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便所参り(雌阿寒岳・阿寒富士:釧路支庁・十勝支庁)

2008年 5月 2日

※記録:5月6日

 今朝は、昨日ほど雲は少なくなく、朝日も見られませんでした。でも、概ね晴れていて、雲は東に流れ去っているようなので、絶好の登山日和です。
 さぁ、阿寒ハイヤーの社長さんとおしゃべりしながら、雌阿寒岳登山口、オンネトーコース入口まで送ってもらいました。金額にして6000円。


 実は、登山する前に国設野営場にテントを張って飯を作って食べてから出発しました。何と、その時に、水がないことが解りました。キャンプ場の水道使用不可
 ふうたろう大ピンチ!
 とりあえず、桐で汲んできていた水道水を使用。登る時間がなくなるので、この後のことは下ってきてから考えることにする。
 さぁ、登るよ!


 立ち入り禁止のテープがちぎれています。紛らわしいですが、上手くルートを探りましょう。


 1合目まで15分くらいです。楽なものです!


 ちょっと深い森なので暗めですが、それゆえに木漏れ日がよけいに明るく感じます。


 2合目まで10分ほど(1合目から)。全然平気。


 アカエゾマツの芽です。動的平衡のサイクル。


 ちょっと、3合目くらいから登りにくくなってきます。木の根とか、アイスバーンとか。


 5合目まで来ると、かなり明るくなってきました。そして、5合目を過ぎて10分以内に視界が開けてきます。5合目まで1時間。荷物の重さは5kg以内です。


 すぐに見えてくるこの阿寒富士。上り坂に対して、右側に阿寒富士。


 後ろを振り返れば劇的に景色が変わっていることが解ります。ハイマツ林と遠くに広がるアカエゾマツ林。


 北西方向を見ると、オンネトーが空よりも青く輝いて見えます。


 7合目。ここからが実は迷うポイントです。だいたいの方向は解りますが、登山道は非常に見えづらい。


 阿寒富士の急坂は40度くらいあります。きつい。


 坂がきついだけならいいのですが、ピッケルが刺さるほどの砂地。殆ど雪道と変わらない、歩きづらさ。


 阿寒富士に何とか登り切った(けっこう楽しく登ったんですが)ら、白湯山や剣ヶ峰、そしてうっすら雄阿寒岳です。


 阿寒富士の頂上に当たるところは、泥っぽいのですが、一部岩場もあります。切り立っていて、脆いので、ちょっとビクビクものですが、下を覗いておきます。


 フレベツ岳でしょうね。登ったらきれいそうなのですが、登山道は地図上にはない。


 もちろん、雌阿寒岳の火口だってぽっかり見えています。あれを近くで見たら、どれだけ迫力あるでしょう!


 阿寒富士を下りるのはあっという間(10分程度)です。雌阿寒岳にさっさと登り始めてしまいましょう。
 しばらくしたら、硫黄の結晶が砕け散っているのを見つけました。起原はどこだ?


 土の色が、阿寒富士とは全然違うことに気がつきます。理屈は全然解りませんが。


 噴火口1です。"1"と書いたのは、火口が二つあるから。
 噴火口を間近で見るのは確かに迫力があるのですが、それ以上に、ここは暴風で、砂粒がバチバチ飛んできます。ちょうどこの噴火口の方向から吹いてくるので、たまらない。


 噴火口を縁取っているかのように、表層の岩石がせり出しています。ずっとこのまま頂上まで続きます。


 この濁った青い水たまりが、「青沼」というところです。左の白い水たまりには、地図上には名前がありません。


 あまりにも風が強くて、岩陰に隠れたら、何と!虫たちも同じことを考えていました。僕が30cmくらいまで近づいているのに、ハエもテントウムシも微動だにしない。それくらいこの風はヤヴァイということですな。


 こちらにも阿寒湖畔スキー場から続く雌阿寒岳登山のルートがあります。でも、一昨日阿寒ハイヤーの社長と話をしていた時、このルートの取り付きは殆どが熊の巣だといわれました。
 しかし、次来た時はこちらのルートを使うでしょう。季節を変えて来ると良いでしょうね。


 青沼と白い沼と、それから阿寒富士が一直線上に見える場所は、頂上の手前100mくらいです。どの方向から見ても、この青沼は青い。金属イオンの色か、水の色か。


 十分これまでの景色がきれいだったし、風も強くてそれどころじゃなかったというのもあったので、頂上は満足感だけで通過しました。一応、記念写真は撮ったけどね。
 これで#36、雌阿寒岳制覇。


 頂上から野中温泉まで下りるルートです。
 このルート、稜線上は風が強く、とても危険です。
 僕の食べたお菓子の袋が、あっという間にどこかに吹っ飛ばされてしまいました。ごめん!


 これ、実は"赤沼"という名前が付いています。でも、さっきの青沼の側にあった白い水たまりと同じ色ですね。赤かったら本気できれいだったろうに。


 ザレた急坂。向こうには緑の奈落の底。


 見えているのは、フップシ岳(「風不死岳」という漢字があるらしい)。


 遙か向こうに、緑地に青のオンネトーが見えています。その向こうの春霞に消えてなくなりそうです。


 ハイマツ林とその向こうのアカエゾマツ林。このルートは、下りにすると凄くきれいです。このルート、正解でしたね。


 景色をずっと見下ろしながら下りられます。アカエゾマツ絨毯にオンネトーのシミ。


 ハイマツ林です。もう、そろそろ展望の利くところは終わりです。


 森の中に入っても、明るい。新しいアカエゾマツが次々育ってきています。


 野中温泉のところまで下りてきました。9割方今日の行程は終了です。
 それにしても、この水道の黒さ、硫黄でやられていますね。
 …って!そうじゃなくて、キャンプ場で水が使えなかったんだから、水を汲んでいかないと!!
 えっと、水筒は…?
 2.5リットル入る水筒は、5km離れたテントの中。もちろん、忌々しいくらいこの水道からは水が出てきます。そして、念のため、キャンプ場のトイレも使えません。


 野中温泉から国設野営場(キャンプ場)まで戻るコースの取り付きですが、最初はこうして木道になっていて、多少歩きやすいです。でも…。
 また明日付で書きます。


 とりあえず、14時半頃、キャンプ場に戻ってきました。もちろん、水もトイレもないのです。
 え?オンネトーの水を使えって?
 不気味に青い水なんか、使う気になるか。水は元々青いけど、あれが仮に重金属汚染されていたら、イチゴ・オレどころじゃ済まないぜ。
 ヤゴやアメンボウ、ミズスマシ、マツモムシなどが軽快に泳いでいましたが、おとなしく5km水汲みに行きます。


 かくして、往復10kmの水汲みと便所参りです。何気に、今日の登山ルートより、長くない?
 で、その車道の途中にある、錦沼です。こちらは、褐鉄鉱という岩石が沈着しているために茶色くなっている池です。3価の鉄です。


 …水汲みと便所参りが終わって、オンネトーの湖畔を歩いています。さっきの錦沼からオンネトーに向かって水が流れています。あの茶色からあの青色に流れてもオンネトーはずっと青い。なぜでしょう?


 夜は昼間とはうってかわって気温が10℃くらい下がります。キャンプ場なので、火が使えます。火付けなんか、数分で出来ますから、そこら中に暴風で散乱しまくっている枝をかき集めれば、暖をとれます。


 こうして、きれいなものの裏側に、しっかりとネタを作ってしまうふうたろう旅日記は、今日も相変わらずでした。でも、水を10km汲みに行くくらい、大したことがない、というのが、全行程を終わってからの感想かもしれません。
 さて、明日はオンネトー周辺をシバきます。
 …ん?
 !!
 カメラのメモリと電池がピンチです。あと、移動日合わせて3日残っているんですけど。メモリの数、160枚分。電池、最後の1個が消耗しかかっています。
 ふうたろう超大ピンチ!!

天気:晴れ(北海道十勝支庁足寄郡足寄町・釧路支庁阿寒郡阿寒町・白糠郡白糠町)

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