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3Tops(蓼科山・双子山・横岳:長野県)

2007年 11月 4日

※記録11月5日




 1時44分を最初に、3時18分、4時30分、4時54分と、こまめに目が覚めた朝、蓼科山の空は昨日の快晴とは変わって、燃え始める赤を呑み込む雲に覆われ始めていました。標高2000mくらいを越えるところから、中層雲~上層雲以下の雲は振り落とされ、晩秋の高見にある空は太陽の赤を吸収して、1分とて同じ表情はありません。
 日の出る前に食べた昨日の残りのカレーは、油分を含まないにもかかわらず、食べ過ぎで胃もたれしていましたが、それさえも脇に置いてずっと眺めていた朝日。しばし堪能。


 朝にも見える蓼科の影。影を追いかけたら北アルプスまで登れそう。


 トイレの窓から見える八ヶ岳。すべてのグレードが高い、厳しい気候の山。トイレの水は凍り付いて流せないため、トイレ室内のストーブでやや温まった水をひしゃくで掬って流す。


 軽井沢町の夜景が見えると昨日の夜は言いました。軽井沢町市街が見えるということは、浅間山も見えます。そして、僕は行ったことがないのですが、四阿山(あずまやさん)も西の方に見えると思います。
 そして、昨日の夜は輝いていた軽井沢町市街地も、雲に呑み込まれて、その輝きを見ることはできません。



 ちょっと遅い出発、7時20分。山頂から大河原峠に下りるルートは岩がごろごろする急斜面。登ってくる人たちと挨拶を交わしながら、下りていきます。
 大河原峠から双子山に上がるコース中は、蓼科山ではあまり多くなかった降霜。水の結晶が水晶になりました。


 双子山山頂は25分くらいで登頂。開けた山頂は、蓼科山と違った笹の草原。雲も少なく、仲間を失った山頂の墓標が佇みます。


 さっきは見下ろしていた双子山から蓼科山。遠くに小さく見える、小屋じまいを始めている山頂ヒュッテ。


 双子山から15分くらい下って双子池。雄池と雌池。火山でせき止められた水の流れが作ったのでしょうか。このような小さな池が散在する蓼科山・北八ヶ岳付近。


 双子池から大岳の分岐に上がります。楕円形の双子山が抱える落葉松林は、殆ど葉を落としていますが、わずかに残った黄土色の葉を纏って天を突きます。
 雲が多くなってきました。


 双子池からの直登はとても険しいのですが、さっきの落葉松林を始め、景色は抜群です。
 ここは天狗平です。裾野の広い北八ヶ岳・横岳の包容力を感じます。


 どうやら、ヒカリゴケのようです。光を当てないと光って見えないようなので、本当にヒカリゴケなのかは解らないけども。Mさんと二人で3回ほど見つけました。


 傾斜角45度越えているでしょうか。急登の大岳コース。木の梯子は高い湿度で朽ちかけています。


 御嶽山でも見た、虹色の雲。絹層雲にできる「太陽の暈」と同じ現象だと思いますが、絹雲や絹積雲のような幾何的な雲にできる虹はそれと同等に扱うことはできません。


 横岳ちょっと前で、具合が悪くなりながらも、進みました。下り坂の天気を予兆する絹積雲。「下る」という言葉は似合わない幾何雲。


 北横岳山頂。13時の山頂は穏やかな風。それでも2480mの天上界は寒い。南から鋭角に差し込む太陽。背丈よりも長い影を落とす道案内。


 坪庭と呼ばれる、溶岩台地。樹林の中に突き出る岩か、岩の隙間を突き破って出てくる樹林か、2つの属性がぶつかり合い、共存し合う岩の道。コンクリートで固められた道が不協和音を奏でています。


 今日の終点、ピラタス蓼科ロープウェイ。時間的な余裕と、体力と、出っ張った木の枝にぶつけた左足と、総合判断して下山。900円という値段は大きいのですが、ユーモアのあるガイドさんを見ていると、その価値もあらんとぞ思う。


 このあと、バスに乗って茅野駅まで。1200円。行きのバスとは違うバスでした。しかし、慌てて乗ったバスの行き着く先は、山時間で食べる夜御飯を許さない閉店ラッシュ。駅ソバは直前の客でざるそばが打ちきられ、昨日と似たようなメニュー。薄味のそばつゆで、ことごとく突き返された蕎麦屋から受けたショックを癒やします。
 16時40分に出発した僕は、5回の乗り換えを経て、20時36分に所沢駅。Mさんは21時を過ぎていたのでしょうか。
 とりあえず、取手であればこれが22時くらいにはなっていたはず。1時間半の差は大きい。疲れを残さない帰り道です。

天気:晴れ時々くもり、所沢市ではくもり(長野県茅野市・南佐久郡佐久町・小海町)

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