春の息吹、厚木の毒息吹(大山:神奈川県)
秦野駅まで、小田急線の中ではグースカ。秦野駅を出て、うかつに手を出した自動販売機のドリンクがJTフーズのやつで悔しく思っているところに、目の前でオッサンが火のついたタバコの吸い殻をペットボトル回収ボックスに入れるところを目撃してしまいました。当然注意しましたが、僕は仙人でも何でもないので、攻撃的でした。オッサンは正当化して逃げました。やれやれ…。
神奈川中央バスの車両では、お菓子を扱っているようです。その意外さに驚いたところから、ふうたろう旅日記99日目が始まります。
バスは、「積雪のため」、ヤビツ峠まで行かないということだそうです。つまり、予定していた登山口まで行ってくれないということ。だいぶ下の、蓑毛というバス停で降ろされました。
さて、四の五の言ってもしょうがないので、登りますか。今は冬だから、そんなに蛭に噛まれることもないだろうし、安心して登れます。
僕は、常緑針葉樹林は苦手です。写真写りは悪いし、暗いし、展望ないし。これがしばらく続くのです。
たぶん、針葉樹は植林だろうから関係ないのだろうけど、登っていくと、樹相が変わってきました。落葉広葉樹林へと。多少木漏れ日とクモの巣の張ったような展望があるので、元気にもなります。
樹林が切れるところはところどころあります。でも、展望があるところは山頂直下くらいまで行かないとありません。ヤビツ峠…。
この丹沢山周辺も、今年の大雪のあおりを食らったようです。ついに出てきましたね。雪道です。
大山って、女人禁制だったんですね。
男だ女だ、うるせぇなぁ。
全面が雪に覆われました。アイゼンを装着。容赦なく氷を踏みつけるのは、意外と気持ちよかったりします。さもなければ、滑って大変痛い思いをするだけなのですが。
でも、けっこう、アイゼンを持ってきていなかったり、付けていなかったりする人が多かったですね。滑落したらどうすんの?せめて、二本爪のアイゼンくらい着けましょうや。
大山の山頂にある、阿夫利神社。シャッターが降りているけど、あれって…?
いや、神社がシャッターなんて、ありえないよな。いよいよ、頂上ですよ!
う~ん…、ちょっとガスが濃いけど、相模湾も見えているし、なかなかじゃないですかな?
頂上の碑はここじゃないんですが、こちらの方が格調は高いです。向こうに、何気に江ノ島が見えていたりします(写真では映っていないけど)。
例に漏れず、インスタントラーメン。風があるので、この風よけも大活躍です。
山頂の休憩所は黒山の人だかり。確か、ここ、どこかからケーブルカーが繋がっていたな。
実は、頂上よりも展望の良い場所がありました。頂上の碑があるところの北側に、西と東の展望がよい場所。ここから見えているのは、厚木市かな?
丹沢山塊の玄関口、塔ノ岳と、向こうには真っ白の富士山。山頂に来てこれが見られないと、かなり悲しいかも。
厚木市・秦野市・伊勢原市の市街地を見渡せる休憩所があります。展望抜群だろうけど、昼飯を食べるには、ちょっと寒いかもね。
この山並みの向こうをまっすぐ進めば所沢かな。グライダー飛行したい。
アイゼンの装着を促す看板が、この道の数メートル手前にありました。アイゼンが網に引っかかって、雪道よりも歩きにくくなっています。
本当は、今日の主役はこのアセビのつぼみなんです。題名が、「春の息吹」ですから。でも、すっかり毒気に当てられて、息吹もぶっ飛んじまったい!
運命の分かれ道。この辺をよく歩いているらしいおっちゃんは、僕を不動尻の方に行くように勧めてくれましたので、信じて行きます。
こちらは山の斜面の北側に当たります。雪は南斜面の倍以上あるでしょうか。踏み痕はあるけど、下山するまで一人も人と会いませんでした。
雪原みたいなところの向こうに、厚木市街。気分がよい。確かに、このルートはGood Choiceでした。
しばらくこの道、縦走っぽくなりますので、鞍部を何度か通過します。この893mは、地図上にルートはないものの、「初心者禁止」のルートが枝分かれしています。また、893というのが、かたぎでない感じがします。
昭文社の地図のいいかげんさを感じるところです。このあずまやは鞍部にあって、地図はここから分岐する形で書いてあります。でも、実際は、作業道で通行できません。地図(地形やルート確認)は、やっぱり国土地理院の25000分の1のものを使うに限ります。
真正面にはバリエーションルートがあります。でも、木に「入るな」の印が。雪がなければ多少は行きやすいところかもしれない。
雪の深い、急な針葉樹林の坂。…けっこう疲れます。でも、雪がないよりはあった方がまだ楽しいかも。
あるところを境に、急に雪がなくなりました。アイゼンを脱いで、歩き始めました。
アイゼンを脱いで程なくして、不動尻と名前がついているっぽい場所に着きましたが、ここから舗装された林道。そして、よりによって、断続的に路面が凍っています。アイゼンなんか、刃を傷めるから履けない。一度、思いっきり転びました。
氷の中に、落ち葉が閉じこめられています。思わず歯笛でもみじの歌を。
トンネル。500mくらいあるかな。後ろから人が追ってきますよ!あの人たちは、不動尻で出会った人たちです。あの分岐以降、初めてあった人たちです。
里に下りてくれば、家も出てくるものですが、ここは廃墟。主はどこに行ってしまったんだろう。
どうも、観光事業っぽいです。農業を観光化するってか。なんか、本末転倒に思えて仕方ないのですが、どうなんですかね。
そのすぐ側では道路工事。どうも、斜面の崩壊を防ぐために工事をしているそうなのですが、なかなか大がかりだこと。この先、とりあえず人が住んでいそうな場所はなかったようにも思えたけど…?登山客のためにしては、舗装されすぎていて、けっこう僕は辛かったんですけど…?
登山者のマナーは、確かに大事。僕が今日これほど機嫌が悪いのも、元はといえば秦野駅のオッサンのせい。でも、これだけ自然が改変されていたら、この看板もまさに朽ち果てるのみですよね?
今年初めてスイセンを見ました。去年は富山(とみさん:千葉県)で、紅葉とセットでたくさん見ましたけど…。
田舎の風景です。緑にも微妙な違いがあって、なかなかきれいだと思いました。あまり季節感はないけど、悪くない。
…バスの時刻表を、広沢寺(こうたくじ)温泉で見て愕然としました。次のバス、18時台。今、15時過ぎ。…??
結局、このバスの時刻表のところまで歩きました。七沢病院入口…だっけ。それから、厚木バスセンターってどこ?小田急線の駅に連れてってくれないの?
今日は、ずっとイライラしないようにしようと思っていたのに、ダメでした。始めと終わりでだいぶ辛い思いをしました。今日は、マイナスをプラスに換えられませんでした。無念。頂上から不動尻まではけっこう楽しかったんですよ?本当は。
天気:晴れ(神奈川県秦野市・厚木市・伊勢原市)