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純度0%の山(御前山:東京都)

2007年 5月 26日

 今日は昨日とうってかわって、最高の晴天。山へ行く足も弾む。…はずでしたが、いきなりバスを乗り間違えました。しかも、今日のコースは題名通り、純度が低い、…多様な地形を含んだコースでした。
 新宿駅から直通で奥多摩駅。立川と御嶽で目が開いたような気がしますが、基本的にバク睡。気が付いたら、駅前は登山客でごった返していました。


 最初に乗ったバスが大間違い。危うく、雲取山の方に連れて行かれるところでした。途中で気が付いて、15分くらいかけてバスで来た道を歩いて戻ったところが、奥多摩駅近くのバス停。相当の遠回りです。


 漸く出発点。奥多摩湖。ここで登山客の全てが降りたはずなのに、僕と同じコースを歩む人は皆無。え?なんで?


 地図で見ると小さな奥多摩湖の堰堤。実際歩くと、ムダに長い。途中の展望台は、展望台の役目を果たしていませんでした(「ふうたろう絵日記詳細」に載せます)。


 御前山登山道。油断していました。前半の急坂は驚くほどキツい。めまいがしました。汗がたれました。喉が渇きました。辛さのレベルは利尻富士なみといってもオーバーではないかもしれません。
 そのキツいコースの中で唯一の奥多摩湖展望ヶ所。


 道は木に覆われてるけど、葉っぱから透けてくる光は輝いています。広葉樹(陽樹。陰樹はダメ)の森は明るいから好きです。


 道端に蛇。足で脅かしてみましたが、微動だにしません。ふてぶてしい蛇。「オレの島に何しに来たんや!」とでも言うかのように、体くねらせてきました。


 御前山の頂上に来ると、人がたくさんいました。展望もないのに、みんなここに集結します。なのに、僕の歩いたコースに人がほとんどいなかったのはなぜですか?
 ここで、浦安から来たという夫婦とちょこっとお話しました。こないだの船の中での出来事とダブります。まだあの時のPTSD(トラウマ)は抜けきらない。
 御前山山頂直下の避難小屋側に、水場があります。カエルが住み着いていて、ひょっとしたら、カエルの小便でも混じっているんじゃないかと思いながらも、水を汲みました。量が少なく、汲みづらい。


 長い、暑い、足が痛い、キツい。
 こんな道がずっと続いています。森の道は、飽きるのが早い。
 特に、大岳山の手前くらいで、岩場と急坂にノックアウト寸前でした。登りきったところに3つの名瀑を見るコースへの分岐がありました。ルートとしては地図表記で点線なので、厳しさは覚悟しなければなりません。本来は、大岳山を抜けて、養沢(ようさわ?)に抜ける予定でした。


 名瀑コース。滝のことです。滝を一目見ようと行ったのは良いのですが、直角に下る坂は残った脚力を食い尽くします。湿度が高く、苔の生育も盛ん。スリップ事故数回発生。正規のルートの方が楽だったかもしれません。でも、滝を見たかった。


 せせらぎは絹糸のようなシルエットを残して止めどなく続きます。美しいですね。辛いコースですが、来て良かった。


 「ふうたろう旅日記詳細」で日を改めて記録するから、あまり細かくは書かない。「ネジレノ滝」という変わった名前ですが、このルートにある滝の中では僕の一番のお気に入りです。神秘的です。写真では写し切れません。


 名瀑コースの地獄の急坂が終わったら、今度は林道歩き。山にかかる日がもう鋭角です。


 オトシブミのようですね。この中に虫の卵があるのでしょうか。初めて見ました。


 そうそう、オトシブミなんかに感動してる場合じゃない。もう既に18時回っています。森の中は特に暗いんです。で、僕は一人で歩いてるんです。なんか文明っぽいものはありますけど、みんな無人で、中には廃墟もあります。
 ちなみに、林道の終点から約1時間、また針葉樹林帯の山道。暗いし危ない。


 鳩ノ巣駅周辺の集落が見えてきました。ここから駅まで20分くらい。多様なコースに加えて、暑さと空腹と渇きとアキレス腱の痛みと眠気が襲いました。今日のコースは本当に厳しかった。


 18時58分に鳩ノ巣駅。常磐線への乗り継ぎよりもタイミングよく電車到着。長い旅でした。土道、苔の道、岩場、滝、木道、いろいろなコースが混ざった、純度0%のコース。電車の中では思わずため息が出ました。


 以下、ちょっとコース中に出会った、草本系の花を紹介。
 マイヅルソウ(ユリ科)っぽいですね。そんなにきれいとは思わないけど、花は花。顕微鏡持ってくれば花粉もとれた?


 フデリンドウ(リンドウ科)でしょうか。リンドウにも仲間があるようなので、よく解りません。
 なお、リンドウがちゃんと花開いているのを見るのはこれが初めてです。


 ラショウモンカズラ(シソ科)でしょうか。大きい花ですね。3センチくらいあります。ああ、花粉撮りたい。


 チゴユリ(ユリ科)でしょうか。開ききってないけど、中にはニラとかキバナノアマナとかの雌しべや子房に似たものがあります。


 アブラナ科の植物のようですが、名前が判りません。近くにわさび田があって、こいつも同じように根っこを水に浸しています。


 キク科の植物です。…が、こういうのも種類が多く、図鑑にはありません。花の大きさ、1センチあるかないかです。


 これは何科の植物なのかすら解りません。取手にも生えていたのを見たことがありますが、当時も解らずじまい。薬草っぽい。葉っぱは後ろにぼやけて写っている、大きなものがそうです。花の大きさ、縦2センチ、直径1センチ弱くらいです。


 今日出会った夫婦、よせばいいのに、なぜか政治の話をしてしまいました。こないだの船の中での事件みたく、考えの合わない話をすることに、ちょいとPTSD(トラウマ)。でも、相手の考えを受け入れる訓練です。旦那の方はよく解りませんが、奥さんの方は、憲法について「自衛軍を持つべきだ」なんて話していました。
 今回は、とりあえず、人には色々考えがあっていいんだ、と思うことにしました。軍を持つことが日本にとって本当に良いか悪いかは、それを悪いとする側と良いとする側のそれぞれが、事実をもって情報を提供すればいいだけのこと。決めるのはやっぱり一人一人だもんね。もっとも、今の政府の改憲派たちにはそういうフェアプレー精神が無いでしょうから、その問題を知らせることも大事ですかね(これはちゃんと二人には知らせときました!)。ま、よく考えたら、今日話した二人は話しやすかったと思います。お互いが話を聞けるような雰囲気は、進んで作るようにしないといけないと思いました。ほどほどに、がんばろ。

天気:晴れ時々くもり(東京都西多摩郡奥多摩町・檜原村・茨城県取手市)

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