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平和は市民レベルでしか作られないのか

2007年 6月 19日

 今朝はほどほどの時刻に起きて、出勤。常磐線が適度に遅れていて、通常は非常に接続の悪い関東鉄道バスからうまく乗り継ぎが出来ました。通勤時間はそれだけで10分も縮まります。首都圏の通勤時間の長さは複合的な問題ですね。
 浮いた時間を職場までの遠回りの散歩で過ごしました。写真の花はネジバナ(ラン科)です。コンクリートの割れ目から一輪咲いていました。


 職場のある建物の中で、何やら売り物をやっています。見れば、なかなか美味しそうな洋菓子類です。マドレーヌ、クッキー、サブレ、ケーキ、ジャムなど。


 この売り物は、チャリティバザーみたいなものでしょうか。毎年、原爆が投下された広島や長崎で、原水爆禁止世界大会というイベントが開かれます。ここ数年世界中から閣僚なども含め多くの人が参加する平和大会です。
原水爆禁止世界大会オフィシャルページ
 その大会に参加するための費用を募金で集めるのが毎年の恒例で、僕らの中ではこれはこの時期の風物です。
 この売り場は募金も兼ねたところ。菓子が食いたいという欲望だけで買うものではありません。


 僕と主任の二人で1800円くらい買い込んでしまい、ご覧の通り。やっぱり、菓子が食いたいという欲望も、少しはあったかも。…結果オーライ!


 何気に凝っていますね。マーマレードケーキの袋に小さなみかんのシール。5mmくらいのワンポイント。可愛いですね。


 先ほど述べたように、原水爆禁止世界大会は文字通り「世界大会」です。何十カ国もの通訳者がいて、核兵器廃絶にとどまらない平和運動に関わる人たちがわんさと押しかけます(数万規模)。政治的な軋轢があるようですが、僕は知りません(今後の勉強)。
 僕が参加した2005年の大会では、フランスから160人くらいが来ていました(その4年前は一人だった)。また、どこの国かは忘れましたが、市などの地方自治体が参加費を出して派遣するという例もありました。フランスは核兵器を持っている国ですが、その分、廃絶に対する思いも強くなっているのでしょうか。あのアメリカからでさえ参加者がいて、「(核兵器の廃絶は)アメリカだけではダメです。アメリカに責任を取らせ、進路を変えさせるためには、世界から、道理に訴えた圧力が必要です。みなさんからアメリカに圧力をかけてください。」と発言したことは、多くの参加者を感動させました(当時作った大会後記に僕の手記が残っている)。
 去年の原水爆禁止世界大会は参加できませんでしたが、年々高まる世界レベルでの平和運動は未だとどまるところを知りません。
 しかし、「美しい国」日本はどうか。憲法9条の問題一つ、教育基本法の問題一つ、自衛隊による国民の運動監視問題一つ、どれをとっても逆行していますよね?どう見ても。しかも、実感のない景気回復の下で貧困にあえぐ人たちがお金を出し合い大会に参加するという状況は、自治体が支援するどこかの国とは大違い。被爆国日本が「美しく」なるチャンスを、この国の政権党は完全に放棄しています。

 今日買い込んだ洋菓子は、障害者の作業所の人たちが作っているものだそうです。人によってどういうイメージを持つかは判りませんが、スーパーなどで売っている箱や袋に入ったお菓子より、遥かに良質なものです。添加物ではベーキングパウダー、香料ではバニラエッセンスがせいぜい使用限度。僕と一緒に買った主任は言います。「効率とかを考えずに真面目に作るから美味いんだよ。」と。激しく同感。これで売り物がその辺のメーカー品なら、良心的な人からの協力も得にくいだろうから。こういうものを通して、食のこと、障害者自立支援法のことなんかも考えさせられます。平和運動はそれほどまでに幅が広く奥が深いのかもしれません。

 安倍政権には平和を作る意識は微塵も感じられません。この国では、平和は市民レベルでしか作れない、そう思います。

天気:晴れ(東京都板橋区・茨城県取手市)

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