生きている実感(一切経山リタイア:福島県)
2013年3月11日
夜通し寒さと空腹と渇きに耐えながら、頭の中はほとんど空っぽでした。とりあえず朝まで耐えることしか頭になかったのです。
でも、このまま耐えずに絶えたらどうだろう、毎日胃腸の具合が悪くて、山にいるとき以外に生きがいを感じている気もしなくて、人間づきあいが上手なわけでもない、そんな人生なら…。
実は、そんな思いが頭の中をよぎらなかったわけでもない。だから、きっとあのまま眠っていたら、そのまま体温が下がって…
でも、できませんでした。やはり心の片隅に浮かんでくる人々がいました。それが、信じている人々を意味するのか、信じ「たい」人々を意味するのか、今も曖昧ですが。驚くべきことに、朝まで耐えてしまいました。
空が明るくなってきたら、荷物を取りに行こうと思ったけど、風はまったく収まっていなかったので、そのまま下山です。高湯温泉まで歩けば、何とかなる。
ふうたろうは、ひとまず東小富士のある方角へ歩いて行きます。