天候は荒れ、心は不安になる
※記録:8月15日
九州上陸後はひたすら西岸を南下します。ただし、八代(やつしろ:熊本県)~川内(せんだい:鹿児島県)間は、おれんじ鉄道という第三セクターに売却されたため、18きっぷが使えません。そのため、肥薩線(ひさつせん)というルートを使います。肥薩線は観光路線化されているため、非常に遅いです。
さて、二日目の南下ルート、始まります。
ここはまだ福岡県内です。天候は非常によい。心も晴れやかです。
熊本駅には構内に駅弁屋さん。おこわを売っている店です。弁当箱には『仁志甲』と書いてありますが、何と読むのかわかりません。
それにしても、既に外気は30℃も超えていると思われる中、目の前を通っただけでムンとする中、おこわを客によそう店員さんには、ちょっと後光がさしていました。僕には、「暑い中大変ですね」程度のことしか言えません。
で、そこのおこわをちゃっかりと買っていきます。栗入りのお赤飯。完食しました(珍しいことです)。
ここは八代平野?とにかく、水田地帯です。ときどき、新幹線の橋桁が建っていたりもします。いずれ、今僕が使っている鹿児島本線も第三セクターに切り売りされてしまうのでしょうか。盛岡(岩手県)~八戸(青森県)みたいに?
球磨川(くまがわ:熊本県)です。ここ(あるいはこの上流)にダム建設の計画があると聞いたことがあります。今、どうなっているんだっけか…。
茨城県では、水の需要を過大評価していながら利根川上流にダムを作ろうとしているのは、少なくとも明らかです。徳島県の第十堰のときも、治水問題を問われ、けっきょく建設賛成派が住民投票で負けました。数百年続いた第十堰の効果をそれなりに認める人が多かったのか。
さて、熊本県の場合はどうだったか…。
まあ、いまはいい。旅を続けます。
人吉駅(熊本県)。ここで1時間以上の待ち時間があります。あまり美味しくない個人経営のパン屋さんに入ってしまい、少しばかり気分が悪くなりましたが、残された気力と、Mさんメールと『化学系薬学』の助けを借りて、凌ぎました。
天気はややくもりがち。
人吉駅から吉松駅(鹿児島県)までは観光列車いさぶろうが走っていて、通常より30分くらいのんびり移動します。本当は急いでほしいと言いたいのですが、初めての経験ですから、美味しくいただいてしまいましょう。ただ、いさぶろう号は、自由席の人に対する扱いが非常に悪いです。
これを書くとページを閉じる人が出てくるかもしれませんが、特殊殺虫剤と書いてある紙に目が。観光列車いさぶろう号のトイレの入り口に張ってありました。
さて、フェニトロチオン(有機リン系)か、アレスリン(ピレスロイド系)か、それとももっと別の薬剤なのか…。せめて、有機リン系なのか、有機塩素系なのか、ピレスロイド系なのか、そういうのははっきりさせといたほうがいいと思います。化学物質過敏症の人だっているかもしれないのだし…。
ここは矢岳駅(熊本県)です。駅前は、観光列車の客でごった返す駅とは打って変わって静かな農村。何だろう、この違和感は…。
はなれの車庫には、D51が大事に格納されています。
熊本県から宮崎県に抜けたとたん、雲は一気に増えました。
そう、実は、九州南部は熱帯低気圧の渦に巻き込まれているのです。
遥か遠くに雨の降りたる様子が見えます。そして、その向こうには桜島がぼんやりと…。
真幸駅(宮崎県)です。幸せになると称する鐘があります。カップルが鳴らします。僕はそういう人たちの写真を撮ります。もちろん、そのカップルたちのカメラでね。「シャッター押しましょうか?」ってな具合に。一人旅のスパイスです。
桜島。ここは隼人駅(はやとえき)を過ぎ、日豊本線(にっぽうほんせん)内です。いよいよ、鉄道の旅も終わり。この先には更なる試練が待ち構えてるとも知らず…。
鹿児島中央駅(鹿児島駅が鹿児島市の中心ではない)からフェリー乗り場までの写真がない理由は、後で、このページ内にある「ふうたろう旅日記詳細」にでも載せます。
屋久島へ向かうフェリー。はいびすかす号。名前はいかにも南国風。この船が、大問題の船でした。
…
冗談だよね!!?
本当にそう叫びました。よく見たら、どこに客室があるのか、外から判断できない…。不安が募ります。
桜島の麓に架かる虹。例の船から見えました。これは弔いなのか…?
太陽は沈み、雲は厚くなり、海は時化ます(しけます)。
この船が沈まないことをどれだけ祈ったことか…。
何気に、人には「大丈夫」といっときながら、ちょっと不安でした…。
南下するたびに雲が多くなる。雨も降り出す。風も強くなる、海は時化る。
これに不安感を持たずして、何を持とうか。しかも、「産業廃棄物運搬船舶」…だもんね。
ただ、仙台から一ヶ月の旅をしにきたという、ある企業の、若い幹部の人とお話ができました。企業経営というものについて、ちょっと考えさせられたことがあって、こればかりは「はいびすかす号」に感謝です。
…しゃかりきに働くことで業績が上がる。これは半分正しくて半分間違っている。この幹部の人は、そんなことを感じさせてくれました。後の旅で、さらにその思いは強くなります。(後述)
とはいえ、屋久島を知らない僕が、初めての場所を恐れながら向かうことに変わりありません。利尻富士のときのように、半分覚悟を決めてきたとはいえ、ね。
もちろん、絶対勝つ!と、心には思っていましたが。
天気:晴れのち雨、強風を伴い強く降る(福岡県・熊本県・宮崎県・鹿児島県鹿児島市)