殿様登山(蓼科山:長野県)
※記録11月4日
蓼科山に行くには、茅野(ちの)駅まで行かなければなりません。しかし、10時50分に茅野駅に着くのに所沢を出ないといけない時刻が7時7分。取手なら5時台です。喜びを噛みしめて、一枚目。
今日はいつもの同行者がおります。バスで蓼科山登山口まで行き、急登の連続を上ります。
僕は青空と殆ど散っている落葉松の黄葉(こうよう)を味方に付けながら、登山。Mさんは、ちょっとしんどいみたい。ま、いきなりの急登だしね。
だんだんシラビソの背丈が低くなってきて、展望が良くなってきました。去年の9月9日~10日にかけて登った八ヶ岳が見えかけています。
何合目くらいでしょうか。森がとぎれとぎれ、澄んだ空気の向こうにしっかりと八ヶ岳。西岳・編笠岳・権現岳・赤岳・硫黄岳(あと三つは忘れた)。小淵沢付近(八ヶ岳南山麓)はちょっとガスがかかっているみたいです。
登っているおばちゃん軍団と遭遇。僕の職場の近くに住んでいるという人がいました。「日本は狭いねぇ~」なんて、月並みな言葉を吐きながらもビックリ。
白く立ち枯れた木が、上に行くほど目立ってきます。青に映える白はきれいなのですが、木の立ち枯れには不安を覚えます。
もう、蓼科山の頂上付近は、完全にガレ場。岩を踏むたびにあの、がろっという音が。360℃の大展望です。
蓼科山を、八ヶ岳の付属品みたいに扱っていた僕は、ちょっとワビを入れなければ…。
これが宿泊所の蓼科山頂ヒュッテ。収容人数は20人くらいか。すごく小さな山小屋です。もう11月3日が小屋じまいで、売店の窓も打ち付けられています。中ではバッジなども買えるんだけど…。
自炊組の僕らには、ストーブの席が割り当てられました。そこで料理してくれ、と。Mさんがろうそくの火で上着を殺しました。助けてあげられません。Sorry.
後ろではクラシックだの歌謡曲だのが、この山小屋に集まる客やスタッフたちの好みで流れています。僕らは、うま味たっぷりのエビカレーを食べています。美味い。
蓼科山の見所の一つだそうで、なかなか見られないものだそうですが、蓼科山の影がエアロゾルに投影される現象です。何とか富士といったけど、名前を忘れてしまいました。
秋空の よどめる霧の わが影に
流るる人の いのち感ずる
…なんてね。
蓼科山の夕暮れ。まさに落ちる瞬間です。今は御嶽山の向こうに落ちるそうですが、夏至の頃は、槍ヶ岳よりもまだ北の方に落ちると、小屋のスタッフ。
山の端に 落つる太陽 時をしらしむ
日の無き風の さむけとともに
…。
ガレ場の山頂はおおむね平坦です。見かけより広く、ただでさえ少ない人たちが思い思いの場所で山を見上げ、見下ろします。遠くに立っている人が、見えますか。
夕日を呑み込んだ御嶽山。呑み込みきれない赤い光を漏らしながら、威厳をもって佇んでいます。今日の日はさようなら。
蓼科山から軽井沢町の市街地の夜景です。茅野市よりも、軽井沢町の方がよく見えます。そして、見上げた空には、東京にはない星が、無数。19時半頃、北東に見たことのない星団があり、何だろうと思うも、解らずじまい。「星座板みたいなのがあればいいね。」とMさん。
冬の空の撮影は、寒さとの同居。とにかく、寒い。
蓼科山。八ヶ岳の付属品なんかではありませんでした。独立峰で急登。水もない岩と氷の山頂。季節を変えて来いと言っています。
天気:快晴、関東平野~甲府市ではくもり(長野県茅野市・北佐久郡立科町)