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土石流遡上(鈴鹿御池岳【君ヶ畑・茨川・茶屋川遡上コース】:滋賀県)

2014年 7月 26日

 最近到着のシーンがワンパターンな気がするのは気のせいか(じと目
 ここは苫小牧駅、じゃなくて、南草津駅。


 ここは苫(略
 夜行バス(夜行列車)で到着した朝はメシが確保できていないので、近くのコンビニでインスタントカップうどんを食べます。


 南草津5時50分発の始発で近江八幡駅まで。
 ところで、旅をしない人にとっては、草津や近江八幡がどこか解らない人もいるのでしょうか。滋賀県琵琶湖の南~東側です。その近江八幡からさらに近江鉄道に乗って八日市駅まで。


 6時56分に八日市駅に着いたら、7時5分のバスに乗ります。危うく水を汲むのを忘れるところでした。
 しかし、1.5リットルのペットボトルにまで水を汲む時間が取れず、バスの乗り換え地点である永源寺支所のトイレで汲んでいこうと思います。
 ん?(・ε・;)


 ヌオッ(゚皿゚;)
 ここはどこだっ!
 ふうたろうはどうやら永源寺車庫に連れてこられたらしい。
 オイ、これ、車庫じゃなくて空き地だろ!


 とりあえず、水汲む場所を求めて移動。どこかにトイレとかないか、バスの運転手に聞いたら、永源寺という寺の境内にあるとかないとか。しかし、その前にこんな駐車場の橋にトイレっぽいものがあるじゃないかと思ったらやっぱり鍵がかかっていました(ちーん


 ああ、田舎の夏の朝が長閑だなあ(棒読み


 これ、水汲みOK?
 と思ったら、「飲まないでください」だと。わざわざ傍点まで打っている…(遠い目


 この変な看板の向こうに、命の水が湧くトイレがあるようです。


 落ちたらピラニアでも出てきそうな愛知川。この水のたまり具合はダムか?いや、そうでもないらしい…


 去年の明日、つまり2013年7月27日に同じ路線を使って杠葉尾(ゆずりお)から神崎川を遡上して御在所岳に登ったはずなのに、この失態…(滅滅滅


 一応気にはなっていたけど、道路脇に水が湧いていました。たぶん、飲んでも差し支えないとは思いますが、確かこの上って田んぼなどだったと思うので、農薬が染み出しているような気がして飲む気になれません。タオルを濡らして頭に巻きます。


 ヤンキー座りして携帯を触っていたら、左足に違和感が。歩く気力と体力が半分になりました(滅滅滅


 東近江市のコミュニティバス、政所(まんどころ)線の始発は永源寺支所を8時50分、永源寺車庫を8時55分に出ます。これは土日祝日も出ている、素晴らしい便です。しかもどこまで乗っても200円。是非、使いまくりましょう。
 それで、君ヶ畑に到着。ここから徒歩開始です。
 ところで、よもや間違うことはないとは思いますが、似たような名前の大君ヶ畑(おじがはた)という場所が、多賀町側にあります。まあ、こちらも今回の目的地である御池岳の登山口なのでいいっちゃいいんですがね。


 たっぷり罠を仕込まれた出発で頭(Θ_Θ)どよーんですが、行きましょうか…


 バスが愛知川を遡っている間に、支流の御池川に入っていました。川って落ち着きますよね。


 今回の旅は鈴鹿山脈が舞台になりますが、ここは、東京近郊の奥多摩、名古屋近郊の鈴鹿と、双璧を成す場所だと思います。大阪?なにそれおいしいの(棒読み
 マニアックな山も多数ある、なかなかおもしろい場所だと思います。
 ここに天狗堂という山への登山口があるようです。いつか、行けるかな。


 これ、実、ですね。花が咲いていれば判るかもしれないけど、実ですね…


 これはキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)ですかな。いや、花の付き方が違う。栽培種のユリ科のなにがしかのようですな。野生化しているようだけど。


 さて、君ヶ畑から林道を歩いて奥まで来ました。そこに登山届の用紙があるので書いていきますが、「単独行はやめましょう」との文言がいちいちウルサい。単独行は、確かに事故ったときの死亡率は高いが、単独行者の事故率そのものはどうなのか、統計を調べたことあるが見かけない。作為的とまでは思わない(作為する理由が思いつかない)が、単独たたきはやめてほしい。


 さて、茨川方面に向かいます。昭文社の地図でも破線ルートとなっていて、いささか不安ですが、行きます。


 少なくとも、一般車両は入れません。


 ふうたろうは思います。仮に山で死んだとして、それを捜索なんてしなくてもいいから、外から「危険なので入るな」というのはやめてほしい。自己責任とは、そういうものだと思います。その代わり、そんな簡単に死んだりケガしたりすることは許されませんがね。


 いよいよ林道が終わり、登山道に、というところで鉄の橋が出てきました。


 あれは砂防ですか。


 作り物の滝でも、水の流れは癒やされるものがあります。


 う~ん…これは、裏側に入ってみたいかも。


 (=皿=)
 裏側に入ったら水がボタボタ滴ってきて、思ったほど快適でも思ったほどきれいでもなかったという罠。


 靴脱いで脚を冷やせたのはよかったかな、ということで、先に進みましょう。


 この斜面に沿って続く細い道、滑落注意です。


 容赦なく構造物がたたき壊されています。


 短いけど猛烈な急登を登り詰めて、尾根に出ました。ここから尾根を北上すれば土倉岳、南下すればノタノ坂(なんちゅう名前じゃ)を経てヒキノ(なんちゅう(略))に向かいます。このカタカナ連山(何)は25000分の1の地形図には載っていません。
 そして、尾根を伝わずにそのまま東に下ってゆくと、茨川の集落(廃村と言われる)・茶屋川に至るようです。


 悩みましたが、今回は沢突撃のススメをやりたいので、茨川に下ります。
 なお、このトラバースも滑落には気を遣いましょう。


 トラバースが終わって尾根伝いの道。深い樹林帯ですが、晴れていれば広葉樹の薄い葉を透かして日の光が明るい。


 途中から踏み跡程度の斜面の道を下り、地図には表れない沢(谷)に降り立ちます。ここを茶屋川と錯覚しないように。


 崩落がひどい。道も荒れていますので、足下注意。


 道はひょっとしたら発見するのが難しいかもしれません。その場合は、茶屋川までこの谷を下ってしまうのもありかもしれません。


 一つ尾根を乗り越して見えてきた茶屋川と茨川集落。どこから下りるんだろう。


 踏み跡の付いているところをウロウロと。そしたら、ズルズルと河原に降り立ちました。


 ガッツリと砂利で埋まった川ですな…


 こんなところを無理やり下りてきた感じ。


 さて、廃村と言われているこの茨川(集落)ですが、そこにある建物は、山小屋みたいな扱いを受けて使われているようです。
 これは、八幡工業高校の山岳部の小屋になっているようです。ちゃんと使ってるかな?部員、いるかな?
 ちなみに、ネットにはこの部の情報は上がってきませんね…


 この部室…じゃなくて山小屋の横に朽ち果てた指導標。治田峠(はったとうげ)方面は荒れているとの情報。なら、藤原岳には行けるのかという話だけど…


 そしてこの青い屋根の建物。


 中はひどく汚れています。みんな土足で入るから泥靴の跡はあるし、雨戸なども傾いて隙間が空いてしまっているため、外からゴミが入ってきます。


 この貼り紙を読むと、1965年8月19日に、最後の住人がここを去って、廃村になったとのこと。49年前です。建物が残っているだけでも奇跡ですね…


 1957年9月26日と書かれているこの絵は、どこの街でしょうか。これはもう57年前に、恐らくは中高生以上の人が描いたものでしょう。その人ももう70歳くらいにはなっているでしょうね…


 都合よく腹が痛くなった(滅)ので、この小屋のトイレで、と思ったけど、くみ取りにも来なさそうな上、ドアが壊れているトイレでやるよりは、どこか開放系でやった方が自然浄化力も発揮されるだろうと思って…(以下略
 というわけで、この川を遡上しますよ(何


 鳥居、神社があります。
 よく見ると、若干鳥居も背が低いように感じます。恐らくこの砂利でかなり埋まったのでしょう。階段も何段ほど埋まったのでしょうか。


 さて、川を遡上するのなら、そのままの登山靴で行けるはずもない。必ず水の流れに行く手を阻まれるときが来ます。


 沢靴を出して装備、行きますよ、沢突撃の術
 そもそも、なぜ沢道を選んだかというと、去年の鈴鹿(御在所岳)と同じ理由で暑いからです。


 しかし、去年通った神崎川遡上の時と違い、こちらの道は崩落が尋常ではありません。蛇行しているところはとにかく濁流にえぐられたようです。


 まあ、それでも気にしない。いざとなったら引き返せます。


 あるこう あるこう わたしはげんき~(だみ声
 あるくのだいすき~(黒ハート


 ん?(・ε・*)
 この針葉樹、枯れかかっています。ほんの最近、この沢は土砂災害に遭ったのでしょうか。
 ※どうやら、何年か前の台風18号の影響のようです


 木は枯れてもふうたろうは枯れぬ(`・ω・´)キリッ


 倒木がひどく、至る所で行く手を阻まれます。でも、沢靴(フェルト地)でばく進しているので、水の中も何のその。っていうか、水量少なすぎです。


 岩肌のそばを流れる砂利の沢。
 何というか、違和感あります、この沢。これ、どれだけ淵が埋まっているんだろうかと。


 これは支流の滝です。


 土石流の爪痕の上を歩いているのですね、ふうたろうは。


 真正面の出っ張った岩場は、恐らく天狗岩です。あそこから、たぶん展望抜群なのでしょうが、2011年12月18日に鈴北岳(これから、たぶん明日、通ります)より縦走したときには若干ガスっていたように思います。
 ところで、沢が流れを失っています。この辺りは特に砂利の堆積がひどく、その砂利の下を伏流しているのかもしれません。


 再び砂利の上を水が流れるようになりました。
 何でこんなことになっているんでしょうか。


 気のせいかもしれませんが、針葉樹林主体の場所の方が、崩落は激しいような気もします。もっとも、この沢がどのくらいの規模の土石流被害に遭っているのかが解りませんので、ふうたろうもただ砂利道の上を歩くような気分でしか…


 通常の水量もどのくらいなのか解りません。ただ、淵と呼べるような場所はほとんどなさそうです。


 地層がいびつになった堆積岩。何年前、ここは海あるいは湖だった?


 これ、ナナフシですよね?初めて見ました。


 さて、三筋滝まで来ました。でも、なんか写真写りものごっつショボいんですけど。


 そして、滝をよじ登ることはできないので、高巻きするんですね。


 しまった…ストックを片付けて登山靴に履き替えてからやるんだった(←こら


 まあ、そんな理由で、この滝の上に上がるまで、1時間を要しました。しかもその間にブヨに好きなだけ咬まれまくって向こうずねとかけちょんけちょんにやられました(滅滅滅


 ところで、滝の下流側から見て左側が崩落し、右側はそうでもない。なので右側から行けるかと思ったけど、そちらは岩場になっていて高巻きできませんでした。
 この写真は、滝の上から左岸(下から見たら右側)。解りにくいですが、道がつながっていません。


 滝の上はどんな感じかと思えば、また広い沢に戻っています。上から下りてきたとき、この安堵感の後の三筋滝はマジでどん引きでしょうな。まあ、沢を下りるのは禁じ手ですけどね。


 この辺りの土石流もひどいものですな…それにしても、いつまで続くんだ、これ。


 ここも深い淵だったでしょうね。今は深さ1mないんじゃないかな…


 ところで、この川底には大量のオタマジャクシがいます。できるだけ踏まないように進んでいるつもりですが、たぶん数匹、いや数十匹は踏みつぶしているでしょうな…


 サワギク(キク科)でしょうか。ちょっとくすんだ黄色の小さな花です。


 ここ、入れば腰くらいまでは浸かるとは思いますが、この沢は全体的に浅すぎます。


 樹林のトンネルの中の沢歩き。でも、いい加減飽きてきたぞ。


 上流に進むほど道の荒れ方も一層荒々しくなってきました。


 ここ、落ちたら這い上がるの大変そうだけど、見ている分にはいいよね。


 段々渓谷が深くなってきました。このまま先に進めるのだろうかと、地図を見ていたとしてもよぎる不安。


 水の中を歩くのは沢靴なのでやぶさかではないが、このまんまゴルジュとか滝とかに突っ込むのは…


 進むなら、ここら辺りが限度ですな。これ以上スゴいのが出てきたらちょっとどん引きするわ。


 しかし、写真を撮る余裕を失うほどどん引きするゴルジュがあって、高巻きする場所も見当たらない。下流に引き返して高巻くポイントを探して何とか目処が立つという始末です。


 高巻き中。坂きつい。


 さっきまでふうたろうがもがいていたゴルジュ。掴んだ岩が崩れてマジ死ぬか思た。


 まさかひのめをみられることになるとはおもわなかった(ヴォー読み


 とことん崩れている沢の斜面。まあ、それでも根性で歩きますよ?


 この沢の遡上は、こういう大岩の積み重なっている場所を見て、瞬時に自分の足を置く場所を決められるようにならないと、きついと思います。


 そして、また伏流の沢。
 ところで、もうすぐ17時だぜ?


 ここもこてんぱんに崩されとるなー


 で、昭文社の地図にあるテン場ってどこなんだよ。まあ、この崩落のエゲツナさから察するに、とっくに消滅しているとは思うけどさ。


 こういう模様の岩、どうやったらできるんだろうなと、見る度に思います。でも、今はそんなこと言ってる場合じゃなくて、早よテン場探せ。


 ウボァー(゚Д゚)
 まだか、まだ見つからんのか、テントひと張り分の平地がッ!


 千変万化する沢の形。水の一滴も流れていない沢で、またクソ暑い(滅


 ところで、ピンクリボンのマーキング発見。ここ、誰かが少なくとも通った場所ではありそうですな。


 で、やっとテントの張れそうな平らで斜めの広場を発見し、テントを構えました。いや、苦労しましたわ。


 それでは優雅にメシを食いながら山ライフを…
 って言ってると、北日本や北陸などにいるものよりもサイズが小さく気性の荒いブヨどもがガンガン襲ってきます。あの乗鞍岳の500匹スウォームよりはずっと虫密度は低いのに、あの時よりも頻繁に咬まれまくっています。


 山は自然との闘い、というか、体当たりですな。沢の高巻きが大きくふたつあったのはキツかったけど、まあ、ここまで来ればあとは何とか…なればいいな(ぇ
 明日は岐阜県大垣市(旧上石津町)の「時」バス停まで歩いて終わりです。スムーズに行けば、12時51分のバスに乗れると思いますが…


天気:晴れ時々くもり(滋賀県草津市・神崎郡永源寺町、東海道本線など)

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