそばで少しF井さんと話をしていました。山のこと、南極のこと…。
 ふうたろうは、F井さんを見ていると、15年前に亡くした、親戚のK叔父(厳密には叔父ではないが)を思い出します。あの叔父が今も生きていたら、ふうたろうの今の姿に何を言うだろう、なんてことも、時々思ったりします。


 さて、7時半、みんな表に出て下りの準備です。片付けて、掃除して。
 ところで、昨日の夜ふうたろうからがらくた…じゃないらしいけど、スキーを受け取ったO塚さん、スキー靴を履いて驚愕!自分で脱いだり履いたりできないのです。それはO塚さんのせいではなく、靴のクセで、留め具が固いのです。O塚さんには本当にぬか喜びをさせてしまいました…
 しかし、2番手に手を上げてくれていた、T口さんの奥さんが、靴まで履いて確認した上で、引き取ってくれることになりました。…もう、無期限貸与でいいよ、と、心の中で思ってはいても、そういうワケにはいかないようです。


 ふうたろうは唯一…ではないか、W辺さんもスキーではなかったけど、先にスノーモービルと一緒に行ってしまいました。もちろんスキー組は軽やかに下っていきます。あるいはスキー引き回しごっこ。


 そしてふうたろうはまたひとりになった。


 いつものふうたろうに、一時的に戻りました。どんどんみんなは先へ進みます。


 3日間を通して、片時も誰かと離れることなく過ごしていました。しかも山の中で。ふうたろうにとってはこの5年で最も長い集団行動です。もちろん、仕事関係とかは除いての話ですが。


 一緒にいる時間が長くなると、煩わしいと思うところも出てこよう。ふうたろうもテンションがおかしいので、けっこうみんな我慢しているところがあったんじゃないかな、なんて、思ったり思わなかったり。でも、そう思うだけのはっきりした根拠があるわけでもなし、ただの自虐的妄想にすぎません。


 先に行ったみんなの最後尾がふうたろうの視界から完全に消えたら、ちょっと道を外れてみようかと思います。


 まずはペンケモユーパロ川に下りて…


 左岸(川の流れる方向の左側)に渡ります。そこは日当たりの良い疎林帯でした。


 けっこうきつい斜面をツボ足で、木の棒一本さえない状態で登ります。でも、それほどしんどいことではありません。


 この最後の日を迎え、1人再び、誰も足を踏み入れないところを歩く。そのことに寂しさを感じつつ、ホッとする感覚を覚えつつ。


 ふうたろうが1人で山を歩くのは、本当は一緒に行く友人がいないからなどではない。誰かと一緒に行くことが怖いのだ。


 ふうたろうが1人で山に登るのは、景色を独り占めしたいからなどではない。誰かを巻き添えにすることに気兼ねするからだ。


 ふうたろうはどこを歩いても楽しい。でも、それはふうたろうの感覚にすぎないからだと思っている。ふうたろう独特の感性だと思っている。


 そういう意味では、ふうたろうの足跡を辿る人はまずいないだろう。それは、誰もがやらない、つまり、誰にでもできることではないことと一緒ではないだろうか。


 頭の中を、楽しかった思い出に封をした状態で、マイナスのイメージがぐるぐると回る。それも、出所の曖昧なイメージが、だ。


 肯定されないと否定されているような感覚になり、否定されればやっぱり否定されているような感覚になる。めんどくさい性格だ。きっとほとんどの人は肯定や否定など、めんどくさいことは考えていないはずなのに。


 でも、そんな思考が頭の中を駆け巡るのも、自分を判る上では必要なことだと思えば何とかなるものですか?


 つらかった思いや過去を、おもちゃにできるような強かさを付けるチャンスだと思えばいいはずだから。


 そもそも、昔は集団になじめずどん底から這い上がれないふうたろうだったのが、今は「1人で山に登る」という逃げ道を残せているため、ずいぶんと生きるのが楽になった方なのです、これでも。


 人はみんな、誰かに迷惑をかけずに生きることはできない。手前勝手な考え方かもしれないけど、迷惑をかけないで生きるとは、足を前に出すことを怖がって山に登れないこととあまり変わらないような気がします。


 夕張の雪原にふうたろうの痕跡を残そう。すぐに溶けてなくなるだろうけど。
 ECCSごっこで。
 …一旦頭を冷やせ。


 荷物の運搬をしてくれているF井さんとK村さんがスノーモービルでふうたろうを拾ってくれました。容赦なく飛ばしたらしいので、ふうたろうはバウンドしまくりでした。まあ、いい経験ですわな(笑


 帰り、K村さんが交番に下山届を出しに行きました。
 ん?(・ε・*)
 見覚えのあるお顔が…?と思ったら、去年の7月だったか、イベントに一緒に来られていた警察官の方でした。普通に笑顔を交わします。
 しかし、一方では政治的には分断された関係の、警察組織と日本共産党。お互いが監視したり警戒したりの関係。何となくざわざわしたものが胸の中でわき起こります。いや、悪いのは警察「官」や自衛「官」などの「個人」ではない、分断を持ち込んでいる確信犯や組織なのだ。…そう思うと、涙が出てきます。


 シューパロダムの試験湛水が始まったその下流には、道営の水力発電所があります。この建設に関する話はまったく知りませんが、少なくとも上流のシューパロダムは、やはり分断を持ち込まれ、巨大な財力を持つゼネコンに収奪されるシステムの上で成り立つ…。


 今日の帰りは、ふうたろうの無用の長物・スキーグッズを買ってくれたT口ご夫妻の車に載せていただいて札幌市まで。清水沢駅近くの交差点付近にあるコンビニでメシを済まそうということになりかけましたが、お願いして温かいものを食べられる場所に連れて行っていただきました。どうもありがとうございました。
 ところで、そのコンビニ(セイコーマート)でたまたま流れていたラジオで、たまたま政府広報が流れていて、「消費税はすべて社会保障(など)に使います。」と、大本営発表しておりました。思わず口が(パソコンでは手が)悪態をついてしまいましたああはしたない(ヴォー読み


 2000円のエビフライ定食。尾頭付きです。デフォのふうたろうにとっては大量でありますが、一昨日から体調が悪くないので、食べられてしまうこの恐ろしさ。夕張の薬はプリンペランよりも強し(何


 札幌市まで戻ってくるとすっかり晴れていました。夕張ではしばらく雪が降っていたものですので。
 それにしても、駐車場を見ると、各スペースに一本、必ずスコップがあるという。これが北国の仕様なのですな。そりゃ、東京のあの程度の雪で大笑いする気持ちも判りますわな(藁
 旦那さん曰く、人口100万人を超える都市の積雪量の最高値は6mだそうです。それが札幌市。
 →札幌市についてこんなん出ましたけど


 奥さんのお母さんも一緒になって、ふうたろうが決してひとりでは来ることのない温泉に行きました。まあ、お母さんはともかく、ふうたろうたち3人は3日風呂に入っておりませんからね。まあ、ふうたろうは寝苦しい夜行列車でもう1日分多いけど。おかげで、シャンプーが泡立ちません。4回洗ってやっと頭のアヴラが落ちたような気がします(汚


 …。どこの商業施設に行っても、消費税増税の「おことわり」が。この記事(しんぶん赤旗2014年3月25日付)の後半でも読めば、ふうたろうの口がただ単にハシタナいだけじゃないことが判るでしょう…(ため息


 ふうたろうが4回の洗髪などを終えて出てきたら、既にみなさん上がっておりました。特に奥様はビール片手に(笑
 ふうたろうは、さっきの沼ノ沢駅ナカ(?)のレストランでエビのシッポやらを食べたので充足しているグルコサミンでも、話のネタに飲もうかなと。
 ん?(・ε・;)


 携帯に着信履歴が残っていました。どうやら、新聞の集金の時、新聞受けに大量に新聞がたまっていたため、ふうたろうがしんでしまっていないかどうかを確認する電話だったようです。ふうたろうが新聞受けに新聞をため込むことは日常茶飯事なのですがね…。いちおう連絡して対処しておきました。


 この後、札幌駅北口すぐの登山用品店「秀岳荘」で17時にT口さんご夫婦と別れた後、札幌駅ナカのカレー屋でメシ、残りの時間はネットカフェで日記やらの更新をしました。なお、こうして下山してPCに向かうと、やっぱり胃の具合が突然悪くなってゆくという罠。
 あっという間の3日間でした。寂しいやらホッとするやら、いつもの登山と同じです。みなさま、どうもありがとうございました。


天気:晴れ時々雪(北海道空知支庁夕張市・石狩支庁札幌市)

  1. kotetu
    4月 1st, 2014 at 00:12 | #1

    初めまして。
    いつも楽しく読ませていただいております。
    夕張岳の徒歩横断の記事はとても参考になりました。

    ところで,道庁の地方出先機関は、何年か前に支庁から振興局に変わっています。
    ふうたろうさんのことだから、意図的なのかな?

  2. ふうたろう
    4月 1st, 2014 at 01:19 | #2

     kotetuさん コメントありがとうございます。

     徒歩横断…参考になったのは、もちろん、山のあるところだけ、だと思いますが…(汗
     車道の長さはあれに匹敵するものは、福島県~栃木県にかけての帝釈山のみです。

     ところで、「支庁」は、最近は「振興局」という名前に変わっているのですか?「空知振興局」?
     「支庁」も「振興局」もあまり語呂が良くないのですが、「北海道」と郡・市の間に何かほしいので使っていました。でも、「振興局」…ですか…。
     …。
     使い方をこれから考えます。ありがとうございました。

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